moroccoBouygues

アフリカ成長企業ファイルは2008年度~2009年度に実施した調査事業の成果です。

会社概要と沿革

Bouyguesグループは、1952年にFrancis Bouyguesが創設し、1989年より会長兼CEOのMartin Bouyguesが経営にあたっている。当初はパリ地域の建築分野に力を入れていたが、地方の関連会社を通しフランス中の土地開発、産業用プロキャスト事業を行い、急速に拡大した。1970年代、Bouyguesは初めてパリ証券市場に公開され、参土木工事市場へ参入(パルク・デ・プランス・スタジアム)、Bouygues Offhsare(海運業、ガス、石油請負)、Maison Bouygues(カタログホーム)を設立。

1986年、フランスで主要な道路工事業者(Colas、Screg、Sacer)の買収をおこない、Bouyguesは建設分野での世界的リーダーとなった。1987年、Bouyguesは新しく民間化されたテレビ局界のリーダーであるTF1の運営も開始。

1990年代を通し、当グループは国際市場での建設業と、テレビ業界、新しく始めたBouygues Telecomで成長を遂げた。フランスでの不動産業界、建設業界の不況を背に、グループは国際的な建設活動(カサブランカのハッサン2世モスク、シドニーの空港シティ・レール、香港のコンベンション・センターなど)の展開で成功し、フランス国内の主要プロジェクト(チャネル・トンネル、フランス国立図書館、ノルマンディー橋、スタッド・ド・フランスなど)も手掛けた。

2000年代前半は、建設業とテレコム・メディアの2分野に力を入れた。Bouygues Offshoreは2002年5月Saipemへ、Saurは2004年11月にPAIパートナーズへ売却された。Bouyguesグループは2000年7月、Colas(現在96.8%所有)の公開取引を開始し、2007年9月にはBouygues Telecomの資金を89.5%に増加(1996年は34%)。

Bouyguesグループは、1970年代にサブサハラ・アフリカ(コートジボワール、ベナン、ブルキナファソ)へ進出し、1980年代には北アフリカでの事業に力を入れ始め、カサブランカのハッサン2世モスク、アガディール空港、カサブランカ湾の衛生計画など、モロッコにおける重要な建設権を得た。2007年半ば、Bouygues建設は、タンジェのコンテナ港建設を委託され、現在、フェリーポートを建設中。

国内の所在地

Boulevard De La Corniche, Phare D'el Hank, Morocco
Telephone: +22397980

製品・サービス

Bouyguesの事業概要は2つの部門に分類される。Bouygues建設(建設事業、公共事業、電気工事)、Bouygues不動産(土地開発)、Colas(道路工事)による建設業。TF1、Bouygues Telecomによるテレコム・メディア。

従業員数

世界全体53,700名、モロッコ国内2,056名

財務情報

2008年の総売上327億ユーロ、うち104億ユーロはフランス国外での売上。2008年12月31日現在の資本は104億ユーロ。

市場シェア

事業目的

「ビル、インフラの建設、設計、運営、管理、融資における革新的なソリューションを創り出す」

ビジネスモデル

80ヵ国以上で事業を展開し、大企業の強みと、7つの補助的事業体から編成されるネットワークによる柔軟性がある。革新、研究、開発を戦略ベースの方針としている。Bouyguesにおける革新の社風は、グループ全体の事業で高い付加価値ある製品とサービスの創造を目指している。革新的なアプローチにより、新製品と新材料の開発に焦点を当て、顧客の需要に対して総合的な対応ができる製品、サービスにつなげている。

革新的な創造力と各事業の特徴と深く結びつけ、事業ソリューションの発見にも力を入れている。当グループの研究、開発、革新チームのほとんどは、関連会社内に組織されている。

Bouyguesグループの革新的アプローチにおける重要な特徴として、できるだけ多くのスタッフを革新的な創造力の探究するために起用することと、グループ内外での人事異動を促進することが挙げられる。

Bouygues建設は、公的・民間パートナーシップ(PPP)を特に重要視している。PPPにより公的機関(国家、地方政治機関)は民間部門のパートナーに対して、利益または代価と引き換えにプロジェクトに対する融資、設計、デザイン、建設、経営、管理を要求することができる。これによりパートナーは長期的に報酬を受ける。顧客にとっての利点は、1つの組織と交渉するだけでよいこと、全体的なコストを把握できること、建設時間を短縮できること、契約により最高品質のサービスが保証されることである。Bouygues建設は、各部門の専門知識を持つプロジェクトチームと金融工学の専門家を抱え、このような契約においてはトップレベルである。

株主・所有権益

Bymaro(モロッコ・カサブランカ)(99.96%)、Colas du Maroc(モロッコ・カサブランカ)とその関連会社 (96.77%)

政府との関係・社会貢献

建設許可を取得するには、19の仲介業者を経て、163日を要する。コストは、1人当たりの所得に対して263.7%である。常に建設会社には、査察、ライセンス、安全規定の順守など政府からの圧力と、即時払い、コスト効果など顧客からの圧力がかけられている。

Bouyguesは、TangerMed港の第一部建設権を与えられた。2億2500万ユーロの契約は、主要な海外グループを魅了したが、6社の国際的な合弁企業の中からBouyguesが選ばれた。Bouyguesが選ばれたことについては、Tanger Atlantique港建設の際にも同じグループが拒否されたことがあり、政治的影響があったと言われている。Tanger Atlantique港の件については、政府がプロジェクト建設地を地中海岸に変更することを決めるまで大西洋海岸に建設が行われており、結果的にフランスのグループとの契約が中止されたことによる。

製品開発

2009年、Bouygues 建設の関連会社、Bouygues Travaux PublicsとBymaroは、タンジェに第2の深海複合港を設計、建設する契約を得た。8億2500万ユーロ(うち3億3500万ユーロはBouygues 建設)の事業をSaipem、Besix、Somagecの合弁企業が行う。計画は2010年前半にスタートする予定で、およそ4年半の間、ピーク時には1500人の現場作業員を動員して行われる。

Tanger-Med港は地中海最大の港に拡大され、地中海・大西洋を結ぶジブラルタル海峡を通過し、更に大きなコンテナ船が入港するようになる。