madagascarKraomita Malagasy (Kraoma Sa)

アフリカ成長企業ファイルは2008年度~2009年度に実施した調査事業の成果です。

会社概要と沿革

KRAOMA社は、3.231.560.000 アリアリ(Ariary)の授権資本をもつ国営会社である。同社は、年間およそ10~14万トンのクロムを輸出している。マダガスカル最初の亜クロム酸塩レンズは、Andriamena地方Androfia村近くで1948年に発見されたが、採掘活動が始まったのは1968年であった。1966年、UGINE Company、PECHINEY、COFIMEN、MOKTA、the Societe Francaise de Fonderies et Aciers Electriques (SFAC)、およびマダガスカル政府(総資本の20%)によって、亜クロム酸塩を採掘するためにCOMINA (Compangnie Miniere d’Andriamena)が設立された。

1975年にCOMINAは国営化され、KRAOMITA MALAGASYと改名された。

岩石および濃縮物は、およそ480km(BrievilleからMoraranoの舗装道90kmと鉄道390km)の距離を運ばれて、Toamasina港で船積みされる。

KRAOMAは、1972年に一度閉山され2005 年に再開されたBemanevika鉱山も所有している。この鉱山は2,280,000トンの確定埋蔵量がある。2008年のクロム鉱石生産量は、Bemanevikaだけでも145,000トンあった。Anengitra鉱山は160,000トンの確定埋蔵量を持ち、Befandriana鉱区全体では、おそらく465,000トンの埋蔵量がある。

Ankazotaolana鉱山は枯渇したため、2008年に閉山となった。

国内の所在地

Rue ANDRIANAIVORAVELONA ZANANY, Antananarivo, Madagascar; tel.: + (261) 20 22 243 04 or + (261) 20 22 334 31; fax: + (261) 20 22 246 54

製品・サービス

同社の主要な活動はクロム鉱石の採掘と処理、輸出である。

従業員数

380人。

財務情報

2006年に132,330トンを採掘し、116,290トンが輸出された。主な輸出先は中国、日本、スウェーデンで、280億アリアリの総売上を収めた。2008年には112,613トンを輸出し、32,579,718米ドルを稼得した。

市場シェア

KRAOMAはクロム鉄鉱の唯一最大の生産者であり、産出の100%を輸出している。ほぼ40年間にわたってKRAOMAはマダガスカルにおける最大生産者だったが、リオティントとマダガスカル政府の合弁会社QMMが、2009年10月にその座を奪うであろう。KRAOMAは、マダガスカルのクロム販売を独占している。

事業目的

「改善されたテクノロジーで生産を増やす」

ビジネスモデル

2007年に政府はMadagascar Action Plan(MAP)を採用、KRAOMAの戦略はこのMAPがベースになっている。5ヵ年計画であるMAPは広範な分野にわたった包括的プログラムで、経済開発促進のためのロードマップである。ラバルマナナ(Marc Ravalomanana)前大統領の発案になるMAPは、8つのコミットメントからなる。つまり、責任ある政治、インフラ建設、教育変革、農村開発と緑の革命、健康・家族・HIV/エイズとの戦い、経済成長、環境保護、そして国家団結である。

鉱業はMAPの成長政策の重点のひとつである。MAPは総合的な開発プログラムをめざしており、鉱業は、インフラ整備や環境保全といった他の目標にとって基幹的な重要性をもつ。

KRAOMAは、30年以上の歴史をもつ、マダガスカル唯一の国営鉱山会社で、経済発展のためのエンジン役を担っている。KRAOMAは、学校、診療所、教会、飲料水を提供してきた。KRAOMAのMejamirado Razafimihary社長は、「我々にはエンジンとしての役割、市民としての役割、教育者としての役割がある。KRAOMAは、規模は小さいが、海外の企業の見本になるよう努力している。マダガスカルとともにビジネスを行い、長期にわたって前向きの影響を社会に及ぼすことである。」

株主・所有権益

KRAOMAはマダガスカル政府の100%所有である。

政府との関係・社会貢献

Mining Codeによって、国家が所有する表土や地下から発見される有用鉱物の探鉱、探査、事業化、取得、保管、輸送、加工、販売が規制されている。液状やガス状の炭化水素や地下水は別個の規制下にある。保護区、一時に指定された地域、採掘許可証や「排他的権益認可(AERP)」が発出されている地域以外であれば、マダガスカルでの探鉱は自由である。AERPは、3ヵ月間の更新不能許可証で、探鉱の専有権と、探査・採掘許可を排他的に申請できる権利を供与するものである。

採掘許可には3種類ある。

  • R許可証: 調査と探査用。5年有効で、3年ごとに2回更新できる。
  • E許可証: 採掘用。40年有効で、20年の更新が可能。
  • PRE許可証: 小規模オペレーターによる調査、探査、採鉱用。8年有効で、4年ごとに1回以上の更新が可能。

2001年に、大規模鉱業投資を奨励するための特別な枠組みが設けられた。しかし成果がえられなかったため、2005年に改定され2000億アリアリから500億アリアリに参加資格閾値が引き下げられた。

この特別条項によって、採掘権の全期間にわたり税および関税のインセンティブが与えられる。それには、事業主とその下請け業者の利益に対し25%税率(標準税率は35%)の適用、加工業者とその下請け業者については10%税率の適用、産出全量が輸出される場合には機械。器材輸入に対してVAT免除。

投資家は自由に外貨交換ができ、経常事業のための送金も自由で、許可を受けた場合には資本送金も自由である。

E許可証での鉱業プロジェクトは、環境省監督下で環境への影響に関する条件を課せられる。

鉱業製品の所持と輸送には登録証と特別なパスが必要となり、輸出が輸出申告に従っているかどうかを当局によってチェックされる。鉱業当局発行の適合証明書は、宝石、金属、半貴石の輸出にも求められる。

マダガスカルはExtractive Industries Transparency Initiative(EITI)の要請を順守する意向である。大手鉱山会社はすべて、2007年からEITIに加盟している。

製品開発

Mocoh Resources社は、KraomaによるマダガスカルAndriamenaクロム鉱石探査プロジェクトに資金を提供して運営するためのパートナーを探している。Mocoh Resourcesは、2007年12月に閉山したAnkazo露天掘り鉱区の付加埋蔵の特定して操業を再開したいと考えており、生産再開のために既存インフラ(処置工場、輸送施設、道路・鉄道、居住区)を整備するつもりである。

Mocoh Resourcesはスイスに本社をもつ石油販売・物流・貿易・探査会社で、ヨーロッパ、中東、アフリカ、旧ソ連地域、インド洋諸島で事業を展開している。資源探査にも取り組んでおり、現在マダガスカルでのエネルギー国内供給のためにガス発電(Gas-to-Power)プロジェクトを進めている。Mocoh Resourcesはマダガスカルで20年以上の実績をもっている。