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データ・リソース

egyptEgyptian National Railways (ENR) エジプト国有鉄道 (ENR)

会社概要と沿革

アレキサンドリアとKafer Eassaを結ぶ鉄道は、1854年に一部が開通した。また2年後に全線が完成し、アフリカと中近東における最初の鉄道となった。Imbaba橋が1891年に構築され列車がカイロの近くのナイル川を横断することになり、エジプトの上下を接続する重要なステップとなった。現代のImbaba橋は1924年に完成し、カイロにおいてナイル川を横断するただ一つの鉄道となっている。2001年に再建されたEl Ferdan鉄橋は世界で最大の旋回橋で、スエズ運河を横断する。

パレスチナ鉄道はEl Kantara (East)とパレスチナ、レバノンを結びつけた。それは第1次と第2次世界大戦の間に2段階で建設され、1916年にオスマン帝国に対する戦線の一部として、パレスチナとの境界であるRafahまで延長された。1940年にトルコ鉄道と連結するため地中海沿い拡張され、エジプトの供給生命線となった。

エジプトの鉄道網は約6,700 kmである。

国内の所在地

Egyptian National Railways (ENR), Ramsis Square, Cairo, Egypt;
Phone number: 5753555

製品・サービス

旅客輸送は、2007年度でENRの輸送収益の67%を占め、鉄道輸送の主たる業務である。

都市間旅客便:
長距輸を結ぶサービスの行き届いた鉄道が、カイロ=アレキサンドリア間(1日18便、一部はMarsa-Matrouhへ接続)、カイロ=ルクソール、カイロ=アスワン間(12便)を結んでいる。都市間のサービスでは1等と2等があり、いずれも空調付きで、アスワンへのルートには寝台車がある。

急行便:
長距離を結ぶ便で、空調なし、低速運転のサービスである。都市間旅客便も運行する大・中都市間を結び、カイロからDamietta、カイロからPort Said、カイロからアレキサンドリア、アレキサンドリアからDamietta、アレキサンドリアからPort Saidなどのナイルデルタ内のサービスを提供する。

ローカル便:
短距離を低いサービス水準で提供しているが、収入の低い農村住民に都市や市場へのアクセスを提供するという、重要な社会的側面を有している。10ルートあり、ナイルデルタ地区に9ルート、Upper Egyptに1ルートである。

郊外便:
カイロとアレキサンドリア地区でENRが運行している。

特殊便:
ENRは軍(業務の約90パーセント)、警察、幾つかの工場に対する特別便の旅客輸送を運行している。運行規模は小さく、ENRの全旅客キロメートルおよび全旅客収益の4%。

貨物輸送サービス:
鉄道貨物輸送はENRの総輸送量の6%であり、現行料率は極めて低い。貨物輸送は2007年度の収益の約18%にあたる。ENRは、鉄鉱石、リン酸エステル及び粘土などの鉱物資源や、製鋼業用石炭及びコークス、石油精製品、輸入小麦、コンテナ貨物を、東の紅海から北の地中海へと「ランドブリッジ」を横断して輸送している。

カイロ地下鉄:
カイロ地下鉄はアフリカ及び中近東で最初に導入された地下鉄である。現在2路線で運行し、LINE-1(New El-Marg=Helwan間の新路線)とLINE-2(Qalubeya=Mounib間))がある。LINE-1はカイロの地下鉄ネットワークのバックボーンで、市の最も重要な居住・商業地域を走行する。
線路は南部のHelwanからの既存の線路に接続し、北東のMargで既存の線路に接続するように構成されている。線路の全長は、35のステーションを含む44kmである。毎日46列車を超えるサービスで約140万人の乗客を運んでいる。LINE-2はShoubraからEl-Monibまでの全19km、21駅を走行している。線路-2は、Mubarak駅とSadat駅で路線-1との乗換ができる。
また、Shoubra駅、Mubarak駅、Giza駅でエジプト鉄道との乗換ができる。
毎日35を超える列車で約70万人の乗客を運んでいる。

従業員数

86,000人

財務情報

2000-2007年にかけてENRの累積赤字は65億3000万エジプトポンド(EGP)(11.8億USドル)になり、ほぼ総収入72.4億EGPに等しい。同期間の合計営業損失は39億1000万EGPで、同期の金利合計は38億3000万EGPであった。ENRの収益はインフラと車両への必要投資に対応できず、エジプト国立投資銀行(NIB)、エジプト中央銀行及び諸外国銀行による合計120億のEGP投資ローンの返済もできていない。

市場シェア

鉄道セクターはエジプト経済に重要な役割を果たし、低収入のエジプト人にとっては必須の移動手段である。ネットワークの60パーセントがナイル川デルタ地帯及びナイルバレーに沿って集中しており、比較的住民数が少な地域も含めて多くの住民に役立っている。

エジプトの鉄道部門は他に比べて幾つかの特異性がある。まず、運営規模が大きい。 2007年度の総輸送量(乗客と貨物運送)は680億traffic unitであった。それは、アルジェリア、イラン、モロッコ、チュニシア及びトルコの全軌道交通量を凌駕している。次に、ENRは圧倒的に旅客輸送が多く、ENR全輸送量の90パーセントを超えている。対照的に、他地域の旅客軌道輸送量は平均30から42パーセントの間である。

事業目的

より安全でダイナミックな、また柔軟で競争力のある鉄道を構築すること。また、Public Service Obligation (PSO)協定に基づいて貧困層と過疎地域に対する輸送サービスを供給し続けること。

ビジネスモデル

1990年代及び2000年の初めに、鉄道運営は、緊急な安全性の問題、サービス品質の低下及び政府予算に占める大きさ等の問題から、政府にとって重要な関心事となった。

これらの問題に対して、政府は2006-2008年に、世界銀行からの政策勧告及び国際的なコンサルティング会社からの支援を得ながら鉄道部門の戦略を作成した。
政府は、導入に数年かかり、大きな投資(16年間で197億EGP)が必要となる大規模な変革プランの実施を約束した。それには、ENRのネットワークの近代化、輸送能力を増加、ENR負債の資本化を含む財務改善、法規制の枠組みに影響する制度改正の導入、PSOに対する政府による金融補償、戦略的な事業部門(長距離旅客輸送、短距離旅客輸送、貨物便及びインフラ・サービス)に沿ったENR組織構成の再構築、および鉄道サービスにおける民間部門の役割などが含まれた。

提案されたエジプト国有鉄道の再構築プロジェクト(ENRRP)は、ENRによる信号や軌道の更新投資を通じた信頼性、効率性及び安全性の改善、経済及び社会的ニーズに対する鉄道セクターの対応を向上させるための経営と事業実施の近代化、そして、プロジェクト実施体制の財務強化を目的とする。

ENRRPは、乗客のための運行効率及び安全性の改善、収益の増加、経営の近代化に不可欠な投資に特に力点を置き、ENRの変革プランに融資する。提案されたプロジェクトは下記の3つの部分から構成されており、(i) 2億7000万USドルのIBRD融資と(ii) ENR原資に対する$3500万US$の見返り融資など総計3億500万USドルの融資を利用する。

1. 信号の近代化:路線Arab el-Ram1=アレキサンドリア間の信号及び同区間とカイロ=Banha(カイロ=アレキサンドリアと同一路線)区間の列車集中制御システム(CTC)の近代化、及びそれらの投資の監督。

2. 路線の更新:カイロ=アスワン路線(4つの保線区の149km)及びBenha=Port Said路線(2つの保線区の51km)の200kmの優先軌道更新工事とそれら工事の監督。

3. 経営と運営方法の近代化:この部分はENRの資金を利用するが、ENRの運用・資金調達の再構築を反映し、管理と職員業務における変更の導入とその定着に向けられる。

株主・所有権益

ENRは1980年に創設された運輸省管轄の公共事業体で、鉄道のインフラストラクチャーを所有しその業務を提供する。

政府との関係・社会貢献

政府は、2006年12月に運輸大臣によって提案された変革プランを承認し、また大蔵大臣は2006年に50億EGPの予算措置を講じた。

運輸大臣のLotfi Mansourは2009年4月15日の国民議会で、エジプトの鉄道部門は民営化せず、運賃の値上げはしないと発表した。

製品開発

2009年、Vinci Construction Grands Projectsのコンソーシアムは、Egypt’s National Authority for Tunnelsと、2013年10月運行開始のカイロ地下鉄の第3路線のセカンド・フェーズ建設の契約に調印した。同コンソーシアムが請け負っているフェーズ1は60%完成しており、2011年10月に運行開始予定である。フェーズ2の工事契約は、Abbasiya=Al Ahram間の7.2kmのトンネル及び4ケ所の地下駅を含む。Eurovia Travaux Ferroviaires社のVinciにある子会社が路線14kmを提供し設置する。運賃徴収のための設備、統合監督及び通信システムはThales社によって提供される。

Alstom社とSEP Colas社が4駅のE&M機器の設計と供給を行う。AlstomはUrbalis200の列車制御、ポイント及び信号機器を供給する。エアポートからインババまでの33km、29駅を有する第3路線は、2020年までに1日当たり500万人の乗客輸送を計画している。

2009年7月に、US Trade and Development Agencyはエジプト国有鉄道の列車制御(PTC)システムの開発を支援するため、エジプト運輸省に658,323ドルの補助金を提供し与えた。PTC技術とシステムは、運行の安全性の改善、既存路線での追加運行によるネットワークのキャパシティーの増加、運行の最適化を実現すると期待されている。

エジプトのPTC導入は、USTDAが資金援助した運輸省の研究の成果にもとづいていている。研究成果は、全国輸送管理マスター・プランの設計と、安全運行規準の順守を監視する独立機関の創設に関する勧告を含んでいる。