Tractafic
会社概要と沿革
Tractafric
は、モロッコの大手複合企業
ONA
の子会社であるフランスの事業グループ
OPTORG
の商標名である。
Tractafric
は、米
Caterpillar
Tractor
Co.
の中部アフリカ地域販売代理店であったが、1937年に
Societe
du
Haut-Ogooue
(SHO)
に買収された。1894年創業の
SHO
は中部アフリカ全域で事業を展開していた。その
SHO
は1947年に
Optorg
Group
の傘下に入った。Optorg
Group
は1919年に大手繊維グループによって創設され、ロシアと極東に向け卸流通を行っていたが、アフリカに進出するため
SHO
を買収したのである。
SHO
の買収後
OPTORG社は、1955年に
Etablissements
Peyrissac社を買収した。Etablissements
Peyrissac社は1908年から西アフリカで食料、金物、建築資材、自動車、モーターバイクなどを扱っていた。
1993年に、モロッコ最大手の産業・金融グループである
ONA
が
Optorg社を買収した。従業員数は25,000人以上で連結売上高が330億モロッコ・ディルハムの
ONA
は、鉱山、農業食品、小売り、金融、そして成長産業である通信、エネルギー、環境、不動産などの事業に投資している。グループはカサブランカとパリの証券取引所に上場している。
建設重機のキャタピラー社の南部アフリカにおける代理店である
Barloworld
Equipment社は、2007年に
Tractafric
と事業提携した。DRCの銅・コバルト産出地であるカタンガ州における土砂運搬ニーズに応えるため、DRC国内に
Bartrac
Equipment社を創設するためである。このプロジェクトは、カタンガ州の道路や鉄道の建設・修復、オフィスや住宅建設、発電所建設に重機を直接提供する。重機とそのメインテナンス・サービスが利用できるようになることで、鉱業部門の効率性と生産性が向上し、さらには川下部門の成長を促進するであろう。
国内の所在地
Bld
du
30
Juin,
BP
8615,
Kinshasa
1;
Telephone:
+243
88
44615
Facsimile:
+243
12
33608
製品・サービス
Tractafric
はアフリカにおける小売り流通業のスペシャリストで、二つの分野
(重機とディーゼルエンジン、乗用車とトラック)
で事業を行っている。キャタピラー社(土木、鉱山、発電用機材)、Hyster
and
Manitou社
(フォークリフト)、Perkins社
(ディーゼルエンジン)
の代理店である。
Tractafric
Motors社は、DRCでメルセデスベンツ、クライスラー、ジープ、ドッジ、ヒュンダイ、マツダ、BMW
などのトラックや乗用車を販売している。
従業員数
全体で1,273人、DRC国内で130名。
財務情報
Optorg Group によれば、2007年度の総収益は4億1,700万ユーロで、前年比大幅増であった。Tractafric社の2004年度におけるDRC国内売上は2,500万ドルであった。操業を開始したばかりのBartrac合弁会社の2007年度売上は6,600万モロッコ・ディルハムであった。
市場シェア
Tractafric Equipment社はDRC国内でキャタピラー社のフランチャイズを有する。
事業目的
アフリカで世界一流のサービスを提供する。
ビジネスモデル
Tractafric社は、以下を重点項目とする2009年度新規戦略を発表した。
- 専門の研修センターでのサービス要員教育
- アフリカ人幹部の採用と、教育によるサービス品質の向上
- インフラやサービスを鉱山や油田に拡張
- 単独供給契約によって製品・サービスの一括提供を拡充
- アフリカ数ヵ国において2008年に、EUROPCAR社と共同で開始した乗用車・トラックのリースサービス
株主・所有権益
Tractafric社は ONA100% 出資の子会社であり、フランスのグループ企業 Optorg の商標名である。Bartrac Equipmentt社は、Barloworld社との出資比率50:50の合弁企業である。
政府との関係・社会貢献
公共的用途のための投資は、行政課税を除き、資機材やその
CIF
価格の10%を超えないスペアパーツの輸入の手数料、権益料、税金一切が免除される。
認可を受けた企業は、輸入設備
CIF
価格の5%に固定されている関税以外は、その企業に必要な設備のための資機材と、その
CIF
価格の10%を超えないスペアパーツの輸入の手数料、権益料、税金一切が免除される。中古の大型エンジン、船舶、飛行機はすべて非課税となる。
Bartracプロジェクトによって政府の税収は、今後5年間で毎年200万ドル以上増加すると期待されている。主に運輸、燃料、公益事業、住宅に関する財・サービスが調達されることによって、このプロジェクトは経済に貢献するだろう。
製品開発
Barloworld
Equipment社とTractafric
Equipment社は、ルブンバシに設置する合弁会社の事業のため、コルウェジ近隣の主要産銅地域に、パーツ・ストアとワークショップを含むフル・キャパシティの管理センターを建設中である。Bartrac
Equipment社はカタンガ州の
Tenke
Fungurume
新規事業に必要なキャタピラー社の鉱山重機を、すでに
Phelps
Dodge
に発注済みである。また
Wilson
Bayly
Holmes-Ovcon社の建設作業を、設備調達面で支援していく。
2008年、MIGA
(世界銀行グループの多数国間投資保証機関)
はBartrac
Equipment社に対する2,500万ユーロの投資保証を引き受けた。MIGA
の保証は10年間で、戦争、内乱、送金停止、資産没収のリスクをカバーする。