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データ・リソース

Olam Ivoire

設立年

1994年

資本金

2億CFAフラン(FCFA)

売上高

270億FCFA/コメ販売事業部門(2008年)

業種

農産物専門商社

従業員数

35人

会社概要と沿革

OLAM IVOIRE社(以下オラム社)は、世界大手の農産物専門商社OLAM INTERNATIONAL社が100%出資する子会社として1994年に設立された。OLAM INTERNATIONAL社は、シンガポールに本拠を置く農産物サプライチェーン管理会社で、主にカカオやカシューナッツ、コーヒーなどの農産物を扱う。その子会社オラム社はコートジボワールで主に、カカオ、コーヒー、木材、カシューナッツを買付け輸出する一方、タイ、ベトナムからコメを輸入し卸販売している。オラム社の扱う商品のほぼ全てが新興市場の生産物であるが、有機栽培やトレーサビリティの確保により、強制労働や児童労働商品とは関係ない商品のみを扱うことを徹底するなど差別化を図り、競合他社に勝つ戦略をとっている。同社のコメ販売部門の売上高は2008年270億FCFAに上り、販売量は10万4,000トンとなった。販売実績は、ここ10年間で30%増と順調に伸びている。主食であるコメの消費は、人口増加に伴い今後さらに増える見通しで、同社の業績もこれと並行して着実に伸びていくとみられる。

オラム社のコメ販売の市場シェアは同国第2位の15%を占める。コートジボワールでは1996年にコメの輸入が自由化されて以降、多くの業者が参入したが、現在、資金力のある外資系3社が市場の93%を占め、国内の独立した小規模業者のシェアは7%にすぎない。競合他社に先駆け進出したオラム社は、市場シェアの拡大、顧客の取り込みでメリットを享受し、これまでの経験と実績から取引先、消費者の信用を確立するに至った。また都市、農村を問わず、最寄品購入の主要チャンネルである市場、スーパー、小売商店などあらゆる業態の販売拠点を通じ、国内全土にコメを供給する体制を整備しているほか、消費者のニーズに応え選択肢を広げて多様な種類のコメを調達し、顧客サービス向上にも力を入れている。市場の80%を占める業界最大手SDTM-CIの卸売価格が指標となり、価格競争はない。一方、コメの輸入にかかる関税が高く小売価格に転嫁せざるを得ないのが実情で、消費者の負担が大きい。

コートジボワールのコメの消費量は150万トンで、ここ10年間で65%増えている。国民一人当たりの年間のコメ消費量は60kgに達する。地域別にみると、アビジャン70kg、地方都市81kg、東部森林地帯24kg、西部森林地帯75kg、サバンナ地帯65kgと大きく異なるが、全国的にコメが日常欠かせない食料となっている。しかし、コメの消費に生産が追いつかないため輸入に頼らざるを得ないのが実情だ。国内生産量は74万トンで、コメの需要を大きく下回り、76万トンを輸入している。10年前と比べると国内生産量が20%増、輸入量が90%増となり、輸入依存度が高まっている。コメの輸入は金額にして2,000億FCFAに達し、大きな外貨流出源だ。主な輸入先はタイ(シェア63%)、ベトナム(同13%)、パキスタン(同12%)、中国(同4%)となっている。米価は1kg当たり平均、デラックス米571FCFA、大量消費米333FCFA、国産米392FCFAで消費者に販売されている。食品の消費性向は、所得層、部族、地域などによって異なるが、コメはこれらの条件にかかわらず全ての層に好まれ日常的に食されている。コートジボワールで最も需要が多いコメは粉砕米(275FCFA)で、消費量全体の7割を占めている。これは主に、粉砕米の価格が安く、調理するとボリュームが増えるため、低価格志向の低所得層の需要が集中するためである。また、炊き込みごはんなど調理法によっては粉砕米の方がおいしいので、低所得層に限らず中高所得層も食する機会があることも拡大の要因だ。次いで需要が高いのはデラックス米で、中所得層以上の消費が多い。また富裕層では香り米(600FCFA)の需要が高い。国産米は主に西部および南西部の生産地帯で消費されており、都市部での消費は、価格が割高なこともありわずかだ。コメの消費が全般に増える傾向にあるのは、キャッサバやモロコシ、プランテンバナナといった伝統的な食材に比べて、調理が簡単で、量的に割安であることや、都市部の住民を中心としたライフスタイルの変化が要因としてあげられる。コメは祝祭日や冠婚葬祭行事にも欠かせない食材だ。これらの機会には低所得層もデラックス米や香り米など高級品を求める。

深刻な食料危機は世界各国に大きな影響を与え、コートジボワールでも食料価格高騰につながった。米価は昨年30~50%跳ね上がり、庶民の生活を圧迫している。オラム社は、コートジボワールにおけるコメの社会的重要性とともに、輸入依存による高い経済的コストを認識しており、中期的に現地でコメの栽培に着手する計画だ。政府は、コメの輸入依存拡大に危機感を強め、こうした状況を改善するため食糧自給政策の一環としてコメ自給を目指す緊急プログラムを導入した。オラム社は、この稲作奨励策を商機ととらえコメ生産振興を支援していく考えだ。同計画では2009年の初年度に180億FCFAが投入される予定で、2014年までにコメの輸入を50%削減することを目指す。これには今後5年間にわたり毎年最低でも20万トンを増産していく必要があり、国内生産量は現在の70万トンから170万トンに増える。オラム社副社長は、「コメの国内生産で、輸送コストが削減され、備蓄が可能となり、また国際市況に左右されることなく、アジア産の安いコメに対抗できる競争力のある価格で消費者にコメを提供することが可能となる」と期待する。また「グローバル企業としてCSRの視点に立脚した企業市民活動の一環でコートジボワールの食糧自給を支援し、国民のよりよい生活のため貢献する」と、ビジネス一辺倒ではないプロジェクト参入の意義を強調した。一方、コメの国内生産を促進するには、

(1) 土地の取得
(2) 高品質の種もみの調達
(3) 精米所の整備
(4) 集荷、流通面

での環境整備など克服しなければならない課題もあり、政府に対し支援を要請している。