angolaConstrutora Norberto Odebrecht (CNO)

アフリカ成長企業ファイルは2008年度~2009年度に実施した調査事業の成果です。

会社概要と沿革

1944年にブラジルのバイーア州サルヴァドールで設立されたOdebrechtは、多種多様な事業に携わる企業である。65年以上の歴史のうちに世界35カ国で数々のプロジェクトに携わってきた。アメリカ大陸を中心にカリブ海地域、中東・アフリカ、アジア、ヨーロッパにおいて事業を展開している。グループのエンジニアリング事業と建設事業に関わるトップ企業がConstrutora Norberto Odebrecht (CNO)である。

1979 年、Odebrechtはペルーとチリのプロジェクトを皮切りに国際的事業を開始した。

Odebrechtグループがアンゴラでのプレゼンスを確立したのは、1984年にCapanda水力発電所の建設契約に署名してからである。アンゴラでは、エンジニアリングと建設事業の提供に加え、以下の分野への投資も行っている:

  • SDM-Sociedade de Desenvolvimento Mineiro de Angola(Endiama-Empresa Nacional de Diamantes de Angola との提携)とSociedade Mineira de Catoca (Endiama, Alrosa and Daumonty Financeとの提携)におけるダイアモンド事業、
  • Biocom-Companhia de Bioenergia de Angola Ltda. ( Sonangol-Sociedade Nacional de Petróleos de Angolaと Damer Groupとの提携)におけるバイオ燃料事業、
  • 不動産、住宅と商業開発への投資(2008年の売上高は6億600万ドル)。

国内の所在地

Odebrecht Angola - Projectos e Serviços LTDA; OSEL - Odebrecht Serviços no Exterior LTDA; Parque Empresarial Odebrecht, Rua Eng. Pedro de Castro Van-Dúnem “Loy”, s/nº-Luanda Sul,
Luanda, Angola; Tel. (244 2) 2267-8000/2267-5000; Fax (244 2) 2267-8015 / 8070 / 8071

製品・サービス

CNOは多種多様なエンジニアリング、調達、建設事業を提供する。子会社を通して高速道路、鉄道、発電所、橋、ビルディング、地下鉄、ダムに加え、採掘施設、製造工場など、大規模な社会基盤プロジェクトの建設に携わっている。アンゴラで担当している建設プロジェクトには以下のようなものがある:

  • Morada dos Reisでの教育、職業、開発プログラムのためのゲート式コミュニティー施設、
  • Coporolo、Cavaco、Catumbela河川の管理と洪水防止工事、
  • Luanda/Viana高速道路の建設、
  • Luanda Sul Urban Development Projectでの都市開発、住宅、病院、ショッピングモール、学校の建設、
  • Luanda Water Projectの第3段階として、毎秒1,000リットルの水をLuandaのSoutheast Treatment Stationに流し、上流施設の貯水量を倍化する工事、
  • Benguela、Lobito、Catumbela、Baía Fartaの住民に飲料水を供給するBenguela Water Project、
  • 全長60キロメートルのアクセス道路建設を含む520メガワット用Capanda 水力発電所、
  • 255.000平方メートルのコンドミニアム建設、
  • 全長2,000メートルの滑走路建設、
  • 全長60キロメートル/30キロボルトの送電線工事、
  • LuandaのAtlântico Sul Condo ハウジングプロジェクト、
  • Golf 高速道路の拡張工事、
  • 歴史的建物であるPalácio de Ferroの修復工事、
  • Belas ビジネスパークの建設、
  • Cacuso-Capanda高速道路の建設、
  • Condomínio Mansões do Vale と Condomínio do Futungo ハウジングプロジェクトの建設、
  • Goveダムの拡張工事、
  • Matala 水力発電所の復旧工事、
  • Catumbela 国際空港の建設工事。

従業員数

2008年末時点のアンゴラにおける従業員数は26,000人。

財務情報

総収益の構成 (100万米国ドル)*

建設部門

市場シェア

Odebrechtは、国外での収益という観点で見ると世界上位25社の1社である。南米最大のエンジニアリング・建設会社であり、ブラジル最大の国外業務提供会社である。また、世界中の水力発電所建設に携わるトップ企業の一つであり、2008年には水力発電請負国際企業(International Contractors of Hydro Plant)上位10社の第2位にランクされ、橋の建設請負(International Contractors in Bridges)では第3位、アフリカで事業を行う国際企業(International Firms Working in Africa)でも第3位であった。

事業目的

「Odebrecht S.A. は、グループ内企業の起業家精神の向上を追及すると同時に、人々の発展の促進、および全ての子会社に対する政治的戦略サポートを提供すること、南半球における金融業以外の民間部門複合企業の上位5社であること、起業家精神に相応しい能力に基づき顧客の選択肢として認識されること、才能を引き込み新しい起業家を育てること、150億ドル以上の年間収入あるいは200億ドル以上の価値を生み出すこと。」

ビジネスモデル

Odebrechtのビジネスモデルは、「Odebrecht企業家的技術」(Odebrecht Entrepreneurial Technology, TEO)概念に基づくものである。TEOの核となる原則は、成長と永続性;進歩への熱望と能力をもつ人々に対する信頼、品質、生産性、地域と環境への責任ある配慮を重視するサービスの提供によって達成される顧客満足;株主への利益を創出し株主資産を増加させること;提携する起業家が自身のアクション・プログラムを自由に、また責任を持って実行できるような、委任による分権的事業;業務の構想と実行に積極的に参加し、達成した成果を共有するメンバー間の協力関係;新規の事業機会を創出し地域発展の促進に再投資すること、などである。

「世界規模で起きる経済的混乱は常に身近にある。したがって現在は今まで以上に、有能な統合チームに持続的投資を行う時である。そのチームに最も求められるのは、サービス精神を重要視し、投資の価値を証明し、試練の時を市場占有率の獲得とリーダーシップ発揮の機会へと転換させることである。」

株主・所有権益

CNO全体を所有するのはOdebrecht S.Aの子会社であり(ODB-議決権株式の99.85%、全株式の99.82%)、81%の支配株をブラジル企業のOdebrecht Investimentos S.A.(Odebrecht家の100%所有会社)が保有する。アンゴラではOdebrecht Servicos no Exterior Ltda (OSEL)とOdebrecht Angola - Projectos e Servicos, Limitada (OAL)の全体を CNO の子会社が所有している。

政府との関係・社会貢献

Oderbrechtの経営陣は、日常的にDos Santos大統領と個人的に会見しプロジェクトの進捗を報告している。

アンゴラ政府はアンゴラ人や外国人による投資を積極的に奨励している。投資対象は建設土木とその関連事業、電気・水、社会基盤開発と管理、観光・ホテル、加工産業・鉱業などの重要部門である。金銭的インセンティブが与えられる開発区は以下の通り:

Zone A:

Luanda、Benguela、Huíla、Cabinda州の地方首都と、Municipality of Lobito InvestmentプロジェクトのZone Aでの投資事業については、税金と手数料の支払いが3年間免除される。

Zone B:

Benguela、Cabinda、 Huíla州以外の自治体のZone Bと、Kwanza Norte、Bengo、Uíge、Kwanza Sul、Lunda Norte、Lunda Sul各州のZone Bでの投資事業については、税金と手数料の支払いが4年間免除される。

Zone C:

Huambo、Bié, Moxico、Cuando Cubango、Cunene、Namibe、Malanje、Zaire各州のZone Cでの投資事業については、税金と手数料の支払いが6年間免除される。

一般税法の観点から以下はOderbrechtに適用可能である:

「Zone A、 Zone B、Zone Cで実施された投資利益に対する事業税(industrial tax)は、それぞれ8 年、12年、15年の期間免除される。プロジェクト実行のために雇われた下請企業も、Zone Cで行われた作業の報酬に対する課税を同じ期間免除される。

さらに、この税法を想定した投資事業では、以下の出費額を課税対象収入決定の際の経費として検討できる可能性がある:

a) 道路、電気通信、水供給、労働者とその家族や地域住民のための社会的基盤設備の建設と補修に費やした出費の最大100%
b) 職業訓練のために社会的及び生産関連活動全ての面で費やした出費の最大100%、
c) 文化部門への投資、アンゴラ人作家あるいは芸術家の作品購入を目的とした投資(10年間の作品海外持出し禁止、または売却禁止が定められている場合のみ)に費やした出費の最大100%。

500万から2,500万米ドルの投資に関しては、投資の本質、所在地、地域あるいは現地の経済との関連性などに応じて以下の課税報奨制度の対象となる:
建設と供給に使用された輸入設備に関わる業務に対する印紙税及び支払手数料(総重量3.5トン以上の車両と原材料を含む)を除外して、関税の50%までの免税。特に、

a) 地域に有益な影響をもたらし、経済と社会的基盤設備の建設と修復に関わる新規事業への投資、
b) 商業あるいは産業設備の拡充、修復、近代化への投資(特に内戦で破壊された設備)、
c) 重要部門及び/またはZone Cへの投資、
d) 国内労働者のため10以上の常勤の仕事の創出が保証される投資。

以下の投資は最長10年間事業税の支払いを免除される:
新規事業への投資及び重要区域(Zone C)における破壊された、あるいは機能不全となった事業修復への投資。

以下の投資は最長5年間事業税の支払いを免除される:

a) 新規事業への投資及び重要区域(Zone AとB)において破壊あるいは機能不全となった事業修復への投資。
b) 他の産業部門、住宅、専門的事業構想及び技術開発への投資。

提携会社に分配される利益は、その同額を以下に投資する場合、キャピタル・ゲイン課税の支払いを免除される:
Zones A とBの範囲に含まれる州への投資に対する最長5年間の免除。
Zone Cの範囲に含まれる州への投資に対する10年間を超えない期間の免除。
Zone Aで実行された投資から得た配当金に対する最初の3年間の免除。
Zones Bと Cについては最初の5年間。もし再投資されれば課税免除とする。

製品開発

2009年、Oderbrechtはアンゴラのさまざまな地域に8億ドルから10億ドルの投資を行う予定である。最近獲得した契約にはHuamboの調達・配送センター、Ekunha-Cusse高速道路、Marginal Sudeste 道路の建設、Mártires Kifangondoの修復事業が含まれる。