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algeriaEnte Nazionale Idrocarburi (ENI) S.P.A.

会社概要と沿革

ENI S.P.A.はイタリアの石油ガス会社で、70カ国で事業を展開している。現在同社はイタリア最大の事業会社で、その株式市場の時価総額は877億ユーロ(138億ドル)である。イタリア政府は30%の黄金株を所有する。同社は世界でも10指に入る規模の石油ガス会社である。ENI 社の起源は1920年にイタリア政府がAzienda Generale ItalianaPetroli (Agip)という石油やガスの掘削会社を設立した時に始まる。第二次世界大戦終了後の産業再編の波に乗って、Agip社とその関連国営企業はグループ化されてENI社を設立することになった。ENIは1953年国営炭化水素会社として設立された。同社は1992年に合弁株式会社になった。その時、イタリア政府は5段階民営化計画を作成した。1998年にENIは正式に会社名をENI S.P.A.に改名した。

ENI社のアルジェリア進出は1950年代の中葉に始まった。その時、ENI社は地中海を横断するガス輸送用のパイプラインの敷設に尽力した。その後、石油ガス探索開発許可の取得に成功した。

ENI社は1977年Sonatrachとの最初の合意書に署名した。その合意書は天然ガスをイタリアに輸送するための地中海横断ガスパイプラインシステムを構築する合意であった。ガス輸送が最初にはじまったのは1983年で、最大輸送量123億立方メートル/年が実現した。1991年第二の合意書が成立して、ガス輸送量は195億立方メートル/年に増やされ、地中海横断パイプラインシステムが拡大されて、パイプラインの建設も行われた。

国内の所在地

油田業務、建設・エンジニアリング

Saipem S.P.A. (Filiale)  Industrial Zone Wylai de Quargla - P.O. BOX 97 Hassi Messaoud - Algiers Telephone: +(00213) 29 768105 Snamprogetti S.P.A. (Filiale) n. 85 Lotissement El- Feth - El Biar 16300 - Algiers Telephone: +(00213) 21 924113/252

石油探索と生産

ENI Algeria Production B.V. Pins Maritimes Algeria Business Center 16211 - El Mohammadia Algiers Telephone: +(00213) 21 891200

製品・サービス

ENI社は三つの中核業務すなわち探索と生産(E&P)、ガスと電力(G&P)、精製と販売(R&M)に注力する。また、同社は石油化学、油田業務、エンジニアリング、焚料費、船舶用燃料の販売、船舶エンジンの潤滑油、Saipem社を通して沿岸・沖合の工事や掘削、イタリア株式市場に上場された子会社などの業務を取り仕切っている。同社は天然ガス輸送用の高圧・中圧用のパイプライン網の管理も実施している。

ENI社はアルジェリアで炭化水素化合物やガスの探索や開発に参加している。また、同社はトランス・チュニジア・パイプライン会社(TTPC)のパイプラインを運用している。このTMPC パイプラインはアルジェリアからチュニジアを経由して地中海沿岸のCao Bonまで天然ガスを輸送する業務も実施している。これがTMPCのパイプラインとリンクしている。TMPCパイプラインは、Cap Bon Mazraからイタリアへの入り口であるdel Valloへシシリー海峡を横断している。

従業員数

2008年12月31日現在の従業員数は7万8,880人。

市場シェア

アルジェリアは2008年142万バレル/日の原油を生産した。また、45万バレル/日の凝縮液、35万7,000バレル/日の天然ガスを生産した。両者の年間合計は223万バレル/日となる。『オイル・ガス・ジャーナル』(OGJ)誌によれば、2009年1月現在、アルジェリアの確定原油埋蔵量は1,220億バレル/日である。これはアフリカで第3位である。また、同誌によると、アルジェリアの天然ガス確定埋蔵量は159兆立方フィートとなっている。

ENI社は2008年アルジェリアで原油、天然ガス、炭化水素化合物をそれぞれ、8万バレル/日、1.850万立方フィート/日, 8万3,000バレル原油換算を生産した。

ENI社はアルジェリアで36の鉱山開発権を有し、その面積は1万1,432平方キロメートルに及び、その内、3,041平方キロメートルを同社が単独で保有する。

事業目的

ENI社の公表したビジネスの目的は、費用対効果、製品やサービスの質の弛まぬ改善、従業員のニーズに対する関心を通して株主の期待に沿う新付加価値を創出することにある。企業の成長並びに、自社の営業活動が環境に及ぼす影響等に対する従業員の関心を高める。また、技術革新で環境への負荷を小さくすることにも関心も高める。石油とガスの探索、発見、生産、輸送、販売の活動を更に拡大することを目的とする。

ビジネスモデル

ENI社のビジネスモデル戦略は次のような柱を基礎にしている。すなわち、最良の資本と投資を選択する。資本と営業活動の効率を追求する。堅固な資本構造を確立する。リスクを管理する。研究と革新を支援する。ビジネスモデルの持続性を推進する。

ENI社は企業買収による成長も視野にいれていた。たとえば、2008年にベルギーの会社Distrigas、Burren Energy Plcを買収し、カナダの石油ガス会社First Calgary Petroleums Ltdの全普通株を買い取る合意を纏めた。このカナダの会社はアルジェリアでの探索と開発事業権を有していた。

ENI社のE&P事業の戦略は、中長期のビジネスの持続性を確保するため、保有資源の更新を注意深く行うことである。ENI社は、これまで実績の上がった地域に資源を集中する。生産設備を実際に有していること、競争力に優れていること、対象国と長期的な関係を持っていることで、資源が発見され次第開発に着手することができるし、鉱物資源賦存地域でハイリスク・ハイリターンのビジネス機会を選択的に追求できているのである。

ENI社の中期目標は下流の原油ビジネスの採算性を向上させ、資本支出を厳格に管理して現金需要を減らすことである。この目標を達成するための戦略的ガイドラインは集中資本プログラムに基づいて同社の製油システムを高度化し、イタリアのリーテール網の採算性と質の水準を改善することで、より高い経営効率の水準に高めることである。

アルジェリアでENI社は石油分野での石油回収業務の強化とブラウン油田プロジェクト及び、今後潜在性の高いLNGやガスの液化(GTL)プロジェクトに注力する。

株主・所有権益

アルジェリアの石油ガスの探索と生産の活動は生産分与合意(PSA)と開発許可契約により規制を受ける。事業活動は南東砂漠のBir Rebaaで行われ、次のような探索と生産区画に分かれている。(a)403区(ENI社の100%所有)、(b)401aと402a(ENI社が55%、BHP Billitonが45%所有)、(c)El Merk B0208 + Ngl404( アナダルコペトロリアムが24.5%、ENI社12.25%、Mearskが12.25%、Sonatrachが51%を所有する)、(d)開発中の212区(ENI社が22.38%、Sonatrachは77.26%を所有する)、(e)IAN-EOR(ENI社が33.57%、Teikoku が14.43%、Sonatrachが51%を所有する)。

The Rhourde Oulad Djemma ROD oil developmentはthe Organe d'OperatingConjoint (OOC) により開発され、SonatrachとENIが設立した合弁企業Groupement Sonatrach Agip (GSA)により運営されている。

2008年ENI社は、カナダの石油ガス会社First CalgaryPetroleums Ltdの全普通株の取得して完全支配することになった。取得資産には75%の所有権のついた405bの事業権が含まれる。その資源は13億バレル石油換算を超える。そのほぼ半分は天然ガスである。生産開始は2011年の予定。予想される生産規模は約3万石油換算/日で、それが2012年までENI社に帰属する。

2008年12月、国際入札の手続き後、ENI社はKerzas探索区(319a-321a)の事業権を取得した。その面積は約1万6,000平方キロメートルに及ぶ。探索活動の開始は2009年の予定である。

政府との関係・社会貢献

産油国との利権交渉で、初代会長であるエンリコ・マッテイは、仲介者の介入を排除することを狙った共同投資という革新的方法を導入した。それまでは石油メジャーがこの仲介役を演じた。単に原油の利権に一定の手数料を支払い、開発に要する総ての負担を負うという方式(それまでメジャーはそうしてきた)に代わって、マッテイは天然資源の開発で産油国に提携権を付与した。

1986年アルジェリアは新石油法を可決した。ENI社はこの新法により新生産分与合意(PSA)に最初に署名した会社である。

2008年ENI社とSonatrach社は403a~d区プロジェクトの契約の基礎を定める基本合意に署名した。この合意にはRhourde Messaoud社とZemlet Adreg社の開発許可期限を更に10年延長し、Bir Rebaa North 社の許可を5年延長することが定められた。

新しいアルジェリアの炭化水素化合物法(2007年第5法)はSonatrach社の税負担を重くするもであった。Sonatrach社は当初の利益を確保するために若干のPSA合意の経済的条項の見直しを要請した。ENI社は403区についての合意書に署名した。がその一方で401a区と402a区及び208区について交渉を行っている。現時点ではそれらの交渉の結果がどうなるのか、予測がつかない状態である。この交渉がENI社に不利な結果をもたらすようなことになれば、ENI社関連の若干のPSA合意における採算性が低下することになる。Saipem社はアルジェリアにおける大規模ガス液化プラントの主たる請負業者の資格を得た。そのプラントの能力はLNG 470万メトリックトン/年である。建設地はアルジェリアのArzew市付近。EPC契約は3台のLPG生産列車の製造についての契約であり、Sonatrachを代表として締結された。その能力は800万立方メートル/日で、アルジェリアのHassi Messaoud油田開発の一環をなすものである。

製品開発

403 a-d区について、進行中の主要プロジェクトは3万2,000バレル石油換算量/日の能力と水・ガス噴射装置をもつ新設の石油加工プラントの建設である。

401a区と402a区については、現在の生産水準を維持するために開発密度をあげる。ENI社はアルジェリアとロシアからの天然ガス輸入用パイプラインの高度化を実施中である。これにより2010年に輸入能力が130億立方メートル/年増強され、最大輸入量に達する。アルジェリアからのTTPCパイプラインの増強は2008年に実施され、2009年に最大能力に達するものとみられる。

2008年Snam Rete Gas(ENI社の子会社で天然ガス輸送と配給を担当する会社)とGasi S.p. A.(プロジェクト会社Sonatrachが41.6%、Edison S.P.A.(イタリア)が20.8%、Enel社(イタリア)が15.6%、Sfirs社(イタリア)が11.6%、Hera Trading(イタリア)が10.4%の株式を保有)がアルジェリアからイタリアへのガス輸入パイプラインにおいて、イタリア部分の建設を担当する契約に署名した。

この新パイプラインはサルディニアを経由する。このプロジェクトはサルディニアにメタンガスを供給する最初の施策である。この地方は現在天然ガスが利用できない地域である。