田中 修

中国経済レポート

消費の潜在力発揮・持続回復の促進

新領域研究センター 田中 修

2022年5月16日


はじめに

国務院弁公庁は4月25日、「消費の潜在力の一層発揮、消費の持続的回復促進に関する国務院弁公庁意見」(日付は4月20日、以下「意見」)を公表した。本稿では、公表文と国家発展・改革委員会責任者の記者インタビュー、「意見」の柱建てを紹介する。

1.公表文(新華社北京電2022年4月25日)

「意見」は、次のように指摘する。消費は最終需要であり、国内大循環のカギとなる部分・重要なエンジンであり、経済にとって持久的な牽引力を備えており、民生の保障・改善に関わる。

習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想を深く貫徹し、新発展理念を完全・正確・全面的に貫徹し、新たな発展の枠組を早急に構築し、協同で力を発揮し、長期と短期を併せ考慮し、施策を総合して消費の潜在力を発揮させ、消費の持続回復を促進するため、「意見」は、目標志向と問題志向を結びつけ、短期支援と中長期促進を併せ考慮するという要求に基づき、5方面・20項目の重点措置を提起した。

①疫病の影響に対応し、消費の秩序立った回復・発展を促進する

市場主体を保障し、企業の困難緩和への支援を強化することを軸に、基本消費財の供給保障・価格安定にしっかり取り組み、消費の業態・モデルを刷新する。

②全面刷新して質を高め、消費の基盤をしっかり安定させることに力を入れる

実物消費の質向上・グレードアップを積極的に推進し、ヘルスケア・高齢者介護・託児保育等のサービス消費促進に力を入れ、文化・観光消費を引き続き拡大し、グリーン消費を大いに発展させ、県・郷の消費潜在力を十分発掘する。

③サポートシステムを整備し、消費を発展させる総合能力を不断に増強する

消費プラットフォームの健全で持続的な発展を推進し、健全な消費財流通システムの整備を加速し、雇用所得を増やして消費能力を高め、公共消費を合理的に増やす。

④改革を引き続き深化させ、安全・安心で信義誠実な消費環境を全力で作り上げる

消費を制限する障碍・障壁を打破し、健全な消費標準体系を整備し、消費分野の法執行・監督管理を強化し、消費者の権益保護を全面強化する。

⑤保障措置を強化し、消費の質の高い発展の基礎を一層打ち固める

財政・税制支援を強化し、金融サービスを最適化し、土地・建物使用の保障を強化し、各方面の責任を徹底させる。

「意見」は、次のように強調している。

国家発展・改革委員会、商務部等の関係部門は、消費を促進する体制メカニズム整備官庁合同会議制度の役割を十分発揮させ、協同・連携を強化し、実施督促を強化しなければならない。

国家統計局は、サービス消費の統計モニタリングを整備し、健全なインターネット消費の新業態・新モデルの統計システムを確立しなければならない。

各地方は、組織的指導を強化し、関連プランを整備し、本意見が提起する各任務・措置の実施を確実に推進して実効を上げなければならない。

2.国家発展・改革委員会責任者の記者インタビュー(4月26日)
(1)背景・考慮

消費は最終需要であり、国内大循環を円滑にするカギとなる部分・重要なエンジンであり、経済に対し持久的な牽引力を有し、民生の保障・改善に関わる。

党中央・国務院は消費促進政策を高度に重視している。党19期5中全会は国民経済・社会発展第14次5カ年計画と2035年長期目標について要求を提起し、「消費の全面促進」を明確にした。ここ2年の中央経済工作会議はいずれも消費促進について手配を行い、個人の消費能力・意欲を高め、消費の業態・モデルを刷新し、県・郷の消費潜在力を発掘し、公共消費を合理的に増やし、消費の持続的回復を促進しなければならないと強調した。今年の「政府活動報告」も「消費の持続回復の推進」について、更なる手配を行った。

党中央・国務院の政策決定・手配を深く貫徹するため、国家発展・改革委員会、商務部は党19期5中全会・6中全会、中央経済工作会議精神を目標・手本とし、第14次5カ年計画「要綱」と「政府活動報告」の関係手配要求に基づき、現在の経済運営と疫病防御情勢と結びつけ、関係部門・単位と深く調査研究し、広範に意見を徴求し、繰り返し修文・整備して、「意見」を制定し、国務院常務会議の審議を通過して後、国務院弁公庁が公表した。

「意見」の制定・打出しは、一面では、長期に着眼し、国民経済循環の円滑化に力を入れ、生産・分配・流通・消費の全チェーン・各段階を貫き、異なる分野・異なる階層・異なる人々の消費発展ニーズを統一し、消費に関係する政策・制度・技術・業態・モデル等の刷新を推進し、消費分野の体制メカニズムの障碍を秩序立てて打破し、個人の消費能力・意欲を高めることに力を入れ、供給体系、需要構造、流通ネットワーク、発展環境の質向上・グレードアップを促進し、人民の日増しに増大する素晴らしい生活へのニーズを更にしっかり満足させ、経済発展への消費の基礎的作用を一層強固にし、内需体系を育成・整備し、強大な国内市場を形成し、新たな発展の枠組を構築するために、更に堅実なサポートを提供する。

他方で、当面に焦点を絞り、疫病防御と経済社会を統一し、疫病の消費に対する影響に積極的に対応し、当面の消費の安定に努力し、消費への供給を確実に保障し、消費の持続的回復を促進する。

(2)主要内容

「意見」は習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想を導きとし、第19回党大会・19期各全会精神を全面貫徹し、目標志向・問題志向を結びつけ、短期支援と中長期促進を併せ考慮するという要求に基づき、消費をシステミック・全面的に促進するという観点から、5大方面・20項目の重点措置を提起した。(以下は、公表文の5大方面の内容と同じ)

(3)当面のコロナの消費への影響とその対応措置

最近、国内でコロナが多発し、とりわけいくらかの突発要因は予想を超え、経済の平穏な運営に更に大きな不確定性・試練をもたらし、消費とりわけ接触型・密集型消費がかなり大きな影響を受け、3月の社会消費品小売総額は前年同期比で上昇から低下に転じ、消費の回復は一層圧力を受けている。

しかし、同時に見て取らねばならないことは、疫病の消費に対する影響は一時的なものであるということである。疫病が有効に管理・コントロールされ、政策効果が徐々に顕在化するに伴い、正常な経済秩序が急速に回復し、消費も徐々に回復・上昇し、消費が長期に好い方へ向かうというファンダメンタルズに変わりはない。

今後、国家発展・改革委員会は党中央・国務院の政策決定・手配を深く貫徹実施し、疫病防御と経済社会発展を統一し、協同・連携を強化し、関係方面と「意見」の貫徹実施に確実にしっかり取り組み、「安定」「保障」「新型」に大いに力を入れ、消費の持続回復の促進に努力する。

①消費の基盤をしっかり安定させることに力を入れる

飲食、小売、観光、民間航空、道路・水運・鉄道輸送等の特殊困難業種の困難緩和支援措置をしっかり実施し、地方が支援を強化するよう奨励し、各地方が実際と結びつけて法に基づき税・費用減免等の措置を打ち出すことを支援し、更に多くの消費サービス市場主体をしっかり安定させる。自動車・家電等の大口消費を奨励し、金融機関が大口消費金融商品を豊富にするよう誘導する。

重点プロジェクトの建設進度を加速し、消費に関係するインフラ建設を特別債支援の範囲に組み入れ、投資により消費を牽引する。各種消費促進活動を秩序立てて展開し、更に多くの消費潜在力を発揮させる。

②消費への供給を全力で保障する

疫病防御情勢と需要を結びつけ、各大中都市が集荷倉庫貯蔵・仕分け・加工・包装等の機能が一体となったいくらかの都市近郊大倉庫基地を科学的に計画・建設することを支援し、緊急状況下に適時近場で生活物資を調達・輸送することを確保し、消費財の流通が断絶・混乱しないことを確実に保障する。

4月18日の「物流の円滑保障、産業チェーン・サプライチェーン安定促進全国テレビ電話会議」精神を真剣に実施し、疫病防御措置を精確に実施する基礎の上に、物流の円滑保障政策を全力でしっかり実施する。

重要商品の集荷・備蓄と収納・放出調節メカニズムを確立・整備し、日常のモニタリング・動態的コントロールを引き続きしっかり行い、食糧・食用油・肉・卵・牛乳・果物・野菜と大口取引商品等の供給保障・価格安定措置をしっかり実施し、とりわけ困窮大衆の基本生活をしっかり保障しなければならない。

③疫病防御のニーズに適応する新しいタイプの消費優位性を十分発揮させる

常態化した疫病防御のニーズに適応し、新しいタイプの消費を促進し、無接触取引サービスを科学的に普及させ、オンライン・オフラインの有機的融合を加速し、情報消費を拡大・グレードアップし、スマート製品・サービス等の「スマート+」消費を壮大に育成し、個人消費の利便性を高めるのみならず、デジタル経済の大衆化・発展に助力する。

(4)中長期の消費の発展

近年、わが国の消費の規模は着実に拡大し、構造が引き続き最適化され、業態は日増しに豊富になり、個人消費は有形物質商品から更に多くのサービス消費に拡大し、発展型・享受型消費が一層壮大になり、経済発展に対する消費の基礎的作用が不断に強固になっている。

2021年、最終消費支出はGDP成長率を5.3ポイント牽引し、寄与率は65.4%となり、経済成長の第一の牽引力である。

わが国は14億余りの人口の超大規模な内需市場を有し、世界で規模が最大で、成長が最も速い中等所得層を有し、個人所得が着実に増加し、大量の消費のグレードアップ需要をはらんでおり、将来の消費は更に多元化・個性化・高品質化・スマート・グリーン・ヘルスケアが個人消費の新潮流になっている。

同時に、わが国の消費発展水準は主要先進経済体と比べればなお格差があり、個人の消費能力・意欲の増強、質の優れた製品・サービス供給の向上、流通循環・消費環境の最適化が必要である。

今後、国家発展・改革委員会は関係部門と、「意見」の手配・要求に基づき、個人消費の個性化・多元化と構造のグレードアップ傾向、消費分野の痛点・難点・目詰まりと体制メカニズムの障碍に焦点を絞り、以下の3方面の政策を重点的にしっかり実施する。

①重点分野の消費を強固にして拡大する

商品の品質・ブランド・標準の整備を強化し、優れた品種を育成し、品質を高め、ブランドの創造と標準化された生産を推進する。

医療・ヘルスケア消費の質向上・グレードアップを促進し、更に多くの高齢者・乳幼児の消費に適合した製品・サービスを開発し、文化・観光消費のテストモデルを深く推進し、氷雪観光の発展キャンペーン計画を組織的に実施する。

新エネルギー自動車の急速な発展を支援し、グリーン建材・室内装飾を積極的に普及させ、グリーン旅行を唱導する。

県域商業システムを確立・整備し、大型商業取引流通企業・Eコマースプラットフォーム・現代サービス企業の農村への延伸を誘導し、条件の整った地方の新エネルギー自動車・スマート家電の農村普及を奨励し、ブランド消費・高品質消費の農村普及を推進する。

②消費発展サポートシステムを整備する

いくらかの地域消費センターを積極的に建設し、各地方が土地の事情に応じて、施設が完備され、業態が豊富で、健康的・グリーンな、いくらかの消費集積地区を建設することを奨励し、都市住民の利便を図る15分生活圏の建設を推進する。

各地方が消費促進常態化メカニズムを確立することを支援し、いくらかの特色ある活動・ブランドを育成する。

Eコマースシステムと宅配物流配送システムを一層整備し、物流の大ルートを円滑にし、世界をカバーし、安全で信頼でき、効率が高く円滑な流通ネットワークの構築を加速する。

国家基幹コールドチェーン物流基地施設の条件を整備し、いくらかの専門化された生鮮コールドチェーン物流トップ企業を育成する。

常住地で基本公共サービスを提供する健全な制度を整備し、人民大衆が「差し迫り、困難で、憂い、期待する」ものを念頭に置き、包摂的な非基本公共サービスの供給を多元的に拡大し、教育・医療・高齢者介護・託児保育等の公共サービス支出の効率を高める。

③改革により良好な消費環境を作り上げる

各地方は、自動車購入制限措置を新たに増やしてはならず、既に購入制限を実施している地方は段階的に自動車増量指標の数量を増やし、自動車購入者の資格制限を緩和し、自動車等の消費財の、購入管理から使用管理への転換を推進する。

消費財の健全な品質基準体系を整備し、重点消費分野のサービス基準・技術基準を整備する。地域・部門を跨ぐ、全プロセスの協同監督管理を全面強化し、消費信用体系の建設を加速し、虚偽宣伝、模造品の混入、偽物の製造・販売、価格詐欺等の違法行為への監督管理・処罰を強化する。

消費の不満申立て・情報公開制度を確立・整備し、消費争議の多元的な解消メカニズムを一層最適化し、消費者の権益保護を全面強化する。

3.「意見」 の柱建て

ここまでは、「5大方面」の説明はあったが、「20項目」の説明はなかったので、全体の構造と、主たる政策を紹介しておく。

(1)疫病の影響に対応し、消費の秩序立った回復・発展を促進する

①市場主体の保障を軸に、企業の困難緩和支援を強化する

製造業・個人工商事業者への減税・税還付・費用引下げ。金融機関の金利・手数料引下げ、疫病の影響が深刻な業種・企業への金融機関の融資支援、貸出制限・貸しはがし・貸出中断の回避。失業保険料・労災保険料の一時引下げ。リストラをせず、リストラが少ない企業への失業保険料還付。飲食、小売、観光、民間航空、道路・水運・鉄道輸送等の特殊困難業種の困難緩和支援。特殊困難業種への電力料金一時優遇、年金保険料の一時納付猶予。非国有家屋を賃貸しているサービス業小型・零細企業、個人工商事業者への支援。

②基本消費財の供給保障・価格安定をしっかり行う

生活物資の保障。集荷倉庫貯蔵・仕分け・加工・包装等が一体化した都市近郊大倉庫基地の建設。緊急時に近場での生活物資調達・輸送の確保。重要商品の集荷・貯蔵と収納・放出調節メカニズムを確立。食糧・食用油・肉・卵・牛乳・果物・野菜・大口取引商品等の供給保障・価格安定。

③消費業態・モデルを刷新する

オンライン・オフライン消費の有機的融合。情報消費の拡大・グレードアップ。スマート製品・スマート小売、スマート観光、スマートラジオ・テレビ、スマート高齢者介護、スマート家事サービス、デジタル文化、スマートスポーツ、「インターネット+医療・ヘルスケア」、「インターネット+託児保育」、「インターネット+室内装飾」等の新業態の壮大な育成。

(2)全面刷新して質を高め、消費の基盤をしっかり安定させることに力を入れる

④実物消費の質向上・グレードアップを積極的に促進する

農業・製造業の商品の品質・ブランド・標準建設。優れた品種の育成、品質向上、ブランド創造・標準化。更に多くの知的財産権があり、科学技術・消費の潮流をリードし、応用の見通しが広い新製品・新設備の研究・開発・生産支援。製造企業とインターネットプラットフォーム、商業取引流通企業との生産販売とのリンク。

⑤ヘルスケア・高齢者介護・託児保育等のサービス消費の促進に力を入れる

高齢者の消費に適合した観光・養生・健康コンサルティング・生活介助・慢性病管理等の製品・サービスの積極発展。託児保育サービス体系の構築。安全・健康な更に多くの乳幼児用品の開発。

⑥文化・観光消費を引き続き拡大する

出版、映画、ラジオ・テレビ等の質の高い発展促進。全域観光・長期休暇旅行・氷雪観光の発展。公園、景勝地、体育館・運動場、文芸場・博物館等の施設・サービスの条件改善。有給休暇の積極実施。

⑦グリーン消費を大いに発展させる

適度に簡素化され、グリーン・低炭素の生活様式・消費モデルの形成。グリーン・省エネ家電、環境保護家具への更新奨励。建築の省エネ改造。新エネルギー自動車の急速な発展。リサイクル利用システムの構築。

⑧県・郷の消費潜在力を充分発掘する

県域が統一され、県都を中心とし、郷鎮を重点とし、村を基礎として県域商業システムを確立。大型商業取引流通企業、Eコマースプラットフォーム、現代サービス企業の農村への延伸。条件の整った地域での新エネルギー自動車、スマート・グリーン家電の農村普及。

(3)サポートシステムを整備し、消費発展の総合能力を不断に増強する

⑨消費プラットフォームの健全で持続的な発展を推進する

国際消費センター都市の育成・建設。地域消費センターの建設。商業・文化・観光・スポーツをテーマに、施設が整備され、業態が豊富で、健康的・グリーンな消費集積地区の建設。都市の人民の利便を図る15分生活圏を建設。特色ある活動・ブランドを育成。

⑩健全な消費財流通システムの整備を加速する

Eコマースシステムと宅配物流配送システムの整備。世界をカバーし、安全で信頼でき、効率が高く円滑な流通ネットワークの構築。国家基幹コールドチェーン物流基地施設の条件を整備。専門化された生鮮コールドチェーン物流トップ企業を育成。

⑪雇用所得を増やして消費能力を高める

起業で就業を牽引。各種労働力市場・人材市場・日雇い市場の建設。非全日制雇用機会を増加。新就労形態の規範的発展。健全で柔軟な労働雇用と社会保障政策の整備。大学卒業生等の青年雇用問題の解決。都市職工・サラリーマン階層、出稼ぎ農民の所得水準の引上げ。

⑫公共消費を合理的に増やす

常住地が基本公共サービスを提供する健全な制度を整備。包摂的な非基本公共サービスの供給を多元的に拡大。教育・医療・高齢者介護・託児保育等の公共サービス支出効率の向上。長期賃貸住宅政策の整備。社会保障的性格をもつ賃貸住宅の供給拡大。

(4)引き続き改革を深化させ、安全・安心・信義誠実な消費環境を全力で作り上げる

⑬消費を制限する障碍・障壁を打破する

各地方が自動車購入制限措置を新たに増やすことを禁止。既に購入制限を実施している地域は自動車増量指標の数量を段階的に増加。自動車購入者の資格制限の緩和。

⑭健全な消費標準体系を整備する

省エネ・グリーン製造標準体系、グリーン製品認証標識体系、プラットフォーム経済、越境Eコマース、観光・休暇、飲食、高齢者介護、コールドチェーン物流等の分野のサービス標準を整備。5G・モノのインターネット・クラウドコンピューティング・AI・ブロックチェーン・ビッグデータ等の標準の検討・制定。

⑮消費分野の法執行・監督管理を強化する

反独占・反不当競争の法執行を強化。資本の無秩序な拡張を防止。虚偽宣伝・模造品の混入・偽物の製造販売・量のごまかし等の違法行為への監督管理・処罰を強化。地域・部門を跨ぐ全プロセスの協同監督管理を全面強化。生産・流通・販売等の各段階の監督管理責任を徹底。消費信用体系の建設。

⑯消費者の権益保護を全面強化する

プラットフォーム経済の消費者権益保護ルールを整備。消費の不満申立て・情報公開制度を確立。消費争議の多元化した解消メカニズムを最適化。オンラインでの消費紛争解決メカニズムの機能を不断に向上。消費者の集団訴訟制度の確立を模索。

(5)保障措置を強化し、消費の質の高い発展の基礎を一層打ち固める1

⑰財政・税制支援を強化する

現行財政資金ルートを統一利用し、消費関係インフラ・サービスの保障能力建設を支援し、条件に合致したプロジェクトを地方政府特別債の支援範囲に組み入れ、投資により更にしっかり消費を牽引。政府のグリーン調達基準を整備し、グリーン・低炭素製品調達を強化。条件の整った地方が、グリーン・スマート家電、グリーン建材、省エネ製品等の消費に適切に補助金あるいは貸出利息補助を与えることを奨励。人民生活と密接に関係し、需要が旺盛な質の優れた消費財の輸入関税の一層引下げを検討。

⑱金融サービスを最適化する

銀行機関がインクルーシブファイナンスを積極的に発展させ、真実の銀行貸出・第三者プラットフォームの代金受取のデータ、予約注文書データ等を無担保貸出の審査・認可の参考・依拠とし、信用状況が良好な中小・零細企業と消費者の貸出獲得可能性を高めるよう誘導。商業銀行・自動車金融会社・消費者金融会社等の金融サービス能力の向上。県域銀行機関の「三農」サービスへの奨励・規制メカニズムを強化し、農村消費者ローンの商品・サービスを豊富にし、農村商業取引流通と個人消費への金融支援を強化。金融機関がリスクコントロール可能・商業が持続可能の前提の下で、大口消費金融商品を豊富にするよう誘導。保険会社が消費分野に対して保険サービスを提供することを奨励。インターネットプラットフォーム等の中小・零細企業、個人工商事業者に係る金融サービスの手数料徴収行為を規範化。

⑲土地・建物使用の保障を強化する

土地・家屋の節約・集約・複合利用を強化し、経営困難な百貨店・老朽化した工場地区等の改造を新しいタイプの消費の受皿とすることを奨励。「先に貸し、後で譲渡」、賃貸・譲渡の結合等の方式を通じた、宅配物流企業のための土地提供を奨励。農村観光・民宿・戸外運動の運営地・関係インフラ建設のための小規模用地需要に適応し、適切な土地提供方式を積極的に模索し、関係施設の融合・集積建設を奨励。国有建物資源の賃貸管理を最適化し、賃貸期限を適切に延長し、スーパー・コンビニ等の消費場所の土地・建物使用ニーズを更にしっかり満足。コミュニティの既存不動産・遊休家屋等の利用で人民の利便を図るサービスネットワークの建設を支援。条件の整ったコミュニティが、周辺の遊休土地あるいは画定された特定空間を利用して、古物市場を秩序立てて発展させることを承認。

⑳各方面の責任を徹底させる

国家発展・改革委員会、商務部等関係部門は、消費促進体制メカニズム整備の官庁合同会議制度の役割を十分発揮し、協同・連携を強化し、実施を督促。国家統計局は、サービス消費統計・モニタリングを整備し、インターネット消費等の消費の新業態・新モデルの健全な統計体系を確立。各地方は、組織的指導を強化し、関連プランを整備し、本意見が提起した各任務措置を実施し実効を上げることを確実に推進。

  1. ここは全体を紹介する。