田中 修

中国経済レポート

2022年政府活動報告のポイント(2)

新領域研究センター 田中 修

2022年3月24日


3.2022年の経済社会発展の総体要求と政策方向
3.4 経済政策の基本方向

「今年の発展目標・任務を達成するには、マクロ政策は穏健・有効で、ミクロ政策は市場主体の活力を引き続き奮い立たせ、構造政策は国民経済の円滑化に力を入れ、科学技術政策は着実に実施し、改革開放政策は発展の動力を奮い立たせ、地域政策は発展のバランス性・協調性を増強し、社会政策は民生の最低ラインをしっかり保障しなければならない

各方面は、これらの重大政策・要求を貫徹することを軸に、具体的措置を細分化・実質化して、発展を推進する合成力を形成しなければならない」。

中央経済工作会議で決定された、各政策の基本的考え方が踏襲されている

マクロ政策の連続性を維持し、有効性を増強しなければならない。積極的財政政策は効果を高め、精確性・持続可能性を更に重視しなければならない。穏健な金融政策は柔軟・適度とし、流動性の合理的な充足を維持しなければならない。雇用優先政策は質を高め力を加えなければならない。政策の力発揮を適切に前倒して、予備の政策手段を適時動員し、経済の平穏な運営を確保する」。

財政政策は、昨年の「質・効率を高め、更に持続可能でなければならない」から、より持続可能性を重視する方向になっている。金融政策は、昨年の「柔軟・精確、合理的・適度にしなければならない」から表現が簡素化され、20年の表現に戻った。雇用政策は、昨年の「引き続き強化し、力を集めて効果を高めなければならない」から、質を重視する方向になっている

また、「政策の力発揮を適切に前倒す」とは、地方政府特別債の発行・中央予算内の投資を前倒して、1-3月のインフラ投資の量を確保するとともに、中央から地方への移転支出を前倒して、末端政府の基本民生・賃金・運営を保障すること、増値税の仕入税額控除留保分の還付を前倒して企業のキャッシュフローを確保することを意味していると考えられる

「常態化した疫病防御を引き続きしっかり実施し、外では新型コロナ感染症の輸入を防ぎ、内では新型コロナ感染症のリバウンドを防ぎ、防御措置を不断に最適化し、水際での疫病防御を強化し、ウイルス変異の研究・防止を強化し、新型ワクチン・特効薬の研究開発を加速し、ワクチン接種を引き続きしっかり行い、漢方薬の独特な作用を更にしっかり発揮させ1、局所的な疫病を科学的・精確に処置し、正常な生産・生活秩序を維持する」。

2022年の政策は、「穏」(安定・穏健)の字を第一に、安定の中で前進しなければならない。新たな下振れ圧力に直面し、成長の安定を更に際立てて位置づけなければならない。各地方・各部門は、経済を安定させる責任を確実に担い、経済安定に有益な政策を積極的に打ち出さなければならない。

成長の安定・構造調整・改革の推進を統一し、発展方式の転換を加速し、粗放型発展を行わない。

実際に基づいて正確な方法を見出すことを堅持し、社会主義初級段階の基本国情に立脚し、自身の事柄に力を入れてしっかり取り組み、発展の法則・客観的実情・大衆のニーズを尊重し、土地の事情に応じて政策を創造的に展開し、各方面の事業・起業の積極性を十分動員する。

有効な市場と機能的な政府を更にしっかりと結びつけ、改革・イノベーションの手法をうまく運用し、市場の活力と社会の創造力を奮い立たせる。

人民を中心とする発展思想を堅持し、共同奮闘に依拠して、共同富裕を着実に推進し、人民の素晴らしい生活への願望を不断に実現しなければならない」。

2022年は第20回党大会があるため、「穏」がキーワードとなっている。また、中国が現在社会主義初級段階にあることがわざわざ言及されているが、これは民営企業の退場といった性急な社会主義政策を行わないことを再確認しているものと思われる。そのためか、「共同富裕」はここにさらりと触れられているだけで、目立たないように配慮されている。李克強総理も会見において、「共同富裕は、共同で奮闘しなければならないということである」と一言だけ述べている

3月7日、全国政協全体会議で、著名な財政学者である高培勇委員(社会科学院副院長・党書記)は、「質の高い発展の中で共同富裕を促進することを堅持し、引き続き不断に『パイを大きくする』基礎の上に『パイをうまく切り分け』、共同富裕の基礎をしっかりさせてこそ、最終的に共同富裕を実現できる。高所得層と企業家の役割を発揮させ、企業家の積極性を十分動員させなければならないが、それは『富裕層から略奪して貧困層を救う』ことではない。三次分配の分配構造改善への補充的役割を発揮させるが、それは主として自発的な慈善・寄付方式を通じて進めなければならず、いかなる形式による『寄付強要』『寄付勧誘』にも反対する」と述べている。知識層の見解を代表するものといえよう

4.2022年の政府活動任務

22年の経済社会発展任務は重く、試練が多い。習近平同志を核心とする党中央の手配・要求に基づき、新発展理念を完全・正確・全面的に貫徹し、新たな発展の枠組を早急に構築し、質の高い発展を推進し、各政策を着実にしっかり実施しなければならない」。

経済社会発展の任務の重さ・試練の多さがここでも強調されている

4.1 マクロ経済の大基盤の安定に力を入れ、経済運営を合理的区間に維持する

「『6つの安定』『6つの保障』政策を引き続きしっかり実施する。マクロ政策には余地・手段があり、クロスシクリカル(周期を跨ぐ)・カウンターシクリカル(逆周期)な調節を強化し、経済の平穏な運営のために有力なサポートを提供しなければならない」。

中央経済工作会議以来、クロスシクリカル・カウンターシクリカルな調節の結合が強調されている。これは、年度を跨いだマクロ政策をスムーズにつなげると共に、下振れ圧力に適切に対応し、マクロ経済を潜在成長率のレベルに保つことを意味している

(1)積極的財政政策の効果を高める

22年の財政赤字の対GDP比率を2.8%前後(21年は3.2%前後)とした。報告は、「これは財政の持続可能性の増強に有益である」と、財政の持続可能性を前年以上に重視している。財政部は、EUの財政健全基準を参考にしており、財政赤字の対GDP比率を3%以内に抑えることを健全の目安としている。2.8%に引き下げたのは、財政の追加出動の余地を確保するためであろう

財政支出の規模については、①財政収入の伸び、②特定国有金融機関と専売機関が法に基づいて上納した近年の利益剰余金、③予算安定調節基金からの繰入れ(2765億元)等により、21年度より2兆元増やすとしている。たとえば、人民銀行は中央財政に1兆元超の利益剰余金を納付している(上海証券報2022年3月9日)。日本でいう、日銀納付金のようなものであろう。また、劉昆財政部長は3月5日の会見で、「年度を越えた調節を通じて中央レベルの予算に組み入れられた一般予算の資金は1267兆元に達し、21年の6.6倍であった」としている

新たに増やした財政力は末端に下方移転し、主として企業の困難緩和支援、雇用安定・民生保障政策の実施、消費の促進、需要の拡大に用いなければならない」とする。また、中央財政から末端政府への直接交付資金については、「更に多くの資金を直接交付範囲に組み入れ、省レベル財政も市・県への支援を増やし、末端の企業を優遇し民を利する政策を更に能力・動力を高めて実施する」とし、財政資金をより多く末端政府に下方移転させ、企業支援・基本民生に重点的に用いる旨を明らかにしている

予算の中央・地方のバランスとしては、

①中央レベルの支出を3.9%増とし、うち中央部門の支出の伸びを引き続きマイナスとする。

②中央の地方への移転支出を約1.5兆元、18%増と、ここ数年で最大の伸び幅とし、規模を9.8兆元近くにする。

と、中央部門の倹約徹底と地方財政への支援強化を打ち出している

公共投資については、「政府投資資金をうまく用い、有効な投資の拡大を牽引しなければならない」とする。22年は地方のインフラ投資の財源となる地方政府特別債を3.65兆元(21年と同額)計上している。ただ、その際は、「業績志向を強化し、『資金がプロジェクトをフォローアップする』(先に資金を渡さない)を堅持し、「建設中のプロジェクトの後続資金調達を支援し、いくらかの条件を備えた重大プロジェクト、新しいタイプのインフラ、老朽化した公用施設の改造等のプロジェクトの建設に着工する」と用途を限定している

民間投資については、「投資の大半を占める」として、「重大プロジェクトの牽引作用と政府投資の『呼び水』作用を発揮させて、関連支援政策を整備し、民間投資の積極性を十分動員しなければならない」とする。

政府の倹約については、「支出構造の最適化に力を入れ、重点支出を保障し、一般性支出を厳しく抑制する。財政遊休資金・遊休資産を活用する。各レベル政府は刻苦奮闘し、勤倹節約しなければならず、中央政府と省レベル政府が牽引しなければならない。収支管理を強化し、大風呂敷・浪費を厳禁し、規定に違反して新たに事務棟・公会堂・記念館・招待所を建ててはならず、イメージ作りプロジェクトを行ってはならず、財経紀律に違反し、公金を無駄使いした者は厳しく調査して重く処分し、必ず貴重な資金を発展・民生のために至急必要なところに用いなければならない」とする。現在、地方政府のトップの交替時期にあり、ハコ物建設などの乱投資・重複投資が発生しやすいことを警戒しているのであろう

(2)穏健な金融政策の実施を強化する

次の施策が列挙されている。

金融政策手段の総量と構造の二重の機能を発揮させ、実体経済のために更に有力な支援を提供する。

新規貸出の規模を拡大し、マネーサプライと社会資金調達規模の伸びを名目成長率と基本的に釣り合わせることを維持し、マクロレバレッジ率の基本的安定を維持する

③人民元レートの合理的な均衡水準上での基本的安定を維持する。

④金融政策の伝達メカニズムを一層円滑にし、資金が更に多く重点分野・脆弱部分に流れるよう誘導し、インクルーシブファイナンスのカバー範囲を拡大する。

金融機関の実質貸出金利引下げ、手数料徴収削減を推進して、広範な市場主体に、資金調達の便利さが向上し、総合資金調達コストが実際に下がったと切実に感じさせる。

②の「マネーサプライと社会資金調達規模の伸びを名目成長率と基本的に釣り合わせることを維持し、マクロレバレッジ率の基本的安定を維持」は常套文句であるにもかかわらず、中央経済工作会議では言及されなかったが、今回復活した。安易な金融緩和を嫌う人民銀行の強い要請があったのだろう。

なお、人民銀行によれば、マクロレバレッジ率(政府・企業・家計の総債務額の対GDP比)は、2017-19年は253%前後で安定していたが、2020年のコロナ禍で280.2%に上昇した後、21年は272.5%に下がっている(人民銀行HP2022年3月8日)

また、重点分野・脆弱部分とは、「人民銀行2021年第4四半期貨幣政策執行報告」(2022年2月11日)によれば、小型・零細企業、科学技術イノベーション、グリーン発展等である

(3)雇用優先政策を強化する

次の施策が列挙されている。

①雇用ルートの開拓に力を入れ、市場主体の安定を通じて雇用を安定させることを重視し、起業の雇用牽引作用を増強する。

②財政・税制、金融等の政策は、いずれも雇用優先を軸に実施し、企業の雇用安定・拡大への支援を強化しなければならない。

③各種特別雇用促進政策を強化・最適化し、就業・起業への不合理な規制を断固整理・廃止しなければならない。

④各地方はいずれも、あらゆる手段を尽くして、雇用を安定・拡大しなければならない。

中小・零細企業・個人事業者の経営安定と起業促進により、雇用を安定させる方針が明らかにされている。李克強総理は会見において、「1億の個人工商事業者だけでも3億人近い雇用を牽引している」と述べている

(4)食糧・エネルギーの安全を確保する

食糧等の重要農産品の供給を保障し、エネルギー・重要原材料の供給保障・価格安定政策を引き続きしっかり実施し2、民生・企業の正常な生産・経営の電力使用を保障する。全面節約戦略を実施する。国内資源の生産保障能力を増強し、石油・ガス・鉱産等の資源探査・開発を加速し、国家戦略物資の備蓄制度を整備し、一次産品の供給を保障する。物価吊上げ等の行為を取り締まる3物価水準の基本的安定を維持する」。

2021年の石炭・電力不足、国際一次産品価格の上昇を背景に、食糧・エネルギー安全保障が盛り込まれている。この問題は、ウクライナ情勢の変化で再燃し、全人代で文言が追加された

なお、習近平総書記は3月6日、全国政協の農業界、社会福祉・社会保障界委員への重要講話で、「艱難辛苦の努力を経て、わが国は世界の9%の耕地、6%の淡水資源を占め、世界の5分の1近い人口を養い、かつての4億人の腹が満たない状態から現在の14億人の腹が足りた状態に至り、『誰が中国を養うか』という問題に有力に回答した。この成績を容易ではなく、引き続き強固にして拡大しなければならない。食糧安全は、いささかも油断してはならず、『工業化に入ったのだから、食の問題はどうでもいい』と考えてはならず、国際市場に依拠して解決しようと期待してはならない。転ばぬ先の杖で、常に食糧安全のタガを引き締め、常に『自国と主とし、国内に立脚し、生産能力を確保し、適度に輸入し、科学技術でサポートする』ことを堅持しなければならない」と強調している

(5)重大リスクを防止・解消する

「引き続き、『大局を安定させ、統一・協調し、施策を分類し、精確に爆弾処理する』という基本方針に基づき、経済金融分野のリスクの防止・処理をしっかり行う。地方の管轄地責任、部門の監督管理責任と企業の主体責任を徹底させ、リスク事前警告、防止・コントロールのメカニズム・能力建設を強化し、金融安定保障基金を設け、預金保険制度と業界保障基金の役割を発揮させ4、市場化・法治化の方式を運用して潜在リスクを解消し、外部からの衝撃に有効に対応し5システミックリスクを発生させない最低ラインをしっかり守る」。

リスク処理では、企業の自己責任、地方政府の管轄地責任が重視されている。ここも全人代で文言が追加された

4.2 市場主体の安定・雇用の保障に力を入れ、マクロ政策の実施を強化する

「負担軽減・困難緩和等の政策を整備し、経済の安定運営・質の向上の基礎を打ち固める」。マクロ政策の個別施策が、第2節に分離された

(1)新しい組合せ式の税・費用支援政策を実施する

「段階的措置と制度手配を結びつけることを堅持し、減税・税還付を併せ打ち出す。

一面では、製造業、小型・零細企業と個人工商事業者を支援する減税・費用引下げ政策を引き続き実施し、減免の程度を高め、適用範囲を拡大する。小規模納税者への増値税課税を段階的に免除する。小型・零細企業の年間課税所得額が100万~300万元の部分について、企業所得税の課税をさらに半減する。各地方は実際と結びつけ、法に基づき税・費用減免等の有力措置を打ち出し、減税・費用の程度を増やすだけで減らさないことにより、市場の予想を安定させる。

他方では、企業のためにキャッシュフロー支援を提供し、雇用6・消費・投資を促進することを総合的に考慮し、増値税の税制設計による「先に徴収し、後で還付する」式の増値税仕入れ税額控除留保分の還付制度の改善に力を入れ72022年は仕入れ税額控除留保分の大規模還付を前倒しで実行8し、小型・零細企業を優先的に手配し、小型・零細企業の既存仕入れ税額控除留保分を6月末までに一括全額還付し、増えた控除留保分は全額還付する。製造業を重点支援し、製造業、科学研究・技術サービス、生態環境保護、電力・天然ガス、交通輸送等の業種の仕入れ税額控除留保分の還付問題を全面解決する。増値税仕入れ税額控除留保分の還付を顕著に強化して、市場の自信を力強く奮い立たせる。

年間の税還付・減税は約2.5兆元と予想され、うち仕入れ税額控除留保分の還付は約1.5兆元であり、還付した資金は全部企業に直接交付する

中央財政は地方への財政力支援を増やし、補助金を直接市・県に交付し、地方政府及び関係部門は健全な政策メカニズムを確立し、資金の調節を強化し、税還付・減税というカギとなる措置の完全実施を確保し、企業のために「雪中に炭を送り」(困難支援)、企業が活気に満ち溢れるよう助力しなければならない」。

今回の減税・費用引下げ政策の目玉は、仕入れ税額控除留保分の還付1.5兆元である。これは、仕入れに係る増値税額が売上に係る増値税額を上回っている間は、増値税還付が発生するため、税還付を留保していたものを、企業のキャッシュフロー確保のため早めに還付するものである

李克強総理は会見において、「私は政協で参加・討論した際、ある企業家の政協委員が自分に『その他の減税・費用引下げ、投資等の措置に比べて、税還付の効果は最も速く、最も好ましいものだ』と語った。プロジェクトで東奔西走していると多くの曲折に遭う可能性があり、税還付は企業に現金を直接支給し、キャッシュフローを増やすもので、恵の雨となる」と説明している

(2)実体経済に対する金融の有効な支援を強化する

「小型・零細企業向けインクルーシブファイナンス支援手段をうまく用いて、『三農』支援、小型・零細企業支援貸出を増やし、監督管理・考課を最適化し、小型・零細企業向けインクルーシブファイナンスの顕著な伸びを推進し、無担保貸出と初めての貸出先のウエイトを引き続き高める

金融機関が貸出政策を正確に把握するよう誘導し、疫病の影響が深刻な業種・企業に引き続き融資支援を与え、特定業種への貸し渋り・貸出引き剥がし・貸出中止の出現を回避する。

政策性・開発性金融の役割をしっかり発揮させる。企業に係る信用情報の整合9・シェアを推進し、税務・税関・電力等の単位と金融機関の情報相互アクセスを加速し、政府債務保証の小型・零細企業へのカバー範囲を拡大し、良好な資金調達環境を作り上げることに努力し、実体経済とりわけ中小・零細企業の資金調達の難題解決を一層推進する」。

2つの実体経済に直接到達する金融政策手段(①小型・零細企業向けインクルーシブファイナンスの元本償還・利払い猶予、②小型・零細企業向け無担保インクルーシブファイナンス)が21年12月末に終了したため、引き続き小型・零細企業向けインクルーシブファイナンスと無担保貸出、これまで貸出を受けられなかった中小・零細企業への貸出を推進するとしている

(3)企業の生産・経営コストの引下げを推進する

次の政策が列挙されている。

電力供給段階の不合理な料金上乗せを解消し、特殊困難業種の電力使用を支援し、段階的な優遇政策を実行する。

大型プラットフォーム企業の手数料引下げを誘導し、中小事業者の負担を軽減する。

産業協会・商工会議所・仲介機関等の手数料徴収を一層整理・規範化する。

企業に係る規定に違反した費用徴収特別取締キャンペーンを展開し、協同ガバナンスと合同懲戒メカニズムを確立し、恣意的な費用・罰金・負担金の強要を断固調査処分しなければならない。

中小企業への下請代金未払いの解消を強化し、商業為替手形の使用を規範化しなければならず、政府機関・公益事業体・国有企業は代金支払を牽引しなければならない。

レストラン・旅館・小売・文化10・観光・旅客輸送等の業種は雇用容量が大きく、疫病の影響が重いため、各支援政策をいずれも傾斜させ、これらの業種・企業が耐え抜いて難関を克服し、将来に希望をもつよう支援しなければならない。

21年報告は改革の章にあったが、今回はマクロ政策の一部となった。料金・手数料等の引下げで企業の生産・経営コストを引き下げるとともに、中小・零細企業への下請代金支払を保障し、レストラン・旅館・文化・観光・旅客輸送等コロナでダメージを受けた業種を支援することで雇用を確保しようとしている

(4)雇用安定措置をしっかりきめ細かく実施する

失業・労災保険料の引下げ等の段階的な雇用安定政策を引き続き執行する。リストラをせず、リストラが少ない企業に対し、雇用安定のための失業保険料還付政策を引き続き実施し、中小・零細企業への還付割合を顕著に高める。

2022年は大学卒業生が1000万人を超え、就業・起業への指導11・政策支援と切れ目ないサービスを強化しなければならない。退役軍人の再配置・雇用の保障をしっかり行い、出稼ぎ農民の雇用を促進し、障害者・就職ゼロ家庭の構成員の雇用を支援する。

大衆による起業・万人によるイノベーションを深く展開し、起業・イノベーションプラットフォームのサービス能力を増強する。フレキシブルな就労へのサービスを強化し12、フレキシブルな就労の社会保障政策を整備し、新たな就労形態の労災補償テストを展開する。

性別・年齢・学歴13等の雇用差別を断固防止・是正し、公平な雇用環境を作り上げることに力を入れる14。労働保障の監察・法執行を強化し15労働者の合法権益を侵害する際立った問題の解決に力を入れる。公共就職サービスの的確性を増強する。

大規模な職業技能訓練を引き続き展開し、いくらかの公共実践・訓練基地を共同建設してシェアする。1000億元の失業保険基金を使用して雇用安定・訓練を支援し、製造業の質の高い発展に至急必要な人材の育成を加速し、更に多くの労働者に一歩秀でた技術を掌握させ、すべての業種で人材を輩出させる」。

22年は大学卒業生が1000万人を超えるため、その雇用が最大課題となる。また、コロナを契機に拡大し、2億人を超えるといわれるフレキシブルな就労者に対する雇用・社会保障サービスの整備が課題となっている

李克強総理は会見において、「フレキシブルな就労者は2億人余りで、形式は多用であり、カバー範囲は広い。彼らの労働権益・社会保障等問題について、政府は政策を段階的に整備し、フレキシブルな就労等の新しい就労形態に焦眉の急を解決させ、市場の活力と社会の創造力を奮い立たせるようにしなければならない」としている。(つづく)

  1. 全人代の修正で盛り込まれた。今回の全人代は、漢方の役割を強調している。
  2. 全人代の修正で盛り込まれた。ウクライナ情勢の変化を意識したものであろう。
  3. 全人代の修正で盛り込まれた。ウクライナ情勢を見越した買占めを防ごうとするものであろう
  4. 全人代の修正で盛り込まれた。
  5. 全人代の修正で盛り込まれた。ロシアに対する経済制裁の波及効果を意識したものであろう。
  6. 「雇用」は全人代の修正で盛り込まれた。
  7. 全人代の修正で制度の説明が詳しくなった。
  8. 「前倒し」は全人代の修正で盛り込まれた。
  9. 「整合」は全人代の修正で盛り込まれた。
  10. 「文化」は全人代の修正で盛り込まれた。
  11. 「指導」は全人代の修正で盛り込まれた。
  12. 全人代の修正で盛り込まれた。
  13. 学歴」は全人代の修正で盛り込まれた。
  14. 全人代の修正で盛り込まれた。
  15. 全人代の修正で盛り込まれた。