田中 修

中国経済レポート

11月及び1-11月の主要経済指標

新領域研究センター 田中 修

2021年12月28日


はじめに

12月8~10日、中央経済工作会議が開催され、2022年の経済政策の方針が決定された。本稿では、会議の概要と留意点を紹介する。なお、読みやすくするため、見出しを適宜つけ、重要な部分は下線で示している。

(1)物価
①消費者物価

11月の消費者物価は前年同月比2.3%上昇し、10月から0.8ポイント上昇した。都市は2.4%上昇、農村は2.2%上昇である。食品価格は1.6%上昇し(10月は-2.4%)、非食品価格は2.5%上昇(10月は2.4%)した。1-11月は、前年同期比0.9%上昇であった。衣類は0.5%上昇、居住価格は1.7%上昇した1

(参考)(2017年1.6%)→(2018年2.1%)→(2019年2.9%)→(2020年2.5%)→21年1月-0.3%→2月-0.2%→3月0.4%→4月0.9%→5月1.3%→6月1.1%→7月1.0%→8月0.8%→9月0.7%→10月1.5%→11月2.3%

前月比では、0.4%上昇(10月は0.7%)した。食品価格は2.4%上昇(10月は1.7%)した。食品・タバコ・酒価格は10月より1.6%上昇し、物価への影響は約0.44ポイント、うち生鮮野菜は6.8%上昇(10月は16.6%)し、物価への影響は約0.16ポイント、卵価格は3.0%上昇、物価への影響は約0.02ポイント、食糧は0.7%上昇、物価への影響は約0.01ポインであった。畜肉類価格は5.2%上昇し、物価への影響は約0.16ポイント(豚肉価格は12.2%上昇、物価への影響は約0.15ポイント)であった。水産品価格は1.7%下落、物価への影響は約-0.03ポイント、果物価格は4.3%上昇、物価への影響は約0.08ポイントであった。非食品価格は0.0%(10月は0.4%)で、衣類は0.3%上昇(10月は0.3%)、居住価格は0.0%(10月は0.4%)であった。

食品・エネルギーを除いた消費者物価(コア消費者物価)は、11月が前年同月比1.2%上昇(10月は1.3%)、前月比では0.2%下落(10月は0.1%)である2。1-11月は、前年同期比0.8%上昇である。

なお、11月の前年同月比2.3%上昇のうち食品・タバコ・酒価格は1.7%上昇し、物価への影響は約0.49ポイントとなり、このうち畜肉類価格は19.7%下落、物価への影響は約-0.81ポイント(豚肉価格は-32.7%、物価への影響は約-0.68ポイント)である。このほか、生鮮野菜価格は30.6%上昇し、物価への影響は約0.60ポイント、卵価格は17.6%上昇、物価への影響は約0.10ポイント、水産品価格は8.5%上昇、物価への影響は約0.15ポイント、食糧価格は1.5%上昇、物価への影響は約0.03ポイント、果物価格は4.1%上昇、物価への影響は約0.07ポイントであった。

また11月の2.3%上昇のうち、前年の価格上昇の本年への影響は約0.6ポイント、新たなインフレ要因は約1.7ポイントである。

なお、国家統計局都市司の董莉娟高級統計師は、「CPIの前月比上昇幅が10月より0.3ポイント縮小した背景として、1)季節的な消費需要の伸びと短期的な豚の供給逼迫等の要因の影響を受け、豚肉価格が下落から上昇に転じた、2)各地方が多くの措置を併せ打ち出し、副食品の供給を保障し、野菜の出荷量が徐々に増えたことに伴い、生鮮野菜価格の上昇幅が10月より大幅に縮小した、3)ガソリン価格が3.1%上昇、ディーゼル油価格が3.3%上昇し、石油ガス価格が1.2%上昇し、いずれも上昇幅が10月より縮小した、4)休暇後の旅行の減少と疫病の散発の影響を受け、航空券代、旅行会社手数料、ホテル・旅館価格が下落した。

また、前年同期比で上昇幅が10月より0.8ポイント拡大した背景として、1)豚肉価格の下落幅が縮小した、2)生鮮野菜価格の上昇幅が拡大した、3)鶏卵・淡水魚・食用植物油価格が上昇した、4)ガソリン価格が36.7%上昇、ディーゼル油価格が40.6%上昇し、上昇幅が拡大した、5)サービス価格の上昇幅が拡大した」としている。

②工業生産者出荷価格

11月の工業生産者出荷価格は前年同月より12.9%上昇した。前月比では10月と同水準(10月は2.5%)であった。1-11月は前年同期比7.9%上昇である。

(参考)(2017年6.3%)→(2018年3.5%)→(2019年-0.3%)→(2020年-1.8%)→21年1月0.3%→2月1.7%→3月4.4%→4月6.8%→5月9.0%→6月8.8%→7月9.0%→8月9.5%→9月10.7%→10月13.5%→11月12.9%

11月の工業生産者購入価格は、前年同月比17.4%上昇(10月は17.1%)であった。前月比では10月より1.0%上昇(10月は2.6%)した。1-11月は前年同期比10.7%上昇である。

また11月の12.9%上昇のうち、前年の価格上昇の本年への影響は約1.2ポイント、新たなインフレ要因は約11.7ポイントである。

なお、国家統計局都市司の董莉娟高級統計師は、「前月比で10月より上昇幅が横ばいになった背景として、1)多くの部門が連動して石炭価格の非理性的な上昇に歯止めをかけ、石炭の生産量と市場供給量は引き続き増加し、石炭採掘・洗浄業、石炭加工業価格が上昇から下落に転じた、2)金属業の供給保障・価格安定政策が顕在化し、鉄金属精錬・圧延加工業、非鉄金属精錬・圧延加工業、価格が上昇から下落に転じた、3)国際原油・天然ガス価格が高止まりで変動し、国内石油関連業種の価格の上昇をもたらし、石油採掘業、石油精製品製造業、化学原料・化学製品製造業、天然ガス生産・供給業価格が上昇した、4)電力・熱力生産・供給業、農産副食品加工業、紡績業価格が上昇した。

また、前年同月比の上昇幅が10月から0.6ポイント縮小した背景として、1)石炭採掘・洗浄業、鉄金属精錬・圧延加工業、非鉄金属精錬・圧延加工業価格の上昇幅が縮小した、2)石油・天然ガス採掘業、天然ガス生産・供給業、紡績業、食品製造業価格の上昇幅が拡大した」としている。

③住宅価格

11月の全国70大中都市の新築分譲住宅販売価格は前月比59都市が低下(10月は52)し、同水準は2(10月は5)であった。上昇は9である(10月は13)。

前年同月比では、価格が下落したのは16都市(10月は12)であった。同水準は0(10月は2)、上昇は54(10月は56)である。

国家統計局都市司の縄国慶高級統計師は、「70大中都市の新築分譲住宅価格の前月比は下落の態勢を継続し、前年同月比上昇幅は引き続き縮小している。

前月比では、70大中都市のうち、4の一線都市の新築分譲住宅価格は10月と同水準であった。うち北京は0.3%上昇、上海は0.2%上昇、広州は0.6%下落、深圳は横ばいであった。31の二線都市の新築価格は0.4%下落、下落幅は10月より0.2ポイント拡大した。35の三線都市の新築価格は0.3%下落し、下落幅は10月と同じであった。

前年同月比では、70大中都市のうち、一線都市の新築価格は4.8%上昇し、上昇幅は10月から0.2ポイント縮小した。二線都市の新築価格は3.3%上昇し、上昇幅は10月より0.4ポイント縮小した。三線都市の新築価格は1.4%上昇し、上昇幅は10月より0.4ポイント縮小した」と指摘している。

(2)工業

11月の工業生産は前年同月比実質3.8%増となった。2019年11月比では11.1%増、2年平均では5.4%増で10月より0.2ポイント上昇した。11月は前月比では、0.37%増となった3。主要製品別では、発電量0.2%増(10月は3.0%)、鋼材-14.7%(10月は-14.9%)、セメント-18.6%(10月は-17.1%)、自動車-7.1%(うち乗用車-5.6%、SUV車-4.9%、新エネルギー車112.0%増)となっている。10月の自動車-8.3%(うち乗用車-8.1%、SUV車-6.4%、新エネルギー車127.9%増)に比べ、乗用車・SUV車はマイナス幅が縮小した。分類別では、国有株支配企業3.6%増、株式制企業4.5%増、外資企業1.9%増、私営企業3.9%増であった。

(参考)(2017 年6.6%)→(2018年6.2%)→(2019年5.7%)→(2020年2.8%)→21年1-2月35.1%→3月14.1%→4月9.8%→5月8.8%→6月8.3%→7月6.4%→8月5.3%→9月3.1%→10月3.5%→11月3.8%

1-11月の工業生産は前年同月比実質10.1%増となった。2年平均では6.1%増であり、1-10月より0.2ポイント減速した。主要製品別では、発電量9.2%増、鋼材1.0%増、セメント-0.2%、自動車5.3%増(うち乗用車5.9%増、SUV車6.9%増、新エネルギー車155.0%増)となっている。分類別では、国有株支配企業8.5%増、株式制企業10.4%増、外資企業9.5%増、私営企業10.9%増であった。

なお、国家統計局は、11月の特徴として、「①供給保障・価格安定、企業困難緩和支援等の政策措置の有力な推進に伴い、11月の工業生産は引き続き小幅に上昇した、②ハイテク製造業と装置製造業の牽引作用が増強された、③消費財製造業の生産が安定的に回復した、④私営、小型・零細企業の生産上昇幅がかなり大きかった、⑤工業の輸出がある程度加速した」としながらも、「①現在外部環境は更に複雑化傾向にある、②国内の疫病が多くのスポットで散発している、③大口取引商品価格が高止まっている、④川中・川下企業のコスト上昇圧力がかなり大きい、⑤産業チェーンの断裂・目詰まりが依然として顕著である、⑥回復の基礎がなお堅固ではない」としている。

1-11月の一定規模以上の工業企業利潤総額は7兆9750.1億元、前年同期比38.0%増(1-10月42.2%)、2019年1-11月比41.3%増、2年平均18.9%増となった。うち国有株支配企業の利潤総額は2兆3638.1億元、同65.8%増、株式制企業は5兆7618.9億元、同44.0%増、外資企業は2兆645.0億元、同24.3%増、私営企業は2兆4984.3億元、同27.9%増である。11月の一定規模以上の工業企業利潤総額は8059.6億元、前年同期比9.0%増であった。

(参考)2019年-3.3%→2020年4.1%→21年1-2月179%→1-3月137%→1-4月106%→1-5月83.4%→1-6月66.9%→1-7月57.3%→1-8月49.5%→1-9月44.7%→1-10月42.2%→1-11月38.0% 1-11月の一定規模以上の工業企業の本業営業収入100元当たりのコストは83.72元(1-10月83.70元、前年同期比0.43元減)である。11月末の資産負債率は56.4%(10月末56.3%、前年同期比0.4ポイント減)であった。

なお、国家統計局によれば、1-11月の特徴は、①利潤の業種構造がある程度改善した。一部の大口取引商品価格に反落が出現し、鉱物採掘業・原材料製造業の利潤の伸びへの牽引力がある程度減弱し、川中・川下の装置・消費財製造業の利潤への寄与が増え、利潤のウエイトが顕著に上昇し、川上・川下の利潤分化現象がある程度緩和された、②消費財業種の利潤の伸びが顕著に加速した、③装置製造業の利潤が低下から上昇に転じた、④鉱物採掘業が引き続き利潤の伸びを牽引した、⑤私営、小型・零細企業の利潤が引き続き改善した、としながらも、「コスト圧力はなおかなり大きく、川下業種の利潤の改善をなお一層強固にする必要がある」とする。

(3)消費

11月の社会消費品小売総額は4兆1043億元、前年同月比3.9%増(実質0.5%増)となった。2019年11月比では9.0%増である。2年平均の伸びは4.4%増であり、10月より0.2ポイント下落した。なお、自動車を除く伸びは、5.4%増である。11月は前月比では、0.22%増である4。都市は3.7%増、農村は4.8%増である。

一定額以上の企業(単位)消費品小売額は1兆6031億元、同4.2%増であり、うち穀類・食用油・食品14.8%増、アパレル・靴・帽子類-0.5%、建築・内装14.1%増、家具6.1%増、自動車-9.0%、家電・音響機器類6.6%増となっている。自動車の伸びは、10月の-11.5%からマイナス幅が縮小した。11月の商品小売額は4.8%増であった。レストランは-2.7%(10月は2.0%)である。

(参考)(2017年10.2%)→(2018年9.0%)→(2019年8.0%)→(2020年-3.9%)→21年1-2月33.8%→3月34.2%→4月17.7%→5月12.4%→6月12.1%→7月8.5%→8月2.5%→9月4.4%→10月4.9%→11月3.9%

1-11月の社会消費品小売総額は39兆9554億元、前年同月比13.7%増となった。2019年1-11月比は8.2%増、2年平均の伸びは4.0%で、1-10月と同水準であった。なお、自動車を除く伸びは、14.0%増である。都市は13.8%増、農村は13.3%増である。

一定額以上の企業(単位)消費品小売額は14兆7516億元、同14.9%増であり、うち穀類・食用油・食品10.7%増、アパレル・靴・帽子類14.9%増、建築・内装22.2%増、家具16.9%増、自動車9.7%増、家電・音響機器類12.2%増となっている。

1-11月の商品小売額は前年同期比12.8%増(1-10月は13.8%)であった。1-11月、レストランは21.6%増(1-10月は25.7%)である。

1-11月の全国インターネット商品・サービス小売額は11兆8749億元で、前年同期比15.4%増となった。うち実物商品は9兆8056億元、同13.2%増(1-10月は14.6%増)で、社会消費品小売総額の24.5%を占めている。2年平均は13.2%である。実物商品のうち、食品は18.8%増、衣類は11.1%増、日用品は13.1%増である。

なお、国家統計局は、「商品小売は安定した伸びを維持し、基本生活類商品市場の小売の伸びの勢いはかなり好く、一部グレードの高い商品の小売の伸びは加速した。オンライン消費は、11月11日「独身の日」の消費動向をみると、グリーン・低炭素消費の傾向が徐々に顕在化している。11月の宅配業務量は前年同期比15%増で、累計業務量は900億件を超えた。スーパー・コンビニ等の小売は安定の中で上昇している」としながらも、「11月は国内の多くの地域で新型コロナが発生し、個人消費とりわけレストラン等の密集型消費のダメージがかなり大きく、市場販売の伸びはある程度鈍化した」としている。

(4)投資
①都市固定資産投資

1-11月の都市固定資産投資は49兆4082億元で、前年同期比5.2%増となった。2019年1-11月比では7.9%増である。2年平均は3.9%増で、1-10月より0.1ポイント上昇した。11月は前月比では0.19%増である5。地域別では、東部6.6%増、中部11.0%増、西部4.4%増、東北5.7%増となっている。内資企業は4.9%増で、外資企業は3.8%増であった。

製造業投資は、前年同期比13.7%増(1-10月は14.2%)であった。2年平均では4.3%増であり、1-10月より0.5ポイント上昇した。
インフラ投資(電力・熱・天然ガス・水生産供給以外)は前年同期比0.5%増(1-10月は1.0%)となった。うち、鉄道輸送は-1.7%(1-10月は-3.5%)、道路輸送は-0.3%(1-10月は-0.2%)、水利2.1%増(1-10月は3.4%)、公共施設-1.6%(1ー10月は-0.8%)であった。

(参考)都市固定資産投資:(2017年7.2%)→(2018年5.9%)→(2019年5.4%)→(2020年2.9%)→21年1-2月35.0%→1-3月25.6%→1-4月19.9%→1-5月15.4%→1-6月12.6%→1-7月10.3%→1-8月8.9%→1-9月7.3%→1-10月6.1%→1-11月5.2%
インフラ投資: (2017年19.0%)→(2018年3.8%)→(2019年3.8%)→(2020年0.9%)→21年1-2月36.6%→1-3月29.7%→1-4月18.4%→1-5月11.8%→1-6月7.8%→1-7月4.6%→1-8月2.9%→1-9月1.5%→1-10月1.0%→1-11月0.5%

なお、国家統計局は、「①計画総投資が1億を超える大プロジェクトの投資完成額は前年同期比7.5%増で、全投資に占めるウエイトは50.4%、全投資の伸びへの寄与率は71.1%であった、②製造業の投資が引き続き2ケタで伸びた、③ハイテク産業の投資の2年平均の伸びが、14.2%増と1-10月より0.7ポイント上昇した、④社会分野(衛生・社会政策、教育)の投資がかなり速い伸びを維持した」とし、「ベースの上昇、疫病の散発等の要因の影響を受けて、1-11月の伸びはある程度鈍化したが、鈍化の中で安定傾向にあり、構造が最適化されている。今後、供給保障・価格安、企業の困難緩和、投資安定化等の政策効果が一層顕在化するに伴い、投資は鈍化の中で安定するものと見込まれる」としている。

②不動産開発投資

1-11月の不動産開発投資は13兆7314億元で前年同期比6.0%増、2019年1-11月比では13.2%増である。2年平均は6.4%増で、1-10月よ0.4ポイント低下した。うち住宅は10兆3587億元、8.1%増である。オフィスビルは5438億元、同-6.1%である。地域別では、東部5.8%増、中部10.2%増、西部4.1%増、東北-0.9%であった。

(参考)(2017年7.0%)→(2018年9.5%)→(2019年9.9%)→20年1-11月6.3%→(2020年7.0%)→21年1-2月38.3%→1-3月25.6%→1-4月21.6%→1-5月18.3%→1-6月15.0%→1-7月12.7%→1-8月10.9%→1-9月8.8%→1-10月7.2%→1-11月6.0%

1-11月の分譲建物販売面積は15億8131万㎡で、前年同期比4.8%増、2019年1-11月比では6.2%である。2年平均は3.1%増であり、1-10月より0.5ポイント低下した。うち、分譲住宅販売面積は4.4%増(1-10月は7.1%)、オフィスビルは2.0%増(1-10月は2.4%)である。地域別では、東部5.8%増、中部9.0%増、西部1.2%増、東北-7.5%である。

(参考)分譲建物販売面積:(2017年7.7%)→(2018年1.3%)→(2019年-0.1%)→(2020年2.6%)→21年1-2月104.9%→1-3月63.8%→1-4月48.1%→1-5月36.3%→1-6月27.7%→1-7月21.5%→1-8月15.9%→1-9月11.3%→1-10月7.3%→1-11月4.8%

1-11月の分譲建物販売額は16兆1667億元、前年同期比8.5%増、2019年1-11月比では16.3%増である。2年平均は7.8%増であり、1-10月より1ポイント低下した。うち、分譲住宅販売額は9.3%増(1-10月は12.7%増)、オフィスビルは-3.0%(1-10月は-1.6%)である。地域別では、東部11.8%増、中部11.1%増、西部0.7%増、東北-11.0%である。

(参考)分譲建物販売額:(2017年13.7%)→(2018年12.2%)→(2019年6.5%)→(2020年8.7%)→21年1-2月133.4%→1-3月88.5%→1-4月68.2%→1-5月52.4%→1-6月38.9%→1-7月30.7%→1-8月22.8%→1-9月16.6%→1-10月11.8%→1-11月8.5%

11月末の分譲建物在庫面積は5億165万㎡、10月末比38万㎡減で、前年同期比1.8%増、うち分譲住宅在庫面積は10月末比99万㎡減、前年同期比1.0%増であった。

1-11月のディベロッパーの資金源は18兆3362億元であり、前年同期比7.2%増(1-10月は8.8%)、2019年1-11月比では14.2%増である。2年平均は6.9%増であり、1-10月より0.2ポイント減少した。うち、国内貸出が2兆1640億元、-10.8%、外資が90億元、-41.7%、自己資金が5兆9378億元、4.8%増、手付金・前受金6兆7156億元、17.0%増、個人住宅ローン2兆9633億元、9.8%増である。

③民間固定資産投資

1-11月の全国民間固定資産投資は28兆1027億元であり、前年同期比7.7%増である6。2年平均は3.8%増で、1-10月と同水準であった。

(参考)(2018年8.7%)→(2018年8.7%)→(2019年4.7%)→20年1-11月0.2%→2020年1.0%→21年1-2月36.4%→1-3月26.0%→1-4月21.0%→1-5月18.1%→1-6月15.4%→1-7月13.4%→1-8月11.5%→1-9月9.8%→1-10月8.5%→1-11月7.7%

④科学技術政策

科学技術政策は、着実に実施しなければならない。

科学技術体制改革3年アクションプランを実施し、基礎研究10年計画を制定・実施しなければならない。国家の戦略的科学技術パワーを強化し、国家実験室の役割をしっかり発揮させ、全国重点実験室を再編し、科学研究所(院)の改革を推進する。企業のイノベーション主体としての地位を強化し、産・学・研の結合を深化させ、科学技術イノベーションの環境を整備し、着実な科学研究の作風を形成し、国際科学技術協力を引き続き展開しなければならない。

(5)対外経済
①輸出入

11月の輸出は3255.3億ドル、前年同月比22.0%増、輸入は2538.1億ドル、同31.7%増となった7。貿易黒字は717.1億ドルであった。

(参考)輸出:(2017年7.9%)→(2018年9.9%)→(2019年0.5%)→(2020年3.6%)→21年2月154.9%(1-2月60.6%)→3月30.6%→4月32.3%→5月27.9%→6月32.2%→7月19.3%→8月25.6%→9月28.1%→10月27.1%→11月22.0%
輸入:(2017年 15.9%)→(2018年 15.8%)→(2019年-2.8%)→(2020年-1.1%)→21年2月17.3%(1-2月22.2%)→3月38.1%→4月43.1%→5月51.1%→6月36.7%→7月28.1%→8月33.1%→9月17.6%→10月20.6%→11月31.7%

1-11月の輸出は3兆264.5億ドル、前年同期比31.1%増、輸入は2兆4447.3億ドル、同31.4%増となった。貿易黒字は5817.1億ドルであった。

1-11月の輸出入総額が5兆4711.8億ドル、前年同期比31.3%増であったのに対し、対EU29.2%増、対米30.2%増8(1-10月は33.4%)、対日18.9%増9(1-10月は19.4%)、対アセアン29.8%増である。

1-11月輸出の労働集約型製品のうち、アパレル類前年同期比25.1%増、紡績-7.5%、靴36.1%増、家具30.9%増、プラスチック製品31.1%増、鞄36.5%増、玩具39.5%増である。電器・機械は同30.4%増、ハイテク製品は26.7%増である。

②外資利用

1-11月の外資利用実行額は1兆422億元(ドル換算1572億ドル)、前年同期比15.9%増(ドル換算21.4%増)であった10

(参考)(2017年7.9%)→(2018年0.9%)→(2019年5.8%)→(2020年6.2%)→21年1月4.6%→1-2月31.5%→1-3月39.9%→1-4月38.6%→1-5月35.4%→1-6月28.7%→1-7月25.5%→1-8月22.3%→1-9月19.6%→1-10月17.8%→1-11月15.9%11

1-11月のサービス業の外資利用は8239.4億元、前年同期比17%増であった。ハイテク産業は19.3%増、うちハイテクサービス業は20.8%増、ハイテク製造業は14.3%増である。

地域別では、アセアン23.7%増である。

国内の地域別では、東部15.4%増、中部25.8%増、西部13.4%増であった。

③外貨準備

11月末、外貨準備は3兆2223億ドルであった。10月末に比べ47億ドルの増加(10月は170億ドル増)で。2カ月連続プラスとなった。国家外貨管理局は、新型コロナウイルスの感染状況や各国の財政・金融政策の影響を受け、主要国の債券価格が上昇したことが反映したとしている。

④米国債保有

10月末の米国債保有高は、前月比178億ドル増の1兆654億ドルで、2位。29カ月連続1位の日本は、208億ドル増の1兆3204億ドルである。

(6)金融

11月末のM2の残高は235.6兆元、伸びは前年同期比8.5%増と、10月末より0.2ポイント減速、前年同期より2.2ポイント減速した。M1は3%増で、10月末より0.2ポイント加速、前年同期より7ポイント減速した。11月の現金純放出は1348億元であった。

人民元貸出残高は191.56兆元で前年同期比11.7%増であり、伸び率は10月末より0.2ポイント減速、前年同期より1.1ポイント減速した。11月の人民元貸出増は1.27兆元(10月は8262億元)で、前年同期より伸びが1605億元減少している。うち個人向け貸出は7337億元増、企業等への中長期貸出は3417億元増であった。

人民元預金残高は231.09兆元で、前年同期比8.6%増であった。11月の人民元預金は1.14兆元増(10月は7649億元減)で、前年同期より伸びが9612億元減少している。うち個人預金は7308億元増、企業預金は9451億元増であった。

(参考)M2 :2017年12月8.1%→18年12月8.1%→19年12月8.7%→20年12月10.1%→21年1月9.4%→2月10.1%→3月9.4%→4月8.1%→5月8.3%→6月8.6%→7月8.3%→8月8.2%→9月8.3%→10月8.7%→11月8.5%

11月末の社会資金調達規模残高は311.9兆元であり、前年同期比10.1%増となった。うち、実体経済への人民元貸出残高12は190.5兆元、11.8%増、委託貸付残高は10.92兆元、-1.8%、信託貸付残高は4.81兆元、-29.3%、企業債券残高は29.72兆元、7.7%増、政府債券残高51.9兆元、14.4%増13、株式残高は9.28兆元、14%増である。

構成比では、実体経済への人民元貸出残高は61.1%(前年同期比0.9ポイント増)、委託貸付残高は3.5%(同-0.4ポイント)、信託貸付残高は1.5%(同-0.9ポイント)、企業債券残高は9.5%(同-0.2ポイント)、政府債券残高は16.6%(同0.6ポイント増)、株式残高は3%(同0.1ポイント増)である。

11月の社会資金調達規模のフローは2.61兆元で、前年同期より4786億元増加した。2019年11月より6204億元増加した。うち、実体経済への人民元貸出は1.3兆元増(伸びが前年同期比2288億元減)、委託貸付は35億元増(伸びが66億元増)、信託貸付は2190億元減(減少が803億元増)、企業債券純資金調達4104億元(3264元増)、政府債券純資金調達8158億元(4158億元増)、株式による資金調達は1294億元(523億元増)である。

(7)財政

1-11月の全国財政収入は19兆1252億元で、前年同期比12.8%増となった14。中央財政収入は8兆8392億元、同13.1%増、地方レベルの収入は10兆2860億元、同12.6%増である。税収は16兆4490億元、同14%増、税外収入は2兆6762億元、同5.9%増であった。

(参考)財政収入:(2017年7.4%)→(2018年6.2%)→(2019年3.8%)→(2020年-3.9%)→21年1-2月18.7%→1-3月24.2%→1-4月25.5%→1-5月24.2%→1-6月21.8%→1-7月20%→1-8月18.4%→1-9月16.3%→1-10月14.5%→1-11月12.8%

1-11月の全国財政支出は21兆3924億元、前年同期比2.9%増であった15。中央レベルの支出は3兆564億元、同2.7%増、地方財政支出は18兆3360億元、同3%増である。

なお、1-11月の地方政府基金収入は7兆2875億元、前年同期比4.8%増であり、うち国有地土地使用権譲渡収入は6兆7625億元、同3.8%増(1-10月は6.1%)であった。

(8)雇用

11月の全国都市調査失業率は5.0%(前年同期比0.2ポイント低下)である。現地戸籍人口調査失業率は5.1%(10月4.9%)、外来戸籍人口調査失業率は4.8%(10月4.8%)である。

16-24歳人口の調査失業率は14.3%(10月14.2%)、25-59歳の調査失業率は4.3%(10月4.2%)であった。31大都市調査失業率は5.1%となった。

(参考)全国都市調査失業率:2018年12月4.9%→19年12月5.2%→20年12月5.2%(2020年5.6%)→21年1月5.4%→2月5.5%→3月5.3%→4月5.1%→5月5.0%→6月5.0%→7月5.1%→8月5.1%→9月4.9%→10月4.9%→11月5.0%

31大都市調査失業率:2018年12月4.7%→19年12月5.2%→20年12月5.1%→21年10月5.5%→3月5.3%→4月5.2%→5月5.2%→6月5.2%→7月5.2%→8月5.3%→9月5.0%→10月5.1%→11月5.1%

1-11月の新規就業者増は1207万人(年間目標1100万人以上を超過達成)である。

(9)社会電力使用量

11月は前年同期比3.1%増であった。2019年1-11月比13.6%増、2年平均は6.6%増である。うち、第1次産業は14.0%増、第2次産業は0.8%増、第3次産業は8.7%増、都市・農村住民生活用は9.5%増であった。

1-11月は前年同期比11.4%増であった。2019年1-11月比15.1%増、2年平均は7.3%増である。うち、第1次産業は18.1%増、第2次産業は10.2%増、第3次産業は19.0%増、都市・農村住民生活用は7.5%増であった。

(参考)(2017年6.6%)→(2018年8.5%)→(2019年4.5%)→(2020年3.1%)→21年2月18.5%(1-2月22.2%)→3月19.4%→4月13.2%→5月12.5%→6月9.8%→7月12.8%→8月3.6%→9月6.8%→10月6.1%→11月3.1%

(10)輸送

1-11月の鉄道貨物輸送量は43億トン、前年同期比6.1%増であった。11月の鉄道貨物輸送量は4.2億トン、前年同期比6%増であった。

1-11月の道路貨物輸送量は357.1億トン、同15.6%増であった。11月の道路貨物輸送量は34.8億トン、同-1.3%であった。

1-11月の全社会貨物輸送量は475億トン、同13.5%増であった。11月の全社会貨物輸送量は46.6億トン、同0.2%増であった。

(参考)鉄道貨物:(2017年10.7%)→(2018年9.1%)→(2019年7.2%)→(2020年3.2%)→21年1-2月15.0%→1-3月13.9%→1-4月14.5%→1-5月13.5%→1-6月11.1%→1-7月8.2%→1-8月7.5%→1-9月6.6%→1-10月6.1%→1-11月6.1%
道路貨物:(2017年10.1%)→(2018年7.4%)→(2019年5.1%)→(2020年-0.3%)→21年1-2月63.8%→1-3月53.5%→1-4月40.6%→1-5月33.5%→1-6月29%→1-7月25.7%→1-8月22.6%→1-9月19.8%→1-10月17.8%→1-11月15.6%
全社会貨物:(2017年9.3%)→(2018年7.1%)→(2019年5.5%)→(2020年-0.5%)→21年1-2月48.5%→1-3月42.4%→1-4月33.8%→1-5月28.3%→1-6月24.6%→1-7月21.7%→1-8月19.2%→1-9月16.8%→1-10月15.2%→1-11月13.5%

  1. 国家統計局によれば、2011年のウエイト付け改定で、居住価格のウエイトは20%前後になったとしている。
  2. コア消費者物価は2013年から公表が開始された。
  3. 2021年1月は0.64%増、2月は0.63%増、3月は0.61%増、4月は0.51%増、5月は0.49%増、6月は0.50%増、7月は0.23%増、8月は0.30%増、9月は0.05%増、10月は0.39%増である。
  4. 2021年1月は-0.20%、2月は0.79%増、3月は0.69%増、4月は0.01%増、5月は0.66%増、6月は0.41%増、7月は-0.25%、8月は0.33%増、9月は0.29%増、10月は0.40%増である。
  5. 2021年1月は0.22%、2月は0.15%増、3月は0.17%増、4月は0.26%増、5月は0.01%増、6月は0.09%増、7月は0.05%増、8月は0.14%増、9月は0.15%増、10月は0.15%増である。
  6. この統計は2012年から公表が開始された。
  7. 前月比は輸出8.4%増、輸入17.6%増である。
  8. 輸出(2020年7.9%)→21年1-2月87.3%→3月53.3%→4月31.2%→5月20.6%→6月17.8%→7月13.4%→8月15.5%→9月30.6%→10月22.7%→11月5.3%
    輸入(2020年9.8%)→21年1-2月66.4%→3月75.1%→4月51.7%→5月40.5%→6月37.6%→7月25.6%→8月33.3%→9月16.6%→10月4.6%→11月22.0%である。
  9. 1-11月の輸出は1512.7億ドル、前年同期比17.1%増、輸入は1885.3億ドル、20.4%増である。11月の輸出は153.2億ドル、前年同月比12.6%増(10月は16.3%)、輸入は187.4億ドル、14.4%増(10月は9.9%)である。
  10. 伸びは人民元ベースである。
  11. ドルベースでは、(2017年4%)→(2018年3%)→(2019年2.4%)→(2020年4.5%)→21年1月6.2%→1-2月34.2%→1-3月43.8%→1-4月42.8%→1-5月39.8%→1-6月33.9%→1-7月30.9%→1-8月27.8%→1-9月25.2%→1-10月23.4%→1-11月21.4%である。
  12. 一定期間内に実体経済(非金融企業と世帯)が金融システムから得た人民元貸出であり、銀行からノンバンクへの資金移し替えは含まない。
  13. 2019年12月から、国債と地方政府一般債券を統計に組み入れ、これまでの地方政府特別債券と併合し「政府債券」とした。
  14. 主な収入の内訳は、国内増値税5兆9003億元、前年同期比13.4%増、国内消費税Ⅰ兆3191億元、12.5%増、企業所得税4兆1414億元、14.8%増、個人所得税1兆2594億元、20.3%増、輸入貨物増値税・消費税1兆6308億元、20.1%増、関税2633億元、11.6%増である。輸出に係る増値税・消費税の還付は1兆5259億元、19.2%増である。都市維持建設税は4829億元、15.2%増、車両購入税は3270億元、2.5%増、印紙税は3935億元、35.4%増(うち証券取引印紙税は2476億元、43.3%増)、資源税は2138億元、33.6%増、環境保護税は201億元、-1.9%である。不動産関連では、契約税6837億元、前年同期比8.7%増、土地増値税6442億元、10.4%増、不動産税2967億元、17.7%増、耕地占用税931億元、-16.6%、都市土地使用税1930億元、4.1%増であった。
  15. 主な支出は、教育3兆2215億元、前年同期比5.1%増、科学技術7409億元、5.9%増、文化・観光・スポーツ・メディア3216億元、1%増、社会保障・雇用3兆760億元、4.9%増、衛生・健康1兆6854億元、2.2%増、省エネ・環境保護4476億元、-7.1%、都市・農村コミュニティ1兆7127億元、-0.3%、農林・水産1兆8362億元、-4.9%、交通・運輸9787億元、-4.3%、債務利払い9639億元、6.6%増である。