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研究者のご紹介

田中 修

中国経済レポート

新型肺炎とマクロ政策(77)

 

新領域研究センター 田中 修

2021年11月11日


はじめに

本稿では、10月14日の全国老齢工作会議、10月27日・11月2日の国務院常務会議、11月1日の「市場主体を壮大に発展させる工作座談会」の概要を紹介する。

10月14日 全国老齢工作会議

 (1)習近平総書記の重要指示

各レベル党委員会・政府は、高齢者対策を高度に重視し、かつ確実にしっかり実施し、人口高齢化に積極的に対応する国家戦略を貫徹実施し、ポジティブな高齢者観・健全な高齢化理念を経済社会発展の全プロセスに融け込ませ、制度の刷新・政策の供給・財政の投入を強化し、健全な高齢者対策の体系を整備し、末端のパワーの配備を強化し、健全な社会保障システム・高齢者介護サービスシステム・ヘルスケアサポートシステムの整備を加速しなければならない。

親孝行・敬老の伝統・美徳を大いに発揚し、高齢者優待政策をしっかり実施し、高齢者の合法権益をしっかり擁護し、高齢者の積極的役割を発揮させ、高齢者に改革・発展の成果を共に享受させ、晩年を安寧・幸福にしなければならない。

 (2)李克強総理の重要指示

高齢者対策は、億万の高齢者・家庭福祉・国家発展の全局に関わるものである。近年、各地方・各部門の共同努力の下、高齢者事業の発展は顕著な成果を収めている。

習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想を導きとし、党中央・国務院の政策決定・手配を真剣に貫徹し、人口高齢化に積極的に対応する国家戦略を実施し、社会保障・高齢者介護・医療等の民生問題における広範な高齢者の「差し迫った難儀、憂い、期待」に焦点を絞り、関連改革を深化させ、健全な高齢者対策・制度・政策メカニズムを整備し、高齢者事業と産業の質の高い発展を推進し、コミュニティによる高齢者介護を積極的に発展させ、社会(民間)のパワー・役割を更に好く発揮させ、高齢者の多層レベル・多様化したニーズを満足させなければならない。

老人病の予防・早期関与を強化し、能力を失った高齢者の介護体系を構築する。各レベル政府は真剣に職務を履行し、力を尽くして行い、力量を慮って実行し、高齢者の居住・生活環境の改善を重視し、高齢者の精神・文化生活を豊富にし、高齢者の尊厳・権益を擁護し、高齢者をケアし、高齢者に孝行し、高齢者を敬う社会の気風を作り上げ、広範な高齢者の獲得感・幸福感・安全感を不断に高めなければならない。

 (3)韓正副総理の講話

第18回党大会以降、各地方・関係部門党中央・国務院の政策決定・手配を真剣に貫徹実施し、わが国の高齢者事業の発展は一連の新たな成果を収めた。

高齢者対策に関する習近平総書記の重要講話・指示精神を深く学習・理解し、全局・戦略の高みから、高齢者対策をしっかり行うことの重要性・緊迫性を深刻に認識し、高齢者対策の重要任務を全面実施し、新時代の高齢者事業の発展を推進し、不断に新段階へ踏み出さなければならない。

多層レベルの高齢者介護保障システムを一層整備し、健全な基本年金保険制度を整備し、高齢者介護保障の水準を徐々に高め、第2・第3の支柱年金保険の発展を加速しなければならない。

健全な高齢者介護サービス体系の整備を加速し、自宅・コミュニティの高齢者介護サービスを大いに発展させ、機関による高齢者介護サービスの質を高め、農村高齢者介護サービスの不足部分を補充しなければならない。

高齢者へのヘルスケアサービスを確実に強化し、高齢者の健康管理を強化し、高齢者医療サービス能力を高め、コミュニティ・自宅の医療・高齢者介護を結びつけたサービスを発展させ、医療保険等の制度を整備しなければならない。

高齢者産業の発展を早急に推進し、高齢者産業の計画・基準等の基礎的政策を強化し、高齢者用品・サービス市場を奮い立たせ、高齢者産業の発展環境を最適化しなければならない。

高齢者に優しい社会の構築に力を入れ、高齢者が住みやすい環境の建設を強化し、経済社会の発展への高齢者の参加を支援し、高齢者社会の優待政策を一層しっかり実施し、高齢者の合法権益を確実に擁護しなければならない。

高齢者対策への組織的指導を強化し、強大な合成力を形成し、高齢者対策の質・効率を高めなければならない。

 (4)孫春蘭副総理の総括講話

党中央・国務院の政策決定・手配と会議精神を真剣に貫徹し、人口高齢化に積極的に対応する国家戦略を深く実施し、ポジティブな高齢者観・健康な高齢化理念を経済社会発展の全プロセスに融け込ませ、「予防・治療・介護」が三位一体となった高齢者ヘルスケアサービスモデルを構築し、都市・農村高齢者介護サービスの供給を最適化し、高齢者サービスのための専門人材育成を強化し、高齢者に優しい社会の建設を推進し、高齢者の獲得感・幸福感・安全感を不断に増強しなければならない。

10月27日 国務院常務会議

 (1)製造業中小・零細企業への納税猶予

製造業は、実体経済の基礎であり、中小・零細企業と個人工商事業者は市場主体の重要な構成部分であり、経済発展・雇用拡大・市場活性化・民生改善等の方面で、重要な役割を発揮している。

党中央・国務院の手配に基づき、「6つの保障」(庶民の雇用、基本民生、市場主体、食糧・エネルギーの安全、産業チェーン・サプライチェーンの安定、末端の運営を保障)とりわけ雇用・民生・市場主体の保障政策を一層しっかり実施しなければならない。

大口取引商品価格の高止まり・生産コストの大幅上昇等が企業とりわけ製造業企業にもたらした影響に対し、市場化・包摂的方式で支援を強化し、企業の困難緩和に助力し、市場の予想と雇用を安定し、工業経済の平穏な運営を促進する。

今年10-12月期、製造業中小・零細企業が実現する企業所得税・国内増値税・国内消費税とこれに付帯して課税する都市建設維持税、及び個人工商事業者・個人独資・合弁企業の個人所得税(これが代わりに徴収する個人所得税を含まない)に対し、段階的納税猶予を実行する。

このうち、

①年間販売収入が2000万元以下の製造業小型・零細企業(個人工商事業者を含む)に対し、それが実現した税額を全額納税猶予する。

②年間販売収入が2000万元~4億元の製造業中型企業に対し、実現した税額の50%を納税猶予し、特殊困難企業は法に基づき特別申請すれば全額の納税猶予を認める。

③納税猶予は2021年11月1日から実施し、22年1月の納税申告期に終了する。製造業中小・零細企業の納税猶予は2000億元前後になると予想される。

④このほか、石炭火力発電・熱供給企業の経営困難を緩和するため、2021年10-12月期に実現した税額について納税猶予を実施し、納税猶予の総額は170億元前後と予想される。この納税猶予措置の猶予期間は、最長3カ月とする。

各地方・各関係部門は、納税猶予事項の処理手続を簡素化し、処理進度を加速し、政策の宣伝・説明を強化し、企業優遇政策が精確に直接到達し速やかに享することを確保し、条件に合致しない企業が偽って納税猶予政策を享受することを厳格に防止しなければならない。

各省レベル財政は、市・県財政への移転支出をしっかり手配し、納税猶予政策の実施と末端の給与・運営・基本民生が影響を受けないことを確保しなければならない。

同時に、峻厳・複雑な内外情勢に対して、市場主体に対する更なる大規模な減税政策を早急に検討し、マクロの事前調整・微調整を適時的確に強化し、市場主体の関心に応えなければならない。

 (2)対外開放と外資吸収の促進

対外開放の拡大を堅持し、国内大市場の優位性を発揮して、ビジネス環境を最適化し、外資吸収を強化し、更に多くの外資が債券市場を通じて国内発展に参加することを奨励しなければならない。

国外機関投資家が国内債券市場に投資して得た債券利息収入について、企業所得税・増値税を免除する政策の実施期限を、第14次5カ年計画期間末(2025年12月31日)まで延長する。

関係部門は、法律・規定に基づき、全人代常務委員会への届出をしっかり行い、同時に市場の監督管理を強化し、過度な投機・市場操縦等の法律・規定に違反した行為に歯止めをかけなければならない。

11月1日 「市場主体を壮大に発展させる工作座談会」

李克強総理は、市場監督管理総局を視察し、「市場主体を壮大に発展させる工作座談会」
を主催した。

 (1)市場主体の発展動向

全国の市場主体の総量は既に1.5億社を突破し、うち、この10年で新たに1億社増えた。個人工商事業者数も既に1億件を突破した。

億万の市場主体の旺盛なパワーがわが国の経済総量を100兆元の大台に押し上げ、国家財政力と社会の富は安定的に増え、7億人余りの雇用の基盤となり、個人工商事業者だけで3億人近い雇用を牽引した。

2013年以降、新たに増えた市場主体の今年1-9月の納税は3.81兆元に達し、2020年年間と基本的に同水準であった。

 (2)李克強総理の発言

地方と業種から見ると、市場主体はますます多く、ますます活躍しており、このような経済の発展は好ましく、難題を解決し、更に多くの市場主体が生まれ、大きく成長し、しっかり活動することを促進しなければならない。

近年、習近平同志を核心とする党中央の堅固な指導の下、我々は社会主義市場経済体制を堅持・整備し、市場主体を壮大に育成することを「行政の簡素化・権限の委譲、緩和と管理の結合、サービスの最適化」改革の深化、マクロ・コントロールの刷新・実施の注力点として、市場主体を何倍にも増やした。

複雑・峻厳な内外環境に対し、習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想を導きとし、「新たな発展段階に立脚し1、新発展理念を貫徹し、新たな発展の枠組を構築し、質の高い発展を推進する」という要求に基づき、引き続き「6つの保障」政策、とりわけ前半の「3つの保障」(雇用・民生・市場主体の保障)をしっかり行い、改革開放を推進し、周期を跨ぐ調節をしっかり行い、難関越えに努力し、経済運営を合理的区間に維持し、長期の安定を実現しなければならない。

社会主義市場経済体制の発展・整備は市場主体と切り離すことはできず、市場化改革の成果の重要なものは市場主体を壮大に発展させることである。

多くの方面の原因により、現在経済は新たな下振れ圧力に直面している。1億余りの市場主体は、わが国経済発展の底力・強靭性の所在であり、経済基盤をしっかり安定させる重要な基礎である。

市場主体とりわけ中小・零細企業、個人工商事業者の生産・経営の困難に対して、新たな段階的で組み合わせた減税・費用引下げ政策を検討・制定し、包摂的に市場主体に直接到達させ、引き続き金融機関が実体経済に合理的な利潤移譲を行うよう誘導し、失業保険基金を運用して企業の雇用安定・職業訓練を支援しなければならない。

電力・石炭等の供給保障・価格安定をしっかり実施する。有力な措置を採用して、工業経済の運営を奮い立たせる。

「市場主体登記管理条例」の実施を契機に、ビジネス環境を引き続き最適化し、「行政の簡素化・権限の委譲、緩和と管理の結合、サービスの最適化」改革を深く推進し、市場主体の発展を制約する不合理な規制を一層打破し、各種所有制企業を同等と見なさなければならない。企業家精神を発揚する。

市場監督管理の健全で長期有効なメカニズムを整備し、独占と不当競争に反対し、買いだめ・売り惜しみ・価格吊上げ等の行為を取り締まり、公平・公正な市場秩序を擁護しなければならない。品質の安全管理を強化し、知的財産権の保護・運用を強化する。

政府サービスの機能を高め、更に好く企業に便宜を図り人民を優遇しなければならない。通関の円滑化を引き続き推進し、国際協力と外資吸収を促進する。

各部門は、主動的に責任を担い、市場主体の発展のために憂いを除き、困難を解決しなければならない。


11月2日 国務院常務会議

 (1)国務院第8回大監査

中央経済工作会議と政府活動報告の手配・要求実施をめぐり、最近国務院は全国16省(区・市)で実地監査を展開した。

監査活動は方式を刷新し、末端に直接分け入り、政策実施の督促を重視するのみならず、地方・企業の問題解決支援を重視した。

監査情況から見ると、今年に入り、各地方は党中央・国務院の政策決定・手配を断固貫徹し、各政策は積極的成果を収めている。

さらに、各地方・各部門は既定政策の実施と監査で発見された問題の整理・改善にしっかり取り組み、法・規定に基づき問責し、十分な整理・改善を確保し、一層政策の的確性・有効性を増強し、経済運営を合理的区間に維持しなければならない。

①市場主体の困難の緩和・解決を確実に支援しなければならない

一部の地方が減税・費用引下げを割り引き、大口取引商品価格の高騰がコストを押し上げ、中小・零細企業への代金が未払いである等の問題については、措置を採用して解決を推進しなければならない。

経済の新たな下振れ圧力と市場主体の新たな困難に対して、事前調整・微調整を有効に実施する。

②民生の目詰まり・泣き所の解消に努力しなければならない

民生への希望を心に抱かせ、監査で発見した、一部地方の義務教育教師の給与未払いと、医療・老朽化した住宅団地の改造等の方面で民生の実務にしっかり取り組んでいない問題をしっかり解決しなければならない。

大衆の関心事項に応え、「副食品供給」の市長責任制を強化し、肉・卵・野菜とその他生活必需品の供給保障・価格安定政策をしっかり実施する。

有効な措置を採用し、大衆が温暖に冬を越すことを保障し、経済の平穏な運営と雇用の安定を保障する。

③政府公共支出を規範化し、有効にうまく用いなければならない

「面子」プロジェクトを根絶し、地下共同溝建設を重視し、貴重な財政資金を市場主体の支援と基本民生の保障に用いる。

形式主義・官僚主義を強く戒め、不作為と無秩序な作為、「平々凡々な行政」「怠惰な行政」等の行為に断固反対しなければならない。

地方が実施して成果が大きく、企業・大衆が歓迎する措置については普及させてよく、地方が不満をもち解決への支援が必要な問題については、関係部門は検討して方法を打ち出さなければならない。

 (2)農業・農村の現代化

「三農」政策は、社会主義現代化国家全面建設の重点中の重点である。

第14次5カ年計画期間、国情と農業・農村事情に立脚し、ルールを遵守して、土地の事情に応じて施策を講じ、農業・農村の現代化を推進し、経済社会発展に対する農業のサポート・保障能力を増強し、農民の生活水準を引き続き高めなければならない。

①農業生産を安定させる

耕地保護と品質建設を強化し、食糧作付面積を安定させ、食糧生産の6.5億トン以上を維持し、食糧等の重要農産品の供給を保障し、備蓄・市場コントロール能力を高める。

②農業の質・効率を高める

農業科学技術の基礎研究を支援する。種子・農業機械装置等に焦点を絞り、研究開発・イノベーションを加速する。

新しいタイプの農業経営主体を壮大に育成し、専門化・社会化した健全なサービス体系を整備する。

③農村第1次・第2次・第3次産業の融合発展を加速する

健全な農村産業システムを整備し、更に多くの雇用機会と付加価値・収益を農民に留保する。

農業と観光・教育等の融合を推進し、大学・高校・専門学校卒業生、科学技術者、商工業者が帰郷し農村に入って、農村で起業することを支援する。

④農村インフラ建設を強化し、農村の教育・医療・高齢者介護等の基本公共サービスの質を高める

⑤農村重点分野とカギとなる部分の改革を加速し、社会(民間)資本の農業・農村への投下を奨励する

⑥脱貧困堅塁攻略の成果を強固にして発展させることと、農村振興を有効にリンクさせ、脱貧困地域の発展条件を改善する

  1. 「新たな発展段階」が復活している。