田中 修

中国経済レポート

金融当局の発言

新領域研究センター 田中 修

2021年10月29日


はじめに

10月20日から「2021金融街フォーラム」が北京で開催され、金融当局の首脳が発言した。また同日、銀行保険監督管理委員会の郭樹清は、最近の公平競争のための市場秩序擁護について、インタビューを行った。本稿では、その概要を紹介する。なお、不動産市場関係部分は太字で示している。

1.劉鶴副総理(金融街フォーラム)

今年に入り、多重のリスクの衝撃に直面し、習近平同志を核心とする党中央の堅固な指導の下、我々はマクロ財政を有効に実施し、国民経済は安定・回復し、金融系統組織はカギとなる役割を発揮して、積極的成果を収めた。

中国は強い強靭性を備えた超大型の経済体である。党中央・国務院の堅固な指導の下、この強靭性は市場主体の競争力に由来し、経済構造の完全性に由来し、改革開放という正確な政策に由来し、更には超大規模な国内市場と億万人民による艱難辛苦の奮闘を通じた素晴らしい生活を実現するための弛まぬ追求に由来する。

金融系統組織は、一層主動的に成果を出し、更に好く実体経済をサポートし、金融政策の調節をしっかり行い、民営経済、小型・零細企業等への融資支援を増やさなければならない。

グリーン・低炭素を支援し、石炭のクリーンで効率の高い利用と新エネルギーの研究開発・利用を支援し、エネルギー安全を保障し、「炭素排出の強度・総量の削減」の目標の実現を推進する。

ハイレベルの対外開放を推進し、公平な市場環境を創造し、中国にいる外資機関の合法権益を保護し、フィンテックを更に重視し、金融サービスの質・効率を高め、科学技術への監督管理能力建設を強化する。

金融リスクの防止・コントロールを統一的にしっかり行い、リスク防止と発展の安定の動態的バランスを実現する。

現在、不動産市場に個別問題が出現しているが、リスクは総体としてコントロール可能であり、合理的な資金需要は満足を得ており、不動産市場の健全な発展の全体の態勢には変わりはない。

2.易綱人民銀行行長(金融街フォーラム)

今年のフォーラムのテーマは「経済の強靭性と金融の作為」である。このテーマについて、自身の体験を少し話して皆さんの参考に供したい。

(1)第1の体験
社会主義市場経済体制メカニズムは、わが国経済の強靭性の源泉・根本保障である。

社会主義市場経済において、党の指導の下、わが国には億万の財産権が明晰な市場主体があり、これらの市場主体への予算制約はハードである。彼らは労働に努力し、社会のために価値を創造し、社会が必要とする製品・サービスを提供しており、この一点からすれば、各市場主体はみな競争力を備えていなければならず、さもなくば淘汰されてしまう。

経済が外部の衝撃を受けているとき、これらの市場主体も強い強靭性を示している。彼らは、価格・注文・雇用・原材料等の変化に応じて、生産・経営の手配を柔軟に調整し、多くの時間、峻厳な市場競争と生死存亡の試練に向き合わなければならない。

我々は党の基本路線を堅持し、経済建設を中心とすることを堅持し、4つの基本原則を堅持し、改革開放を堅持し、社会主義市場経済体制を不断に整備する。これは、市場主体の活力と経済の強靭性を引き続き増強するために根本保障を提供している。

わが国は、昨年初めに暴発し、現在も続いている新型コロナ感染症の衝撃への対応に成功し、中国の社会主義市場経済体制が全世界で最も強靭性を備えた体制であることを十分表明できた。

金融政策からいえば、昨年人民銀行は前後して3000億元・5000億元・1兆元の市場主体を支援するマネー・貸出政策を打ち出し、今年9月さらに3000億元の再貸出資金を増やした。これらの政策は、主としてみな中小・零細企業の発展を支援するものである。これらのマネー・貸出政策は、財政等の政策をも含め、社会主義市場経済体制の下、億万の市場主体に有効に直接到達させることができ、彼らの活力と強靭性を奮い立たせ、市場主体自身と企業従業員の面倒をみると同時に、社会のために富を創造するよう努力するものである。

今年に入り、わが国経済は安定・発展しており、1-9月のGDPは前年同期比9.8%成長し、CPIは穏やかに上昇しており、政府活動報告において提起された目標は実現可能である。

わが国は経済規模が大きく、経済構造が整備され、技術革新が不断に加速され、改革のボーナス効果が不断に発揮されている等の有利な条件を擁し、とりわけ社会主義市場経済体制という優位性を擁しており、経済の強靭性は必ず不断に強化されよう。


(2)第2の体験
社会主義市場経済体制の下、金融の作為と機能主義は金融資源を更に好く配分すると同時に、不断に市場主体のためにリスク管理等の金融サービスを提供している。

金融の資源配分は、主として、金利決定、貸出・債券・株式発行等の金融資源を不断に競争力のある企業に流すことを通じて、小型・零細企業を含む各種市場主体が融資を得られるようにし、健全な発展を実現する。

このプロセスにおいて、金融市場は一層価格(金利)を発言し、金利を調整する。近年、金利の不断の調整を通じて、市場主体の資金調達コストがある程度低下していることは、資金調達難・資金調達コスト高という長期の難題の持続的解決に資するものであり、金融の包摂性も向上する。

価格を発現するプロセスにおいて、経済も弾力性と強靭性をもち、内在的な自己調節メカニズムを備えるようになる。例えば、久しく発生しなかった電力不足において、このメカニズムはすぐに反応を示し、石炭・電力価格は不断に正常化している。国家発展・改革委員会は、電力価格の市場化改革を早急に推進することを提起し、電力価格を上下に20%変動することを認めた。このように価格を通じて資源配分を牽引・誘導することは、需給に不断のバランスを実現させる。

同時に、各種金融商品は、資源配分・金利の発現の際において、リスクを不断に分散・管理する際にも、リスクを管理する金融商品の提供を通じて、金融は更に好く実体経済にサービスできる。これも金融の重要な機能である。

金融の機能と市場メカニズムを一緒に結びつけることで、市場の強靭性を不断に増強すると同時に、市場の資源配分の効率を高め、各分野で最も競争力を有する企業に資源を流すことができる。

一旦金利の不突合を発見すれば、迅速に金利を調整し、リスクを分散して、メカニズム全体を動態的・弾力的にし、自身で調整し、自身で安定できるようにする。

総量上は、情勢に応じてうまく導き、マネーサプライと社会資金調達規模の伸びを名目成長率と基本的に釣り合わせており、総量政策は合理的で、流動性は充足されている。

構造上は、我々は市場ルールを遵守して、金融政策手段の誘導作用を発揮して、公平な競争・同じ対応を堅持し、中小・零細企業とグリーン・低炭素発展を支援している。現在、小型・零細企業向けインクルーシブファイナンスが支援する市場主体は既に4000万社を超えている。このように多い市場主体が融資を得られていることは、中国経済が強靭性を備え、金融が積極的に結果を出す際立ったライトスポットとなっている。

北京は大量の金融機関と金融人材に焦点を絞っており、最近また北京証券取引所を設置し、国家の金融改革措置の実施、国際金融交流の強化・協力等の方面で、重要な役割を発揮する条件がある。

人民銀行は、習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想を導きとし、劉鶴副総理の講話精神に基づき、蔡奇書記の北京市金融行政についての手配に基づいて、北京市「両区」(国家サービス業開放拡大総合モデル区、中国[(北京])自由貿易試験区)建設と国家金融管理センター建設を引き継ぎ支援する。

3.潘功勝人民銀行副行長(金融街フォーラム)

FRB等の先進経済体の中央銀行の金融政策の動向が、最近国際金融市場が注意を払う焦点であり、国際金融市場の変化が重要影響要因でもある。

2008年の国際金融危機後の政策対応と市場の反応と対比し、今回の疫病対応における主要経済体の緩和した金融政策の退出、及びそれが国際金融市場・新興経済体のクロスボーダー資本流動・中国外為市場へ及ぼす可能性のある影響についてお話したい。

新型コロナ感染症は世界経済の「急停止」と流動性危機をもたらし、主要先進経済体の中央銀行は超緩和の金融政策を実施した。先進経済体の今回の金融政策の量的緩和は、①反響が更に速く、②規模が更に大きく、③実体経済に直接到達し、④財政と協同する、4つの特徴を示しており、反応速度と程度は2008年の国際金融危機機関をはるかに超えている。

政策刺激とワクチン接種の推進下、金融経済は急速な回復を実現し、世界経済とりわけ先進経済体の迅速に反転上昇し、2021年4-6月期の米国GDPは疫病前の水準を超え、欧州・英国・日本も疫病前の水準に接近している。ECB、イングランド銀行等その他中央銀行等その他中央銀行も緊縮の立場を普く強化している。

前回のFRBの金融政策の緊縮サイクルでは、ドルの対人民元レートは顕著に上昇し、新興市場経済体にかなり大きな衝撃をもたらした。2014年のドルの対人民元レートが急速に上昇した後、新興市場経済体の通貨は大幅に値下がりし、主要振興市場経済体も大幅な資本流出が出現した。2015~-17年初、わが国の外為市場もかなり大きな衝撃を受け、人民元の値下がりは資本流出・外貨準備規模の低下をもたらした。

今回のFRBの金融政策の緊縮サイクルにおいて、米国と他の経済体の経済成長の差と金融政策の差は、いずれも前回の緊縮サイクルより小さくなっており、ドルの値上がりの余地には限界があると予想される。

経済成長の差の方面では、前回の量的緩和政策の退出期間、米国の経済成長は欧州より顕著に好かったが、現在米欧の成長はより同歩調となっている。
金融政策の方面では、前回のFRBの債券購入縮減はちょうどECBが緩和を開始した時期であったが、今回の米国・欧州の中央銀行の金融政策は総体として同方向である。

現在、新興市場が直面している資本流出リスクも、前回のFRBの金融政策の緊縮時期より弱い。現在、新興市場の対外勘定の脆弱性は低下し、経常勘定は普遍的に2013~-15年の期間より顕著に改善され、ここ数年、流入資金量もかなり限界がある。わが国の外為市場は今回のFRBの政策転換の影響はコントロール可能と予想され、クロスボーダー資本は双方向の流動が見込まれ、人民元レートは合理的均衡水準で基本的安定を維持するだろう。


(1)現在、中国経済はより好いサイクルに位置している

前回の緊縮時期、わが国経済は成長のギアチェンジ、構造調整、前回の政策の消化の3つの時期が重なる時期にあり、かなり大きな下振れ圧力に直面しており、工業生産者工場出荷価格指数(PPI)は連続50カ月余りマイナスであった。

しかも現在、国民経済は回復の態勢を維持しており、主要マクロ指標は合理区間にあり、雇用は基本的に安定しており、国内の堅固な経済のファンダメンタルズは、わが国の外貨市場が外部衝撃に対応するための基礎的保障である。

最近、わが国の不動産市場及び関係する金融市場に一定の変動が出現し、これは市場主体が個別企業のデフォルト事件が出現した後の激変対応である。

金融管理部門の予想誘導の下、金融機関と金融市場のリスクを過度に収縮させる行為は徐々に矯正されており、資金調達行為と金融市場の価格は徐々に正常を回復している。

第19回党大会以降、中央が確定した方針・政策に基づき、不動産市場に対してマクロ・コントロールを実施し、長期有効な管理メカニズムを確立して、不動産市場の金融化・バブル化の勢いには歯止めがかかり、不動産市場の地価・住宅価格・予想は平穏を維持しており、不動産業は総体としては健全に発展している。

今後、金融部門は、住宅・都市農村建設部・地方政府と積極的に協調して、不動産市場の健全な発展を断固擁護し、住宅消費者の合法権益を擁護する。

(2)人民元レートの弾力性もある程度増強されており、自主調節作用を更に好く発揮できる

前回の緊縮時期、人民元レートこれまで単方向に値上がり、外為市場は一定の値下げ圧力を累積した。

近年、人民元レート形成メカニズムは不断に整備され、為替レートの双方向への変更の弾力性が増強されている。

同時に、人民銀行・国家外貨管理局はカウンターシクリカルのマクロ・プルーデンス管理手段を不断に整備しており、リスク対応方面で更に多くの経験を累積している。

(3)わが国の資本流入構造は最適化され、対外投資の安定性が増強されている

前回の緊縮時期の前、わが国の外資流入は主として伝統的な資金調達のための外債であり、為替レートに対してかなり敏感であり、2015~-16年、外債の集中脱レバレッジを経験した。

近年、わが国の外債流入は国外長期投資家の人民元債券への投資が主であり、安定性がかなり高くなっている。このほか、現在わが国の企業の「海外進出」は更に理性的となり、将来の対外直接投資は比較的安定するものと予想される。

近年、外部の衝撃への対応において、人民銀行・国家外貨管理局は豊富な経験と十分な政策手段を累積しており、今年に入り展望性のある手配も進めている。

将来、我々は(最悪の事態を想定して)最低ラインを守るという考え方を堅持し、国際市場の動態的変化に密接に注意を払い、引き続き外為市場のモニタリング・事前警告を強化し、クロスボーダー資金流動のリスクを積極的に防止する。

現在、我々は、わが国外為市場の平穏な運営を擁護する一層の基礎・条件・能力・自信がある。

4.郭樹清銀行保険監督管理委員会主席(記者インタビュー)

(1)現在の金融業の発展の全体情況について

改革開放以降、中国はわずか40年余りで、世界第2の現代金融システムを構築し、方面によっては既に国際トップの地位にある。これは、わが国金融システムが強大な生気・活力を備えていることを示しており、その開放性・競争性・公平性・包容性・包摂性はかなりハイレベルにある。

しかも、わが国金融システムはシステミックリスクが発生しておらず、これも世界で非常にまれであり、さらには唯一無二である。

このような奇跡は決して偶然ではなく、これは社中国の特色ある社会主義制度の優越性の生き生きとした体現であり、社会主義市場経済体制が創造した偉大な成果でもあり、さらには中国の数千年の優秀な商業文明を伝承し発展させた大きな成果である。

総体として見れば、わが国銀行業・保険業・証券業の競争程度は高いが、我々はいくらかの金融分野、一部分で独占・不当競争の問題が存在していることも見て取ってもいる。

これらの問題の発生原因は多方面である。発展が速い金融システムであるほど、リスクはますます容易に累積する。

わが国現代金融システムの発展の歴史はかなり短く、中国の特色を備えた健全な現代金融ガバナンスシステムを早急に確立しなければならない。これに加えて、ここ数年、ハイテクが次々に現れ、新技術が金融のイノベーション・発展を推進すると同時に、新たなリスクをもたらしてもいる。

(2)反独占・資本の無秩序な拡張の防止の成果

習近平同志を核心とした党中央は反独占と資本の無秩序な拡張防止の強化を速やかに提起した。これは、新たな発展の枠組を構築し、経済の質の高い発展を推進し、共同富裕を促進するという戦略的高みから行った重大手配である。これは、社会主義の基本経済制度を堅持し、「2つのいささかも揺るがない」 、経済建設を中心とし、改革開放を深化させ、社会主義現代化強国を建設するという目標・方針と完全に一致している。

党中央・国務院の政策決定・手配に基づき、我々は金融分野の反独占と反不当競争の取締りを速やかに展開し、法に基づき公平競争の金融市場秩序を擁護する。

具体的な原則は、「断固独占を打破し、厳格に法に基づき監督管理し、安定の中で前進を求めることを堅持し、健全な発展を促進する」である。この4方面は相互に連係し、相互に補完しており、インクルーシブファイナンスのサービスを改善するのに資するのみならず、イノベーション・発展の促進にも資するものである。

独占を打破し、不当競争を防止し、資本の無秩序な拡張を防止することは、正に財産権と知的財産権を保護し、労働者・経営者等の各方面の合法権益を保護するためであり、経済の発展・社会の進歩・更に高い生産力水準を実現することに資するものであり、わが国の現代化プロセスの加速に資するものであり、共同富裕の物質条件を創造するものである。

概括すれば、カギは以下の2点をしっかり行わなければならない。

①法・規定に基づくことを堅持する

まず法律をしっかり遵守し、法治を尊重し、監督管理に服従しなければならない。

多くの金融の独占・不当競争行為は明らかに現行の法律・法規に違反している。

一部の分野とりわけデジタル経済・デジタル金融方面の法律は、銀行業の発展の実際に応じて不断に健全化・整備する必要がある。例えば、安全性・便利性を協調させ、データ保護・プライバシー保護・ビジネス機密保護・国家機密保護等の方面の具体的規定を制定・執行する。

②正しいイノベーションを守ることを堅持する

金融分野の反独占と資本の無秩序な拡張の防止の最も基本的な出発点と到達点は、人民を中心とする発展思想を貫徹・実施することである。わが国経済・金融の管理制度の核心と魂は、人民大衆の根本利益を擁護することである。

国家の安全と社会の安定に危害を加える現象が発生したとき、預金者・保険加入者・金融消費者あるいは証券投資家の利益に損害を与える行為が出現したとき、それがどのような理由・口実であれ、すべ全て断固是正・懲罰しなければならない。

正しさを守ることは、人民至上を堅守することであり、この大前提の下、はじめて金融イノベーションを奨励でき、さもなくば偏った方向に進むことになる。イノベーションは、新理念・新商品・新技術・新プロセスを用いることにより、金融サービスの効率を高め、資源配分の効率を高めることである。正確な方向を把握しさえすれば、イノベーションは好い結果をもたらすことになる。

正しいイノベーションを守り、法律・規定に基づくことを通じて、はじめて規範と発展を共にしっかり重んじることができるのであり、規範を言わなければ発展しないし、発展を重んじなければ規範化しない。

これまで、我々は金融の反独占と無秩序な拡張の防止に対する実際の需要があり、銀行・保険・証券及びその他金融分野で一連の措置を採用し、初歩的な成果を収めた。インターネットプラットフォームに対し、我々は金融業務は許可を得て経営しなければならないことを堅持し、同類の業務・同類の主体を同一視し、法律・規定に違反した金融活動については「一切容認せず」、監督管理の裁定行為を断固制止する。

(3)民営経済の発展支援

我々は、民営企業への金融サービス強化に関する党中央・国務院の重要な政策決定・手配を深く貫徹し、党中央・国務院の「更に好い発展環境を作り上げて民営企業の改革・発展を支援することに関する意見」等の関係文件の要求を真剣に実施し、銀行・保険機関がデジタル化転換を加速するよう誘導し、民営企業への金融サービスを不断に改善し、積極的成果を収めた。

8月末までに、民営企業向け貸出残高異は52.5兆元に達し、年初に比べ4.42兆元、11.5%増やした。今年は既に、7000万社余りの民営企業のために貸出を行い、貸し出した社数は30%増えた。1-8月、銀行機関が貸し出した企業向け貸出のうち、53%を民営企業に貸し出した。これは、国民経済に民営企業が占めるウエイトに匹敵するものである。9月末までに、小型・零細企業向けインクルーシブファイナンス残高は18.6兆元、前年同期比27.4%増であった。現在、中国の小型・零細企業向け貸出のカバー率は概ね30%前後であり、これは国際上、既に優先的地位にある。

今後、我々は引き続き「2つのいささかも揺るがない」を堅持し、民営経済の発展のために更に好い金融環境を作り上げるよう努力する。

①銀行のデジタル化転換加速を奨励する

デジタル化手段をうまく用いて、信用情報のシェアを早急に推進し、水道・電気・石炭・ガスの料金徴収、経営、納税情況等の企業情報を正確に把握する。

②銀行機関がサービスの重心を下方に移転することを引き続き推進する

街や村を悉皆調査する精神を一層発揚し、企業・コミュニティの実際情況を深く理解し、民営企業更に便利な金融サービスを獲得するよう援助する。

③証券市場・私募ファンド・エンゼルファンドの潜在力を十分発揮させる

民営企業の資金調達の手段とルートを拡大し、資金調達サイクル等の方面で金融供給を更に企業の需要とマッチさせる。

  1. ①いささかも揺るぐことなく公有制経済を打ち固め、発展させなければならない。
    ②いささかも揺るぐことなく非公有制経済の発展を奨励し、支援し、導かなければならない。