田中 修

中国経済レポート

8月及び1-8月の主要経済指標

新領域研究センター 田中 修

2021年9月30日


(1)物価
①消費者物価

8月の消費者物価は前年同月比0.8%上昇し、7月から0.2ポイント下落した。都市は1.0%上昇、農村は0.3%上昇である。食品価格は4.1%下落し(7月は-3.7%)、非食品価格は1.9%上昇(7月は2.1%)した。1-8月は、前年同期比0.6%上昇であった。衣類は0.5%上昇、居住価格は1.1%上昇した1

(参考)(2017年1.6%)→(2018年2.1%)→(2019年2.9%)→(2020年2.5%)→20年11月-0.5%→12月0.2%→21年1月-0.3%→2月-0.2%→3月0.4%→4月0.9%→5月1.3%→6月1.1%→7月1.0%→8月0.8%

前月比では、0.1%上昇(7月は0.3%)だった。食品価格は0.8%上昇(7月は-0.4%)した。食品・タバコ・酒価格は7月より0.5%上昇し、物価への影響は約0.15ポイント、うち生鮮野菜は8.6%上昇(7月は1.3%)し、物価への影響は約0.16ポイント、卵価格は7.3%上昇し、物価への影響は約0.05ポイント、食糧は0.1%上昇であった。畜肉類価格は0.9%下落し、物価への影響は約-0.03ポイント(豚肉価格は-1.4%、物価への影響は約-0.02ポイント)であった。水産品価格は2.3%下落、物価への影響は約-0.05ポイント、果物価格は0.4%下落、物価への影響は約-0.01ポイントであった。非食品価格は0.1%下落(7月は0.5%)で、衣類は0.1%下落(7月は-0.4%)、居住価格は0.1%上昇(7月は0.2%)であった。

食品・エネルギーを除いた消費者物価(コア消費者物価)は、8月が前年同月比1.2%上昇(7月は1.3%)、前月比では0.0%(7月は0.3%)である2。1-8月は、前年同期比0.6%上昇である。

なお、8月の前年同月比0.8%上昇のうち食品・タバコ・酒価格は2.0%下落し、物価への影響は約-0.58ポイントとなり、このうち畜肉類価格は27.1%下落、物価への影響は約-1.20ポイント(豚肉価格は-44.9%、物価への影響は約-1.09ポイント)である。このほか果物価格は5.0%上昇し、物価への影響は約0.08ポイント、生鮮野菜価格は1.5%下落し、物価への影響は約-0.03ポイント、卵価格は13.9%上昇、物価への影響は約0.08ポイント、水産品価格は11.7%上昇、物価への影響は約0.21ポイント、食糧価格は0.8%上昇、物価への影響は約0.01ポイントであった。

また8月の0.8%上昇のうち、前年の価格上昇の本年への影響は約0.2ポイント、新たなインフレ要因は約0.6ポイントである。

なお、国家統計局都市司の董莉娟高級統計師は、「CPIの前月比上昇幅が7月より0.2ポイント縮小した背景として、1)多くの地域で疫病が散発し、強い降雨と高温の天候の影響を受け、生鮮野菜と鶏卵価格の上昇幅が拡大した、2)豚肉の供給が引き続き増加し、価格が引き続き下落したが、下落幅は7月より縮小した、3)水産品が大量に市場に出回り、淡水魚とエビ・カニ類価格が下落した、4)国際原油価格の下落の影響を受け、ガソリン価格とディーゼル油価格が上昇から下落に転じた、5)疫病の影響を受け、航空券、ホテル・旅館等の旅行サービス消費が抑制され、価格が上昇から下落に転じた。

また、前年同期比で上昇幅が7月より0.2ポイント縮小した背景として、1)豚肉の下落幅が拡大した、2)淡水魚価格の上昇幅が縮小した、3)鶏卵・食用植物油価格の上昇幅が縮小した、4)ガソリン価格が22.7%上昇、ディーゼル油価格が25.2%上昇し、上昇幅が縮小した、5)航空券、ホテル・旅館価格の上昇幅が縮小した」としている。

②工業生産者出荷価格

8月の工業生産者出荷価格は前年同月より9.5%上昇した。前月比では7月より0.7%上昇(7月は0.5%)した。1-8月は前年同期比6.2%上昇である。

(参考)(2017年6.3%)→(2018年3.5%)→(2019年-0.3%)→(2020年-1.8%)→20年11月-1.5%→12月-0.4%→21年1月0.3%→2月1.7%→3月4.4%→4月6.8%→5月9.0%→6月8.8%→7月9.0%→8月9.5%

8月の工業生産者購入価格は、前年同月比13.6%上昇(7月は13.1%)であった。前月比では7月より0.8%上昇(7月は0.9%)した。1-8月は前年同期比8.6%上昇である。  また8月の9.5%上昇のうち、前年の価格上昇の本年への影響は約1.8ポイント、新たなインフレ要因は約7.7ポイントである。

なお、国家統計局都市司の董莉娟高級統計師は、「前月比で7月より上昇幅が0.2ポイント拡大した背景として、1)需要が旺盛で供給全体がかなり逼迫した影響を受け、石炭採掘・洗浄業価格が上昇した、2)これまでの原油・石炭等の価格上昇がかなり大きかったため、国内の川中・川下業種の価格の継続上昇をもたらし、化学原料・化学製品製造業価格の上昇幅が拡大した、3)最近の輸入天然ガス価格の急速な上昇により、国内天然ガス生産・供給業価格の上昇幅が拡大した、4)鉄金属精錬・圧延加工業、非鉄金属精錬・圧延加工業価格が下落から上昇に転じた。

また、前年同月比の上昇幅が7月から0.5ポイント拡大した背景として、石炭採掘・洗浄業、鉄金属採掘業、石油・天然ガス採掘業、石油・石炭その他燃料加工業、鉄金属精錬・圧延加工業、非鉄金属精錬・圧延加工業、化学原料・化学製品製造業、化学繊維製造業価格の上昇幅が21.8~57.1%で、上述8業種でPPIを約7.9ポイント押し上げた」としている。

③住宅価格

8月の全国70大中都市の新築分譲住宅販売価格は前月比20都市が低下(7月は16)し、同水準は4(7月は3)であった。上昇は46である(7月は51)。

前年同月比では、価格が下落したのは10都市(7月は10)であった。同水準は1(7月は0)、上昇は59(7月は60)である。

国家統計局都市司の縄国慶高級統計師は、「各地方は不動産への長期に有効なメカニズムを全面実施し、引き続き不動産市場のコントロールを強化し、70大中都市の新築分譲住宅価格の前月比、前年同月比上昇幅は総体として引き続き反落している。

前月比では、70大中都市のうち、4の一線都市の新築分譲住宅価格は7月から0.3%上昇し、上昇幅は7月より0.1ポイント縮小した。うち北京は0.2%上昇、上海は0.4%上昇、広州は0.1%下落、深圳は1.0%上昇した。31の二線都市の新築価格は0.2%上昇し、上昇幅は7月より0.2ポイント縮小した。35の三線都市の新築価格は横ばいであり、上昇幅は7月より0.2ポイント縮小した。

前年同月比では、70大中都市のうち、一線都市の新築価格は5.7%上昇し、上昇幅は7月から0.3ポイント縮小した。二線都市の新築価格は4.4%上昇し、上昇幅は7月より0.3ポイント縮小した。三線都市の新築価格は2.8%上昇し、上昇幅は7月より0.5ポイント縮小した」と指摘している。

(2)工業

8月の工業生産は前年同月比実質5.3%増となった。2019年8月比では11.2%増、2年平均では5.4%増で7月より0.2ポイント低下した。8月は前月比では、0.31%増となった3。主要製品別では、発電量0.2%増(7月は9.6%)、鋼材-10.1%(7月は-6.6%)、セメント-5.2%(7月は-6.5%)、自動車-19.1%(うち乗用車-11.5%、SUV車-20.2%、新エネルギー車151.9%増)となっている。7月の-15.8%(うち乗用車-14.5%、SUV車-12.9%、新エネルギー車162.7%増)に比べ、乗用車はマイナス幅が縮小、SUV車はマイナス幅が拡大した。分類別では、国有株支配企業4.6%増、株式制企業6.1%増、外資企業3.4%増、私営企業5.2%増であった。

(参考)(2017 年6.6%)→(2018年6.2%)→(2019年5.7%)→20年11月7.0%→12月7.3%(2020年2.8%)→21年1-2月35.1%→3月14.1%→4月9.8%→5月8.8%→6月8.3%→7月6.4%→8月5.3%  

1-8月の工業生産は前年同月比実質13.1%増となった。2年平均では6.6%増であり、1-7月より0.1ポイント減速した。主要製品別では、発電量11.3%増、鋼材7.3%増、セメント8.3%増、自動車13.5%増(うち乗用車13.5%増、SUV車15.4%増、新エネルギー車179.6%増)となっている。分類別では、国有株支配企業10.3%増、株式制企業13.2%増、外資企業13.3%増、私営企業14.7%増であった。

なお、国家統計局によれば、業種別では、①ハイテク産業の伸びが顕著に加速している、②装置製造業の伸びの態勢がかなり好い、③消費財業種の生産が引き続き回復している、④工業品の輸出の伸びが加速している、としながらも、「疫病・洪水等が一部地域の生産に一定の影響を及ぼしており、半導体不足問題がなおかなり際立っており、工業品価格は引き続き高止まりであり、企業のコスト圧力が増大している」とする。

1-8月の一定規模以上の工業企業利潤総額は5兆6051.4億元、前年同期比49.5%増(1-7月57.3%)、2019年1-8月比42.9%増、2年平均19.5%増となった。うち国有株支配企業の利潤総額は1兆7748.5億元、同86.9%増、株式制企業は3兆9792.4億元、同54.9%増、外資企業は1兆5139.3億元、同37.5%増、私営企業は1兆6429.6億元、同34.4%増である。8月の一定規模以上の工業企業利潤総額は6802.8億元、前年同期比10.1%増であった。

(参考)2019年-3.3%→20年1-10月0.7%→1-11月2.4%→2020年4.1%→21年1-2月179%→1-3月137%→1-4月106%→1-5月83.4%→1-6月66.9%→1-7月57.3%→1-8月49.5%

1-8月の一定規模以上の工業企業の本業営業収入100元当たりのコストは83.69元(1-7月83.63元、前年同期比0.65元減)である。8月末の資産負債率は56.4%(7月末56.3%、前年同期比0.4ポイント減)であった。

なお、国家統計局工業司の朱虹高級統計師は、8月の特徴として、「①ハイテク製造業の利潤がかなり速く伸びた、②鉱物採掘業・原材料製造業の利潤がかなり高い伸びの速さを維持した、③消費財製造業の利潤が安定的に回復した」としながらも、「①局部地域でなお疫病が散発し、②大口取引商品の価格が高止まっている、③国際物流コストがかなり高い、④半導体が不足している等の問題がなお企業のコストを推し上げており、企業の利潤の継続的な安定・回復は、かなり多くの試練に直面している」としている。

(3)消費

8月の社会消費品小売総額は3兆4395億元、前年同月比2.5%増(実質0.9%増)となった。2019年8月比では3.0%増である。2年平均の伸びは1.5%増であり、7月より2.1ポイント低下した。なお、自動車を除く伸びは、3.6%増である。8月は前月比では、0.17%増である4。都市は2.3%増、農村は3.4%増である。一定額以上の企業(単位)消費品小売額は1兆2342億元、同0.5%増であり、うち穀類・食用油・食品9.5%増、アパレル・靴・帽子類-6.0%、建築・内装13.5%増、家具6.7%増、自動車-7.4%、家電・音響機器類-5.0%となっている。自動車の伸びは、7月の-1.8%からマイナス幅が拡大した。8月の商品小売額は3.3%増であった。レストランは-4.5%(7月は14.3%)である。

(参考)(2017年10.2%)→(2018年9.0%)→(2019年8.0%)→20年11月5.0%→12月4.6%(2020年-3.9%)→21年1-2月33.8%→3月34.2%→4月17.7%→5月12.4%→6月12.1%→7月8.5%→8月2.5%

1-8月の社会消費品小売総額は28兆1224億元、前年同月比18.1%増となった。2019年同期比は8.0%増、2年平均の伸びは3.9%で、1-7月より0.4ポイント低下した。なお、自動車を除く伸びは、17.8%増である。都市は18.3%増、農村は17.3%増である。

一定額以上の企業(単位)消費品小売額は10兆3568億元、同20.3%増であり、うち穀類・食用油・食品10.5%増、アパレル・靴・帽子類24.8%増、建築・内装26.8%増、家具23.7%増、自動車20.1%増、家電・音響機器類14.4%増となっている。

1-8月の商品小売額は前年同期比16.5%増(1-7月は18.7%)であった。1-8月、レストランは34.4%増(1-7月は42.3%)である。

1-8月の全国インターネット商品・サービス小売額は8兆1227億元で、前年同期比19.7%増となった。うち実物商品は6兆6340億元、同15.9%増(1-7月は17.6%増)で、社会消費品小売総額の23.6%を占めている。実物商品のうち、食品は22.4%増、衣類は19.4%増、日用品は14.2%増である。

なお、国家統計局は、「8月は国内の多くの地域で疫病が発生し、疫病が全国半分以上の省に波及し、庶民の外出買い物・旅行が減少し、小売の上昇幅の縮小がかなり大きかった。このほか、昨年8月に小売の伸びがマイナスから初めてプラスに転じ、『ベース効果』が8月の小売の伸びに一定の影響を与えた。レストラン・旅館等の密集型消費が疫病から受けたダメージは一層顕著であった」としている。

(4)投資
①都市固定資産投資

1-8月の都市固定資産投資は34兆6913億元で、前年同期比8.9%増となった。2019年1-8月比では8.2%増である。2年平均は4.0%増で、1-7月より0.3ポイント低下した。8月は前月比では0.16%増である5。地域別では、東部8.2%増、中部15.7%増、西部7.5%増、東北8.7%増となっている。内資企業は8.7%増で、外資企業は8.1%増であった。

製造業投資は、前年同期比15.7%増(1-7月は17.3%)であった。2年平均は3.3%増と、1-7月より0.2ポイント増加した。

インフラ投資(電力・熱・天然ガス・水生産供給以外)は前年同期比2.9%増(1-7月は4.6%)となった。2年平均は0.2%で、1-7月より0.7ポイント低下した。うち、鉄道輸送は-4.8%(1-7月は-4.4%)、道路輸送は2.1%増(1-7月は4.4%)、水利7.3%増(1-7月は6.9%)、公共施設0.7%増(1-7月は2.8%)であった。

(参考)都市固定資産投資:(2017年7.2%)→(2018年5.9%)→(2019年5.4%)→20年1-11月2.6%→2020年2.9%→21年1-2月35.0%→1-3月25.6%→1-4月19.9%→1-5月15.4%→1-6月12.6%→1-7月10.3%→1-8月8.9%

インフラ投資: (2017年19.0%)→(2018年3.8%)→(2019年3.8%)→20年1-11月1.0%→2020年0.9%→21年1-2月36.6%→1-3月29.7%→1-4月18.4%→1-5月11.8%→1-6月7.8%→1-7月4.6%→1-8月2.9%

なお、国家統計局は、「①製造業の投資が引き続き力を発揮し、②ハイテク産業の投資の伸びの勢いが良好であり、③民間投資が回復・改善している」とし、「総体として見ると、固定資産投資は洪水・疫病の影響を受けて伸びがある程度鈍化しているものの、なお安定・回復の態勢を継続しており、投資構造は引き続き最適化されている」としている。

②不動産開発投資

1-8月の不動産開発投資は9兆8060億元で前年同期比10.9%増、2019年1-8月比では15.9%増である。2年平均は7.7%増で、1-7月よ0.3ポイント低下した。うち住宅は7兆3971億元、13.0%増である。オフィスビルは3890億元、同1.8%増である。地域別では、東部9.6%増、中部17.1%増、西部9.4%増、東北5.2%増であった。

(参考)(2017年7.0%)→(2018年9.5%)→(2019年9.9%)→20年1-10月6.3%→1-11月6.8%→2020年7.0%→21年1-2月38.3%→1-3月25.6%→1-4月21.6%→1-5月18.3%→1-6月15.0%→1-7月12.7%→1-8月10.9%

1-8月の分譲建物販売面積は11億4193万㎡で、前年同期比15.9%増、2019年1-8月比では12.1%である。2年平均は5.9%増であり、1-7月より1.1ポイント低下した。うち、分譲住宅販売面積は16.5%増(1-7月は22.7%)、オフィスビルは3.7%増(1-7月は6.3%)である。地域別では、東部18.1%増、中部20.4%増、西部10.7%増、東北1.8%増である。

(参考)分譲建物販売面積:(2017年7.7%)→(2018年1.3%)→(2019年-0.1%)→20年1-11月1.3%→2020年2.6%→21年1-2月104.9%→1-3月63.8%→1-4月48.1%→1-5月36.3%→1-6月27.7%→1-7月21.5%→1-8月15.9%

1-8月の分譲建物販売額は11兆9047億元、前年同期比22.8%増、2019年1-8月比では24.8%増である。2年平均は11.7%増であり、1-7月より1.4ポイント低下した。うち、分譲住宅販売額は24.5%増(1-7月は33.1%増)、オフィスビルは3.5%増(1-7月は9.1%)である。地域別では、東部27.7%増、中部25.1%増、西部11.5%増、東北-0.2%である。

(参考)分譲建物販売額:(2017年13.7%)→(2018年12.2%)→(2019年6.5%)→20年1-11月7.2%→2020年8.7%→21年1-2月133.4%→1-3月88.5%→1-4月68.2%→1-5月52.4%→1-6月38.9%→1-7月30.7%→1-8月22.8%

8月末の分譲建物在庫面積は5億580万㎡、7月末比284万㎡減で、前年同期比1.1%増うち分譲住宅在庫面積は7月末比257万㎡減、前年同期比1.0%減であった。

1-8月のディベロッパーの資金源は13兆4364億元であり、前年同期比14.8%増(1-7月は18.2%)、2019年1-8月比では18.1%増である。2年平均は8.7%増であり、1-7月より0.5ポイント減少した。うち、国内貸出が1兆6918億元、-6.1%、外資が53億元、-47.5%、自己資金が4兆773億元、9.3%増、手付金・前受金5兆997億元、31.3%増、個人住宅ローン2兆1490億元、13.4%増である。

③民間固定資産投資

1-8月の全国民間固定資産投資は19兆8559億元であり、前年同期比11.5%増である6。2年平均は3.9%増で、1-7月より0.5ポイント上昇した。うち、農林・牧畜・漁業は17.5%増、インフラは17.4%、増製造業は17.2%増、不動産は10.8%増であった。

(参考)(2018年8.7%)→(2018年8.7%)→(2019年4.7%)→20年1-11月0.2%→2020年1.0%→21年1-2月36.4%→1-3月26.0%→1-4月21.0%→1-5月18.1%→1-6月15.4%→1-7月13.4%→1-8月11.5%

(5)対外経済
①輸出入

8月の輸出は2943.2億ドル、前年同月比25.6%増、輸入は2359.8億ドル、同33.1%増となった7。貿易黒字は583.3億ドルであった。

(参考)輸出:(2017年7.9%)→(2018年9.9%)→(2019年0.5%)→20年11月21.1%→12月18.1%(2020年3.6%)→2月154.9%(1-2月60.6%)→3月30.6%→4月32.3%→5月27.9%→6月32.2%→7月19.3%→8月25.6%

輸入:(2017年 15.9%)→(2018年 15.8%)→(2019年-2.8%)→20年11月4.5%→12月6.5%(2020年-1.1%)→21年2月17.3%(1-2月22.2%)→3月38.1%→4月43.1%→5月51.1%→6月36.7%→7月28.1%→8月33.1%

1-8月の輸出は2兆951.4億ドル、前年同期比33.7%増、輸入は1兆7326.5億ドル、同34.8%増となった。貿易黒字は3624.9億ドルであった。

1-8月の輸出入総額が3兆8277.9億ドル、前年同期比34.2%増であったのに対し、対EU32.4%増、対米36.6%増8(1-7月は40.0%)、対日21.6%増9(1-7月は22.0%)、対アセアン33.3%増である。

1-8月輸出の労働集約型製品のうち、アパレル類前年同期比28.1%増、紡績-11.4%、靴36.0%増、家具42.3%増、プラスチック製品35.3%増、鞄35.1%増、玩具47.2%増である。電器・機械は同34.4%増、ハイテク製品は28.9%増である。

②外資利用

1-8月の外資利用実行額は7580.5億元(ドル換算1137.8億ドル)、前年同期比22.3%増(ドル換算27.8%増)であった10。2019年1-8月比では、26.1%増である。

(参考)(2017年7.9%)→(2018年0.9%)→(2019年5.8%)→20 年1-11月6.3%→2020年6.2%→21年1月4.6%→1-2月31.5%→1-3月39.9%→1-4月38.6%→1-5月35.4%→1-6月28.7%→1-7月25.5%→1-8月22.3%11

1-8月のサービス業の外資利用は5993.3億元、前年同期比25.8%増であった。ハイテク産業は30.2%増、うちハイテクサービス業は35.2%増、ハイテク製造業は14.9%増である。

地域別では、アセアン36.8%増である。

国内の地域別では、東部23%増、中部30.1%増、西部1.6%増であった。

③外貨準備

8月末、外貨準備は3兆2321億ドルであった。7月末に比べ37億ドルの減少(7月は219億ドル増)で。2カ月ぶりに減少した。国家外貨管理局は、新型コロナウイルスの幹線状況や各国の金融政策の影響を受けて米ドルが小幅に値上がりし主要国の債券価格がやや下落したことなどが影響したとしている。

④米国債保有

7月末の米国債保有高は、前月比64億ドル増の1兆680億ドルで、2位。その前4ヵ月間の減少から反転した。26カ月連続1位の日本は、305億ドル増の1兆3100億ドルである。

(6)金融

8月末のM2の残高は231.23兆元、伸びは前年同期比8.2%増と、7月末より0.1ポイント減速、前年同期より2.2ポイント減速した。M1は4.2%増で、7月末より0.7ポイント減速、前年同期より3.8ポイント減速した。8月の現金純放出は342億元であった。

人民元貸出残高は187.8兆元で前年同期比12.1%増であり、伸び率は7月末より0.2ポイント減速、前年同期より0.9ポイント減速した。8月の人民元貸出増は1.22兆元(7月は1.08兆元)で、前年同期より伸びが631億元減少している。うち個人向け貸出は5755億元増、企業等への中長期貸出は5215億元増であった。

人民元預金残高は226.85兆元で、前年同期比8.3%増であった。8月の人民元預金は1.37億元減(7月は1.13兆元増)で、前年同期より伸びが5672億元減少している。うち個人預金は3338億元増、企業預金は5608億元増であった。

(参考)M2 :2017年12月8.1%→18年12月8.1%→19年12月8.7%→20年11月10.7%→12月10.1%→21年1月9.4%→2月10.1%→3月9.4%→4月8.1%→5月8.3%→6月8.6%→7月8.3%→8月8.2%

8月末の社会資金調達規模残高は305.28兆元であり、前年同期比10.3%増となった。うち、実体経済への人民元貸出残高12は186.65兆元、12.2%増、委託貸付残高は10.93兆元、-2.1%、信託貸付残高は5.35兆元、-25.2%、企業債券残高は29.19兆元、7%増、政府債券残高49.66兆元、14.3%増13、株式残高は8.99兆元、14.4%増である。

構成比では、実体経済への人民元貸出残高は61.1%(前年同期比1ポイント増)、委託貸付残高は3.6%(同-0.4ポイント)、信託貸付残高は1.8%(同-0.8ポイント)、企業債券残高は9.6%(同-0.3ポイント)、政府債券残高は16.3%(同0.6ポイント増)、株式残高は2.9%(同0.1ポイント増)である。

8月の社会資金調達規模のフローは2.96兆元で、前年同期より6295億元減少した。うち、実体経済への人民元貸出は1.27兆元増(伸びが前年同期比1488億元減)、委託貸付は177億元増(伸びが592億元増)、信託貸付は1362億元減(減少が1046億元増)、企業債券純資金調達4341億元(682億元増)、政府債券純資金調達9738億元(4050億元減)、株式による資金調達は1478億元(196億元増)である。

(7)財政

1-8月の全国財政収入は15兆88億元で、前年同期比18.4%増となった14。中央財政収入は7兆467億元、同18.9%増、地方レベルの収入は7兆9621億元、同17.9%増である。税収は12兆9627億元、同19.8%増、税外収入は2兆461億元、同10.4%増であった。

(参考)財政収入:(2017年7.4%)→(2018年6.2%)→(2019年3.8%)→20年1-11月-5.3%→2020年-3.9%→21年1-2月18.7%→1-3月24.2%→1-4月25.5%→1-5月24.2%→1-6月21.8%→1-7月20%→1-8月18.4%

1-8月の全国財政支出は15兆5371億元、前年同期比3.6%増であった15。中央レベルの支出は2兆502億元、同-3.6%、地方財政支出は13兆4869億元、同4.8%増である。

なお、1-8月の地方政府基金収入は5兆774億元、前年同期比13.6%増であり、うち国有地土地使用権譲渡収入は4兆7110億元、同12.1%増(1-7月は18%)であった。

8月末の地方政府債務残高は28兆4731億元(限度額33兆2774.3億元)。うち、一般債務は13兆5893億元(限度額15兆1089.22億元)、特別債務は14兆8838億元(限度額18兆1685.08億元)である。なお、8月に発行した債券は8797億元(うち一般債券2437億元、特別債券6360億元)、用途別では、新増発が5930億元、再資金調達が2867億元である。1-8月に発行した債券は4兆8776億元(うち一般債券2兆1020億元、特別債券2兆7756億元)、用途別では、新増発が2兆4763億元、再資金調達が2兆4013億元である。

(8)雇用

8月の全国都市調査失業率は5.1%である。現地戸籍人口調査失業率は5.2%(7月5.1%)、外来戸籍人口調査失業率は5.0%(7月5.0%)である。

16-24歳人口の調査失業率は15.3%(7月16.2%)、25-59歳の調査失業率は4.3%(7月4.2%)であった。31大都市調査失業率は5.3%となった。

(参考)全国都市調査失業率:2018年12月4.9%→19年12月5.2%→20年11月5.2%→12月5.2%(2020年5.6%)→21年1月5.4%→2月5.5%→3月5.3%→4月5.1%→5月5.0%→6月5.0%→7月5.1%→8月5.1%

31大都市調査失業率:2018年12月4.7%→19年12月5.2%→20年11月5.2%→12月5.1%→21年7月5.5%→3月5.3%→4月5.2%→5月5.2%→6月5.2%→7月5.2%→8月5.3%

1-8月の新規就業者増は938万人(年間目標1100万人以上の85.3%)である。

なお、国家統計局は、「今年に入り、経済の回復に伴い、雇用情勢は総体としての安定を維持している。外来の農業戸籍人口、主として出稼ぎ農民の失業率は全部の都市失業率より低い。同時に、8月の際立った変化は青年の失業率に顕著な低下が出現していることであり、16-24歳の若者の失業率は、7月より0.9ポイント低下しており、これは一連の雇用安定・大学生の雇用保障の政策が引き続き効果を発揮していることを示している」としている。

(9)社会電力使用量

8月は前年同期比3.6%増であった。2年平均は6.0%増である。うち、第1次産業は13.7%増、第2次産業は0.6%増、第3次産業は6.2%増、都市・農村住民生活用は12.5%増であった。

1-8月は前年同期比13.8%増であった。うち、第1次産業は19.3%増、第2次産業は13.1%増、第3次産業は21.9%増、都市・農村住民生活用は7.5%増であった。

(参考)(2017年6.6%)→(2018年8.5%)→(2019年4.5%)→20年11月9.4%→(2020年3.1%)→21年2月18.5%(1-2月22.2%)→3月19.4%→4月13.2%→5月12.5%→6月9.8%→7月12.8%→8月3.6%

(10)輸送

1-8月の鉄道貨物輸送量は31億トン、前年同期比7.5%増であった。8月の鉄道貨物輸送量は3.9億トン、前年同期比2.9%増であった。

1-8月の道路貨物輸送量は253.2億トン、同22.6%増であった。8月の道路貨物輸送量は34.4億トン、同5.8%増であった。

1-8月の全社会貨物輸送量は337.3億トン、同19.2%増であった。8月の全社会貨物輸送量は45.3億トン、同5.2%増であった。

(参考)鉄道貨物:(2017年10.7%)→(2018年9.1%)→(2019年7.2%)→2020年3.2%→21年1-2月15.0%→1-3月13.9%→1-4月14.5%→1-5月13.5%→1-6月11.1%→1-7月8.2%→1-8月7.5%

道路貨物:(2017年10.1%)→(2018年7.4%)→(2019年5.1%)→20年1-10月-2.4%→2020年-0.3%→21年1-2月63.8%→1-3月53.5%→1-4月40.6%→1-5月33.5%→1-6月29%→1-7月25.7%→1-8月22.6%

全社会貨物:(2017年9.3%)→(2018年7.1%)→(2019年5.5%)2020年-0.5%→21年1-2月48.5%→1-3月42.4%→1-4月33.8%→1-5月28.3%→1-6月24.6%→1-7月21.7%→1-8月19.2%

  1. 国家統計局によれば、2011年のウエイト付け改定で、居住価格のウエイトは20%前後になったとしている。
  2. コア消費者物価は2013年から公表が開始された。
  3. 2020年11月は0.60%増、12月は0.63%増、21年1月は0.64%増、2月は0.66%増、3月は0.60%増、4月は0.52%増、5月は0.53%増、6月は0.57%増、7月は0.30%増である。
  4. 2020年11月は1.12%増、12月は0.82%増、21年1月は-0.17%、2月は0.81%増、3月は0.74%増、4月は0.05%増、5月は0.65%増、6月は0.49%増、7月は-0.19%である。
  5. 2020年11月は0.15%増、12月は0.08%増、21年1月は0.15%増、2月は0.25%増、3月は0.13%増、4月は0.25%増、5月は0.16%増、6月は0.14%増、7月は0.08%増である。
  6. この統計は2012年から公表が開始された。
  7. 前月比は輸出4.1%増、輸入4.3%増である。季節調整後の前年同月比は、輸出24.6%増、輸入28.2%増である。
  8. 輸出2020年11月46.1%→12月34.5%(2020年7.9%)→21年1-2月87.3%→3月53.3%→4月31.2%→5月20.6%→6月17.8%→7月13.4%→8月15.5% 輸入2020年11月32.7%→12月47.7%(2020年9.8%)→21年1-2月66.4%→3月75.1%→4月51.7%→5月40.5%→6月37.6%→7月25.6%→8月33.3%である。
  9. 1-8月の輸出は1072.7億ドル、前年同期比18.1%増、輸入は1352.9億ドル、24.6%増である。8月の輸出は139.2億ドル、前年同月比19.5%増(7月は12.6%)、輸入は167.5億ドル、17.6%増(7月は12.8%)である。
  10. 伸びは人民元ベースである。
  11. ドルベースでは、(2017年4%)→(2018年3%)→(2019年2.4%)→20年1-11月4.1%→2020年4.5%→21年1月6.2%→1-2月34.2%→1-3月43.8%→1-4月42.8%→1-5月39.8%→1-6月33.9%→1-7月30.9%→1-8月27.8%である。
  12. 一定期間内に実体経済(非金融企業と世帯)が金融システムから得た人民元貸出であり、銀行からノンバンクへの資金移し替えは含まない。
  13. 2019年12月から、国債と地方政府一般債券を統計に組み入れ、これまでの地方政府特別債券と併合し「政府債券」とした。
  14. 主な収入の内訳は、国内増値税4兆5355億元、前年同期比19.1%増、国内消費税Ⅰ兆957億元、11.6%増、企業所得税3兆4873億元、18.7%増、個人所得税9397億元、23%増、輸入貨物増値税・消費税1兆2022億元、25.9%増、関税1981億元、19.8%増である。輸出に係る増値税・消費税の還付は1兆1419億元、14%増である。都市維持建設税は3636億元、19.4%増、車両購入税は2525億元、14.6%増、印紙税は3063億元、34.8%増(うち証券取引印紙税は1990億元、39.5%増)、資源税は1517億元、32.3%増、環境保護税は159億元、4.2%増である。不動産関連では、契約税5464億元、前年同期比24.1%増、土地増値税5189億元、20.9%増、不動産税2040億元、18.6%増、耕地占用税733億元、-15.4%、都市土地使用税1378億元、4.8%増であった。
  15. 主な支出は、教育2兆3157億元、前年同期比7.9%増、科学技術4653億元、-0.9%、文化・観光・スポーツ・メディア2238億元、6.4%増、社会保障・雇用2兆3739億元、1.9%増、衛生・健康1兆2986億元、3.9%増、省エネ・環境保護3149億元、-7.9%、都市・農村コミュニティ1兆2229億元、0.4%増、農林・水産1兆2998億元、-3%、交通・運輸7043億元、-4.9%、債務利払い7028億元、7.5%増である。