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研究者のご紹介

2021年政府活動報告のポイント(1)

中国経済レポート

 

新領域研究センター 田中 修

2021年3月16日


はじめに

3月5日、全人代が開催され、李克強総理が政府活動報告(以下「報告」)を行った。このうち、2021年の経済政策関連部分の主要なポイントは以下のとおりである1

1.構成

構成は簡素化され、第1章は2020年の政策回顧、第2章は第14次5カ年計画期間の主要目標任務、第3章は2021年の重点政策であり、この中で発展の主要目標と今後の総体手配、2021年の重点政策を個別に列挙している。

活動任務の比較

表:活動任務の比較

2020年報告は、新型コロナウイルス感染症(以下「新型コロナ」)による経済の混乱・減速により経済の立て直しが中心となり、各論の項目がシンプルとなっていたが、21年は「イノベーション」「汚染対策・生態建設」が独立項目として復活した。引き続きマクロ政策が筆頭となったが、表現は「強化」から「持続可能性」に変った。また、「内需拡大」が20年の第3位から第4位に後退し、「イノベーション」が3位に昇格した。農業関連は農村の「脱貧困」が達成されたことにより、「農村振興戦略」に重点が変更された2

2.2020年の回顧

報告は冒頭で、「過去一年は、新中国の歴史上、極めて平凡ならざるものであった。突如訪れた新型コロナ、世界経済の深い衰退等の多重の深刻な衝撃に直面し、習近平同志を核心とする党中央の堅固な指導の下、全国各民族人民は頑強に奮闘し、疫病防御は重大な戦略的成果を得て、世界の主要な経済体の中で唯一経済のプラス成長を実現し、脱貧困堅塁攻略は全面勝利を得、小康社会の全面実現の決勝は決定的成果を得、人民が満足し、世界が注目し、歴史に残る答案を提出した。年間の発展主要目標はかなり好く達成され、わが国の改革開放と社会主義現代化建設も新たに重大な進展を得た」とする。

続けて、「艱難辛苦の疫病対策のプロセスにおいて、党中央は常に人民至上・生命至上を堅持し、習近平総書記は自ら指揮し、自ら手配し、各方面は努力を続け、不断に防御の成果を強固にした。我々は、疫病情勢の変化に対して、適時防御戦略を調整し、常態化した健全な防御メカニズムを整備し、局部地域のクラスターを有効に処置し、最大限度人民の生命の安全と身体の健康を保護し、生産生活秩序回復のために必要な条件を創造した」と述べている。

2020年に、10年のGDP倍増が達成できなかったこともあり、2.3%のプラス成長と脱貧困の実現が成果として強調されている。また、「習近平総書記は自ら指揮し、自ら手配し」と習近平総書記の果たした役割が、ことさらに強調されている。この点、新型コロナ流行当初、新型コロナ感染症対策領導小組の組長として、全責任を負わされていた李克強総理の思いは複雑であったろう。

(1)市場主体の急な需要を軸にマクロ政策を制定・実施し、経済の基盤をしっかり安定させた

具体的には、次の政策が列挙されている。

①歴史上まれに見る衝撃に直面し、我々は「6つの安定」(雇用・金融・対外貿易・外資・投資・予想を安定させる)政策の基礎の上に、「6つの保障」(庶民の雇用、基本民生、市場主体、食糧・エネルギーの安全、産業チェーン・サプライチェーンの安定、末端の運営を保障)任務、とりわけ雇用・民生・市場主体を保障し、保障により安定を促進し、安定の中で前進を求めた。

②国情の実際に立脚し、適時果断に、また不動心を維持して、バラマキを行わないことを堅持し、大規模な政策の均衡点を科学的に把握した。

③改革・イノベーションの方法を用いることを重視し、企業の困難緩和を助け活力を奮い立たせる措置を併せ打ち出し、衝撃を最も直接かつ大量・広範に受けた中小・零細企業と個人工商事業者の難関克服を援助した。

④段階的で大規模な減税・費用引下げを実施し、制度的手配と結びつけ、年間で市場主体のために2.6兆元を超える負担を軽減し、うち社会保険料を1.7兆元減免した。

⑤マクロ政策の実施方式を刷新し、新たに増やした2兆元の財政資金について直接交付メカニズムを確立し、省レベル財政は資金の下方移転を強化し、共同で市・県の末端が企業に恩恵を与え国民を利する政策を実施するために、適時財政力を補充した。

⑥銀行が方向を定めた貸出を増やし、かつ金利水準を引き下げ、中小・零細企業向け貸出について元本償還・利払を猶予し、大型商業銀行が小型・零細企業向けインクルーシブファイナンスを50%以上増やし、金融システムが実体経済に1.5兆元の利益を移譲することを支援した。

⑦大企業の業務・生産再開に対し、「点対点」サービス3を強化した。

報告は「非常な困難な努力を経て、我々は率先して業務・生産の再開を実現し、経済の回復は予想より好く、年間GDP成長率は2.3%となり、マクロ・コントロールは新たな経験を累積し、合理的な代価でかなり大きな成果を得た」と総括している。

ここでも、「バラマキ」を行わず、雇用・民生・市場主体に的を絞って対策を行ったことが強調されている。

以下は、コロナと関係のある部分の要点を紹介する。

(2)雇用の安定による民生保障

報告は「雇用は最大の民生であり、市場主体の保障も雇用の安定による民生保障のためである」とする。

具体的な政策としては、次のものが列挙されている。

①テレワーク、Eコマース、無接触配送の広範な展開。

②失業保険の保障範囲の大幅拡大。

③疫病により困窮した大衆への適時救済を与え、新たに600万人近くを、最低生活保障・特別困窮者扶助適用枠へ組み入れ、延べ800万人に臨時救済を実施。

(3)貧困対策

貧困労働力の雇用安定支援を優先し、帰郷した貧困労働力の再就職、労働所得をしっかり安定させるよう努力した。貧困に逆戻り・貧困に陥る人口のモニタリング・支援を強化した。

20年初に残った551万の農村貧困人口を全部脱貧困させ、52の貧困県を全部解消した。

(4)社会の調和・安定

公共衛生体系の建設を強化し、大規模PCR検査能力を引き上げ、新型コロナ患者の治療費用を全部国家が負担した。

退職者の基本年金を引き上げ、都市・農村住民基礎年金の最低基準を引き上げ、年金が期限どおり全額支給されることを保障し、企業年金基金の省レベル収支統一を実現した。

食品・薬品・ワクチンの監督管理を厳格化した。

(5)経済社会の抱える困難・問題

報告は、次の点を指摘する。

①新型コロナはなお世界に蔓延し、国際情勢における不確定・不安定要因が増大し、世界経済情勢は複雑・峻厳である。

②国内の疫病防御はなお脆弱部分があり、経済の回復の基礎はなお堅固でなく、個人消費はなお制約を受け、投資の伸びの持続力が不足し、中小・零細企業と個人工商事業者の困難はかなり多く、雇用安定への圧力はかなり大きい。

③カギとなる分野のイノベーション能力が強くない。

一部の地方の財政収支の矛盾が際立っており、金融等の分野のリスク防止・解消任務は依然非常に困難である。

⑤生態環境保護の任務は任重く道遠しである。

⑥民生分野になお少なからぬ不足がある。

⑦政府の活動に不足が存在し、形式主義・官僚主義が異なる程度存在し、少数の幹部が責任を担わず、不作為で、履行能力が欠如している。いくらかの分野で腐敗問題がなお発生している。

20年報告の「国内消費・投資・輸出が低下し、雇用圧力が顕著に増大し、企業とりわけ民営企業、中小・零細企業の困難が際立っており、金融等の分野のリスクがある程度累積し、末端の財政収支の矛盾が激化している」という表現よりは弱まったが、依然問題が残っていることを認めている。

3.第14次5カ年計画期間の主要目標・任務
(1)第13次5カ年計画期間の成果

報告は、「過去5年、わが国経済社会の発展は新たな歴史的成果を得た」としている。

ここでは、具体的な数字が示されているものを中心に紹介する。

①GDPは70兆元に及ばないところから、100兆元を超えるまでに増加した。

②5575万の農村貧困人口は脱貧困を実現し、960万余りの登録貧困人口が移住・転居を通じて、「生活条件が劣悪で困窮した状況」から脱した。

③「1億の農業からの移転人口とその他常住人口が都市で転籍する」という目標は順調に実現し、都市バラック地区の住宅改造は2100万戸を超えた。

④都市の新規就業者増は6000万人を超えた。

(2)第14次5カ年計画の位置づけ

報告は、「第14次5カ年計画期間は、社会主義現代化国家の全面建設の新たな征途を開く最初の5年である。わが国の発展は、依然として重要な戦略的チャンスの時期にあるが、チャンスと試練には、いずれも新たな発展・変化がある。新たな発展段階を正確に把握し、新発展理念を深く貫徹し、新たな発展の枠組を早急に構築し、質の高い発展を推進し、社会主義現代化国家の全面建設のために良好なスタート・歩みを踏み出さなければならない」とする。

以下は、第14次5カ年計画の主要な目標・任務である。

(3)発展の質・効率を高めることに力を入れ、経済の持続的で健全な発展を維持する

「発展はわが国の一切の問題を解決する基礎・カギである。新発展理念を堅持し、新発展理念を完全・正確・全面的に、発展の全プロセス・各分野に貫徹し、各方面が政策の重点を発展の質・効率の向上に置くよう誘導し、成長促進の潜在力を十分発揮させる」とする。

具体的には、次の項目が掲げられている。

①経済運営を合理的区間に維持し、各年度は事情に応じて経済成長の予期目標を提起する。

全労働生産性の伸びをGDP成長率より高め、都市調査失業率を5.5%以内に抑制する。

③物価水準の総体的平穏を維持する。

更に質が高く、更に効率的で、更に公平で、更に持続可能で、更に安全な発展を実現する。

21年初以来、習近平総書記は再び新発展理念を各会議で強調している。これは、もともと第13次5カ年計画の指導思想として2015年に提起されたものであるが、17年の19回党大会で認定された、習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想の中核をなすものとされている。また、20年から習近平総書記は「発展と安全の統一」を強調しており、これが「更に安全な発展」として追加されている。

5カ年計画期間の平均GDP成長率目標は明示されなかった。これは、第13次5カ年計画の平均成長率目標6.5%が新型コロナにより達成できなかったこと、今後の内外情勢にも不確定性が存在すること、「質の高い発展の推進」と言いながら成長率目標を設定することは「成長率至上主義」を再燃させかねないこと、を考慮したものであろう。

(4)イノベーション駆動による発展を堅持し、現代産業システムの発展を加速する

「イノベーションをわが国の現代化建設の全局において核心地位とし、科学技術の自立・自強を国家発展の戦略的支えとすることを堅持する」とする。具体的には、次の施策が列挙されている。

カギ・コアとなる技術の堅塁攻略戦をしっかり戦い、基礎研究10年行動方案を制定する。

②企業の技術革新能力を高め、人材のイノベーション活力を奮い立たせ、科学技術イノベーションの体制メカニズムを整備する。

全社会のR&D経費の投入の伸びを年平均7%以上とし、投入の強度を第13次5カ年計画の実際より高める。科学普及活動を広範に展開する4

④経済発展の注力点を実体経済に置き、産業の基礎のハイレベル化・産業チェーンの現代化を推進し、製造業のウエイトの基本的安定を維持し、伝統産業を改造・グレードアップし、戦略的新興産業を壮大に発展させ、サービス業の繁栄・発展を促進する。

⑤伝統的インフラと新しいタイプのインフラ建設を統一的に推進する。

デジタル経済については、「デジタル化の発展を加速し、デジタル経済の新たな優位性を作り上げ、デジタルの産業化と産業のデジタル化転換を協同推進し、デジタル社会の建設の歩みを加速し、デジタル政府の建設水準を高め、良好なデジタル環境を作り上げ、デジタル中国を建設する」としている。

科学技術の自立・自強、基礎研究の強化、デジタル経済の発展は、新5カ年計画の目玉の一つである。

なお、李克強総理は、全人代終了直後の3月11日の内外記者会見(以下「会見」)で、「現在、わが国の全社会R&D投入の対GDP比はなお高くなく、とりわけ基礎研究投入はR&D投入の6%にすぎないのに対し、先進国は通常15~25%である。我々は基礎研究への投入を一層増やさなければならない」と述べている。また、科学技術の自立・自強について、「これは国際協力・交流と矛盾するものではない。科学の模索・発明は、協力が必要であり、共同努力が必要である。閉鎖していては前途はなく、チェーンを断つことには何の利点もない。中国は知的財産権保護の基礎の上に、各国と科学技術分野の協力を強化し、人類文明の進歩を共同促進したいと願っている」としている。

(5)強大な国内市場を形成し、新たな発展の枠組を構築する

「内需拡大戦略の実施をサプライサイド構造改革と有機的に結びつけ、イノベーション駆動、質の高い供給により新たな需要をリード・創造する。

(生産)要素の合理的な流動を制約する閉塞ポイントを打破し、生産・分配・流通・消費の各段階を貫通し、国民経済の良性の循環を形成する。

国内大循環に立脚し、強大な国内市場と貿易強国の建設を協同推進し、国内経済循環システムに依拠して、世界の要素・資源に対する強大な磁場を形成し、国内・国際2つの循環を促進する。

内需拡大のための有効な制度を確立し、消費を全面的に促進し、投資の空間を拡大し、内需システムの育成・完成を加速する」。

「2つの循環」は、単なる内需に依存した閉鎖経済ではなく、同時に貿易強国を建設し、世界の生産要素・資源を引き付けることを強調している。

李克強総理は、この点につき会見において「これは、国内市場を大きくするのみならず、開放を拡大しなければならないということである。中国経済は、既に世界経済に深く融け入っており、不可分の関係にあると言ってよい。門を閉ざせば出口はない。中国は絶えず主動的に開放を拡大する。これは、自身の利益の必要からであり、世界に有益でもある。中国は内需市場を大きくし、自身の発展を牽引するが、外資、外国製品・サービスに巨大なチャンスをもたらしもする」と述べている。

(6)農村振興を全面推進し、新しいタイプの都市化戦略を整備する

農業・農村の優先発展を堅持し、18億ムー(1億2000万ha)の耕地レッドラインを厳守し、ハイレベルの農地・水田建設プロジェクト・黒土保護プロジェクトを実施し、種子の安全を確保し、農村建設行動を実施し、都市・農村が融合発展する健全な体制メカニズムを整備する。

脱貧困堅塁攻略の成果を強固にして拡大する健全で長期有効なメカニズムを整備し、脱貧困地域全体の発展水準を高める。

人を核心とした新しいタイプの都市化戦略を深く推進し、農業からの移転人口の市民化を加速し、常住人口の都市化率を65%に高め、壮大なメガロポリス(都市群)と都市圏を発展させ、県都を重要なキャリヤーとした都市化建設を推進し5、都市再開発行動を実施し、住宅市場システムと住宅保障システムを整備し、都市化発展の質を高める。

中央経済工作会議では、耕地保護と種子のイノベーションが強調されていたが、ここでも言及されている。ただ、ここではイノベーションより「安全確保」がメインである。

農村の脱貧困の成果を強固にして拡大することと、農村振興戦略をリンクさせることが課題となっている。

農村戸籍の都市戸籍への転換については、引き続き進める旨が明らかにされている。

(7)地域経済の配置を最適化し、地域の協調発展の質を高める

「地域重大戦略、地域協調発展戦略、主体機能区戦略を深く実施し、質の高い発展に向けた地域経済の配置と国土空間のサポートシステムを構築する」とする。

メインのプロジェクトは、北京・天津・河北協同発展、長江経済ベルト発展、広東・香港・マカオ大ベイエリア建設、長江デルタ一体化発展、黄河流域の生態保護と質の高い発展、ハイレベルで質の高い雄安新区建設である。

地域別では、「西部大開発の新たな枠組を形成し、東北振興を推進して新たなブレークスルーを得、中部地域の急速な興隆を促進し、東部地域の急速な現代化推進を奨励する」としている。また、「成都・重慶地域2大都市経済圏建設を推進する」6、「海洋経済の発展空間を積極的に開拓する」ともしている。

(8)改革開放を全面深化させ、発展の動力・活力を引き続き増強する

次の項目が列挙されている。

ハイレベルの社会主義市場経済体制を構築し、各種市場主体の活力を奮い立たせ、国有経済の配置の最適化と構造調整を加速し、民営経済の発展環境を最適化する。

ハイレベルの市場システムを建設し、財産権制度を全面整備し、(生産)要素の市場による配分改革を推進し、競争政策の基礎的地位を強化し、競争政策の枠組を整備する7

③現代的な財政・税制・金融体制を確立し、政府の経済ガバナンス能力を高める。

④「行政の簡素化・権限の委譲、開放と管理の結合、サービスの最適化」改革を深化させ、一流のビジネス環境を構築する。

更にハイレベルの開放型経済新体制を建設し、「一帯一路」共同建設の質の高い発展を推進し、世界に向けたハイレベルの自由貿易地域のネットワークを構築する。

全般的に「ハイレベル」を強調している。中央経済工作会議では消えていた「一帯一路」の記述が復活した。

(9)グリーン発展を推進し、人と自然の調和・共生を促進する

森林カバー率を24.1%にする。

重汚染の大気と都市の黒く濁り臭い水を基本的に除去する。

2030年の気候変動対応の国家自主貢献目標を実施する。

発展方式のグリーン転換を加速し、経済の質の高い発展と生産環境のハイレベルの保護を協同推進し、GDP単位当たりエネルギー消費を13.5%引き下げ、GDP単位当たりCO2排出を18%引き下げる。

2030年までにCO2排出をピークに到達させることは、習近平国家主席が国連で行った公約である。

(10)民生福祉を引き続き増進し、共同富裕を着実に推進する

「力を尽くして実行し、力量を慮って実行することを堅持し、包摂的・基礎的・最低ライン保障型の民生建設を強化し、共同富裕促進行動要綱を制定し、発展の成果の恩恵を更に多く、更に公平に人民全体に及ぼす」とする。具体的には、以下の施策が列挙されている。

雇用優先戦略を実施し、雇用容量を拡大する。

低所得層の所得向上に力を入れ、中等所得層を拡大し、1人当たり可処分所得の伸びをGDP成長率と基本的に同歩調とする

③質の高い教育体系を建設し、質の高い専門化した教師陣を建設し8、教育改革を深化させ、教育の質的向上・規模拡大プロジェクトを実施し、労働年齢人口平均就学年数を11.3年にまで高める。

「健康中国」の建設を推進し、強大な公共衛生体系を構築し、都市・農村医療サービスネットワークを整備し9、全国民健康増進運動を広範に展開し、平均寿命をさらに1年延ばす。

人口高齢化に積極対応する国家戦略を実施し、「高齢者と子ども」を重点とする人口サービス体系を整備し、出生政策を最適化し10、適度な出生水準の実現を推進し、包摂的な幼児保育と基本老人介護サービスシステムを発展させ11法定退職年齢を徐々に延長する。

⑥多層レベルの健全な社会保障システムを整備し、基本年金保険の加入率を95%に高め、社会救済・慈善制度を最適化する。

⑦社会主義先進文化を発展させ、社会の文明程度を引き上げ、信義誠実の文化を発揚し12、信義誠実の社会を建設し13、公共文化サービス水準を高め、健全な現代文化産業体系を整備する。

民生分野の筆頭として雇用が掲げられた。これは、「6つの安定」「6つの保障」と共通する雇用最優先の考え方である。

党19期5中全会が共同富裕の推進を明らかにしたことから、低所得層のボトムアップ、中等所得層の拡大が重要政策となっている。

法定退職年齢の延長は、年金保険の持続可能性を高める重要手段であるが、大学卒業生の就職を困難にする可能性もあるため、「徐々に」とされている。

(11)発展と安全を統一し、更にハイレベルの平安な中国を建設する

「総体としての国家安全観を堅持し、国家安全体系と能力建設を強化する。国家経済安全保障を強化し、食糧、エネルギー・資源、金融安全戦略を実施し、食糧総合生産能力を6億5000万トン以上に維持し、エネルギー総合生産能力を高める。公共安全保障能力を全面的に高め、社会の安定・安全を擁護する」としている。

党19期5中全会で「発展と安全の統一」が提起された。中心は、食糧、エネルギー・資源、金融の安全である。

  1. 本稿は、新華社北京電2021年3月12日で公表された、全人代修正後のバージョンを参考にしている。
  2. 下線は、筆者のコメントないし補充事項である。また、太字は報告の中で注意すべきフレーズである。
  3. 労働力輸出地と労働力不足地を直行輸送でつなぐサービス。
  4. 全人代の修正で盛り込まれた。
  5. 全人代の修正で盛り込まれた。
  6. 全人代の修正で盛り込まれた。
  7. 全人代の修正で盛り込まれた。
  8. 全人代の修正で盛り込まれた。
  9. 全人代の修正で盛り込まれた。
  10. 全人代の修正で盛り込まれた。
  11. 全人代の修正で盛り込まれた。
  12. 全人代の修正で盛り込まれた。
  13. 全人代の修正で盛り込まれた。