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国民皆保障

中国経済レポート

 

新領域研究センター 田中 修

2021年3月9日


はじめに

習近平総書記は2月26日、党中央政治局集団学習会を開催し、全国民をカバーした社会保障システムの整備について議論した。講師は、中国社会保険学会の胡暁義会長である。本稿では、習近平総書記の重要講話の概要を紹介する。

社会保障は民生を保障・改善し、社会の公平を擁護し、人民の福祉を増進する基本的な制度保障であり、経済社会の発展を促進し、広範な人民大衆が改革・発展の成果を共に享受することを実現するための重要な制度手配であり、国家統治安寧の大問題である。

再分配を強化し、互助・共済機能を強化し、更に多くの人を社会保障システムに組み入れ、広範な人民大衆のために、更に頼ることができ、更に十分な保障を提供し、人民大衆の多層レベルで多様化した需要を不断に満足させ、全国民をカバーし、都市・農村を統一し、公平で統一され、持続可能な多層レベルの健全な社会保障システムを整備し、社会保障のセーフティーネットを一層綿密に編み上げ、わが国社会保障事業の質の高い発展・持続可能な発展を促進しなければならない。

わが党は、歴史的に民生の改善と社会保障を高度に重視してきた。18回党大会以降、党中央は、社会保障システム建設を更に際立てて位置づけ、わが国の社会保障システム建設についてトップダウン設計を行い、わが国の社会保障システム建設は高速道に入った。

都市・農村住民の基本年金保険制度を統一し、機関・事業単位と企業の年金保険制度の一本化を実現し、企業従業員基本年金保険基金の中央調整制度を確立した。

都市・農村住民基本医療保険制度を整理・統合し、都市・農村住民大病保険を全面実施し、国家医療保障局を設置した。

国民皆保険計画を推進し、社会保険料率を引き下げ、一部国有資本を切り分けて社会保障基金を充実させた。

年金・幼児保育・障害者支援等の福祉事業を積極的に発展させ、人民大衆を都市・農村、地域、性別、職業で区別せず、年金・疾病・失業・労災・障害・貧困等のリスクに直面した際には、すべて相応の制度保障があるようにした。

現在わが国は、社会救済・社会福祉・(傷病軍人とその家族への)社会優遇制度を含む社会保険を主体とし、機能が整備された社会保障システムを基本的に実現し、基本医療保険は13.6億人をカバーし、基本年金保険は10億人近くをカバーしており、これは世界で規模が最大な社会保障システムである。

これは、人民が素晴らしい生活を創造するために堅実な基礎を打ち固め、脱貧困堅塁攻略線に打ち勝つために堅固な支えを提供し、小康社会を期日通り全面実現し、第1の百年奮闘目標を実現するために有利な条件を提供した。同時に、わが国社会の主要な矛盾に変化が発生し、都市化・人口高齢化・就業方式の多様化が急速に発展するに伴い、わが国の社会保障システムはなお不足が存在しており、これを高度に重視して確実に解決しなければならない。

我々は国情に立脚し、積極的に模索し、大胆に刷新し、国外の社会保障の有益な経験を学習し参考とすることを重視し、中国の特色を鮮明にした社会保障システムを建設することに成功した。

我々は中国共産党の指導とわが国の社会主義制度の政治優位性を発揮することを堅持し、パワーを集中して大事をなし、社会保障事業を長期安定的に推進した。

人民至上を堅持し、共同富裕を堅持し、民生福祉の増進・社会公平の促進を社会保障事業の根本的出発点・着地点とし、改革・発展の成果の恩恵を更に多く、更に公平に人民全体に及ぼした。

制度によるリードを堅持し、「全面カバー・基本の保障・多層レベル・持続可能」等の目標を軸に、社会保障システムの建設を強化した。

時代と共に前進し、改革という方法とイノベーションという思考を用いて発展中の問題を解決し、体制メカニズムの障碍を断固打破し、社会保障事業の不断の前進を推進した。

実際に基づいて正確な方法を見出し、力を尽くして成果を上げ、力量を慮って行動し、社会保障水準の向上を、経済と財政力の持続可能な成長の基礎の上に確立し、実際から乖離せず、段階を飛び越えなかった。

これらの成功経験を堅持・発展させ、不断に総括し、不断に前進しなければならない。

社会保障は、人民が最も関心を寄せ、最も直接的で、最も現実的な利益問題と関わっている。党19期5中全会は、第14次5カ年計画期間のわが国社会保障事業発展の青写真を明確にした。

システムの概念を堅持し、新たな発展段階・新発展理念・新たな発展の枠組が提起する新要求をしっかり把握し、「五位一体」1の総体配置と「四つの全面」2戦略配置を統一的に推進する中で、社会保障事業の発展を考え、計画しなければならない。

戦略眼を樹立し、人民の高品質の生活への期待に順応し、人民の全面発展と人民全体の共同富裕のプロセスに適応し、「幼児に保育があり、学びたければ教育があり、労働すれば所得があり、病には医療があり、老いればケアがあり、住むための住居があり、弱者には支援がある」ことの不断の推進で、新たな進展を得なければならない。

リスク意識を増強し、将来のわが国の人口高齢化、平均寿命の上昇、就学年数の増加、労働力構造の変化等の発展趨勢を研究・判断し、施策の予見性・主動性を高めなければならない。

わが国の社会保障制度は、システムインテグレーション・シナジー効果を高める段階に入っている。

社会保障の各方面の間、社会保障分野とその他関係分野の間の改革の関係を正確に把握し、計画と協調推進能力を高め、各改革の全体の合成力の形成を確保しなければならない。

問題志向を強化し、社会保障方面で庶民の不満が強烈な悩み・心配・懸念に向き合い、不断に改革を推進しなければならない。

多層レベル・多くの支柱の年金保険システムの発展を加速し、人民大衆の多様な需要を更に好く満足させなければならない。

基本医療保険・失業保険・労災保険の省レベル統一を推進し、中央・地方の権限と支出責任を一層明確にしなければならない。

農村社会救済を農村振興戦略統一計画に組み入れ、健全な農村社会救済制度を整備し、日常的な支援措置を整備しなければならない。

出稼ぎ農民・柔軟な就労者・新業態の就労者が参加する健全な社会保険制度を整備し、退役軍人の健全な保障制度を整備し、健全な高齢者介護サービスシステムを整備し、障害者・孤児等を支援する社会福祉制度を整備しなければならない。

医療・医療保険・医薬の連動を弛まず協同推進することを堅持し、国家による薬品・消耗品の組織的で数量を明確にした集中調達改革を推進し、医療保険の支払方式の改革を深化させ、医療保険基金の使用効率を高めなければならない。

立法・法執行・司法・法順守の各段階から社会保障政策を強化し、法治の軌道上で社会保障事業の健全な発展を推進しなければならない。

社会保障の立法活動を強化し、法に基づき各レベル政府・雇用単位・個人・社会の社会保障の権利・義務・責任を実施しなければならない。

法に基づき健全な社会保障基金の監督管理システムを整備しなければならない。

保険金をだまし取り、不正に取得し、流用・横領する各種の社会保障資金の違法行為を、全く容認しない態度で厳しく取り締まり、人民大衆のわずかな年金・生活資金・救済資金・慈善資金をしっかり守らなければならない。

社会保障管理システム・サービスネットワークを整備し、管理細分化の程度・サービス水準の向上に努力し、社会保障のガバナンス機能を高めなければならない。

社会保険に関する登記と移転接続措置を整備し、健全な社会救済・社会福祉対象について精確な認定制度を整備し、保障すべきものはすべて保障し、援助すべきものはすべて援助し、享受すべきものはすべて享受させることを実現しなければならない。

全国統一の社会保険公共サービスプラットフォームを整備し、社会保険経理のデジタル化転換を深く推進しなければならない。

伝統的サービス方式とサービスのスマート化刷新を並行し、高齢者・障害者等の特徴に対して、更に心に寄り添った暖かい社会保障サービスを提供しなければならない。この疫病の成功した方法を総括し、わが国社会保障が突発重大リスクに対する緊急対応メカニズムを整備しなければならない。

制度の統一性・規範性を堅持し、国家のトップダウンを堅持し、ハードな制度的制約を増強し、制度運営に対する管理監督を強化しなければならない。

各地方は大局意識を樹立し、制度改革要求を厳格に実施しなければならない。

各レベル党委員会・政府は社会保障政策に対する重要性の認識を深化させ、ルールを把握し、統一協調し、党中央の政策決定と各改革方案の貫徹実施にしっかり取り組み、全人民をカバーする健全な社会保障システムの整備において不断に新たな成果を得なければならない。

  1. 経済建設、政治建設、文化建設、社会建設、生態文明建設を一体的に進める。
  2. 社会主義現代化国家の全面建設、改革の全面深化、全面的な法に基づく国家統治、全面的に厳しい党内統治