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研究者のご紹介

人民銀行第4四半期貨幣政策執行報告

中国経済レポート

 

新領域研究センター 田中 修

2021年2月16日


はじめに

本稿では、2月8日に公表された「人民銀行2020年第4四半期(10-12月期)貨幣政策執行報告」の概要を紹介する。なお、前報告から変化したポイントは太字で示している。

1.マクロ経済の展望
1.1 概況

2020年は、極めて特殊で、平凡ならざる一年であった。峻厳・複雑な国際情勢、非常に困難・繁雑で荷が重い国内の改革・発展・安定の任務、とりわけ新型コロナ肺炎疫病の深刻な衝撃に直面して、習近平同志を核心とする党中央の堅固な指導の下、全国が上下心を一つに協力し、率先して疫病をしっかりコントロールし、率先して業務・生産を再開し、率先して経済のプラス成長を実現し、疫病防御と経済社会発展政策の統一で重大な戦略的成果を得て、第13次5カ年計画を円満に手仕舞いし、小康社会の全面実現は勝利の見込みである。

わが国の経済運営は安定・回復しており、2020年の10-12月期の前年同期比経済成長は6.5%、年間では2.3%であり、経済総量は100兆元を突破し、世界で雄一経済のプラス成長を実現した主要経済体となり、正常な金融政策を実施している少数の主要経済体でもある。中長期的に見れば、経済は安定の中で好転しており、長期に好い方に向かい、質の高い発展をとげるというファンダメンタルズに変わりはない1

1.2 経済の現状

わが国経済は常態に向けて回帰しており、内生動力エネルギーは徐々に増強され、マクロ情勢は総体として好くなっている2

最近、工業生産が顕著に活発になり、輸出動力エネルギーは強さを維持し、製造業投資は持ち直し傾向にあり、消費は総体として回復態勢を示し、雇用・民生はかなり好く保障され、市場の予想は安定し、経済運営における積極要因が増大している。

実体経済への金融サービスの質・効率は顕著に高まり、とりわけ中小・零細企業、民営企業への支援が不断に強化され、実体部門の獲得感は顕著に強まっている。

金融リスクの堅塁攻略戦は重大な進展をみて、金融システムは総体として健全であり、各種リスクを解消する能力を備えている。人民元レートは合理的均衡水準で基本的安定を維持し、外貨準備は3兆ドル以上を維持し、経済の外部衝撃への対応能力が増強されている。

1.3 リスク・試練

国際経済・金融情勢は依然として複雑・峻厳であり、内外の疫病の変化と外部環境には多くの不確定性が存在し、国内経済回復の基礎はなお堅固ではない3

(1)国際環境

2020年10-12月期以降、世界の多くの地域でウイルスの変異が出現しており、主要発達経済体の疫病が再流行し、ワクチン接種の進度は期待に届かず、公共部門・実体部門の債務が上昇し、金融市場のリスクの隠れた弊害要因が増大し、国際流動性が極度に緩和している。わが国の疫病輸入と国際経済・金融リスクの防止圧力は依然かなり大きい。

(2)国内経済

冬季に入り、国内の多くの地でクラスター感染が出現しており、消費の回復に不確定な攪乱をもたらす可能性がある。マクロレバレッジ率は、疫病対応により段階的上昇が出現し4、不良債権の上昇等の信用リスクはタイムラグをもって顕在化する可能性があり、地域的な金融リスクの隠れた弊害要因が依然として存在する5

このほか、人口の高齢化が加速し、科学技術イノベーション能力は向上が必要であり、資源・環境の制約が強まるなど、中長期の試練も軽視できない。

これについて、チャンスの意識とリスク意識を増強し、改革とコントロール、短期と長期、内部均衡と外部均衡とを結びつけ、精力を集中して自身の事柄にしっかり取り組み、質の高い発展の実現に努力しなければならない。

(3)物価

物価上昇率は、総体として合理的区間にあり、長期にインフレあるいはデフレの基礎は存在しない62020年わが国のCPI動向は前高後低であり、季節ごとに低下の特徴を示し、年間CPIは前年比2.5%であり、総体として合理的区間にある。

2020年10-12月期以降、わが国CPIはゼロ付近でにまで下がっており、個別の月ではマイナスとなり、主として疫病、豚肉価格の変動、高いベース等の要因の影響を受け、2021年初はさらに春節の時期のずれという攪乱を受けた。これらの影響は、短期・暫時的であり、ベース効果と供給の攪乱が徐々に消えていくのを待って、CPIは上昇・安定に向かうと見込まれる。

これと同時に、わが国の内生成長動力エネルギーの増強に伴い、工業生産は持続的に回復・好転しており、2020年10-12月期以降生産財価格が急速に上昇し、PPIの前年同期比下落幅は一層縮小し、短期内にプラスへの転換が見込まれる。

当然、将来一時期、内外疫病の変化と防御措置が供給・需要両サイドに与える衝撃には、なお不確定性があり、なお短期の物価動向について密接な注意を維持する必要がある。

中長期で見ると、わが国の経済運営は平穏・好転しており、総需給は基本的にバランスし、金融政策は穏健を維持し、マネー条件は合理的・適度であり、長期にインフレあるいはデフレの基礎は存在しない。

2.今後の主要な政策の考え方

今後、人民銀行は、習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想を導きとすることを堅持し、党19期5中全会・中央経済工作会議精神を全面貫徹し、党中央・国務院の政策決定・手配を断固として貫徹実施し、安定の中で前進を求めるという政策の総基調を堅持し、新たな発展段階に立脚し、新発展理念を貫徹し、新たな発展の枠組を構築し、「穏」(穏健・安定)を頭におき、重点をしっかり掴み、最低ラインをしっかり守り、大胆に責任を担い、疫病防御と経済社会発展の成果を強固にして拡大し、政策の連続性・安定性・持続可能性を維持し、マクロ経済ガバナンスを整備し、現代的な中央銀行制度を建設し、サイクルを跨いだ政策設計をしっかり行い、経済総量のバランス、構造の最適化、内外のバランスを促進し、「6つの安定」(雇用・金融・対外貿易・外資・投資・予想の安定)、「6つの保障」(庶民の雇用、基本民生、市場主体、食糧及びエネルギーの安全、産業チェーンとサプライチェーンの安定、末端の運営を保障する)政策を引き続きしっかり行い、新たな発展の枠組の構築で好い第一歩を歩み出し、新たな気風が現れるようにする。

穏健な金融政策を更に柔軟・精確、合理的・適度とし、「穏」(穏健・安定)を頭におき、急転換せず、政策のタイミング・程度・効果をしっかり把握し7、経済回復とリスク防止の関係をうまく処理し、正常な金融政策の余地の持続可能性をしっかり維持しなければならない8

「貨幣価値の安定を維持し、これによって経済成長を促進する」こをと目標として、マネーサプライのコントロールメカニズムを整備し、多様な金融政策手段を総合的に運用し、流動性の合理的充足を維持し、マネーサプライと社会資金調達規模の伸びを名目成長率と基本的に釣り合わせ、マクロレバレッジ率の基本的安定を維持する9同時に、情勢の変化に基づき、政策の程度・テンポ・重点を柔軟に調整する。

構造的な金融政策手段の精確な点滴灌漑作用10をしっかり発揮させ、実体経済を金融が有効に支援する体制メカニズムを構築する。

健全な市場化した金利形成と伝達メカニズムを整備し、中央銀行の政策金利体系を整備し、貸出プライムレートの改革を深化させ、貸出実質金利引下げの成果を強固にし、企業の総合資金調達コストの安定の中での低下を促進する。

人民元レート形成における市場の決定的役割を発揮させ、人民元レートの弾力性を増強し、マクロプルーデンス管理を強化し、市場の予想を安定させ、企業と金融機関が「リスク中立性」の理念を樹立するよう誘導し、人民元レートの合理的均衡水準での基本的安定を維持する。

モニタリング・分析と予想の管理を強化し、物価水準の基本的安定を維持する。

金融リスクの健全な予防・事前警告・処理・問責の制度体系を整備し、個別機関のリスクと重点分野のリスクを適切にしっかり処理し、各方面の責任を一層徹底させ、多くのルートで銀行の資本金を補充し、システミック金融リスクを発生させない最低ラインをしっかり守る。

イノベーション駆動・質の高い供給によって新たな需要をリード・創造し、国内大循環を主体とし、国内・国際の2つの循環が相互に促進する新たな発展の枠組を早急に形成する。

(1)穏健な金融政策柔軟・精確、合理的・適度にする。

中期貸借ファシリティー、公開市場操作、再貸出・再割引等の多様な金融政策手段を総合的に運用して、金融機関の合理的な短期・中期・長期の流動性需要を満足させ11、オペレーション上精確・有効にして、流動性の合理的充足を維持するだけでなく、バラマキを行わない。

中央銀行が、銀行の貨幣創造を調節するための、流動性・資本・金利を制約する長期有効なメカニズムを整備し、マネーサプライの総バルブをしっかり把握し、経済を潜在的な産出付近に維持する。市場金利が、公開市場操作金利・中期貸借ファシリティー金利を軸として変動するよう誘導する。

健全で持続可能な銀行の資本補充のメカニズムを整備し、銀行が株式転換型の永久債等の永久債商品を発行することを支援し、中小銀行が永久債を発行して資本を補充することへの支援を強化し、実体経済にサービスし金融リスクを防止・解消する銀行の能力を高める。

マクロ経済ガバナンスを整備し、金融政策と財政・雇用・産業・投資・消費・環境保護・地域等の政策との目標の最適化・合理的な分業・効率の高い協同を促進する。

(2)再貸出・再割引と実体経済に直接到達する金融政策手段の精確な点滴灌漑作用をしっかり発揮させる。

一方面では、特殊な時期に打ち出された緊急政策を適切に調整・接続し、小型・零細企業向けインクルーシブファイナンスの元本償還・利払い猶予と、小型・零細企業向け無担保インクルーシブファイナンス支援計画という、2つの実体経済に直接到達する金融政策手段を継続実施する。

他方で、構造的金融政策手段の体系を刷新・整備し、互いに受け入れやすいインセンティブメカニズムを精確に設計し、金融機関が新発展理念に合致する関連分野への支援を強化するよう誘導し、包摂的な再貸出・再割引政策を引き続き運用し、科学技術イノベーション、小型・零細企業、グリーン発展への金融支援を増やす。

炭素のピーク到達・カーボンニュートラルの重大政策決定・手配を実施し、政策設計・計画をしっかり行い、政策のインセンティブ・制約体系を確立し、金融資源をグリーン発展分野に傾斜するよう誘導する12

(3)実体経済を金融が有効に支援する体制メカニズムを構築する。

イノベーションへの金融支援の体系を整備し、イノベーションチェーン・産業チェーンを軸に資金チェーンを作り上げ、金融・科学技術・産業の良性循環と三角の相互連動を形成し、新技術の産業化・規模化応用を促進する。サプライチェーン金融の規範的な発展・刷新を推進し、関係部門と連合して具体的関連政策を段階的に実施し、サプライチェーン・産業チェーンの完全さ・安定を精確にサポートする。

健全な農村金融サービスの体系を整備し、脱貧困堅塁攻略の成果を強固にして拡大することと、農村振興を有効にリンクさせるための金融サービスをしっかり行い、脱貧困地域への金融支援政策の総体としての安定を維持する。

作付業の発展、食糧安全等の農業重点分野への貸出を増やし、法・ルールに基づき、農村担保の範囲を拡大し、農村金融商品・サービスを刷新する。

「商業銀行の中小・零細企業向け金融サービス能力向上プロジェクト」を引き続き深く展開し、外部のインセンティブ・制約メカニズムを整備し、銀行内部の政策手配を最適化し、科学技術の賦存能力を活用し、「敢えて貸し、貸したいと思い、貸すことができ、貸す」長期有効なメカニズムの形成を促進する。

金融機関が製造業等の重点分野への貸出支援を増やすよう誘導する。

「住宅は住むためのものであり、投機のためのものではない」という位置づけをしっかり堅持し、「不動産を短期的経済刺激の手段としない」ことを堅持し、地価・住宅価格・予想の安定を堅持し、不動産金融政策の連続性・一致性・安定性を維持し、不動産金融のプルーデンス管理制度をしっかり実施し、住宅賃貸政策への金融支援の体系を整備する。

(4)金利・為替レートの市場化改革を深化させ、金融政策の伝達ルートを円滑にする。

健全な市場化された金利の形成・伝達のメカニズムを整備し、公開市場操作金利を短期政策金利とし、中期貸借ファシリティー金利を中期政策金利とする中央銀行政策金利体系を整備し、短期金融市場の基準金利改革を推進し、市場金利が中央銀行の政策金利を中枢として変動するよう誘導する13

引き続き、LPR(貸出プライムレート)改革を深化させ、貸出実質金利引下げの成果を強固にし、預金金利の段階的な市場化への歩みを牽引する14

市場金利決定の自律的なメカニズムの作用をしっかり発揮させ、預金金利決定行為を規範化し、預金管理を強化し、地方法人銀行が他の地域で預金を開設することを禁止し15、各種貸出主体が貸出の年率換算金利を明示する要求を強化し、市場の公平な競争を擁護し、消費者権益を確実に保護する。

人民元レートの市場化改革を着実に深化させ、市場需給を基礎とし、通貨バスケットを参考として調節を進め、管理された変動為替レート制度を整備し、人民元レートの弾力性を維持し、マクロ経済と国際収支の調節における為替レートの自動安定器としての作用を発揮させる。市場の予想を安定させ、企業・金融機関が「リスク中立性」の理念を樹立するよう誘導し16、合理的な均衡水準における人民元レートの基本的安定を維持する。

人民元の資本項目の兌換化を着実に推進し、人民元のクロスボーダー使用の政策枠組とインフラを整備し、クロスボーダーの貿易・投資における人民元使用の利便化の程度を高める。

(5)金融市場のインフラ建設を強化し、安定成長・構造調整・改革促進とリスク防止方面における金融市場の役割を確実によく発揮させる。

民営企業の債券発行による資金調達を支援し、実体経済への金融サービス能力を増強する。「公司信用類債券(社債)情報開示管理弁法」を実施し、社債の情報開示基準の統一を促進する。

市場化・法治化の原則を堅持し、債券のデフォルトリスクの防止・処理メカニズムを整備する。金融インフラの統一的な監督管理を強化し、債券市場インフラの相互連結を早急に推進し、金融市場全体の安全・安定と効率の高い運営を確保する。

債券市場の双方向の対外開放を着実に推進し、更に多くの中長期投資家を引き入れる17

(6)金融機関改革を一層推進し、コーポレートガバナンスを不断に整備し、金融供給を最適化する。

コーポレートガバナンスの強化を核心とすることを堅持し、大型商業銀行改革を深化させ、中国の特色ある現代金融企業制度を確立する。大型銀行がサービスの重心を下に移し18効率を高め、小型・零細企業、民営企業に更に好くサービスするよう誘導する。

マネー・監督管理・税制などの制度から着手し、中小銀行と農村信用社が主たる責任・本業に集中し、現地に回帰し、原点に回帰することを促進し、有効なガバナンスのチェックアンドバランスメカニズムを確立する。

開発性・政策性金融を改革し、業務の分類計算を実行し、国家戦略を支援する能力を高める。

(7)金融リスクの予防・事前警告・処理・問責の健全な制度体系を整備する19

金融の安全を擁護し、金融リスクの健全な予防・事前警告システム・処理の体系、問責制度を整備し、監督管理制度の不足部分を早急に補強し20システミック金融リスクを発生させない最低ラインを断固しっかり守る。

プルーデンス監督管理の前提下での金融イノベーションの発展を確保し、インクルーシブな金融サービスの質・競争力を安定の中で高め21銀行システムに対して全部をカバーしたストレステストを展開し、銀行とりわけ中小銀行が多くのルートで資本を補充し、ガバナンスを整備することを支援し、金融機関の健全性と持続可能な経営能力を強化する。

不良債権の貸倒引当金の取崩しと償却処理を強化して、預金保険制度と機構設置を整備し22各リスク解消任務を穏当に推進し、既存のリスク解消の手仕舞いにしっかり取り組み、各方面の責任を一層明確にして徹底させ、リスク処理の合成力を形成する。各種リスクの再拡大・再上昇に断固として歯止めをかけ23断固として局部のリスクをシステミックリスクに発展させず、地域リスクを全国リスクに変化させない。

3.不動産融資の状況

12月末、主要金融機関(外資を含む)の不動産融資残高は49.6兆元、前年同期比11.6%増であり、伸びは前年末より3.2ポイント鈍化した。各種融資残高に占める不動産融資残高のウエイトは28.7%であった。

うち、個人住宅ローン残高は34.5兆元、同14.5%増であり、伸びは前年末より2.2ポイント鈍化した。住宅開発融資残高は9.1兆元、同8.2%増であり、伸びは前年末より6.4ポイント鈍化した。

4.新型コロナ肺炎疫病の影響をヘッジし、マネー・貸出支援を強化した

常態化した疫病防御と経済社会発展政策を統一し、金融政策は異なる段階の特徴に応じてコントロールの程度・テンポ・重点をしっかり把握し、政策の精確性・直接到達性を高め、「6つの安定」政策を着実にしっかり実施し、「6つの保障」を全面実施し、企業を安定させて雇用を保障することへの金融支援で予期した効果を得た。

(1)適時マクロ政策のヘッジを強化した

2020年、春節の市場オープン後、金融市場に1.7兆元の短期流動性を提供し、市場の予想を有効に安定させた。2020年、人民銀行は預金準備率を3回引き下げて、1.75兆元の長期流動性を提供した。

法定預金準備率の引下げ、中期貸借ファシリティー操作、公開市場操作を通じて、流動性の合理的充足を維持し、市場金利の平穏な運営を擁護し、特別国債・地方政府特別債の発行のために適切な流動性環境を作り上げた。

(2)レベルを分けて段階的に、1.8兆元の再貸出・再割引政策を打ち出し、しっかり実施した

2020年、人民銀行は3回に分けて、3000億元の特別再貸出、5000億元の再貸出・再割引、1兆元の再貸出・再割引、計1.8兆元を手配し、疫病対策の供給保障、業務・生産の再開、中小・零細企業等実体経済の発展を支援した。

2020年6月末には、3000億元の特別再貸出は手仕舞いとなり、関係銀行が7597社の全国・地方重点企業に対して累計2834億元の優遇貸出を行うことを支援した。加重平均金利は2.49%、財政利息補助50%の後は、金融の実質貸出金利は約1.25%であり、疫病暴発初期の医療用物品の逼迫局面を有効に緩和し、疫病重点地域の主要生活物資の正常な供給回復を促進した。

5000億元の再貸出・再割引政策は手仕舞いとなり、地方法人銀行が59万社の企業に対して累計4983億元の優遇金利貸出を行うことを支援した。加重平均金利は4.22%であり、企業の業務・生産の再開が直面する債務償還・資金回転・資金調達拡大等の切迫した問題を確実に解決した。

2020年12月、1兆元の再貸出・再割引政策は全部実施して手仕舞いとなり、地方法人銀行が158万社の企業を支援するよう誘導した。加重平均金利は4.67%であり、実体部門の獲得感は顕著に増強され、生産・生活は急速に回復し、雇用情勢は引き続き改善した。

(3)直接到達性・精確性の特徴を際立たせ、2つの実体経済に直接到達する金融政策手段を積極的に推進し、中小・零細企業の発展を支援した

2020年末までに、全国銀行は7.3兆元の貸出の元本・利息の猶予を実施した。小型・零細企業向けインクルーシブファイナンスの猶予支援手段は月ごとに操作され、累計で地方法人銀行に奨励資金87億元を提供し、彼らが6-12月の小型・零細企業向けインクルーシブファイナンスの元本計8737億元を猶予することを支援した。加重平均猶予期間は12.8カ月で、小型・零細企業の段階的な元本償還・利払圧力を軽減した。

2020年、銀行は累計小型・零細企業向け無担保インクルーシブファイナンス3.9兆元を実施し、前年より1.6兆元多かった。小型・零細企業向け無担保インクルーシブファイナンスは四半期ごとに操作され、累計で地方法人銀行に優遇資金1700億元を提供し、彼らが3-12月に小型・零細企業向け無担保インクルーシブファイナンス計4808億元を実施するのを支援し、小型・零細企業の資金調達難問題を有効に緩和した。

国務院常務会議が、小型・零細企業向けインクルーシブファイナンスの元本償還・利払猶予政策と無担保貸出計画の手配の継続を決定したことに基づき、2020年12月31日、人民銀行は銀行保険監督管理委員会、財政部、国家発展・改革委員会、工業・情報化部と共に、「小型・零細企業向けインクルーシブファイナンスの元本償還・利払猶予政策と、小型・零細企業向け無担保インクルーシブファイナンス支援政策の継続実施に関する通知」を公布し、2つの政策を2021年3月31日まで延長することを規定した。

①小型・零細企業向けインクルーシブファイナンスの元本償還・利払猶予政策の期限延長は、市場化の原則に基づき、延長すべきものはすべて延長し、銀行と企業の自主的な話合いで確定する。

地方法人金融機関が処理した猶予期限が6カ月を下回らない小型・零細企業向けインクルーシブファイナンスについては、引き続き貸出元本の1%の奨励を与える。

②小型・零細企業向け無担保インクルーシブファイナンス支援政策の期限延長は、条件に合致した地方法人金融機関が新たに実施した小型・零細企業向け無担保インクルーシブファイナンスについて、引き続き貸出元本の40%の優遇資金支援を与える。

5.金融機関の預金準備率を引き下げた

2020年、3回金融機関の預金準備率を引き下げ、かつ預金準備率超過の準備金の金利を引き下げて、経済の回復・発展を支援した。

2020年1月、人民銀行は金融機関の預金準備率を0.5ポイント引き下げ(ファイナンス会社・ファイナンスリース・自動車金融会社を含まない)、長期資金8000億元余りを解放した。

3月にインクルーシブファイナンスに的を絞った預金準備率引下げを実施し、2019年度のインクルーシブファイナンス分野の貸出基準に達した銀行に0.5あるいは1.5ポイントの預金準備率の優遇を与えた。このほか、このときの査定において、0.5ポイントの預金準備率優遇を得た株式制商業銀行に対しては、さらに預金準備率を1ポイント引き下げ、計長期資金約5500億元を解放し、金融機関がインクルーシブファイナンス分野の貸出を強化するよう誘導した。

4月、農村商業銀行、農村合作銀行、農村信用社、村鎮銀行と、自分の省の行政区域内で営業している都市商業銀行の預金準備率を1ポイント引き下げ、4月15日と5月15日の2回で完全実施し、長期資金計約4000億元を解放した。同時に、金融機関が中央銀行に預金準備率を超えて預けている準備金の金利を0.72%から0.35%に引き下げた。

以上の措置は、金融機関の長期に安定した資金源増加を推進し、金融機関の資金使用効率の向上を推進し、中小・零細企業と新型コロナ肺炎疫病の影響が深刻な業種・企業への支援を強化した。

  1. これは、報告自身が太字にしている。以下、ことわりのない太字は筆者。
  2. これは、報告自身が太字にしている。
  3. これは、報告自身が太字にしている。
  4. マクロレバレッジ率の表現が前回より厳しくなっている。。
  5. 地域的金融リスクが新たに盛り込まれた。
  6. これは、報告自身が太字にしている。
  7. 中央経済工作会議の内容が反映されている。
  8. 新たに盛り込まれた。
  9. 中央経済工作会議の内容が反映されている。
  10. 必要なところに資金を流すこと。
  11. 表現が新しくなった。
  12. 新たに盛り込まれた。
  13. 新たに盛り込まれた。
  14. 新たに盛り込まれた。
  15. 新たに盛り込まれた。
  16. 前回は、企業については「財務中立性」と区別していたが、今回は「リスク中立性」で統一された。
  17. 新たに盛り込まれた。
  18. 新たに盛り込まれた。
  19. 「重大金融リスク」が「重大リスク」に改められた。
  20. 新たに盛り込まれた。
  21. 新たに盛り込まれた。
  22. 新たに盛り込まれた。
  23. 新たに盛り込まれた。