11月及び1-11月期の主要経済指標

中国経済レポート

新領域研究センター 田中 修

2020年12月28日


(1)物価
①消費者物価

11月の消費者物価は前年同月比0.5%下落し、上昇率は10月より1.0ポイント減速した。都市は-0.4%、農村は-0.8%である。食品価格は2.0%下落し(10月は2.2%)、非食品価格は0.1%下落(10月は0.0%)した。衣類は0.3%下落、居住価格は0.6%下落した1 。1-11月は2.7%の上昇である。

(参考)(2017年1.6%)→(2018年2.1%)→(2019年2.9%)→20年1月5.4%→2月5.2%→3月4.3%→4月3.3%→5月2.4%→6月2.5%→7月2.7%→8月2.4%→9月1.7%→10月0.5%→11月-0.5%

前月比では、0.6%下落(10月は-0.3%)だった。食品価格は2.4%下落(10月は-1.8%)した。食品・タバコ・酒価格は10月より1.6%下落し、物価への影響は約-0.52ポイント、うち生鮮野菜は5.7%下落(10月は-2.1%)し、物価への影響は約-0.15ポイント、卵価格は1.4%下落し、物価への影響は約-0.01ポイント、食糧は0.1%上昇であった。畜肉類価格は4.7%下落し、物価への影響は約-0.33ポイント(豚肉価格は6.5%下落、物価への影響は約-0.29ポイント)であった。水産品価格は1.9%下落、物価への影響は約-0.03ポイント、果物価格は0.0%であった。非食品価格は0.1%下落(10月は0.1%)で、衣類は0.3%上昇(10月は0.4%)、居住価格は0.0%(10月は0.1%)であった。

食品・エネルギーを除いた消費者物価(コア消費者物価)は、11月が前年同月比0.5%の上昇(10月は0.5%)、前月比では0.1%の下落(10月は0.1%)である2 。1-11月では、前年同期比0.9%の上昇となった

なお、11月の前年同月比-0.5%のうち食品・タバコ・酒価格は0.7%下落し、物価への影響は約-0.24ポイントとなり、このうち畜肉類価格は7.3%下落、物価への影響は約-0.53ポイント(豚肉価格は-12.5%、物価への影響は約-0.60ポイント)である。このほか果物価格は3.6%上昇し、物価への影響は約0.06ポイント、生鮮野菜価格は8.6%上昇、物価への影響は約0.20ポイント、卵価格は17.1%下落、物価への影響は約-0.11ポイント、水産品価格は1.0%上昇、物価への影響は約0.02ポイント、食糧価格は1.4%上昇した。

また11月の0.5%下落のうち、前年の価格上昇の本年への影響は約0ポイント、新たなインフレ要因は約-0.5ポイントである。

なお、国家統計局都市司の董莉娟高級統計師は、「CPIの前月比が10月より0.6%下落した背景として、1)豚の生産が不断に回復し、豚肉価格が引き続き下落したが、下落幅は縮小した、2)生鮮野菜と鶏卵の供給が充足し、価格が下落した、3)観光のピークオフで旅行が減少し、航空券、観光、ホテル・旅館価格が下落した、4)冬物の新品が市場に出て、アパレル価格が上昇した。

また、前年同期比でマイナスとなった背景として、1)豚肉価格の下落幅が拡大した、2)鶏卵・鶏肉・鴨肉価格の下落幅が拡大した、3)生鮮野菜の上昇幅が縮小した、4)果物価格の上昇幅が拡大した、5)ガソリン価格が17.9%下落し、ディーゼル油価格が19.6%下落した、6)医療保健価格、教育・文化・娯楽価格が上昇した」としている。

②工業生産者出荷価格

11月の工業生産者出荷価格は前年同月より1.5%下落した。前月比では10月より0.5%上昇(10月は0.0%)した。1-11月は前年同期比2.0%下落した。

(参考)(2017年6.3%)→(2018年3.5%)→(2019年-0.3%)→20年1月0.1%→2月-0.4%→3月-1.5%→4月-3.1%→5月-3.7%→6月-3.0%→7月-2.4%→8月-2.0%→9月-2.1%→10月-2.1%→11月-1.5%

11月の工業生産者購入価格は、前年同月比1.6%下落(10月は-2.4%)した。前月比では10月より0.7%上昇(10月は0.2%)した。1-11月は前年同期比2.5%下落した。

また11月の1.5%下落のうち、前年の価格上昇の本年への影響は約0ポイント、新たなインフレ要因は約-1.5ポイントである。

なお、国家統計局都市司の董莉娟高級統計師は、「前月比で10月の横ばいから上昇に転じた背景として、1)国際原油価格の変動の影響を受け、化学原料・化学製品製造業、化学繊維製造業、石油・石炭その他燃料加工業、石油・天然ガス採掘業価格が上昇した、2)暖房供給の需要が季節的に増え、天然ガス生産・供給業、石炭採掘・洗浄業価格が上昇した、3)金属関連業種の価格が下落から上昇に転じ、鉄金属精錬・圧延加工業、非鉄金属精錬・圧延加工業価格が上昇した、4)非金属鉱物製品業、製紙・紙製品業、紡績業価格の上昇幅が拡大した。

また、前年同月比の下落幅が10月より縮小した背景として、1)非鉄金属精錬・圧延加工業、鉄金属精錬・圧延加工業価格の下落幅が拡大し、2)石油・天然ガス採掘業、石油・石炭その他燃料加工業、化学原料・化学製品製造業、石炭採掘・洗浄業価格の下落幅が縮小した」としている。

③住宅価格

11月の全国70大中都市の新築分譲住宅販売価格は前月比28都市が低下(10月は19)し、同水準は6(10月は6)であった。上昇は36である(10月は45)。

前年同月比では、価格が下落したのは9都市(10月は10)であった。同水準は1(10月は0)、上昇は60(10月は60)である。

国家統計局都市司の縄国慶高級統計師は、「各地方が党中央・国務院の手配を真剣に貫徹実施し、地価・住宅価格・予想の安定のコントロール目標をしっかり軸として、不動産の長期有効なメカニズムを一層実施し、不動産市場の平穏で健全な発展を推進し、70大中都市の不動産市場価格の上昇幅は総体として平穏であり、やや縮小している。

前月比では、70大中都市のうち、4の一線都市の新築分譲住宅価格は10月から0.2%上昇し、上昇幅は10月より0.1ポイント縮小した。うち北京は0.1%下落、上海は0.0%、広州は0.9%上昇、深圳は0.0%であった。31の二線都市の新築価格は0.1%上昇し、上昇幅は10月と同じであった。35の三線都市の新築価格は0.1%上昇し、上昇幅は10月より0.1ポイント縮小した。

前年同月比では、70大中都市のうち、一線都市の新築価格は3.9%上昇し、上昇幅は10月より0.2ポイント縮小した。二線都市の新築価格は4.2%上昇し、上昇幅は10月より0.2ポイント縮小した。三線都市の新築価格は3.8%上昇し、上昇幅は10月より0.2ポイント縮小した」と指摘している。

(2)工業

11月の工業生産は前年同月比実質7.0%増となった。前月比では、1.03%増となった3。主要製品別では、発電量6.8%増(10月は4.8%)、鋼材10.8%増(10月は14.2%)、セメント7.7%増(10月は9.6%)、自動車8.1%増(うち乗用車7.4%増、SUV車9.3%増、新エネルギー車99.0%増)となっている。10月の自動車11.1%増(うち乗用車7.5%増、SUV車12.3%増、新エネルギー車94.1%増)に比べ、新エネルギー車の伸びが加速している。地域別では、東部8.8%増、中部6.7%増、西部5.2%増、東北6.4%増である。分類別では、国有株支配企業5.9%増、株式制企業6.8%増、外資企業8.3%増、私営企業6.8%増であった。

(参考)(2017 年6.6%)→(2018年6.2%)→(2019年5.7%)→20年1-2月-13.5%→3月-1.1%→4月3.9%→5月4.4%→6月4.8%→7月4.8%→8月5.6%→9月6.9%→10月6.9%→11月7.0%

1-11月期の工業生産は前年同期比実質2.3%増(1-10月期1.8%)であった。主要製品別では、発電量2.0%増、鋼材7.0%増、セメント1.2%増、自動車-2.7%(うち乗用車-10.1%、SUV車1.3%増、新エネルギー車7.6%増)となっている。分類別では、国有株支配企業1.8%増、株式制企業2.6%増、外資企業1.7%増、私営企業3.2%増であった。

なお、国家統計局によれば、業種別では、ハイテク製造業の伸びが大幅に加速し、一部の新興製品が急速に伸びており、装置製造業のサポート作用も引き続き強く、電子産業が顕著に回復・上昇し、消費財製造業の伸びもある程度回復・上昇しているが、原材料製造業の伸びは小幅に縮小している。

1-11月の一定規模以上の工業企業利潤総額は5兆7445.0億元、前年同期比2.4%増(1-10月0.7%)となった。うち国有株支配企業の利潤総額は1兆4456.9億元、同-4.9%、株式制企業は4兆580.1億元、同2.3%増、外資企業は1兆6105.2億元、同4.3%増、私営企業は1兆7332.2億元、同1.8%増である。11月の一定規模以上の工業企業利潤総額は7293.2億元、前年同期比15.5%増(10月28.2%)であった。

(参考)2019年-3.3%→20年1-2月-38.3%→1-3月-36.7%→1-4月-27.4%→1-5月-19.3%→1-6月-12.8%→1-7月-8.1%→1-8月-4.4%→1-9月-2.4%→1-10月0.7%→1-11月2.4%

1-11月の一定規模以上の工業企業の本業営業収入100元当たりのコストは84.08元(1-10月84.18元、前年同期比0.01元減)である。11月末の資産負債率は56.6%(10月末56.6%、前年同期比0.1ポイント減)であった。

なお、国家統計局工業司の朱虹高級統計師は、11月の特徴として、「①装置製造業とハイテク製造業の利潤の伸びが加速した、②暖房の時季になり、石炭産業の下落幅が縮小した、③輸出代替効果と休日要因が重なり、紡績・アパレル、皮革・毛皮、家具製造、文化・娯楽用品、化学繊維等の業種の下落幅が縮小した、④原油・金属関連業種の価格上昇等の要因の影響を受けて、石油加工業の下落幅が縮小し、化学工業、非鉄金属等の業種の伸びが加速した、⑤11月の一定規模以上の工業企業の赤字割合は、10月末より1.4ポイント低下し、2月末より17.2ポイント低下、今年に入り毎月低下しており、11月の企業赤字額は前年同期比46.4%減と、連続2カ月下落幅が45%以上となった、⑥11月の利潤の伸びが鈍化したのは、10月の前年同期のベースがかなり低く、11月は低ベース効果が弱まったためである」としながらも、「11月末の工業企業の売掛金の伸びが16.5%上昇し、10月よりも0.6ポイント高まり、5月以降2ケタ以上の伸びが続き、変動しながら上昇している。製品の在庫は前年同期比7.3%増で、10月より0.4ポイント高まった」としている。

(3)消費

11月の社会消費品小売総額は3兆9514億元、前年同月比5.0%増となった。なお、自動車を除く伸びは、4.2%増である。11月は前月比では、1.31%増である4。都市は4.9%増、農村は5.6%増である。一定額以上の企業(単位)消費品小売額は1兆5190億元、同8.3%増であり、うち穀類・食用油・食品7.7%増、アパレル・靴・帽子類4.6%増、建築・内装7.1%増、家具-2.2%、自動車11.8%増、家電・音響機器類5.1%増となっている。自動車の伸びは、10月の12.0%増からやや減速した。

(参考)(2017年10.2%)→(2018年9.0%)→(2019年8.0%)→20年1-2月-20.5%→3月-15.8%→4月-7.5%→5月-2.8%→6月-1.8%→7月-1.1%→8月0.5%→9月3.3%→10月4.3%→11月5.0%

1-11月期の社会消費品小売総額は35兆1415億元、前年同期比-4.8%である。なお、自動車を除く伸びは、-5.0%である。都市は-4.9%、農村は-4.3%である。一定額以上の企業(単位)消費品小売額は12兆7124億元、同-2.8%であり、うち穀類・食用油・食品10.1%増、アパレル・靴・帽子類-7.9%、建築・内装-4.8%、家具-7.9%、自動車-2.8%、家電・音響機器類-5.5%となっている。

1-11月期、レストランは-18.6%(11月は-0.6%)であった。単月では、10月のプラスから再びマイナスになっている。全国インターネット商品・サービス小売額は10兆5374億元で、前年同期比11.5 %増となった。うち実物商品は8兆7792億元、同15.7%増(1-10月は16.0%増)で、社会消費品小売総額の25%を占めている。実物商品のうち、食品は32.9%増、日用品は17.1%増である。

なお、国家統計局によれば、11月の商品小売額が前年同期比5.8%増で、10月より1ポイント加速した

(4)投資
①都市固定資産投資

1-11月期の都市固定資産投資は49兆9560億元で、前年同期比2.6%増となった。11月は前月比では2.80%増である5。地域別では、東部3.5%増、中部-0.7%、西部4.2%増、東北4.1%増となっている。内資企業は2.3%増で、外資企業は11.2%増であった。

製造業投資は、前年同期比-3.5%(1-10月は-5.3%)であった。

インフラ投資(電力・熱・天然ガス・水生産供給以外)は前年同期比1.0%増(1-10月は0.7%)となった。うち、鉄道輸送は2.0%増(1-10月は3.2%)、道路輸送は2.2%増(1-10月は2.7%)、水利3.1%増(1-10月は2.7%)、公共施設-1.8%(1-10月は-2.5%)であった。

(参考)都市固定資産投資:(2017年7.2%)→(2018年5.9%)→(2019年5.4%)→20年1-2月-24.5%→1-3月-16.1%→1-4月-10.3%→1-5月-6.3%→1-6月-3.1%→1-7月-1.6%→1-8月-0.3%→1-9月0.8%→1-10月1.8%→1-11月2.6%

インフラ投資: (2017年19.0%)→(2018年3.8%)→(2019年3.8%)→20年1-2月-30.3%→1-3月-19.7%→1-4月-11.8%→1-5月-6.3%→1-6月-2.7%→1-7月-1.0%→1-8月-0.3%→1-9月0.2%→1-10月0.7%→1-11月1.0%

なお、1-11月の新規着工プロジェクト計画総投資は、前年同期比12.5%増(1-10月は14.9%)となった。

②不動産開発投資

1-11月期の不動産開発投資は12兆9492億元で前年同期比6.8%増である。うち住宅は9兆5837億元、7.4%増である。オフィスビルは5788億元、同4.2%増である。地域別では、東部7.4%増、中部3.6%増、西部8.3%増、東北6.2%増であった。

(参考)(2017年7.0%)→(2018年9.5%)→(2019年9.9%)→20年1-2月-16.3%→1-3月-7.7%→1-4月-3.3%→1-5月-0.3%→1-6月1.9%→1-7月3.4%→1-8月4.6%→1-9月5.6%→1-10月6.3%→1-11月6.8%

1-11月期の分譲建物販売面積は15億834万㎡で、前年同期比1.3%増(1-10月は0.0%)とプラスに転じた。うち、分譲住宅販売面積は1.9%増(1-10月は0.8%)、オフィスビルは-12.8%(1-10月は-14.5%)である。地域別では、東部5.3%増、中部-3.3%、西部1.9%増、東北-7.5%である。

(参考)分譲建物販売面積:(2017年7.7%)→(2018年1.3%)→(2019年-0.1%)→20年1-2月-39.9%→1-3月-26.3%→1-4月-19.3%→1-5月-12.3%→1-6月-8.4%→1-7月-5.8%→1-8月-3.3%→1-9月-1.8%→1-10月0.0%→1-11月1.3%

1-11月期の分譲建物販売額は14兆8969億元、前年同期比7.2%増(1-10月は5.8%)であった。うち、分譲住宅販売額は9.5%増(1-10月は8.2%増)、オフィスビルは-10.7%(1-10月は-12.8%)である。地域別では、東部12.6%増、中部-1.4%、西部4.4%増、東北-3.2%である。

(参考)分譲建物販売額:(2017年13.7%)→(2018年12.2%)→(2019年6.5%)→20年1-2月-35.9%→1-3月-24.7%→1-4月-18.6%→1-5月-10.6%→1-6月-5.4%→1-7月-2.1%→1-8月1.6%→1-9月3.7%→1-10月5.8%→1-11月7.2%

11月末の分譲建物在庫面積は4億9287万㎡、10月末比204万㎡減、前年同期比0.1%増で、うち分譲住宅在庫面積は201万㎡減、同-1.0%であった。

1-11月のディベロッパーの資金源は17兆1099億元であり、前年同期比6.6%増(1-10月は5.5%)であった。うち、国内貸出が2兆4256億元、5.4%増、外資が154億元、-4.7%、自己資金が5兆6666億元、7.9%増、手付金・前受金5兆7384億元、5.3%増、個人住宅ローン2兆6983億元、10.6%増である。

③民間固定資産投資

1-11月期の全国民間固定資産投資は27兆8088億元であり、前年同期比0.2%と、マイナスから初めてプラスに転じた6

(参考)(2018年8.7%)→(2018年8.7%)→(2019年4.7%)→20年1-2月-26.4%→1-3月-18.8%→1-4月-13.3%→1-5月-9.6%→1-6月-7.3%→1-7月-5.7%→1-8月-2.8%→1-9月-1.5%→1-10月-0.7%→1-11月0.2%

(5)対外経済
①輸出入

11月の輸出は2680.7億ドル、前年同月比21.1%増、輸入は1926.5億ドル、同4.5%増となった。貿易黒字は754.3億ドルであった7

(参考)輸出:(2017年7.9%)→(2018年9.9%)→(2019年0.5%)→20年1-2月-17.2%→3月-6.6%→4月3.5%→5月-3.3%→6月0.5%→7月7.2%→9.5%→9月9.9%→10月11.4%→11月21.1%

輸入:(2017年 15.9%)→(2018年 15.8%)→(2019年-2.8%)→20年1-2月-4.0%→3月-0.9%→4月-14.2%→5月-16.7%→6月2.7%→7月-1.4%→8月-2.1%→9月13.2%→10月4.7%→11月4.5%

1-11月の輸出は2兆3166.5億ドル、前年同期比2.5%増、輸入は1兆8567.3億ドル、同-1.6%となった。貿易黒字は4599.2億ドルであった。

1-11月の輸出入総額が4兆1733.8億ドル、前年同期比0.6%増であったのに対し、対EU3.5%増、対米5.8%増8(1-10月は1.9%)、対日0.3%増9(1-10月は-0.4%)、対アセアン5.6%増である。

1-11月輸出の労働集約型製品のうち、アパレル類前年同期比-7.2%、紡績31.0%増、靴-22.2%、家具9.9%増、プラスチック製品18.6%増、鞄-24.7%、玩具5.9%増である。電器・機械は同4.3%増、ハイテク製品は4.7%増である。

②外資利用

1-11月の外資利用実行額は8993.8億元(ドル換算1294.7億ドル)、前年同期比6.3%増(ドル換算4.1%)であった10。11月は987億元(ドル換算143.8億ドル)、同5.5%増(ドル換算5.6%増)である。

(参考)(2017年7.9%)→(2018年0.9%)→(2019年5.8%)→20年1月4%→1-2月-8.6%11→1-3月-10.8%→1-4月-6.1%→1-5月-3.8%→1-6月-1.3%→1-7月0.5%→1-8月2.6%→1-9月5.2%→1-10月6.4%→1-11月6.3%

1-11月のサービス業の外資利用は7044.6億元、前年同期比16.1%増で、外資全体の78.3%を占めている。ハイテクサービス業12の外資利用は同31.6%増であった。

③外貨準備

11月末、外貨準備は3兆1784億ドルであった。10月末に比べ505億ドルの増加(10月は146億ドル減)で、3カ月ぶりに増加に転じた。国家外貨管理局は、新型コロナウイルスの流行や、各国の金融政策の影響を受け、米ドル以外の通貨が値上がりしたことなどが総合的に影響したためとしている。

④米国債保有

10月末の米国債保有高は、前月比77億ドル減の1兆540億ドルで、2位。17カ月連続1位の日本は、67億ドル減の1兆2695億ドルである。

(6)金融

11月末のM2の残高は217.2兆元、伸びは前年同期比10.7%増と、10月末より0.2ポイント加速、前年同期より2.5ポイント加速した。M1は10%増で、10月末より0.9ポイント加速、前年同期より6.5ポイント加速した。11月の現金純放出は557億元であった。

人民元貸出残高は171.49兆元で前年同期比12.8%増であり、伸び率は10月末より0.1ポイント減速、前年同期より0.4ポイント加速した。11月の人民元貸出増は1.43兆元(10月は6898億元)で、前年同期より伸びが456億元増加している。うち住宅ローンは7534億元増、企業等への中長期貸出は5887億元増であった。

人民元預金残高は212.78兆元で、前年同期比10.7%増であった。11月の人民元預金は2.1兆元増(10月は3971億元減)で、前年同期より伸びが7933億元増加している。うち個人預金は6334億元増、企業預金は8483億元増であった。

(参考)M2 :2017年12月8.1%→18年12月8.1%→19年12月8.7%→20年1月8.4%→2月8.8%→3月10.1%→4月11.1%→5月11.1%→6月11.1%→7月10.7%→8月10.4%→9月10.9%→10月10.5%→11月10.7%

1月末の社会資金調達規模残高は283.25兆元であり、前年同期比13.6%増となった。うち、実体経済への人民元貸出残高13は170.45兆元、13.3%増、委託貸付残高は11.11兆元、-4%、信託貸付残高は6.81兆元、-9.9%、企業債券残高は27.6兆元、19.3%増、政府債券残高45.35兆元、21.4%増14、株式残高は8.14兆元、11.3%増である。

構成比では、実体経済への人民元貸出残高は60.2%(前年同期比-0.2ポイント)、委託貸付残高は3.9%(同-0.7ポイント)、信託貸付残高は2.4%(同-0.6ポイント)、企業債券残高は9.7%(同0.4ポイント増)、政府債券残高は16%(同1ポイント増)、株式残高は2.9%(同0.0ポイント)である。

11月の社会資金調達規模のフローは2.13兆元で、前年同期より1406億元増加した。うち、実体経済への人民元貸出は1.53兆元増(伸びが前年同期比1676億元増)、委託貸付は31億元減(減少が928億元減)、信託貸付は1387億元減(減少が714億元増)、企業債券純資金調達862億元(2468億元減)、政府債券純資金調達4000億元(2284億元増)、株式による資金調達は771億元(247億元増)である。

(7)財政

1-11月の全国財政収入は16兆9489億元で、前年同期比-5.3%となった15。中央財政収入は7兆8173億元、同-9.2%、地方レベルの収入は9兆1316億元、同-1.7%である。税収は14兆4227億元、同-3.7%、税外収入は2兆5262億元、同-13.7%であった。

(参考)財政収入:(2017年7.4%)→(2018年6.2%)→(2019年3.8%)→20年1-2月-9.9%→1-3月-14.3%→1-4月-14.5%→1-5月-13.6%→1-6月-10.8%→1-7月-8.7%→1-8月-7.5%→1-9月-6.4%→1-10月-5.5%→1-11月-5.3%

1-11月の全国財政支出は20兆7846億元、前年同期比0.7%増であった16。中央レベルの支出は2兆9757億元、同-2.3%、地方財政支出は17兆8089億元、同1.2%増である。

なお、1-11月の地方政府基金収入は6兆9508億元、前年同期比8%増であり、うち国有地土地使用権譲渡収入は6兆5126億元、同12.9%増(1-10月は10.1%)であった。

11月末の地方政府債務残高は25兆5595億元(限度額は28兆8074.3億元)。うち、一般債務は12兆7127億元(同14兆2889.22億元)、特別債務は12兆8468億元(同14兆5185.08億元)である。なお、11月に発行した債券は1384億元(うち一般債券893億元、特別債券491億元)、再資金調達債券1384億元である。1-11月期に発行した債券は6兆2602億元(うち一般債券2兆2305億元、特別債券4兆297億元)、再資金調達債券1兆7657億元である。

(8)雇用

11月の全国都市調査失業率は5.2%、うち、25-59歳の調査失業率は4.7%で、10月より0.1ポイント低下した。31大都市調査失業率は5.2%となった。

(参考)全国都市調査失業率:2018年12月4.9%→19年12月5.2%→20年2月6.2%→3月5.9%→4月6.0%→5月5.9%→6月5.7%→7月5.7%→8月5.6%→9月5.4%→10月5.3%→5.2%

31大都市調査失業率:2018年12月4.7%→19年12月5.2%→20年2月5.7%→3月5.7%→4月5.8%→5月5.9%→6月5.8%→7月5.8%→8月5.7%→9月5.5%→10月5.3%→11月5.2%

1-11月の新規就業者増は1099万人17であり、年間目標900万人の122.1%を達成した。

(9)社会電力使用量

11月は前年同期比9.4%増である。うち、第1次産業は12.9%増、第2次産業は9.9%増、第3次産業は8.1%増、都市・農村住民生活用は7.3%増であった。

1-11月は前年同期比2.5%増であった。うち、第1次産業は9.9%増、第2次産業は2.1%増、第3次産業は0.8%増、都市・農村住民生活用は6.0%増であった。

(参考)(2017年6.6%)→(2018年8.5%)→(2019年4.5%)→20年2月-0.1%(1-2月-7.8%)→3月-4.2%→4月0.7%→5月4.6%→6月6.1%→7月2.3%→8月7.7%→9月7.2%→10月6.6%→11月9.4%

  1. 国家統計局によれば、2011年のウエイト付け改定で、居住価格のウエイトは20%前後になったとしている。
  2. コア消費者物価は2013年から公表が開始された。
  3. 2020年1月は-2.32%、2月は-23.99%、3月は30.19%増、4月は1.93%増、5月は1.39%増、6月は1.37%増、7月は0.92%増、8月は1.08%増、9月は1.10%増、10月は0.78%増である。
  4. 2020年1月は-10.83%、2月は0.93%増、3月は0.93%増、4月は0.95%増、5月は0.86%増、6月は1.45%増、7月は0.72%増、8月は1.31%増、9月は4.49%増、10月は0.72%増である。
  5. 2020年1月は-5.70%、2月は-22.98%、3月は5.25%増、4月は4.81%増、5月は4.53%増、6月は4.19%増、7月は3.74%増、8月は3.47%増、9月は3.12%増、10月は2.93%増である。
  6. この統計は2012年から公表が開始された。
  7. 前月比では、輸出13.0%増、輸入7.8%増である。季節調整後の11月は、前年同月比輸出25.4%増、輸入5.3%増である。
  8. 輸出2020年1-2月-27.7%→3月-20.8%→4月2.2%増→5月-1.2%→6月1.4%→7月12.5%→8月20.0%→9月20.5%→10月22.5%→11月46.1%、 輸入2020年1-2月2.5%→3月-12.6%→4月-11.1%→5月-13.5%→6月11.3%→7月3.6%→8月1.8%→9月24.7%→10月33.4%→11月32.7%である。
  9. 1-11月の輸出は1293.2億ドル、前年同期比-1.2%、輸入は1577.2億ドル、1.5%増、11月の輸出は136.1億ドル、同5.6%増(10月は5.7%)、輸入は163.9億ドル、同7.1%増(10月は5.5%)である。
  10. 伸びは人民元ベースである。
  11. ドルベースでは、(2017年4%)→(2018年3%)→(2019年2.4%)→20年1月2.2%→1-2月-10.4%→1-3月-12.8%→1-4月-8.4%→1-5月-6.2%→1-6月-4%→1-7月-2.3%→1-8月-0.3%→1-9月2.5%→1-10月3.9%→1-11月4.1%である。
  12. 電子ビジネスサービス、専門技術サービス、研究開発・設計サービス、科学技術成果の実用化サービス等が含まれる。
  13. 一定期間内に実体経済(非金融企業と世帯)が金融システムから得た人民元貸出であり、銀行からノンバンクへの資金移し替えは含まない。
  14. 2019年12月から、国債と地方政府一般債券を統計に組み入れ、これまでの地方政府特別債券と併合し「政府債券」とした。
  15. 主な収入の内訳は、国内増値税5兆2051億元、前年同期比-10.2%、国内消費税1兆1726億元、-5.4%、企業所得税3兆6085億元、-2.2%、個人所得税1兆465億元、10.1%増、輸入貨物増値税・消費税1兆3583億元、-7.5%、関税2358億元、-10.6%である。輸出に係る増値税・消費税の還付は1兆2805億元であり、-12.1%である。都市維持建設税は4192億元、-5.5%、車両購入税は3189億元、-0.3%、印紙税は2906億元、27.9%増(うち証券取引印紙税は1728億元、49.2%増)、資源税は1601億元、-5.8%、環境保護税は206億元、-6.6%である。不動産関連では、契約税6290億元、前年同期比12%増、土地増値税5835億元、-0.5%、不動産税2520億元、-5.7%、耕地占用税1117億元、-9%、都市土地使用税1854億元、-6.3%であった。
  16. 主な支出は、教育3兆653億元、前年同期比1.6%増、科学技術6998億元、-4.5%、文化・観光・スポーツ・メディア3184億元、-0.7%、社会保障・雇用2兆9159億元、9.8%増、衛生・健康1兆6484億元、9.4%増、省エネ・環境保護4819億元、-13.6%、都市・農村コミュニティ1兆7181億元、-24%、農林・水産1兆9317億元、7.7%増、交通・運輸1兆228億元、-1.6%、債務利払い9038億元、16.1%増である。
  17. 2019年は1352万人である。