1-3月期の金融情勢

中国経済レポート

新領域研究センター 田中 修

2020年4月16日


はじめに

人民銀行は4月10日、1-3月期及び3月の金融統計を発表すると同時に、記者会見を開催し、金融情勢と金融政策について説明を行った。本稿では、その記者会見の概要を紹介する。

1.金融統計の概要

3月末のM2の残高は208.09兆元、伸びは前年同期比10.1%増と、2月末より1.3ポイント加速、前年同期より1.5ポイント加速した。M1は5%増で、2月末より0.2ポイント加速、前年同期より0.4ポイント加速した。1-3月期の現金純放出は5833億元であった。

人民元貸出残高は160.21兆元で前年同期比12.7%増であり、伸び率は2月末より0.6ポイント加速し、前年同期より1ポイント減速した。1-3月の人民元貸出増は7.1兆元で、前年同期より伸びが1.29兆元増加している。

人民元預金残高は200.99兆元で、前年同期比9.3%増であった。1-3月の人民元預金は8.07兆元増で、前年同期より伸びが1.76兆元増加している。

3月末の社会資金調達規模残高は262.24兆元であり、前年同期比11.5%増と、12月末より0.8ポイント加速、前年同期より0.3ポイント加速した。1-3月の社会資金調達規模の増量(フロ-)は11.08兆元であり、前年同期比2.47兆元増となった。3月の社会資金調達規模のフローは5.15兆元で、前年同期より2.19兆元増加した。

2.金融指標
(1)M2の伸びが速まった理由

1-3月期の経済は、疫病の影響を受けたプレッシャーの時期であり、経済の下振れ圧力は比較的大きかった。人民銀行は、党中央・国務院の政策決定・手配を真剣に実施し、金融システム全体も政策とパワーを集めて、多様な政策手段を柔軟に運用し、疫病防御への支援を強化し、疫病がもたらした不利な影響をヘッジした。これらの政策の誘導の下、商業銀行の貸出はかなり多く、M2の伸びの大幅な上昇を推進した。全社会規模の流動性は、引き続き合理的な充足状態を維持していると言ってよい。

M2の具体的構成からみると、預金がM2の主体である。1-3月期、個人と非金融企業の預金の伸びが比較的大きかった。これは主として2方面の原因がある。一面において、金融機関が預金の信用創造能力を増強することを金融政策が有効に支援した。この期間、金融政策方面では、多くの措置を打ち出し、実体経済の預金は顕著に増加した。他方で、財政政策が支援を強化し、財政預金の実体部門への移転がかなり多かった。

3月末、個人預金残高は87.8兆元で、前年同期比13%増、1-3月期の個人預金は6.47兆元増え、前年同期より伸びが4012億元多かった。これは、庶民が保有する蓄積が比較的豊富なことを示している。企業部門からみると、非金融企業預金が1.86兆元増え、前年同期より伸びが1.53兆元多かった。企業預金の増加が比較的多く、業務・生産再開を順調に推進するため、資金を貯蓄している。財政情況からみると、1-3月期の財政預金は3143億元減少し、前年同期より減少が4795億元多かった。このほか、機関団体預金が2034億元増え、前年同期より伸びが4629億元減少した。

(2)1-3月期の貸出情況

3月末、各貸出の伸びは上昇し、額も増えている。貸出構造からみると、1-3月期の貸出は主として、実体経済の疫病対策と業務・生産再開に向けられた。1-3月期の各貸出の新たな増加分の85.1%は企業・事業単位に向けられており、1-3月期の企業・事業単位への新規貸出増は6.04兆元である。うち、短期貸出が2.3兆元増え、前年同期より伸びが1.35兆元多い。短期貸出の増加がかなり大きいのは、企業の正常な経営のために必要な流動性支援を提供し、企業のキャッシュフローに断裂状態が出現するのを防止したからである。企業の業務・生産再開支援では、長期資金の提供は中長期貸出を見なければならないが、中長期貸出は新たに3.04兆元増え、前年同期より伸びが4766億元多かった。

個人向け貸出をみると、1-3月期の個人向け貸出は新たに1.21兆元増え、前年同期より伸びが6022億元減少した。初歩的に判断すると、これは主として疫病の影響を受けて、個人の消費と住宅購入が大幅に減少したためである。しかし、3月の情況には変化が発生しており、3月の個人向け貸出は顕著に好転し、新たに貸出が9865億元増え、前年同期より伸びが961億元増え、2月より1.4兆元多かった。これは、2月の個人向け貸出がマイナスの伸びとなったためである。3月の個人向け貸出の回復は、家計部門が経済活動への自信を強めるよう、金融機関が支援したことを示している。家計部門は国民経済の主要な消費部門であり、その自信が強まったことは、わが国の実体経済の成長回復に有利である。

4-6月期の貸出について、現在把握している貸出需要の情況からすると、

①疫病の減退と企業の業務・生産再開のテンポの加速に伴い、企業の生産経営における資金需要が徐々に回復する。

②疫病防御措置が徐々に緩和あるいは解除されるに伴い、個人の消費者ローンと住宅ローンの需要も顕在化する。

③政府が重大プロジェクト投資計画を徐々に着工するに伴い、相応の貸出需要も急速に伸びる。

(3)社会資金調達規模残高の伸びが速い理由

社会資金調達規模の構成からすると、

①実体経済に対する金融機関の貸出支援が強化されている。

1-3月期、実体経済に対する人民元・外貨貸出は7.44兆元増えたが、この水準は四半期では史上最高であり、前年同期より伸びが8407億元多い。うち、3月は3.15兆元増え、前年同期より伸びが1.19兆元多い。これは、貸出支援の強化である。

②金融市場が企業のために提供する直接金融の程度が増大している。

企業債・株式・未割引銀行引受手形などの資金調達が顕著に増加し、1-3月期、非金融企業の債券による純資金調達は1.77兆元であり、前年同期より8407億元多い。うち、3月は9819億元であり、この水準も単月では最高水準である。

1-3月期、企業の株式による資金調達は1255億元であり、前年同期より724億元多い。3月の未割引銀行引受手形は2818億元増え、前年同期より1453億元多い。これらは、金融市場が企業のために提供した直接金融である。

③金融システムが財政政策に積極的に協力し、政府債券による資金調達を大いに支援した。

1-3月期、政府の債券による純資金調達は1.58兆元であり、前年同期より6322億元多い。うち、地方政府の特別債の伸びが比較的顕著で、1-3月期の純資金調達は1.01兆元であり、前年同期より4733億元多かった。うち、3月は6344億元であり、前年同期より2932億元多かった。

3.金融政策
(1)これまで採用した政策

疫病の衝撃に対して、既に3.3兆元の支援措置を打ち出した。これには、3回の預金準備率引下げで1.75兆元の長期流動性を解放、3000億元の特別再貸出、5000億元の再貸出・再割引、政策性銀行の貸出手配、中小・零細企業に対する元本・利息の臨時の償還延期が含まれる。これらの措置は、主として3方面(量・金利・構造)で顕著な成果を得た。

①量

1-3月期に新たに増えた人民元貸出は7.1兆元であり、前年同期より伸びが1.3兆元多かった。3月のM2の伸びも10.1%であり、19年末より1.4ポイント高く、社会資金調達規模は11.5%伸び、19年末より0.8ポイント高い。これは、有力なカウンターシクリカルな調節を示すものである。

②金利

社会資金調達コストが顕著に低下し、3月の一般貸出平均金利は5.48%であり、貸出プライムレートの改革前の2019年7月に比べ、0.62ポイント低下した。10年物国債金利は、3月末で昨年のピークと比べ、0.84ポイント低下した。これは、代表的な市場金利である。

企業債券金利は昨年のピークと比べ、おおよそ1ポイント低下した。

③構造

中小・零細企業の資金調達において「量を増やし、金利を下げ、面を拡大」した。1-3月期の5大国有商業銀行の新たに増えた小型・零細企業向けインクルーシブファイナンスは2400億元であり、前年同期より伸びが750億元多かった。この5行の大銀行の小型・零細企業向けインクルーシブファイナンスの金利は4.4%であり、昨年1年の平均値より0.3ポイント低下した。すべての金融機関が支援した中小・零細企業は2800万社を超え、おおよそ25%の市場主体をカバーした。

同時に、金融市場は平穏に運営され、グローバル金融市場が激烈に動揺する背景の下、わが国の株式市場・債券市場・外為市場は比較的平穏であった。株式市場の下落幅は明らかにその他の国家より小さかった。債券市場の金利は全体として下振れしたが、3月の企業債の純資金調達は昨年同期と比べ大幅に増加し、6000億元を超えた。人民元レートは双方向に変動し、予想は安定している。このように、金融政策は金融市場を安定させただけでなく、疫病防御と業務・生産再開をも支援した。

(2)実体経済への更なる支援の余地

最近1回方向を定めて預金準備率を引き下げた後、4000行前後の中小金融機関、主として農村金融機関の法定預金準備率は6%にまで下がった。これは、中国の歴史上最低の法定預金準備率水準である。国際的な横並び比較で、発展途上国・新興市場経済と比べると、これは相対的にかなり低い水準である。

中央銀行の流動性管理からすれば、我々は多様な手段をもっており、全面的な預金準備率引下げ、方向を定めた預金準備率引下げ、さらには中期貸借ファシリティー、公開市場操作があり、中・短期流動性を提供できるし、構造的金融政策手段も流動性を提供できる。したがって、中央銀行の流動性提供能力は、疑いの余地がない。

(3)金融政策の実体経済への伝達

事実上、金融政策の伝達効率は最近顕著に上昇した。現在の金融政策の伝達効率は比較的高いが、これは近年我々が採用した多様な措置が銀行の貨幣創造への3つの拘束(流動性の拘束・資本の拘束・金利の拘束)を緩和したためである。

①流動性方面

2018年以降10回預金準備率を引き下げ、長期流動性を計8.4兆元解放し、平均準備率は2018年初の約14.9%から現在9.4%に下がり、流動性は合理的に充足している。

②資本方面

2019年以降、銀行は永久債を発行して資本7076億元を補充し、資本の拘束を緩和した。

③金利方面

貸出プライムレートの改革を通じて、貸出金利の下限を打破し、貸出需要を奮い立たせた。

このため、金融政策の伝達効率を推し量るには、中央銀行の流動性供給と新規貸出増の関係を見ればよいが、1-3月期人民銀行は預金準備率引下げ・再貸出の手段を通じて、長期流動性2兆元を解放し、人民元貸出の新規増は7.1兆元であるので、1元の流動性解放が3.5元の貸出の伸びを支援したことになり、3.5倍は大きな効果である。

今年3月の一般貸出金利は、過去1年のピークより0.6ポイント低下し、今年以降0.26ポイント低下したが、これは中期貸借ファシリティーの中間基準金利・貸出プライムレートの下落幅を越えており、中央銀行の金融政策の効果が完全に実体経済に伝達されていることを示すものである。

(4)M2、社会資金調達規模の総量に対する考え方

最近、米国等主要経済体の金融刺激の程度は大きい。中央銀行は、情勢の把握とオペレーションの実施のプロセスにおいて、以下の要素を考慮しなければならない。

①マクロレバレッジ率

②物価水準

1-2月期の物価は比較的高く、3月のCPIは依然として4.3%であり、銀行の1年物預金基準金利1.5ポイントより高い。

③金融リスク要因

もし総量が多すぎれば、一連の問題をもたらし、後遺症をのこし、将来一部地域で生産能力過剰あるいは高すぎる金融レバレッジをもたらす可能性があり、一定のバランスが必要である。

つまり、マネーサプライは多ければ多いほど良いというものではなく、適切でなければならない。我々の内部評価では、1月以降中央銀行が採用した措置は、速度・テンポからみて、反応が比較的速く、総量も適度で充足している。

(5)再貸出の情況

①3000億元の特別再貸出

供給を保障するためのものであり、4月8日までに、関係銀行は重点企業に優遇貸出2379億元を実施した。加重平均金利は2.51%であり、財政の利息補助後は、実際の資金調達金利は1.26%である。現在医療用物品の需要は緩和し、物資の供給は正常化に向かっているので、3000億元の特別貸出政策は、現在手仕舞いの段階にある。

②5000億元の再貸出

中小企業の秩序立った業務・生産再開を支援するためのものであり、4月8日までに、地方法人銀行は累計で優遇金利貸出3453億元を実施した。

③新たに打ち出す1兆元の再貸出・再割引

より包摂性を備えている。3000億元の再貸出は、現在支援している企業は6158社である。5000億元の再貸出・再割引政策の支援範囲は比較的広く、現在既に42.5万社(戸)を支援しており、総支援社(戸)数は50万を超えると見込まれる。

1兆元の再貸出・再割引政策は、我々は200万社を超える企業を支援すると見込んでいる。現在銀行システムで与信を行っている中小・零細企業は3000万社前後であり、1兆元の再貸出政策は、全国7-10%の中小・零細企業をカバーし、彼らの難関克服を支援することができる。当然、1兆元の資金コストは比較的優遇されており、金融機関を通じて低コスト資金を提供し、社会資金調達コストの低下を誘導する。

このプロセスにおいて、我々は3000億元、5000億元、1兆元の再貸出3政策の間をしっかりリンクさせる。明確にしておきたいのは、我々の3000億元、5000億元の再貸出に対応する優遇金利貸出の期限は通常いずれも1年であり、これらの優遇貸出は来年も企業に支援作用を発揮するということである。一面において3つの再貸出政策をリンクさせ、他方でビジネスライクな貸出支援もリンクの役割を発揮することができ、断裂が出現することを避ける。

(6)マクロレバレッジ率

マクロレバレッジ率は、全社会の債務と経済成長の対比関係である。2008~16年のマクロレバレッジ率は、確かに上昇の勢いが比較的速かった。しかし、ここ数年、マクロレバレッジ率の上昇の速すぎる勢いに歯止めがかかった。2019年を例にとると、この年のマクロレバレッジ率の上昇幅は5ポイントであり、この5ポイントは2008~16年の平均上昇幅10ポイントに比べれば顕著に低下している。同時にレバレッジの構造も向上しており、ストックのリスクは徐々に解消され、フローのリスクも有効に管理・コントロールされている。

今年2月以降、新型肺炎疫病の衝撃を受け、経済の下振れ圧力が一層増大しており、もはやマクロレバレッジ率を見る背景は、通常マクロレバレッジ率を見る背景とは異なっている。現在次の点を考慮しなければならない。

①金融政策の制定は、疫病防御と経済社会発展について統一的に考慮しなければならない。

②特殊な政策と常態の政策をうまくリンクさせなければならない。

この2方面を考慮し、実体経済の回復を更に好く支援すると同時に、金融リスクをしっかり防止・コントロールしなければならない。マクロレバレッジ率を見るとき、一時点のみを見るのではなく、プロセスを見て、このプロセスの中で、現在の情況下ではマクロレバレッジ率の段階的上昇を容認すべきである。段階的上昇の目的は、実体経済への信用支援を拡大し、業務・生産の再開を有効に推進するためであり、将来合理的なマクロレバレッジ率をより好く維持するために有利な条件を創造するものである。

(7)不動産

2016年以降、人民銀行は、「不動産市場の平穏で健全な発展のための長期に有効なメカニズムに関する党中央・国務院の要求」に基づき、関係管理部門と「地価の安定・住宅価格の安定・予想の安定」の目標を軸に政策を実施してきた。主として、資金が過度に不動産に流入するのを抑制し、比較的顕著な効果を得た。たとえば、2019年の不動産融資残高は、前年比14.8%増で、伸び率は2018年に比べ5.2ポイント低下し、2016年のピークと比べ10ポイント余り低下した。新たに増えた不動産融資の全貸出に占める比率は、2016年ピークの44.8%から2017年41.1%、2018年39.9%に低下し、2019年はさらに34%に低下した。不動産融資のウエイトは着実に低下しており、これに対応して、小型・零細企業、先進製造業向け貸出の比率が徐々に上昇している。

このプロセスにおいて、我々は政策の安定性・連続性・一致性を非常に重視している。なぜなら、不動産業の大きな特徴は、資本集約型産業に属し、サイクルが長く、多くの産業内分析によって、1つの土地に家を建て売るまでに5~6年さらにはもっと長い期間を要することが分かっているからである。このような情況下、企業は市場・政策の変化に応じ、将来の市場について判断し、その後投資行為を決定する必要があるだろう。このため、「地価の安定・住宅価格の安定・予想の安定」の中で、予想の安定が特に重要であり、予想が不安定になれば経済に与えるダメージはより大きくなる。今後、我々は引き続き党中央・国務院の総体的手配と要求に基づき、「地価の安定・住宅価格の安定・予想の安定」の目標を軸に、関連政策をしっかり実施する。

4.国際金融
(1)人民元レート

我々は、穏健な金融政策を更に柔軟・適度にすると同時に、外部とのバランスを併せ考慮し、流動性を合理的に充足しており、決してバラマキはしていない。中国の銀行システムの流動性の数量から見ても、金利から見ても、いわゆる「流動性の罠」にはほど遠い。米中の金利差は、現在相対的になお適切な水準にある、人民元レートは、最近数カ月特に疫病が出現して以降、双方向に変動しており、市場の予想も平穏である。3月にグローバルなドルの流動性が逼迫した状態の下、人民元レートの予想はなお比較的平穏だった。その他の通貨と比較して、人民元は勢いの強い通貨である。

(2)資本流動

国外で疫病が拡散するに伴い、先進経済体は緩和した金融政策を実施し、金利をゼロに引き下げた。同時に、大規模な量的緩和さらには無限定の量的緩和政策を行っている。我々は、現在主要経済体において、正常な金融政策を実施する少数の国家であり、同時にわが国は疫病防御と業務・生産再開の方面で優位性があり、資本市場や人民元の債券金利の優位性は顕著であり、人民元レートは総体として強い勢いを維持している。このため、人民元資産は比較的大きな強靭性と一定のリスク回避の特徴を示している。1つの言い方として、人民元資産は既に新たな国際資産の退避港になっているとの説がある。

もし国外投資家の中国債券保有の構造を少し分析してみれば、今年3月末、国外投資家が保有する人民元債券は2.3兆元であり、うち60%が国債への投資、24%が政策性銀行が発行する金融債への投資で、この2つでウエイトは84%となる。絶大な部分の投資先が国債・政策性金融債といってよく、しかも中長期の投資家が多い。このことは、国外資金は決してホットマネーではなく、中国の実体経済の発展を支援しているのであり、これは疫病の衝撃に対応する助けとなっている。

新興市場の通貨として、人民元がもし徐々にリスク回避通貨となっているとすれば、これは投資家が足で投票した結果であり、人民元の国際化の程度が顕著に上昇したことを示し、中国経済の発展支援にとっても積極的な作用を発揮するものである。今年は、特別国債を含め国債が増加するが、国外資金は引き続き中国の債券市場に参加することができ、このプロセスにおいて、当然国内金利や為替レートにも一定の影響が出るだろう。

しかし、総じて言えば、昨年以来我々は貸出市場金利の改革を推進しており、人民元レートは7を割り、弾力性は顕著に増強された。金利の市場化改革・為替レートの形成メカニズムの改革のブレークスルーは、為替レートに引き続きマネーの調節作用とマクロ経済のスタビライザーとしての役割を発揮させることができる。金利の弾力性も上昇している。したがって、人民元資産に一定のリスク回避の特徴が現れて以後、クロスボーダーの資本流動は為替レート・金利に顕著な影響を及ぼすことはない。