2月及び1-2月期の主要経済指標

中国経済レポート

新領域研究センター 田中 修

2020年3月31日


(1)物価
①消費者物価

2月の消費者物価は前年同月比5.2%上昇し、上昇率は1月より0.2ポイント減速した。都市は4.8%、農村は6.3%の上昇である。食品価格は21.9%上昇し(1月は20.6%)、非食品価格は0.9%上昇(1月は1.6%)している。衣類は0.5%上昇、居住価格は0.3%上昇した1。1-2月は5.3%の上昇である。

(参考)(2017年1.6%)→(2018年2.1%)→19年6月2.7%→7月2.8%→8月2.8%→9月3.0%→10月3.8%→11月4.5%→12月4.5%(2019年2.9%)→20年1月5.4%→2月5.2%

前月比では、0.8%上昇(1月は1.4%)だった。食品価格は4.3%上昇(1月は4.4%)した。食品・タバコ・酒価格は1月より3.0%上昇、物価への影響は約0.99ポイント、うち生鮮野菜は9.5%上昇(1月は15.3%)し、物価への影響は約0.28ポイント、卵価格は5.8%下落し、物価への影響は約-0.04ポイント、水産品価格は3.0%上昇、物価への影響は約0.05ポイントであった。畜肉類価格は7.1%上昇、物価への影響は約0.53ポイント(豚肉価格は9.3%上昇、物価への影響は約0.45ポイント)であった。果物価格は4.8%上昇し、物価への影響は約0.08ポイントであった。非食品価格は0.2%下落(1月は0.6%)し、衣類は0.3%下落(1月は-0.5%)、居住価格は0.1%下落(1月は0.0%)であった。

食品・エネルギーを除いた消費者物価(コア消費者物価)は、2月が前年同月比1.0%の上昇(1月は1.5%)、前月比では0.1%の下落(1月は0.5%)である2。1-2月では、前年同期比1.3%の上昇となった。

なお、国家統計局は、2月の前年同月比上昇率5.2%のうち食品・タバコ・酒価格は16.0%上昇し、物価への影響は約4.84ポイントとなり、このうち畜肉類価格は87.6%上昇、物価への影響は約3.85ポイント(豚肉価格は135.2%上昇、物価への影響は約3.19ポイント)である。このほか生鮮野菜価格が10.9%上昇、物価への影響は約0.33ポイント、卵価格が1.0%上昇、物価への影響は約0.01ポイント、果物価格は5.6%下落、物価への影響は約-0.11ポイント、水産品価格は2.8%上昇、物価への影響は約0.05ポイント、食糧価格は0.7%上昇し、物価への影響は約0.01ポイントであった。

また2月の5.2%上昇のうち、前年の価格上昇の本年への影響は約2.9ポイント、新たなインフレ要因は約2.3ポイントである。

なお、国家統計局都市司の茂宏司長は、「CPIの上昇率がかなり大きい主要原因は、1)供給方面では、主として各地方が異なる程度、交通・輸送の管理・コントロール措置を実施し、一部地域の物流が滞り、人員不足が物資配送の難度を増大させた。一部企業・市場が業務再開・オープンを延期し、一部製品の生産・供給が影響を受け、市場の需要をすぐには満たし難い。2)需要方面では、『自宅待機』要求と『リスク回避』心理等の要因の影響を受け、一部庶民に買い占め行為が出現し、一部地域ではインスタント麺・肉製品・冷凍食品等備蓄が容易な食品を争って買う現象が出現し、さらにはそれがその他食品にまで波及し、価格上昇を助長した」、とし、これに対し、「非生活必需品価格は基本的に安定している。2月は疫病防御により、一部商業・サービスネットワークが営業を停止し、一部非生活必需品の消費需要も抑制され、需給がいずれも収縮して、価格が基本的に安定し、一部品目価格は下落さえしている」、としている。

②工業生産者出荷価格

2月の工業生産者出荷価格は前年同月より0.5%下落した。前月比では1月より0.3%下落(1月は0.0%)した。1-2月は前年同期比0.2%下落した。

(参考)(2017年6.3%)→(2018年3.5%)→19年6月0.0%→7月-0.3%→8月-0.8%→9月-1.2%→10月-1.6%→11月-1.4%→12月-0.5%(2019年-0.3%)→20年1月0.1%→2月-0.4%

2月の工業生産者購入価格は、前年同月比0.4%下落(1月は-0.3%)した。前月比では1月より0.5%下落(1月は0.2%)した。1-2月は前年同期比0.4%下落した。

また2月の0.4%下落のうち、前年の価格上昇の本年への影響は約0.1ポイント、新たなインフレ要因は約-0.5ポイントである。

なお、国家統計局都市司の茂宏司長は、1)国際原油市場がかなり大きな衝撃を受け、価格が大幅に下落し、国内石油及び関連業種価格(石油・天然ガス採掘業、石油・石炭その他燃料加工業)が、前月比で上昇から下落に転じた。2)川下の化学原料・化学製品製造業、化学繊維製造、フイルム・プラスチック製品製造鵜等の業種の価格も異なる程度下落した、3)前年同月比でみると、上述の業種の価格がいずれもある程度下落し、下落幅は0.4%~10.7%の間であり、合計でPPIを約0.44ポイント押し下げた、3)石炭の需給は基本的にバランスしており、価格の前月比は1月の下落から横ばいに転じた、4)鋼材在庫増加の影響を受け、鉄金属精錬・圧延加工業の下落幅が拡大した、5)国際銅価格の不断の下落の影響を受け、銅精錬価格が下落し、これにより非鉄金属精錬・圧延加工業価格が1月の上昇から下落に転じた、6)疫病の発生後、医療防護物資生産企業が積極的に業務・生産を再開し、供給を保障したが、原材料価格上昇・物流コスト上昇等の要因の影響を受け、医薬製造業価格(消毒製品価格・衛生材料価格等)はある程度上昇した、とする。

③住宅価格

2月の全国70大中都市の新築分譲住宅販売価格は前月比23都市が低下(1月は15)し、同水準は26(1月は8)であった。上昇は21である(1月は47)。

前年同月比では、価格が下落したのは5都市(1月は2)であった。同水準は0(1月は0)、上昇は65(1月は68)である。

国家統計局都市司の孔鵬首席統計師は、「突如やって来た新型肺炎は、不動産市場に明白な衝撃をもたらし、各地方は党中央・国務院の疫病防御と経済社会発展を統一的にしっかり企画する政策決定・手配を断固貫徹実施し、遅滞なく一連の政策措置を打ち出し、不動産市場の持続的な平穏・健全な発展を保障した。2月は、70大中都市の不動産市場価格の上昇率は、安定の中で鈍化した。

前月比では、70大中都市のうち、4の一線都市の新築分譲住宅価格は同水準となり、上昇幅は1月より0.4ポイント縮小した。うち北京は0.1%上昇、上海は0.0%、広州は0.1%下落、深圳は0.0%であった。31の二線都市の新築価格は0.1%上昇し、上昇幅は1月より0.1ポイント縮小した。武漢・石家庄・太原等12都市は、疫病の影響を受けて取引がなく、価格に変動は見られなかった。35の三線都市の新築価格は0.1%上昇し、上昇幅は1月より0.3ポイント縮小した。

前年同月比では、70大中都市のうち、一線都市の新築価格は3.5%上昇し、上昇幅は1月より0.3ポイント縮小した。二線都市の新築価格は6.2%上昇し、上昇幅は1月より0.7ポイント縮小した。三線都市の新築価格は5.9%上昇し、上昇幅は1月より0.5ポイント縮小した」と指摘している。

(2)工業

12月の工業生産は前年同月比実質-13.5%となった。2月は前月比では、-26.63%となった3。主要製品別では、発電量-8.2%(12月は3.5%)、鋼材-3.4%(12月は11.3%)、セメント-29.5%(12月は6.9%)、自動車-45.8%(うち乗用車-49.8%、SUV車-41.3%増、新エネルギー車-62.8%)となっている。12月の自動車8.1%(うち乗用車-5.8%、SUV車30.3%増、新エネルギー車-27.0%)に比べ、大きくマイナスとなった。地域別では、東部-16.9%、中部-16.7%増、西部-7.6%、東北-11.5%である。分類別では、国有株支配企業-7.9%、株式制企業-14.2%、外資-21.4%、私営企業-20.2%であった。

(参考)(2017年6.6%)→(2018年6.2%)→19年6月6.3%→7月4.8%→8月4.4%→9月5.8%→10月4.7%→11月6.2%→12月6.9%(2019年5.7%)→20年1-2月-13.5%

1-2月の一定規模以上の工業企業利潤総額は4107.0億元、前年同期比-38.3%(2019年-3.3%)であった。うち国有株支配企業の利潤総額は1465.4億元、同-32.9%、株式制企業は3158.8億元、同-33.6%、外資企業は796.3億元、同-53.6%、私営企業は1208.3億元、同-36.6%である。

1-2月の一定規模以上の工業企業の本業営業収入100元当たりのコストは84.07元(2019年84.08元、前年同期比0.02元減)である。12月末の資産負債率は56.3%(12月末56.6%、前年同期比0.6ポイント減)であった。

(参考)2019年1-6月-2.4%→1-7月-1.7%→1-8月-1.7%→1-9月-2.1%→1-10月-2.9%→1-11月-2.1%→2019年-3.3%→20年1-2月-38.3%

なお、国家統計局工業司の張衛華副司長は、1-2月の利潤が大幅なマイナスになった理由として、「①疫病の蔓延を有効に防止するため、今年全国の春節休暇期間を3日延長し、20余りの地域では業務・生産再開を10日遅らせ、企業の正常な生産時間が普遍的に大幅圧縮された。同時に、2月は業務・生産を再開した企業が各種要因の制約を受け、生産水準がなお正常に回復しておらず、企業の生産・販売にいずれも顕著な低下が出現した、②疫病期間、企業の業務・生産再開は正常を回復していないが、人件費・償却等コスト及び各コストのハードな支出は減っておらず、同時に防疫コストは却って上昇しており、これが利潤の空間を圧迫した、③化学工業・石炭採掘・電子・電力などの重点支柱業種の製品の工場出荷価格が、異なる程度下落した、④41の工業の業種のうち、37業種の利潤が低下し、うち電子・自動車・電気機械・化学工業等の重点業種の利潤の下落が大きい」としながらも、「タバコ・非鉄金属・石油ガス採掘・農産副食品加工業の利潤は増加を維持しており、医薬の下落幅は全工業よりも小さい」としている。

(3)消費

1-2月の社会消費品小売総額は5兆2130億元、前年同月比-20.5%(実質-23.7%)である。なお、自動車を除く伸びは、-18.9%である。2月は前月比では、-4.52%である4。都市は-20.7%、農村は-19.0%である。一定額以上の企業(単位)消費品小売額は1兆6950億元、同-25.4%であり、うち穀類・食用油・食品9.7%増、アパレル・靴・帽子類-30.9%、建築・内装-30.5%、家具-33.5%、自動車-37.0%、家電・音響機器類-30.0%となっている。自動車の伸びは、12月の1.8%増から大きくマイナスに転じた。

(参考)(2017年10.2%)→(2018年9.0%)→19年6月9.8%→7月7.6%→8月7.5%→9月7.8%→10月7.2%→11月8.0%→12月8.0%(2019年8.0%)→20年1-2月-20.5%

1-2月、一定額以上のレストランの収入は-39.7%であった。全国インターネット商品・サービス小売額は1兆3712億元で、前年比-3.0%となった。うち実物商品は1兆1233億元、同3.0%増で、社会消費品小売総額の21.5%を占めている。

(4)投資
①都市固定資産投資

1-2月期の都市固定資産投資は3兆3323億元で、前年同期比-24.5%であった。2月は前月比では-27.38%である5。地域別では、東部-20.2%、中部-32.7%、西部-25.0%、東北-18.9%となっている。内資企業は-24.8%で、外資企業は-16.0%であった。

インフラ投資(電力・熱・天然ガス・水生産供給以外)は前年同期比-30.3%(2019年は3.8%)である。うち、鉄道運輸は-31.7%(2019年は-0.1%)、道路輸送は-28.9%(2019年は9.0%)、水利-28.5%(2019年は1.4%)、公共施設-32.1%(2019年は0.3%)であった。

(参考)都市固定資産投資:(2017年7.2%)→(2018年5.9%)→19年1-6月期5.8%→1-7月期5.7%→1-8月期5.5%→1-9月期5.4%→1-10月期5.2%→1-11月期5.2%→2019年5.4%→20年1-2月期-24.5%

インフラ投資:(2017年19.0%)→(2018年3.8%)→19年1-6月期4.1%→1-7月期3.8%→1-8月期4.2%→1-9月期4.5%→1-10月期4.2%→1-11月期4.0%→2019年3.8%→20年1-2月期-30.3%

②不動産開発投資

1-2月期の不動産開発投資は1兆115億元で前年同期比-16.3%である。うち住宅は7318億元、-16.0%である。オフィスビルは550億元、同-17.8%である。地域別では、東部-12.5%、中部-25.9%、西部-18.6%、東北-16.1%となっている。

(参考)(2017年7.0%)→(2018年9.5%)→19年1-6月期10.9%→1-7月期10.6%→1-8月期10.5%→1-9月期10.5%→1-10月期10.3%→1-11月期10.2%→2019年9.9%→20年1-2月期-16.3%

2019年の分譲建物販売面積は8475万㎡で、前年同期比-39.9%(2019年は-0.1%)であった。うち、分譲住宅販売面積は-39.2%(2019年は1.5%)、オフィスビルは-48.4%(2019年は-14.7%)である。地域別では、東部-34.9%、中部-45.2%、西部-41.3%、東北-41.0%である。

(参考)分譲建物販売面積:(2017年7.7%)→(2018年1.3%)→19年1-6月期-1.8%→1-7月期-1.3%→1-8月期-0.6%→1-9月期-0.1%→1-10月期0.1%→1-11月期0.2%→2019年-0.1%→20年1-2月期-39.9%

2019年の分譲建物販売額は8203億元、前年同期比-35.9%(2019年は6.5%)であった。うち、分譲住宅販売額は-34.7%(2019年は10.3%)、オフィスビルは-40.6%(2019年は-15.1%)である。地域別では、東部-30.0%、中部-46.4%、西部-40.6%、東北-32.1%である。

(参考)分譲建物販売額:(2017年13.7%)→(2018年12.2%)→19年1-6月期5.6%→1-7月期6.2%→1-8月期6.7%→1-9月期7.1%→1-10月期7.3%→1-11月期7.3%→2019年6.5%→20年1-2月期-35.9%

2月末の分譲建物在庫面積は5億3004万㎡、2019年末比3184万㎡増、前年同期比1.4%増で、うち分譲住宅在庫面積は3224万㎡増、同1.9%増であった。

2019年のディベロッパーの資金源は2兆210億元であり、前年同期比-17.5%(2019年は7.6%)であった。うち、国内貸出が4547億元、-8.6%、外資が12億元、-77.2%、自己資金が6161億元、-15.4%、手付金・前受金5603億元、-23.9%、個人住宅ローン3030億元、-12.4%である。

③民間固定資産投資

1-2月期の全国民間固定資産投資は1兆8938億元であり、前年同期比-26.4%である6

(参考)(2018年8.7%)→(2018年8.7%)→19年1-6月期5.7%→1-7月期5.4%→1-8月期4.9%→1-9月期4.7%→1-10月期4.4%→1-11月期4.5%→2019年4.7%→20年1-2月期-26.4%

(5)対外経済
①輸出入

1-2月の輸出は2924.5億ドル、前年同月比-17.2%、輸入は2995.4億ドル、同-4.0%増となった。貿易差額は-71.0億ドルであった。

(参考)輸出:(2017年7.9%)→(2018年9.9%)→19年6月-1.5%→7月3.4%→8月-1.0%→9月-3.2%→10月-0.8%→11月-1.3%→12月7.6%(2019年0.5%)→20年1-2月-17.2%

輸入:(2017年15.9%)→(2018年15.8%)→19年6月-6.8%→7月-4.9%→8月-5.5%→9月-8.2%→10月-6.2%→11月0.8%→12月16.3%(2019年-2.8%)→20年1-2月-4.0%

1-2月の輸出入総額が5919.9億ドル、前年比-11.0%であったのに対し、対EU-15.5%、対米-20.9%7(12月は-14.6%)、対日-16.6%8(11月は-3.9%)、対アセアン0.5%増である。

1-2月輸出の労働集約型製品のうち、アパレル類前年比-20.0%、紡績-19.9%、靴-20.0%、家具-22.8%、プラスチック製品-16.0%、鞄-18.6%、玩具-26.8%増である。電器・機械は同-16.2%、ハイテク製品は-15.2%である。

②外資利用

1-2月の外資利用実行額は1344億元(ドル換算194.2億ドル)、前年同期比-8.6%(ドル換算-10.4%)であった9。1月は875.7億元、4%増、2月は468.3億元、-25.6%である。

(参考)(2017年7.9%)→(2018年0.9%)→19年1-6月7.2%→1-7月7.3%→1-8月6.9%→1-9月6.5%→1-10月6.6%→1-11月6.0%→2019年5.8%→20年2月4%→1-2月-8.6%10

1-2月のハイテク産業は415.2億元、同2.2%増であった。

1-2月、国・地域別では、アセアン15.1%増、「一帯一路」沿線国家9.7%増である。

③外貨準備

2月末、外貨準備は3兆1067億ドルであった。1月末に比べ87億ドルの減少(1月は76億ドル減)である。人民銀行は、新型肺炎の影響で、債券価格・為替が変動したため、としている。

(6)金融

2月末のM2の残高は203.08兆元、伸びは前年同期比8.8%増と、1月末より0.4ポイント加速、前年同期より0.8ポイント加速した。M1は4.8%増で、1月末より4.8ポイント加速、前年同期より2.8ポイント減速した。2月の現金純回収は5062億元であった。

人民元貸出残高は157.36兆元で前年同期比12.1%増であり、伸び率は1月末と同水準、前年同期より1.3ポイント減速した。1-2月の人民元貸出増は4.24兆元(1月は3.34兆元)で、前年同期より伸びが1308億元増加している。うち住宅ローンは2209億元増、企業等への中長期貸出は2.08兆元増であった。2月の人民元貸出増は9057億元(1月は3.34兆元)で、前年同期より伸びが199億元増加している。うち住宅ローンは4133億元減、企業等への中長期貸出は4157億元増であった。

人民元預金残高は196.83兆元で、前年同期比8.1%増であった。1-2月の人民元預金は3.9兆元増(1月は2.88兆元増)で、前年同期より伸びが6779億元減少している。うち個人預金は4.12兆元増、企業預金は1.33兆元減であった。2月の人民元預金は1.02兆元増(1月は2.88兆元増)で、前年同期より伸びが2845億元減少している。うち個人預金は1200億元減、企業預金は2840億元増であった。

(参考)M2:2017年12月8.1%→18年12月8.1%→19年6月8.5%→7月8.1%→8月8.2%→9月8.4%→10月8.4%→11月8.2%→12月8.7%→20年1月8.4%→2月8.8%

2月末の社会資金調達規模残高は257.18兆元であり、前年同期比10.7%増となった。うち、実体経済への人民元貸出残高11は155.78兆元、12.1%増、委託貸付残高は11.41兆元、-6.9%、信託貸付残高は7.43兆元、-5%、企業債券残高は24.27兆元、14.5%増、政府債券残高38.67兆元、15.1%増12、株式残高は7.46兆元、5.9%増である。

構成比では、実体経済への人民元貸出残高は60.6%(前年同期比0.8ポイント増)、委託貸付残高は4.4%(同-0.9ポイント)、信託貸付残高は2.9%(同-0.5ポイント)、企業債券残高は9.4%(同0.3ポイント増)、政府債券残高は15%(同0.5ポイント増)、株式残高は2.9%(同-0.1ポイント)である。

1-2月の社会資金調達規模(フロー)は5.92兆元であり、前年同期比2717億元増となった。うち、実体経済への人民元貸出は4.21兆元増(伸びが前年同期比1183億元減)、委託貸付は382億元減(減少が826億元減)、信託貸付は109億元減(減少が417億元増)、企業債券純資金調達7747億元(2043億元増)、政府債券純資金調達9437億元(3391億元増)、株式による資金調達は1058億元(650億元増)である。

2月の社会資金調達規模(フロー)は8554億元であり、前年同期比1111億元減となった。うち、実体経済への人民元貸出は7207億元増(伸びが前年同期比439億元減)、委託貸付は356億元減(減少が152億元減)、信託貸付は540億元減(減少が503億元増)、企業債券純資金調達3860億元(2985億元増)、政府債券純資金調達1824億元(2523億元減)、株式による資金調達は449億元(330億元増)である。

(7)財政

1-2月の全国財政収入は3兆5232億元で、前年同期比-9.9%となった13。中央財政収入は1兆7242億元、同-11.2%、地方レベルの収入は1兆7990億元、同-8.6%である。税収は3兆1175億元、同-11.2%、税外収入は4057億元、同1.7%増であった。

(参考)財政収入:(2017年7.4%)→(2018年6.2%)→19年1-6月3.4%→1-7月3.1%→1-8月3.2%→1-9月3.3%→1-10月3.8%→1-11月3.8%→2019年3.8%→20年1-2月-9.9%

1-2月の全国財政支出は3兆2350億元、前年同期比-2.9%であった14。中央レベルの支出は4269億元、同4.7%増、地方財政支出は2兆8081億元、同-3.9%である。

なお、1-2月の地方政府基金収入は7186億元、前年同期比-18.7%であり、うち国有地土地使用権譲渡収入は6725億元、同-16.4%増(2019年は11.4%)であった。

2月末の地方政府債務残高は22兆5302億元。うち、一般債務は12兆1426億元、特別債務は10兆3876億元である。なお、2月に発行した債券は4379億元(うち一般債券2029億元、特別債券2350億元)、全て新たに増発した債券である。1-2月期に発行した債券は1兆2230億元(うち一般債券2732億元、特別債券9498億元)15、全て新たに増発した債券である。

(8)雇用

2月の全国都市調査失業率は6.2%、うち、全国25-59歳の調査失業率は5.6%で、12月より0.9ポイント上昇した。31大都市調査失業率は5.7%となった。

(参考)全国都市調査失業率:2018年12月4.9%→19年6月5.1%→7月5.3%→8月5.2%→9月5.2%→10月5.1%→11月5.1%→12月5.2%→20年2月6.2%

31大都市調査失業率:2018年12月4.7%→19年6月5.0%→7月5.2%→8月5.2%→9月5.2%→10月5.1%→11月5.1%→12月5.2%→20年2月5.7%

1-2月の新規就業者増は108万人16であった。

(9)社会電力使用量

2月は前年同期比-0.1%である。うち、第1次産業は1.9%増、第2次産業は-14.6%、第3次産業は-10%、都市・農村住民生活用は3.1%増であった。

1-2月は前年同期比-7.8%である。うち、第1次産業は3.9%増、第2次産業は-12%、第3次産業は-3.1%、都市・農村住民生活用は2.4%増であった。

(参考)(2017年6.6%)→(2018年8.5%)→19年6月5.5%→7月2.7%→8月3.6%→9月4.4%→10月5.0%→11月4.7%→(2019年4.5%)→20年2月-0.1%(1-2月-7.8%)

  1. 国家統計局によれば、2011年のウエイト付け改定で、居住価格のウエイトは20%前後になったとしている。
  2. コア消費者物価は2013年から公表が開始された。
  3. 2019年6月は0.56%増、7月は0.26%増、8月は0.35%増、9月は0.63%増、10月は0.39%増、11月は0.68%増、12月は0.58%増、20年1月は-2.78%である。
  4. 2019年6月は0.83%増、7月は0.47%増、8月は0.62%増、9月は0.73%増、10月は0.50%増、11月は0.77%増、12月は0.63%増、20年1月は-9.36%である。
  5. 2019年6月は0.43%増、7月は0.41%増、8月は0.40%増、9月は0.41%増、10月は0.41%増、11月は0.40%増、12月は0.42%、20年1月は-0.05%である。
  6. この統計は2012年から公表が開始された。
  7. 輸出19年6月-7.8%→7月-6.5%→8月-16.0%→9月-21.9%→10月-16.2%→11月-23.0%→12月-14.6%→20年1-2月-27.7%、輸入19年6月-31.4%→7月-19.1%→8月-22.3%→10月-15.7%→10月-14.3%→11月2.7%→12月7.8%→20年1-2月2.5%である。
  8. 1-2月の輸出は170.4億ドル、-24.5%(12月は-3.4%)、輸入は225.1億ドル、-9.3%(12月は16.4%)である。
  9. 伸びは人民元ベースである。
  10. ドルベースでは、(2017年4%)→(2018年3%)→19年1-6月3.5%→1-7月3.6%→1-8月3.2%→1-9月2.9%→1-10月2.9%→1-1月2.6%→2019年2.4%→20年1月2.2%→1-2月-10.4%である。
  11. 一定期間内に実体経済(非金融企業と世帯)が金融システムから得た人民元貸出であり、銀行からノンバンクへの資金移し替えは含まない。
  12. 2019年1月から、国債と地方政府一般債券を統計に組み入れ、これまでの地方政府特別債券と併合し「政府債券」とした。
  13. 主な収入の内訳は、国内増値税1兆1677億元、前年同期比-19%、国内消費税3346億元、-10%、企業所得税7647億元、-6.9%、個人所得税2672億元、14.8%増、輸入貨物増値税・消費税2208億元、-25.1%、関税391億元、-14.3%である。輸出に係る増値税・消費税の還付は1951億元であり、-26.8%である。都市維持建設税は922億元、-17.7%、車両購入税は451億元、-32.8%、印紙税は607億元、30.8%増(うち証券取引印紙税は349億元、77.2%増)、資源税は318億元、-12.7%、環境保護税は53億元、-5.1%である。不動産関連では、契約税684億元、前年同期比-15.2%、土地増値税980億元、-2.4%、不動産税523億元、3%増、耕地占用税119億元、-7.4%、都市土地使用税352億元、-10.2%であった。
  14. 主な支出は、教育4949億元、前年同期比-2%、科学技術603億元、-38.5%、文化・観光・スポーツ・メディア373億元、-12.7%、社会保障・雇用6120億元、2.5%増、衛生・健康2716億元、22.7%増、省エネ・環境保護689億元、3.4%増、都市・農村コミュニティ2507億元、-20%、農林・水産2222億元、-0.4%、交通・運輸1702億元、-25.5%、債務利払い955億元、11.7%増である。
  15. 2018年1-2月は、新規増発6961億元(一般債券3883億元、特別債券3078億元)、借換債券・再融資債券860億元である。
  16. 2019年は1352万人である。