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研究者のご紹介

新型肺炎とマクロ政策(8)

中国経済レポート

 

新領域研究センター 田中 修

2020年3月10日


はじめに

本稿では、3月4日の党中央政治局常務委員会と、人民銀行座談会、財政部・国家税務総局共同記者会見の概要を中心に紹介する。

3月3日 疫病防御・経済社会発展への金融支援座談会

人民銀行は財政部、銀行保険監督管理委員会と共に、疫病防御・経済社会発展への金融支援座談会をテレビ電話で開催し、「新型肺炎疫病と経済社会発展政策手配統一企画・推進会議」における習近平総書記の重要講話精神を深く貫徹し、2月25日の国務院常務会議の政策手配を実施し、疫病防御と業務・生産再開への金融支援の情況を総括し、今後の疫病防御・経済発展政策への金融支援要求を提起した。

新型肺炎疫病発生以降、党中央・国務院はこれを高度に重視し、迅速に手配を行い、自身で疫病防御をしっかり行うと同時に、全国の疫病防御の大局を軸に、30項目の金融支援政策措置を打ち出し、金融市場の時間どおりの正常なオープンを支援し、金融サービスを間断なく確保し、市場の予想を安定させ、疫病防御と業務・生産再開を有力に支援し、内外各方面の十分な肯定・積極的評価を得た。

金融部門は、習近平総書記の2月23日重要講話精神を深く貫徹実施し、一層政治的立ち位置を高め、疫病防御と経済社会発展を統一的に企画・推進し、一方で疫病防御を支援し、一方で企業の業務・生産再開にしっかり取り組まなければならない。

金融部門は実体経済の回復・発展支援をより際立たせて位置づけ、貸出を強化し、法制化・市場化の原則を堅持する下、措置を確実に採用して、潜在力を深く発掘し、企業の利益を図り、資金調達コストを引き下げ、企業の難関克服を支援しなければならない。

金融部門は、「予想を安定させ、総量を拡大し、分類して取り組み、手段を創造し、実施に取り組む」という政策の考え方に基づき、疫病防御と経済社会発展政策への金融支援に急ぎ、堅実・詳細に取り組まなければならない。

  1. 穏健な金融政策は柔軟・適度をより重視し、流動性の合理的充足を維持し、マクロ・プルーデンス評価システムを整備し、貸出プライムレート改革の潜在力を発揮させる。
  2. 3000億元の特別再貸出政策をうまく用いて、疫病防御関連の供給を保障する企業に向けて速く精確な支援を提供し、企業のためになる事はしっかり行わなければならない。
  3. 疫病の影響が深刻な地域・産業・企業への融資支援を増やし、先進製造業、脱貧困堅塁攻略、民生・雇用等の重点分野と脆弱部分への金融サービスを強化して、業務・生産再開に助力する。
  4. 小型・零細企業への金融サービス能力を強化し、5000億元の再貸出・再割引専用額と3500億元の政策性銀行特別貸出額をうまく用いて、中小・零細企業等の分野へのインクルーシブファイナンス支援を増やす。
  5. 「住宅は住むためのものであり、投機のためのものではない」という位置づけと「不動産を短期的経済刺激の手段としない」という要求を堅持し、不動産金融政策の連続性・一致性・安定性を維持する。
3月4日 党中央政治局常務委員会

習近平総書記の重要講話のうち、経済関連部分の概要は以下のとおりである。

「経済社会発展の各政策を早急に推進し、精確に秩序立てて着実に業務・生産再開を推進し、人・カネ・モノの秩序立った流動を実現し、生産・供給・販売を有機的にリンクさせ、国内取引・対外貿易を貫通させ、疫病が生み出した損失を最低限度にまで引き下げなければならない。

各レベル党委員会・政府は党中央の政策決定手配を貫徹し、疫病防御と経済社会発展の各政策をしっかり統一的に企画・推進しなければならない。実際に即して正確な方法を見いだし、全て実際から出発し、形式主義・官僚主義を断固防止しなければならない」。

会議の経済関連部分の概要は以下のとおりである。

疫病の情況に応じて地域・レベルを分けて業務・生産再開を推進し、疫病防御重点物資の生産・供給を大幅に引き上げ、防護物資の調達・分配を最適化し、従業員の安全で健康な生産生活環境を確保しなければならない。

引き続き直通チャーター等多様な交通・輸送の方式を採用して、従業員をできるだけ速やかに職場に復帰・業務再開させ、従業員の食事・住宅・通勤・作業場管理等パーツごとの防疫対策を厳格にしっかり実施しなければならない。

企業家の役割を好く発揮させ、企業家の積極性・創造性を十分動員しなければならない。

全国一体を堅持し、統一した大市場を擁護し、上流・下流、生産・供給・販売、大中小企業の全体配置、協同での作業再開を促進し、業務・生産再開の全体としての効率・水準を確実に高めなければならない。

業務・生産再開を内需拡大と結びつけ、抑制・凍結された消費を解放し、疫病防御において生み出された新しいタイプの消費・グレードアップした消費を壮大に育成し、実物消費とサービス消費を回復させなければならない。

投資プロジェクトをしっかり選別し、土地使用・エネルギー使用・資金等の政策手配を強化し、国家計画が既に明確な重大プロジェクトとインフラ建設を早急に推進しなければならない。

公共衛生サービス・緊急物資の保障分野への投入を増やし、5Gネットワーク、デジタルセンター等の新しいタイプのインフラ建設の進度を加速しなければならない。

民間投資の積極性動員を重視しなければならない。

開放拡大において業務・生産再開を推進し、対外貿易・外資安定政策の実施に努力し、国際市場を開拓・多元化しなければならない。

リーダー企業の業務・生産再開の保障をしっかり行い、グローバルサプライチェーンの安定を擁護しなければならない。

外商投資法をしっかり実施し、外資企業の業務・生産再開における困難を積極的に支援し、モデルとなる重大外資プロジェクトの実施にしっかり取り組み、金融等サービス業の対外開放を拡大しなければならない。

企業支援・ポスト安定・雇用拡大政策を的確に展開し、大学卒業生・出稼ぎ農民等の重点層の雇用対策をしっかり実施し、個人工商事業者の困難緩和を積極的に支援しなければならない。

春季農業生産にしっかり取り組み、農産品の供給保障・価格安定政策をしっかり行わなければならない。

貧困地域・貧困人口への支援を増やし、業務・生産再開において貧困地域の労働力の吸収・雇用を優先し、脱貧困堅塁攻略決勝の任務達成を確保しなければならない。

3月5日 新型肺炎対策領導小組

各地方は管轄地への責任を強化し疫病防御期間の困窮大衆の基本生活をしっかり保障し、遅滞なく全額、最低生活保障金・特別困窮者扶養金・孤児基本生活費・障碍者補助等を支給し、新型肺炎と診断された最低生活保障対象者・低所得家庭構成員・貧困登録者、及び家庭構成員が隔離治療のために暫時生活困難に陥った家庭、疫病の影響を受けて貧困に戻りあるいは貧困に陥った者に対し、臨時救済を与えなければならない。そのうち構成員が死亡した家庭については、救済を強化しなければならない。

疫病防御期間に交通管理・コントロール等の原因による滞留で、臨時の困難に遭遇した外来者に対しては、遅滞なく食料・宿泊所等の支援を提供しなければならない。疫病の影響を受けて外出できなくなった労働者、一時的に生活困難になった都市・農村住民で、条件に合致した者については、最低生活保障に組み入れることを認める。生活が自律困難な老人・幼児・病人・障碍者に対しては、保護・介護担当者が隔離治療された場合には、遅滞なくケア提供を手配しなければならない。困窮大衆の救済場所を確保し、遅滞なく支援を受けさせる。

3月5日 地方財政の基本民生・給与・運営保障政策強化に関する財政部記者会見
(1)基本政策

末端政府の基本民生・給与・運営保障を支援することは、大衆の切実な利益を保障するという基本要求であり、政府の職務履行と各政策実施を推進する基礎条件である。

習近平総書記は、「新型肺炎疫病防御と経済社会発展政策手配の統一的企画・推進」等の会議において、「積極的財政政策はより積極的に結果を出し、末端の基本民生・給与・運営保障が有効な保障を得ることを確保しなければならない」と何回も指示している。

李克強総理は、「各レベル税制は疫病防御と基本民生・給与・運営保障経費を十分保障しなければならない」と要求した。3月3日の国務院常務会議はこのテーマについて検討・手配し、地方政府への財政支援を増やし、基本民生・給与・運営保障能力を高めることを決定した。

財政部は党中央・国務院の政策決定・手配を断固貫徹し、新型肺炎疫病が地方財政の基本民生・給与・運営保障に与える影響に積極的に対応し、地方財政に対する支援を強化し、末端の基本民生・給与・運営保障能力を高める。

近年、わが国経済の持続的・健全な発展について、各レベル財政の保障能力は不断に増強されており、予算計上において末端の基本民生・給与・運営保障需要を満足することができる。昨年以降、わが国は大規模な減税・費用引下げ措置を実施し、企業の負担を大幅に軽減し、市場活力を有効に奮い立たせた。

しかし他方において、大規模な減税・費用引下げ政策は、一部の地方財政の減収をももたらし、そのうち2019年の減税・費用引下げは2兆元を超えており、今年新型肺炎疫病の影響を受けて、財政の減収・支出増が一層高まり、一部地方とりわけ末端財政の収支バランス圧力が増大している。各レベル財政部門は共同で努力し、基本民生・給与・運営保障の最低ライン維持に確実に責任をもつ必要がある。

疫病発生以来、財政部は党中央・国務院の政策決定・手配を断固貫徹し、疫病防御経費の保障と末端の基本民生・給与・運営保障を積極的にしっかり実施してきた。

  1. 政策制度体系を整備した。
    新型肺炎疫病は、人民の生命の安全と身体の健康に脅威を与えるだけでなく、経済運営に対し顕著な影響をもたらしている。
    中央財政は職能作用を積極的に発揮し、一面において防疫経費の保障を強化し、人民大衆が費用問題を心配して敢えて検診を受けないことがないようにし、各地方が資金問題によって医療救済と疫病防御に影響を受けることがないようにした。
    他方で、一連の税・費用優遇政策を打ち出して、業務・生産再開を助力し、疫病防御と経済社会発展推進の2つにしっかり取り組み、社会の予想を安定させ、企業の自信を奮い立たせ、地方財政の持続可能性を確保した。
  2. 移転支出補助を強化した。
    3月4日までに、各レベル財政は疫病防御資金1104.8億元を計上し、現在既に714.3億元を使用し、未使用の資金は390.5億元である。うち、中央財政は既に257.5億元を特別計上し、かつ昨年10-12月期、既に移転支出を事前下達した基礎の上に、一般性移転支出資金を事前交付し、地方が資金交付と使用を強化し、財政支出圧力を緩和し、末端の基本民生・給与・運営保障の資金需要を有力に保障するよう要求した。財政部はさらに、遅滞なく各移転支出資金を下達し、地方への支援を強化する。
  3. 国庫資金の調達を強化した。
    財政部は地方財政の国庫情況に密接に注意を払い、全国県レベル財政の国庫モニタリングメカニズムを確立した。各地方とりわけ湖北等の疫病の影響がかなり大きい地域の財政国庫情況に基づき、資金調達を強化し、疫病防御と基本民生・給与・運営保障等の資金を遅滞なく全額交付している。
  4. 重点中の重点である湖北に、重点的に注意を払った。
    湖北等の疫病がかなり重い地域の疫病防御と基本民生・給与・運営保障の資金需要を保証するため、財政部は湖北に対し国庫資金回転度制度を確立し、テレビ電話会議を開催して調査研究を進め協議し、連携・意思疎通を強化し、湖北の疫病対応と基本民生・給与・運営保障に対し支援を増やした。

地方各レベル財政部門も積極的に基本民生・給与・運営保障予算の査定、資金調達の強化、動態的なモニタリング・事前警告、給与専門勘定の確立等の措置を採用し、上下の連携を強化して、事の軽重と緩急に応じて統一的に企画・協調して支出を計上し、疫病防御と民生保障に焦点を絞り、疫病がかなり重い地域・困窮地域に対する基本民生・給与・運営保障の支援を強化し、全力で基本民生・給与・運営保障の最低ライン確保に責任をもっている。

現在のところ、地方財政の運営情況は総体として安定しており、疫病防御の経費は十分保障を得ており、末端政府の基本民生・給与・運営保障にもリスク問題は出現していない。

疫病の影響を受けて短期的な財政減収問題が出現していることについて、我々は転ばぬ先の杖として、党中央・国務院の政策決定・手配に基づき、最近財政部は「新型肺炎疫病の影響に有効に対応し、地方財政の基本民生・給与・運営保障を確実に強化することに関する通知」を発出し、関連要求を明確にして、具体的措置を明記した。

今後財政部はさらに督促・指導を強化し、措置を確実に採用して末端財政の基本民生・給与・運営保障能力を高め、財政の平穏な運営を確保し、基本民生・給与・運営保障の最低ラインをしっかり確保する。

(2)責任分担

総体としていえば、地方の基本民生・給与・運営保障は、現在各レベル政府の共同努力によって達成されており、主として「県レベル(政府・財政部門)が主となり、省レベル(政府・財政部門)が責任をもつ」という原則を遵守し、中央財政も積極的支援を与えている。我々は、県レベル財政力の基本保障メカニズムを確立したほか、さらに均衡性移転支出を傾斜・按排して交付している。

  1. 県レベル
    保障の責任を全面的にしっかり実施するには、認識を高め、基本民生・給与・運営保障と疫病防御・経済回復を併せ重んじた政策方向性を牢固に樹立し、社会の安定を確保し、市場環境を擁護し、市場の自信を奮い立たせる方面において、末端の基本民生・給与・運営保障を強固にすることの重要な役割を十分認識しなければならない。
    財政支出における基本民生・給与・運営保障支出の順序優先を堅持し、基本民生・給与支払・機関の運営を確実に保障しなければならないし、県レベルが予算計上する際にも、この支出を高度に重視し、最前列に置かなければならない。
  2. 省レベル
    主体的責任を確実に担わなければならない。なぜなら、省以下の財政体制は各省が制定しており、県レベルの財政状況がどうなっているかは、往々にして経済発展と確定された財政体制に密接に関係しているからである。省レベルは、省以下の財政力をバランスさせる責任を担うべきであり、経済発展が比較的落後し、財政が比較的困難な地方に対して傾斜・支援を強化しなければならない。市レベル政府も、所轄の財政力が比較的困難な区に対して、傾斜を強化しなければならない。
    財政力上の支援以外でも、省内・市内で各県・区の財政状況を注意・理解して、その収入・支出を調査し、その国庫情況を監督・コントロールし、どの地方・県で財源不足・困難が発生しても、すでに十分把握し対応できる状態にし、遅滞なく措置を採用しなければならない。
  3. 中央財政
    主として地方に積極的支援とインセンティブを与える。一部の地方は疫病の影響が大きく、自身の財政力のみでは基本民生・給与・運営保障を維持し難い。中央財政も必要な支援を与えなければならない。
    主として移転支出を分配する際に、これらの地方に対し支援を強化し、かつ彼らが管轄地域の困難な県・区に傾斜配分することを要求する。
  4. 各部門・単位
    これまで述べたことは各レベル政府と財政部門であるが、実際上各部門・単位も同様に責任を担わなければならない。各部門・各単位は、自分の部門あるいは自分の単位の資金を統一的にうまく企画して、規定に基づき、今回の疫病防御の支出を含め、自分の単位の行政事業単位人員の給与支払と正常な運営に用いることを保障しなければならない。
    支出が突発情況に遭遇して予算面で必ずしも計上できなくなった場合には、構造調整の際に果断に遅滞なく支出構造を調整し、重点支出の需要を保障しなければならない。
(3)地方財政資金の使用留保率

地方財政資金の使用留保率とは、中央国庫に繰り入れる中央収入を、一定の比率に基づき地方ごとに区分して留保し、地方国庫に繰り入れ、地方に戻して使用させるものである。このようにすることで、収入を地方が先取りしてしまうことを回避し、その後再び税収返還・移転支出を通じて地方に交付することで、プロセスを有効に簡素化でき、資金の使用効率の向上にも資することになる。

これは長年にわたり行ってきた方法であり、中央の各地方への税収返還・移転支出規模は異なり、中央が各地方に査定した使用留保比率もバラバラであり、通常、中西部地域への使用留保比率がいくらか高い。

3月3日、国務院常務会議は、地方財政資金使用留保率を段階的に引き上げることを確定し、3月1日~6月末、既に査定した各省分の本年度の使用留保比率の基礎の上に、5ポイント統一的に引き上げた。試算では、4カ月間で地方に新たに増えた使用留保資金は約1100億元であり、実際上地方のために現金流動を増やし、地方財政資金の回転に資することになる。

この資金は全部県レベルの使用のために留保するものであり、地方使用留保率を段階的に引き上げるほか、我々はさらに地方の県レベルの国庫運営情況に密接に注意を払い、もしある地方に各種原因により支払困難が存在する場合には、我々は遅滞なく資金調節の強化を通じて、地方とりわけ末端財政の疫病防御と基本民生・給与・運営保障の支出需要の確実な保障を支援する。

(4)財政移転支出

中央の地方への移転支出は、末端政府の正常な運営を保障し、基本民生を強化・改善するための重要な財源である。

近年、地方財政の予算編成の完全性を増強するため、地方が前倒しでプロジェクト実施をしっかり準備することを支援し、予算管理の関連規定に基づき、中央財政は毎年10月末までに次年度の地方への移転支出の予想額をあらかじめ地方財政部門に下達している。この要求に基づき、2019年度10-12月期、中央財政は既に前もって2020年度の移転支出予算6.1兆元を下達しており、地方財政部門も既に地方予算に組み入れている。

今年に入り、新型肺炎の疫病防御の需要を考慮し、予算法の関連規定に基づき、中央財政は疫病防御の経費を全力で保障すると同時に、移転支出予算の下達の進度を一層加速し、地方に対し医療・衛生、雇用安定、投資安定、財政力補助等の方面の資金1839億元を交付し、地方が疫病防御、業務・生産再開、基本民生・給与・運営保障等の方面の政策をしっかり行うことを支援した。

以上を合計すると、現在までに、中央の地方への移転支出は既に6.28兆元を下達しており、前年同期比1.26兆元増となっている。既に下達した移転支出のうち、均衡性移転支出は1兆6032億元、県レベル基本財政力保障メカニズム奨励補助金2844億元、基本公共衛生サービス補助金603億元、医療救助補助金260億元、医療サービス・保障能力向上補助金173億元、中央インフラ建設支出439億元である。

今後、予算法の規定に基づき、全人代が2020年度中央予算を承認して後、我々は遅滞なく残りの部分の移転支出予算を下達し、同時に地方ができるだけ速やかにこれを分解して交付するよう督促もし、末端の基本民生・給与・運営保障支出の需要を保障する。

(5)財政赤字

新型肺炎は人々の生命・健康に脅威を与えたのみならず、経済運営にも顕著な影響をもたたらしている。財政部は、中央政治局会議精神を貫徹実施し、疫病防御と経済社会発展政策を統一的にしっかり企画し、積極的財政政策はより積極的に結果を出さなければならない。

一面では、既に打ち出した各政策の執行にしっかり取り組み、政策のできるだけ速やかな実施と効果を上げることを確保する。資金の交付・按排、資金の調節、移転支出の下達はいずれも遅滞なく、有効であり、作用をより好く発揮している。とりわけ、最近さらに企業の業務・生産再開を支援するいくらかの政策措置を集中して打ち出した。

他方で、党中央が確定したマクロ経済政策の方向性に基づき、疫病の影響を受けた産業・分野に焦点を絞り、段階的で的確な措置を引き続き検討して打ち出し、支出構造を最適化し、地方への移転支出を強化し、疫病の影響を最低まで引き下げる。

段階的な措置・政策を検討するに際しては、さらにサプライサイド構造改革の方向性に合致する長期の措置を検討して打ち出し、経済の質の高い発展を推進しなければならない。

系統組織の企画を通じて、積極的財政政策を詳細に実施し、疫病防御と経済社会発展推進の2つにしっかり取り組み、年間の経済社会発展の目標・任務の達成を確保し、小康社会の全面実現と第12次5カ年計画の円満な手仕舞いを確保する。

財政収入は経済運営に密接に関係しており、わが国の経済発展の潜在力は大きく、強靭性が強く、長期に好い方向に向かう趨勢に変わりはない。構造調整の余地と挽回の余地はいずれも大きく、疫病の情勢が好転するに伴い、経済は温度を上げ好い方向へと向かい、財政収支の矛盾も緩和することになろう。

財政赤字の確定は、経済情勢、マクロ・コントロールの需要、財政収支の状況等の各種の要因を総合的に考慮する必要がある。同時に、全人代の審議等法定プロセスを経なければならない。我々は、党中央・国務院の政策決定・手配に基づき、疫病と経済情勢の変化を総合し、関連政策を統一的に企画してしっかり実施する。