新型肺炎とマクロ政策(5)

中国経済レポート

新領域研究センター 田中 修

2020年3月2日


はじめに

2月23日の疫病防御・経済社会発展政策統一会議を受け、マクロ政策の議論が活発化している。本稿では、24日の経済官庁合同記者会見の概要を紹介する。

2月24日 国務院関係部門合同記者会見
国家発展・改革委員会
(1)業務の再開情況

全国の一定規模以上の工業企業の業務再開率は徐々に高まっている。うち、浙江は既に90%を超え、江蘇・山東・福建・遼寧・広東・江西は既に70%を超えた。重点産業では、鉄鋼企業の再開率は67.4%、非鉄金属企業が86.3%である。食糧応急加工の生産回復率は70%を超え、石炭の生産能力回復率は76%に達し、鉄道の配置車両数は春節前の正常水準の95%前後に回復した。

しかし、今回の疫病は確かにわが国の経済運営にかなり大きな打撃をもたらし、春節休暇の消費と関連サービス業への影響が企業の業務・生産再開を遅らせ、一部の企業とりわけ中小企業の生産経営がかなり大きな困難に遭遇している。

(2)今後の重点政策

①マクロ政策の調節を強化する。

積極的財政政策はより積極的に成果を出し、穏健な金融政策はより柔軟・適度にし、的確な減税・費用引下げ措置を検討して打ち出し、中小・零細企業の難関克服を支援する。

積極的に国内の有効需要を拡大し、消費の回復と潜在力の発揮を促進する。有効な投資の要としての役割を好く発揮させ、雇用・土地使用・資金等の要素の保障を強化し、建設中・新規着工プロジェクトの建設進度を加速する。「雇用・金融・対外貿易・外資・投資・予想」を安定させる政策を全面的にしっかり実施する。

②既に打ち出した緊急政策措置をしっかり実施する。

重点産業・中小企業への支援を強化し、減税・費用引下げ、金融サービス、賃料減免、雇用安定補助等の各政策をしっかり実施する。生活必需品の生産安定・供給保障を統一的に企画してしっかり実施し、基本民生を確実に保障する。時機を失することなく春季農業生産にしっかり取り組み、脱貧困堅塁攻略の任務を断固達成し、雇用安定措置を全面強化し、既に業務を再開し、あるいは再開を準備している企業の日常の防護物資の需要保障に努力する。

③不足部分の補充・脆弱項目の強化の各政策にしっかり取り組む。

今回の疫病防御で暴露された一部分野に存在する不足部分・脆弱項目について、真剣に経験・教訓を総括し、より力を入れて精確に補強しなければならない。

これらは、内需拡大、発展促進の新たなチャンスであり、新たな経済成長スポットを壮大に育成することに資するものであり、更に大事なことは、わが国の未来の経済社会の持続的・健全な発展のために良好な基礎を打ち固めるものだということである。これと同時に、我々は引き続き経済の運営状況を密接にモニタリングし、関連政策措置の事前案を検討・制定し、情勢の変化に応じて適時打ち出し、経済社会の平穏な運営を確保する。

財政部
(1)これまでの政策

①疫病の影響がかなり大きい産業に税・費用優遇政策を与えた。

疫病の影響がかなり大きい交通・輸送、レストラン、旅館、観光等の産業に対して、企業所得税政策を調整し、遅滞なく支援を与えた。大衆の生活に密接に関連する公共交通・輸送、生活関連サービス、宅配等の産業に対しては、増値税免税の措置を打ち出し、企業の負担を的確に軽減し、その難関克服を支援した。

②包摂的な費用引下げ政策を打ち出した。

我々は関係部門と共に、段階的な社会保険料・医療保険料の減免と住宅公的積立金の徴収緩和・停止を打ち出した。

③企業の雇用安定を強化した。

我々は人材・社会保障部門と政策を打ち出し、失業保険の雇用安定還付、職業訓練補助等の多様なルートを通じて、企業の現有の就業ポストの安定、リストラをしないこと、リストラを少なくすることを支援した。同時に、疫病の影響を受けた小型・零細企業、個人に対し、債務保証料の引下げ等の政策を特別に打ち出し、小型・零細企業の資金調達難・資金調達コスト高の問題を緩和した。

(2)今後の積極的財政政策

①引き続き、段階的に的確な減税・費用引下げ政策を検討して打ち出し、一部の産業の業務・生産再開を重点的に支援し、中小・零細企業の難関克服を支援する。

②一部の中央部門遊休資金を集中的に使用して、疫病防御に統一的に企画・使用し、脱貧困堅塁攻略と小康社会の全面実現等の重点支出を保障する。

③移転支出の支払を強化しなければならない。

疫病の影響がかなり大きい地方に一層傾斜させ、末端の賃金・運営・基本民生の保障を確保する。

④地方政府特別債券の発行規模を拡大し、「資金がプロジェクトをフォローする」という原則に基づき、地方はプロジェクトの備蓄と前期の準備をしっかり行うよう指導し、できるだけ速やかに有効な投資を形成する。

(3)地方の財政負担軽減

疫病発生以降、財政部門は、「2つの確保」を確実に行ってきた。すなわち、人民大衆が費用問題を心配することなく進んで医者にかかることを確保すること、各地方が経費問題の影響を心配することなく救済・防御にあたることを確保すること、である。2月23日までに、各レベル財政は、疫病防御資金995億元を計上し、うち中央財政は255.2億元を計上している。同時に我々はさらに、重点物資の供給強化、医療関係者への奨励強化を含む一連の政策を打ち出し、社会の義援金を奨励する税制優遇を実行し、政府調達のグリーンルートを確立した。

我々が注意しているのは、疫病発生後、地方とりわけ疫病の影響が比較的大きい省は、財政収支が段階的な打撃を受けているということである。このため、各地の財政部門は一般性支出の圧縮に力を入れ、あらゆる手を尽くして資金を集め、支出構造を最適化し、防御経費を優先的に保障する前提の下、各財政収支を統一的に企画・計上し、財政の穏健な運営を確保している。

中央財政から見れば、

①地方移転支出を強化する。

地方への一般性移転支出を重点的に強化し、一般性移転支出の伸び率を、中央レベルの支出の伸び率より顕著に高めて計上し、地方の財政収支圧力を緩和する。

②資金交付の進度を加速する。

たとえば、地方が疫病防御と末端の賃金・運営・基本民生の保障政策をしっかり行うことを支援するため、最近、中央財政は既に均衡性移転支出700億元、県レベル基本財政力保障メカニズム奨励資金406億元を事前交付した。

③国庫調節管理を強化する。

我々は地方の国庫情況に密接に注意を払い、湖北等疫病の影響がかなり大きい省の財政収支バランス情況に注意を払い、資金調節を強化し、疫病防御、賃金・運営・基本民生の保障等の資金を遅滞なく十分に交付している。

新型肺炎の疫病は、財政・経済にいずれも一定の影響を生み出すが、総体として見ると、わが国経済の長期に好い方向へと向かうファンダメンタルズに変わりはない。経済発展は財政収入の源流である。我々は、疫病の情勢が好転し、生産が徐々に回復するに伴い、経済発展の有力な支えの下、全国各地財政は平穏な運営を実現できるものと信じている。

人力資源社会保障部
(1)雇用対策の現状

今年1月のデータからすると、主要な雇用指標は合理的区間で運行されているが、突発的な新型肺炎の疫病が、わが国経済に対してかなり大きな打撃を生み出すことは回避できない。企業の業務・生産再開は遅れており、労働者の職場復帰も相応に遅滞し、観光・レストラン等のサービス業、中小企業の生産経営の困難が増大し、市場の労働者需要が低下し、大学卒業生・出稼ぎ農民等の重点層の雇用情勢は必然的に難度が増し、企業の採用難・労働者の就業難が併存するという構造的矛盾がさらに際立つことになる。このため、今年の雇用対策に確かにいくらかの試練をもたらしている。

(2)当面の重点雇用対策

①雇用拡大を経済社会発展において優先して位置付けることを堅持する。

財政・金融等の経済政策と雇用政策の協同・連携を強化し、雇用吸収能力が強いサービス業、中小・零細企業、労働集約型産業を支援・発展させる。起業・イノベーションを奨励し、新たな就業形態の発展を促進し、多くのルートでの柔軟な就業を支援する。

②雇用情勢の変化に応じて政策の程度を調整し、負担減少・ポスト安定・雇用拡大を併せて打ち出す。

社会保険料の段階的減免、失業保険の雇用安定還付、就業補助等の既に打ち出した政策の実施にしっかり取り組み、効果を上げる。とりわけ、中小・零細企業の難関克服・企業の安定・雇用の安定を支援しなければならない。

③大学卒業生の雇用対策を重視する。

卒業・募集・試験採用等に関連した政策を統一的にしっかり企画・実施し、オンライン募集活動を始動させ、就職指導の「クラウド教室」を開設し、採用部門が面接試験・健康診断・契約・採用までの時間を遅らすよう誘導し、卒業生が順調に卒業し、できるだけ早く就職することを支援する。出稼ぎ農民の職場復帰・就業を推進し、ローリスク地域の出稼ぎ農民のできるだけ速やかな職場復帰・業務再開を奨励し、直通チャーター輸送サービスを採用して、24時間制の重点企業勤労調整・保障メカニズムを実施する。労働力輸出地・輸入地を精確にリンクさせ、貧困労働力の秩序立った職場復帰を優先的に推進し、貧困支援リーダー企業・貧困支援作業場のできるだけ速やかな業務再開を支援し、現地で雇用を吸収しなければならない。土地・個人に応じた施策を行い、精確に支援し、多くの措置を併せ打ち出して重点層の雇用を保障しなければならない。

④一方面で、雇用サービスを最適化し、需給双方の効率の高く手っ取り早いリンクを促進する。

ネット上の春風キャンペーンを実施し、遅滞なく動態的に雇用情報を提供し、「就業サービスに休みなく、ネット上の募集に中止なし」をしっかり実施する。他方で、職業技能向上キャンペーンの実施に力を入れ、オンライン訓練プラットホームを無料開設し、急を要する人員不足の職種の訓練課程を早急に提供し、労働者の就業能力を向上させる。

⑤遅滞なく、疫病の影響を受けた就業困難者を就業援助の範囲に組み入れ、市場においては就業困難な者に対しては、公益的なポストを通じて最低ラインの雇用安定を保障する。

オンライン失業登録とオンライン失業保険金申請受領を加速し、給付しなければならない失業者には全て給付する。疫病が深刻な地域は、臨時公益ポストの開発を通じて、失業補助金を給付し、大衆の基本生活を保障し、民生の最低ラインを確実にしっかり保障しなければならない。

人民銀行
(1)これまでの政策

疫病発生以降、金融政策は柔軟・適度の原則を遵守し、カウンターシクリカルな調節を強化し、一連の金融政策措置を打ち出した。

①予想を超えて流動性を提供し、銀行システムと短期金融市場の流動性の充足を保障し、遅滞なく市場の情緒を安定させた。

②第一の期間に、3000億元の低コスト特別再貸出を設立し、疫病に重点的に迎撃している企業に対して、精確な優遇資金支援を提供した。

③人民銀行と5部門は連携して疫病防御支援30項目措置を打ち出し、政策の合成力を発揮させ、疫病防御と生産回復のために総合的な金融保障を提供した。

現在のところ、これらの措置はいずれも積極的な作用を発揮した。

(2)今後の金融政策

人民銀行は、今後穏健な金融政策を更に柔軟・適度にする。主として、3大措置に力を入れなければならない。

①引き続き流動性の合理的充足を維持し、政策金利の誘導作用を通じて、市場金利全体を継続的に低下させ、企業の資金調達コストを引き下げる。

②構造的金融政策手段をより力を入れて運用しなければならない。

一面において、既に打ち出した約3000億の特別再貸出を、引き続きうまく用いて実施し、貸すべきものは全て速く貸し出さなければならない。現在、千社近い企業が既に特別再貸出を得ており、今後我々は引き続きこれらの政策を精確に実施する。

他方で、我々は農業・農村・農民支援、小型・零細企業支援の再貸出・再割引といった金融政策手段のような、既存の包摂的な金融政策手段を十分うまく利用して、政策を強化しなければならない。最近、インクルーシブファイナンスに方向を定めた預金準備率引下げも年度の動態的調整を進めており、より多くの基準に達した銀行に優遇政策支援を与える。

③政策金融の役割を更に十分に好く発揮させなければならない。

これまでの段階では、3つの政策性銀行は主動的に多くの疫病防御を支援する金融措置を採用し、これらの措置は好い役割を発揮した。今後、人民銀行はより3つの政策性銀行が引き続き役割を発揮することへの支援に力を入れ、製造業企業に対する国家開発銀行、対外貿易企業に対する輸出入銀行、養豚業・全産業チェーン企業に対する農業発展銀行の融資支援拡大を支援する。

上述の措置につき、我々は現在方案を制定中であり、できるだけ速やかに打ち出す。現在、わが国の金融政策の余地と政策手段は充実しており、我々には今回の疫病防御の総体戦・迎撃戦に打ち勝つことを支援し、国民経済の業務・生産再開を支援し、できるだけ速やかに経済成長を回復させる自信・能力がある。

(3)中小・零細企業への金融支援

①中小・零細企業への貸出のための十分な資金源を支援しなければならない。

インクルーシブファイナンスに方向を定めた預金準備率引下げ、農業・農村・農民支援、小型・零細企業への再貸出、再割引といった金融政策手段を強化しなければならないほか、中小・零細企業金融特別債券発行を強化することにより、商業銀行に十分な優遇資金源を与えなければならない。

②3つの政策性銀行が、製造業に従事する中小・零細企業、対外貿易に従事する中小・零細企業、春季耕作・養豚の産業チェーン上の中小・零細企業に対し、貸出支援を強化することを支援しなければならない。

③疫病の影響が比較的大きい産業と中小・零細企業に対して、一時期出現する借入期限徒過については、期限徒過貸出として報告しないことを認め、貸出リスク分類方面でも優遇を配慮する。

④商業銀行が、わが国が既に先発の優位性を有するフィンテックの手段を十分うまく運用し、リスク識別とリスク管理能力を全面的に高め、できるだけ不良債権の上昇を抑えるよう指導する。

ただし、指摘しておかなければならないのは、2019年、わが国商業銀行の平均不良債権率は1.86%に過ぎず、中小銀行の不良債権率はこの平均水準よりやや高いものの、5%の監督管理基準よりはるかに低い。このほか、わが国の商業銀行の貸倒引当率は180%以上であり、今回の疫病が中小企業と国民経済に与える影響に対応する十分な資源・能力がある。

(4)対外開放

疫病発生以来、金融系統組織は、一面において疫病の防御を秩序立った業務・生産再開を全力で支援すると同時に、金融開放措置の実施をも停頓させず、引き続き推進している。たとえば2月14日、人民銀行は関連部門と「上海国際金融センター建設の早急な推進と長江デルタ一体化発展への金融支援に関する意見」を公布したが、ここで新たに打ち出した30項目の措置のうち、11項目は上海国際金融センター建設においてハイレベルの金融開放措置を一層推進することである。

国際社会は、中国が疫病防御の緊迫したプロセスにおいて、引き続き金融開放の措置を拡大していることに、非常に積極的な評価を与えている。2020年についていえば、金融開放の比較的カギとなる1年である。なぜなら、もともと2021年の時点で証券会社・基金管理会社・先物会社の外資比率制限を取り消すと定めていたところを、前倒しで今年完成しなければならないからである。このため、我々は鳴り物入りで関係部門と協力して、関連法規の改正作業を推進し、これらの措置が期限どおり完全実施されることを確保している。

工業情報化部
(1)これまでの中小企業対策

中小企業をしっかり安定させることは雇用をしっかり安定させることであり、疫病の中小企業への影響を軽減することは非常に重要である。国務院中小企業発展促進領導小組の各構成員単位は、疫病発生以来、ずっとしっかり力を合わせて、続々と多くの支援政策・措置を打ち出してきた。とりわけ2月9日、工業情報化部は「新型肺炎疫病に対応し、中小企業の業務・生産再開、難関克服を支援する政策に関する通知」を発出し、中小企業の秩序立った業務・生産再開を全力で保障することを明確にし、6方面における中小企業支援、財政支援・金融支援・イノベーション支援・公共サービス・統一的な企画協調を含む20項目の具体的措置を一層強化した。

(2)中小企業が直面する困難

現在のモニタリングでは、中小企業は困難を克服し、続々と着工しており、とりわけ各地方政府と各レベル部門の力強い支援の下、総体として着工は徐々に反転上昇している。着工率は50%に近づいており、現在中小企業の着工、業務・生産再開は、主として「5つの難」に直面している。

①着工難。

地方政府は、疫病防御の安全要求を確保するため、この方面で大量の審査・認可のための証明材料等を要求としており、さらにいくらかの審査の関門もある。

②労働者採用難の問題が、まだ完全に円滑化されていない。

疫病の影響を受け、人員の流動がなお阻まれ、円滑さを欠いている。

③産業チェーンの手配が比較的難しい。

物流が円滑さを欠き、原材料が届かず、生産した製品を搬出できず、産業チェーンの上流・下流の各段階が同歩調で業務再開していない。これは企業の正常生産に対して大きな影響を生み出している。

④資金の支えが難しい。

中小企業の資金圧力が比較的大きく、硬直的なコスト支出が比較的多いが、財政金融政策の実施に伴い、今後緩和に向かうことになる。

⑤注文の実行難。

現在、中小企業は注文を手にしているが、遅滞なく生産を進める方法がなく、違約のリスクを背負っている。

(3)今後の中小企業対策

国務院中小企業発展促進領導小組の各構成員部門は、協力して中小・零細企業を支援する各政策を実施する。これは5つの具体的措置がある。

①できるだけ速やかに地域・レベルを分けた精確な業務・生産再開を推進する。

これは中小・零細企業にとって意義が非常に重大である。中小企業は全国各地に分布しており、比較的広大だからである。中小・零細企業の業務再開率を一層高めるため、地方各レベル政府は協調して産業チェーンの上流・下流の同歩調の業務再開の推進に力を入れている。原材料・補助原料はいずれも製品に影響を与える要素であり、同歩調の業務再開は現在非常に重要な段階にある。

②財政金融の優遇政策を確実に完全実施する。

年金・失業・労災保険料徴収の免除、車両通行料免除を含む実際の優遇を、中小・零細企業に与えて、中小・零細企業の資金圧力を軽減する。

③各部門は力を合わせ、中小・零細企業が業務・生産再開において遭遇している実際の困難を確実に協調して解決する。

とりわけ各生産要素の保障、原材料の供給、防御物資の保障、及び物流・輸送において出現している実際の問題については、疫病の連携防御メカニズムの下、各部門は力を合わせ、医療物資供給保障への保障・支援を増やすと同時に、中小・零細企業の業務・生産再開支援において、疫病の連携防御メカニズムを用いている。

④中央企業・国有企業・大型企業の、産業チェーンにおける牽引のリーダーとしての役割を発揮させる。

これにより、中小・零細企業のできるだけ速やかな業務・生産再開、本格生産、転換・グレードアップを牽引することができ、市場競争力を高め、製品を販売することができ、大型企業からの注文をもたらすことになり、中小・零細企業の復活を加速することができる。

⑤我々は中小・零細企業の業務・生産再開における疫病防御を指導・支援する。

この難度も比較的大きい。国務院の疫病防御連携メカニズムは、業務・生産再開に関連する防疫措置ガイドラインを下達し、業務・生産再開において集団感染問題が再発することを回避する。

これらの措置の目的は、中小・零細企業ができるだけ速やかに負担軽減・ポスト安定・就業の目標を実現することを援助することにある。

商務部
(1)対外貿易の基盤安定のための重点政策

①政策の道具箱を一層豊富にする。

重点は、輸出税還付・貿易融資・輸出信用保険・貿易円滑化等の方面を強化する。

②国際市場の配置を一層最適化する。

「一帯一路」沿線の重点市場に対し一国一政策を実行し、貿易の円滑化を促進する。

③より精確に企業を支援する。

各地の業務・生産再開、サプライチェーンの安定化において行った方法・好い経験を総括・普及し、法律支援を提供し、企業の損失を最大限度減少させる。

④クロスボーダーEコマース、市場調達等の対外貿易の新たな業態を早急に発展させ、国際販売ネットワークの建設を加速する。

⑤対外開放を深化させ、輸入を積極的に拡大する。

第3回中国国際輸入博覧会を滞りなく開催し、輸入貿易促進・イノベーションモデル地区を建設する。

⑥経済貿易パートナーとの意思疎通・協調を強化する。

WTO構成員ができるだけ速やかに不必要な制限措置を解除するよう呼びかけ、良好な国際貿易環境を作り上げ、グローバルサプライチェーンの安定し健全な発展を共同で擁護する。

(2)外資の安定政策

新型肺炎の疫病発生以来、人流・物流が阻まれ、原材料供給が遅延する等の要因により、外資企業の生産経営に一定の影響・困難をもたらしており、同時に、一部の国外投資家の模様眺めの傾向もある程度強まっている。疫病が今年1-3月期の外資吸収に与える影響はかなり顕著であるが、影響は段階的であり、コントロール可能である。長期的に見れば、中国の外資吸収の総合的優位性は変わっておらず、大多数の多国籍会社の中国投資への信頼と戦略に変わりはなく、中国はなおグローバル企業の投資のホットランドである。

商務部は遅滞なく2つの政策文件を打ち出し、各地の商務主管部門が外資企業の生産経営安定を精確に支援するよう指導し、外資企業へのサービスと外資招致を強化し、最大程度疫病の影響を減少させた。この政策措置は既に効果を見せ始めており、上海・山東・湖南等の重点外資企業の業務再開率は80%を超え、山東の32の韓国資本自動車部品企業は既に2月15日までに全部業務を再開し、自動車のグローバルサプライチェーンを安定させている。

今後、6方面で年間の外資安定政策を着実にしっかり実施し、疫病の影響を最低にまで引き下げるよう努力する。

①より多くの外資企業の秩序立った業務・生産再開を推進し、外資リーダー企業の生産・供給回復を優先的に保障し、グローバルサプライチェーンの安定を擁護する。

②重大外資プロジェクトの実施にしっかり取り組み、商談中の大プロジェクトを密接にフォローし、建設中の大プロジェクトを推進し、困難・問題を協調して解決して、プロジェクトの契約・実施を推進する。

③外資の参入分野を引き続き拡大し、電信・医療・教育・文化・金融等の分野での外資利用水準を高め、全国と自由貿易試験区での外資参入ネガティブリストを縮減する。

④開放プラットホームを引き続き拡大し、自由貿易試験区の改革開放・イノベーションテストの加速を指導し、国家レベルの経済開発区の対外貿易安定・外資安定の新鋭部隊としての役割を更に好く発揮させる。

⑤外資の合法権益の保護を強化し、健全な外資の直接投資へのサービス体系を確立する。

⑥直接投資の環境を引き続き最適化し、「外商投資法」及び実施条例をしっかり実施し、外資の長期直接投資への信頼を増強する。