11月の主要経済指標

中国経済レポート

新領域研究センター 田中 修

2019年12月27日


(1)物価
①消費者物価

11月の消費者物価は前年同月比4.5%上昇し、上昇率は10月より0.7ポイント加速した。都市は4.2%、農村は5.5%の上昇である。食品価格は19.1%上昇し(10月は15.5%)、非食品価格は1.0%上昇(10月は0.9%)している。衣類は1.1%上昇、居住価格は0.4%上昇した1。1-11月期では、前年同期比2.8%の上昇である。

(参考)(2017年1.6%)→(2018年2.1%)→19年1月1.7%→2月1.5%→3月2.3%→4月2.5%→5月2.7%→6月2.7%→7月2.8%→8月2.8%→9月3.0%→10月3.8%→11月4.5%

前月比では、10月より0.4%上昇(10月は0.9%)した。食品価格は1.8%上昇(10月は3.6%)した。食品・タバコ・酒価格は10月より1.5%上昇、物価への影響は約0.48ポイント、うち生鮮野菜は1.4%上昇(10月は-1.7%)し、物価への影響は約0.03 ポイント、水産品価格は0.5%下落、物価への影響は約-0.01ポイントであった。畜肉類価格は4.8%上昇、物価への影響は約0.34ポイント(豚肉価格は3.8%上昇、物価への影響は約0.18ポイント)であった。果物価格は3.0 %下落し、物価への影響は約-0.05ポイントであった。非食品価格は0.0%(10月は0.2%)、衣類は0.3%上昇(10月は0.3%)、居住価格は0.0%上昇(10月は0.0%)であった。

食品・エネルギーを除いた消費者物価(コア消費者物価)は、11月が前年同月比1.4%の上昇(10月は1.5%)、前月比では0.1%の下落(10月は0.1%)である2。1-11月期は1.7%の上昇である。

なお、国家統計局は、11月の前年同月比上昇率4.5%のうち食品・タバコ・酒価格は13.9%上昇し、物価への影響は約4.10ポイントとなり、このうち畜肉類価格は74.5%上昇、物価への影響は約3.27ポイント(豚肉価格は110.2%上昇、物価への影響は約2.64ポイント)である。このほか生鮮野菜価格が3.9%上昇、物価への影響は約0.09ポイント、果物価格は6.8%下落、物価への影響は約-0.12ポイント、水産品価格は2.4%上昇、物価への影響は約0.04ポイント、食糧価格は0.7%上昇し、物価への影響は約0.01ポイントであった。

また11月の4.5%上昇のうち、前年の価格上昇の本年への影響は約0ポイント、新たなインフレ要因は約4.5ポイントである。

なお、国家統計局都市司の沈贇高級統計師は、前月比の上昇幅が10月より0.5ポイント縮小したのは、1)リンゴ・柑橘類・梨等の果物が大量に出回った、2)水産品の供給が充足した、3)冬季に入り、生鮮野菜生産と輸送のコストが増加した、4)豚肉の需給ひっ迫の状況がある程度緩和された、5)消費旺盛な時期と、消費の代替の影響により、牛肉・羊肉・鶏肉・鴨肉価格が1.3~4.3%上昇した、6)季節の変化の影響を受け、アパレル価格がやや上昇し、7)旅行減少により、航空券・旅行社手数料・旅館宿泊価格が下落した、点を挙げている。

また、11月の前年同月比消費者物価上昇幅が、10月より0.7ポイント拡大した特徴として、1)果物価格が引き続き下落し、水産品価格が上昇し、生鮮野菜価格が下落から上昇に転じ、2)豚肉価格が上昇し、3)牛肉・羊肉・鶏肉・鴨肉・鶏卵価格の上昇率が11.8~25.7%の間で、4)医療保健、教育・文化・娯楽、衣料価格が上昇し、5)ガソリン価格が10.8%下落、ディーゼル油価格が11.3%下落した、としている。

②工業生産者出荷価格

11月の工業生産者出荷価格は前年同月より1.4%下落した。前月比では10月より0.1%下落(10月は0.1%)した。1-11月期は、前年同期比-0.3%である。

(参考)(2017年6.3%)→(2018年3.5%)→19年1月0.1%→2月0.1%→3月0.4%→4月0.9%→5月0.6%→6月0.0%→7月-0.3%→8月-0.8%→9月-1.2%→10月-1.6%→11月-1.4%

11月の工業生産者購入価格は、前年同月比2.2%下落(10月は-2.1%)した。前月比では10月より0.1%下落(10月は0.2%)であった。1-11月期は、前年同期比0.7%下落である。

また11月の1.4%下落のうち、前年の価格上昇の本年への影響は約―0.9ポイント、新たなインフレ要因は約-0.5ポイントである。

なお、国家統計局都市司の沈贇高級統計師は、前月比上昇幅が10月の0.1%上昇から0.1%下落に転じたが、その特徴は、1)ガス生産・供給業、非金属鉱物製造業の上昇幅が拡大し、2)非鉄金属採掘・洗浄業、石油・石炭その他燃料加工業、化学原料・化学製品製造業価格が上昇から下落に転じ、3)石油・天然ガス採掘業、価格が下落から上昇に転じ、4)化学繊維製造業、価格が鉄金属採掘・洗浄業、鉄金属採掘・洗浄業、石炭採掘・洗浄業価格の下落幅が拡大し、5)石油・天然ガス採掘業価格の上昇幅が縮小した、とする。

また、前年同月比では、下落幅が0.2ポイント縮小したが、1)農業副食品加工業、非鉄金属精錬・圧延業価格の上昇幅が拡大し、2)化学繊維製造業、石油・天然ガス採掘業、石油・石炭その他燃料加工業、鉄金属精錬・圧延加工業価格の下落幅が縮小し、3)化学原料・化学製品製造業、石炭採掘・洗浄業価格の下落幅が拡大した、とする。

③住宅価格

11月の全国70大中都市の新築分譲住宅販売価格は前月比21都市が低下(10月は17)し、同水準は5(10月は3)であった。上昇は44である(10月は50)。

前年同月比では、価格が下落したのは2都市(10月は1)であった。同水準は0(10月は0)、上昇は68(10月は69)である。

国家統計局都市司の孔鵬首席統計師は、「各地方は、『住宅は住むためのものであって、投機のためのものではない』という位置づけを堅持し、都市ごとに施策を講じ、不動産市場の長期に有効な管理メカニズムを実施し、不動産を短期的経済刺激の手段とせず、不動産市場の総体としての安定を保障した。

前月比では、70大中都市のうち、4の一線都市の新築分譲住宅価格は0.6%上昇し、上昇幅は10月より0.5ポイント拡大した。うち北京は1.7%上昇、上海は0.3%上昇、広州は0.5%下落、深圳は0.2%上昇であった。31の二線都市の新築価格は0.2%上昇し、上昇幅は10月より0.3ポイント縮小した。35の三線都市の新築価格は0.5%上昇し、上昇幅は10月より0.1ポイント縮小した。

前年同月比では、70大中都市のうち、一線都市の新築価格は4.9%上昇し、上昇幅は10月と0.2ポイント拡大した。二線都市の新築価格は7.9%上昇し、上昇幅は10月より0.8ポイント縮小した。三線都市の新築価格は7.0%上昇し、上昇幅は10月より0.7ポイント縮小した」と指摘している。

(2)工業

11月の工業生産は前年同月比実質6.2%増となった。11月は前月比では、0.78%増となった3 。主要製品別では、発電量4.0%増(10月は4.0%)、鋼材10.4%増(10月は3.5%)、セメント8.3%(10月は-2.1%)、自動車3.7%(うち乗用車-3.4%、SUV車14.6%増、新エネルギー車-41.0%)となっている。10月の自動車-2.1%(うち乗用車-8.7%、SUV車2.6%増、新エネルギー車-39.7%)に比べ、自動車がマイナスからプラスに転じ、乗用車のマイナス幅が縮小し、SUV車が伸び、新エネルギー車のマイナス幅が拡大した。地域別では、東部6.2%増、中部7.4%増、西部5.9%増、東北7.6%増である。分類別では、国有株支配企業3.7%増、株式制企業7.0%増、外資3.2%増、私営企業8.9%増であった。

(参考)(2017 年6.6%)→(2018年6.2%)→19年1-2月期5.3%→3月8.5%→4月5.4%→5月5.0%→6月6.3%→7月4.8%→8月4.4%→9月5.8%→10月4.7%→11月6.2%

1-11月期の工業生産は前年同月比実質5.6%増となった。主要製品別では、発電量3.4%増、鋼材10.0%増、セメント6.1%増、自動車-9.6%(うち乗用車-13.8%、SUV車-8.1%、新エネルギー車3.6%増)となっている。

1-11月期の一定規模以上の工業企業利潤総額は5兆6100.7億元、前年同期比-2.1%(1-10月期-2.9%)であった。うち国有株支配企業の利潤総額は1兆6036.6億元、同-3.3%、株式制企業は4兆482.3億元、同-1.6%、外資企業は1兆4111.2億元、同-3.3%、私営企業は1兆5893.3億元、同6.5%増である。11月の一定規模以上の工業企業利潤総額は5939.1億元、前年同期比5.4%増(10月-9.9%)であった。

1-11月期の一定規模以上の工業企業の本業営業収入100元当たりのコストは84.20元(1-10月期84.28元、前年同期比0.15元増)である。11月末の資産負債率は56.9%(10月末56.8%、前年同期比0.3ポイント減)であった。

なお、国家統計局工業司の朱虹統計師は、利潤がマイナスからプラスに転じた理由として、「①工業生産と販売の伸びが顕著に加速した、②PPIの下落幅が縮小した」としている。

(3)消費

11月の社会消費品小売総額は3兆8094億元、前年同月比8.0%増(実質4.9%増)である。なお、自動車を除く伸びは、9.1%増である。11月は前月比では、0.80%増である4。都市は7.9%増、農村は9.1%増である。一定額以上の企業(単位)消費品小売額は1兆3965億元、同4.4%増であり、うち穀類・食用油・食品8.9%増、アパレル・靴・帽子類4.6%増、建築・内装-0.3%、家具6.5%増、自動車-1.8%、家電・音響機器類9.7%増となっている。自動車の伸びは、10月の-3.3%からマイナス幅が縮小した。

(参考)(2017年10.2%)→(2018年9.0%)→19年1-2月期8.2%→3月8.7%→4月7.2%→5月8.6%→6月9.8%→7月7.6%→8月7.5%→9月7.8%→10月7.2%→11月8.0%

1-11月期の社会消費品小売総額は37兆2872億元、前年同月比8.0%増、都市は7.9%増、農村は9.0%増である。なお、自動車を除く伸びは9.0%増である。一定額以上の企業(単位)消費品小売額は13兆2639億元、同3.9%増であり、うち穀類・食用油・食品10.2%増、アパレル・靴・帽子類3.0%、建築・内装3.0%増、家具5.5%増、自動車-1.1%、家電・音響機器類5.9%増となっている。

1-11月期、一定額以上のレストランの収入は7.2%増であった。全国インターネット商品・サービス小売額は9兆4958億元で、前年同期比16.6%増となった。うち実物商品は7兆6032億元、同19.7%増で、社会消費品小売総額の20.4%を占めている。

(4)投資
①都市固定資産投資

1-11月期の都市固定資産投資は53兆3718億元で、前年同期比5.2%増であった。11月は前月比では0.42%増である5。地域別では、東部4.1%増、中部9.3%増、西部4.9%増、東北-3.7%となっている。内資企業は5.4%増で、1-10月と同水準、外資企業は-0.6%、1-10月は2.0%増である。

インフラ投資(電力・熱・天然ガス・水生産供給以外)は前年同期比4.0%増(1-10月期は4.2%)である。うち、鉄道運輸は1.6%増(1-10月期は5.9%)、道路輸送は8.8%増(1-10月期は8.1%)、水利1.7%増(1-10月期は0.6%)、公共施設0.2%増(1-10月期は0.2%)、生態環境保護・環境対策36.3%%増、環境モニタリング・対策サービス30.6%増であった。

(参考)都市固定資産投資:(2017年7.2%)→(2018年5.9%)→19年1-2月期6.1%→1-3月期6.3%→1-4月期6.1%→1-5月期5.6%→1-6月期5.8%→1-7月期5.7%→1-8月期5.5%→1-9月期5.4%→1-10月期5.2%→1-11月期5.2%

インフラ投資:(2017年19.0%)→(2018年3.8%)→19年1-2月期4.3%→1-3月期4.4%→1-4月期4.4%→1-5月期4.0%→1-6月期4.1%→1-7月期3.8%→1-8月期4.2%→1-9月期4.5%→1-10月期4.2%→1-11月期4.0%

②不動産開発投資

1-11月期の不動産開発投資は12兆1263億元で前年同期比10.2%増である。うち住宅は8兆9232億元、14.4%増である。オフィスビルは5556億元、同2.5%増である。地域別では、東部8.3%増、中部9.7%増、西部15.3%増、東北8.9%増となっている。

(参考)(2017年7.0%)→(2018年9.5%)→19年1-2月期11.6%→1-3月期11.8%→1-4月期11.9%→1-5月期11.2%→1-6月期10.9%→1-7月期10.6%→1-8月期10.5%→1-9月期10.5%→1-10月期10.3%→1-11月期10.2%

1-11月期の分譲建物販売面積は14億8905万㎡で、前年同期比0.2%増(1-10月期は0.1%)であった。うち、分譲住宅販売面積は1.6%増(1-10月期は1.5%)、オフィスビルは-11.9%(1-10月期は-11.9%)である。地域別では、東部-1.3%、中部-0.3%、西部3.8%増、東北-4.5%である。

(参考)分譲建物販売面積:(2017年7.7%)→(2018年1.3%)→19年1-2月期-3.6%→1-3月期-0.9%→1-4月期-0.3%→1-5月期-1.6%→1-6月期-1.8%→1-7月期-1.3%→1-8月期-0.6%→1-9月期-0.1%→1-10月期0.1%→1-11月期0.2%

1-11月期の分譲建物販売額は13兆9006億元、前年同期比7.3%増(1-10月期は7.3%)であった。うち、分譲住宅販売額は10.7%増(1-10月期は10.8%)、オフィスビルは-11.3%(1-10月期は-11.5%)である。地域別では、東部7.1%増、中部5.6%増、西部10.6%増、東北3.4%増である。

(参考)分譲建物販売額:(2017年13.7%)→(2018年12.2%)→19年1-2月期2.8%→1-3月期5.6%→1-4月期8.1%→1-5月期6.1%→1-6月期5.6%→1-7月期6.2%→1-8月期6.7%→1-9月期7.1%→1-10月期7.3%→1-11月期7.3%

11月末の分譲建物在庫面積は4億9221万㎡、10月末比102万㎡減、前年同期比-6.5%で、うち分譲住宅在庫面積は92万㎡減であった。

1-11月期のディベロッパーの資金源は16兆531億元であり、前年同期比7.0%増(1-10月期は7.0%)であった。うち、国内貸出が2兆3013億元、5.5%増、外資が161億元、57.5%増、自己資金が5兆2511億元、3.7%増、手付金・前受金5兆4482億元、10.0%増、個人住宅ローン2兆4395億元、13.9%増である。

③民間固定資産投資

1-11月期の全国民間固定資産投資は30兆3786億元であり、前年同期比4.5%増である6

(参考)(2018年8.7%)→(2018年8.7%)→19年1-2月期7.5%→1-3月期6.4%→1-4月期5.5%→1-5月期5.3%→1-6月期5.7%→1-7月期5.4%→1-8月期4.9%→1-9月期4.7%→1-10月期4.4%→1-11月期4.5%

(5)対外経済
①輸出入

11月の輸出は2217.4億ドル、前年同月比-1.1%、輸入は1830.1億ドル、同0.3%増となった7。貿易黒字は387.3億ドルであった。

(参考)輸出:(2017年7.9%)→(2018年9.9%)→19年1月9.4%→2月-20.8%(1-2月期-4.5%)→3月13.8%→4月-2.8%→5月1.0%→6月-1.3%→7月3.3%→8月-1.0%→9月-3.2%→10月-0.8%→11月11月-1.1%

輸入:(2017年 15.9%)→(2018年 15.8%)→19年1月-1.1%→2月-4.6%(1-2月-2.6%)→3月-7.5%→4月4.3%→5月-8.4%→6月-7.0%→7月-5.1%→8月-5.5%→9月-8.2%→10月-6.2%→11月0.3%

1-11月期の輸出は2兆2601.4億ドル、前年同月比-0.3%、輸入は1兆8825.4億ドル、同-4.5%となった。貿易黒字は3776.0億ドルであった。

1-11月期の輸出入総額が4兆1426.9億ドル、前年同期比-2.2%であったのに対し、対EU2.8%増、対米-15.2%8(10月は-14.9%)、対英6.8%増、対日-5.0%9(10月は-5.2%)、対アセアン7.5%増である。

1-11月期輸出の労働集約型製品のうち、アパレル類前年同期比-4.7%、紡績0.1%、靴0.9%増、家具-0.2%、プラスチック製品10.5%増、鞄-0.1%、玩具25.0%増である。電器・機械は同-0.8%、ハイテク製品は-2.4%である。

②外資利用

1-11月期の外資利用実行額は8459.4億元(ドル換算1243.9億ドル)、前年同期比6.0%増(ドル換算2.6%増)であった10。11月の外資利用実行額は935.3億元(ドル換算136.2億ドル)、前年同期比1.5%増(ドル換算0.1%増)であった。

(参考)(2017年7.9%)→(2018年0.9%)→19年1月4.8%→1-2月期5.5%→1-3月6.5%→1-4月6.4%→1-5月6.8%→1-6月7.2%→1-7月7.3%→1-8月6.9%→1-9月6.5%→1-10月6.6%→1-11月6.0%11

1-11月期のハイテク産業は2407億元、同27.6%増で、ウエイトは28.5%に達した。ハイテク製造業12は834.3億元、同5.7%増、ハイテクサービス業13は1572.7億元、同43.4%増であった。

1-11月期、国内地域別では、東部前年同期比6.0%増、中部同5.6%増、西部同7.3%増である。自由貿易試験区は1212.6億元、ウエイトは14.3%に達した14

③外貨準備

11月末、外貨準備は3兆955億ドルであった。10月末に比べ96億ドルの減少(10月は127億ドル増)である。2カ月ぶりに減少に転じた。

④米国債保有

10月末の米国債保有高は、前月比8億ドル減の1兆1016億ドルで、2位。日本は5カ月連続1位となり、222億ドル増の1兆1680億ドルである。

(6)金融

11月末のM2の残高は196.14兆元、伸びは前年同期比8.2%増と、10月末より0.2ポイント減速、前年同期より0.2ポイント加速した。M1は3.5%増で、10月末より0.2ポイント加速、前年同期より2ポイント加速した。11月の現金純放出は578億元であった。

人民元貸出残高は151.97兆元で前年同期比12.4%増であり、伸び率は10月末と同水準、前年同期より0.7ポイント減速した。11月の人民元貸出増は1.39兆元(10月は6613億元)で、前年同期より伸びが1387億元増加している。うち住宅ロ-ンは6831億元増、企業等への中長期貸出は4206億元増であった。
人民元預金残高は192.28兆元で、前年同期比8.4%増であった。11月の人民元預金は1.31兆元増(10月は2372億元増)で、前年同期より伸びが3571億元増加している。うち個人預金は2466億元増、企業預金は8656億元増であった。

(参考)M2 :2017年12月8.1%→18年12月8.1%→19年1月8.4%→2月8%→3月8.6%→4月8.5%→5月8.5%→6月8.5%→7月8.1%→8月8.2%→9月8.4%→10月8.4%→11月8.2%

11月末の社会資金調達規模残高は221.28兆元であり、前年同期比10.7%増となった。うち、実体経済への人民元貸出残高15は150.5兆元、12.5%増、委託貸付残高は11.57兆元、-8.2%、信託貸付残高は7.55兆元、-3.7%、企業債券残高は23.09兆元、13.6%増、地方政府特別債券残高9.41兆元、30.2%増、株式残高は7.31兆元、4.5%増である。

構成比では、実体経済への人民元貸出残高は68%(前年同期比1.1ポイント増)、委託貸付残高は5.2%(同-1.1ポイント)、信託貸付残高は3.4%(同-0.5ポイント)、企業債券残高は10.4%(同0.2ポイント増)、地方政府特別債券残高は4.3%(同0.7ポイント増)、株式残高は3.3%(同-0.2ポイント)である。

11月の社会資金調達規模(フロー)は1.75兆元であり、前年同期比1505億元減となった。うち、実体経済への人民元貸出は1.36兆元増(伸びが前年同期比1331億元増)、委託貸付は959億元減(減少が351億元減)、信託貸付は673億元減(減少が218億元増)、企業債券純資金調達2696億元(1222億元減)、地方政府特別債券純資金調達1億元減(減少が331億元減)、株式による資金調達は524億元(324億元増)である。1-11月期の社会資金調達規模(フロー)は21.23兆元であり、前年同期比3.43兆元増となった。

(7)財政

1-11月期の全国財政収入は17兆8967億元で、前年同期比3.8%増となった16。中央財政収入は8兆6116億元、同4.8%増、地方レベルの収入は9兆2851億元、同3%増である。税収は14兆9699億元、同0.5%増、税外収入は2兆9268億元、同25.4%増であった。

(参考)財政収入:(2017年7.4%)→(2018年6.2%)→19年1-2月7%→1-3月6.2%→1-4月5.3%→1-5月3.8%→1-6月3.4%→1-7月3.1%→1-8月3.2%→1-9月3.3%→1-10月3.8%→1-11月3.8%

1-11月期の全国財政支出は20兆6463億元、前年同期比7.7%増であった17。中央レベルの支出は3兆444億元、同8.3%増、地方財政支出は17兆6019億元、同7.6%増である。

なお、1-11月期の地方政府基金収入は6兆4365億元、前年同期比10%増であり、うち国有地土地使用権譲渡収入は同8.1%増(10月は6.9%)であった。

(8)雇用

11月の全国都市調査失業率は5.1%、うち、全国25-59歳の調査失業率は4.6%で、10月と同水準であった。31大都市調査失業率は5.1%となった(年間目標は、いずれも5.5%前後)。

(参考)全国都市調査失業率:2018年12月4.9%→19年1月5.1%→2月5.3%→3月5.2%→4月5.0%→5月5.0%→6月5.1%→7月5.3%→8月5.2%→9月5.2%→10月5.1%→11月5.1%

31大都市調査失業率:2018年12月4.7%→19年2月5.0%→3月5.1%→4月5.0%→5月5.0%→6月5.0%→7月5.2%→8月5.2%→9月5.2%→10月5.1%→11月5.1%

1-11月期の新規就業者増は1279万人(年間目標1100万人以上)18であった。

(9)社会電力使用量

11月は前年同期比4.7%増である。うち、第1次産業は3.8%増、第2次産業は3.6%増、第3次産業は10.7%増、都市・農村住民生活用は4.1%増であった。

1-11月期は前年同期比4.5%増である。うち、第1次産業は5.1%増、第2次産業は3.0%増、第3次産業は9.4%増、都市・農村住民生活用は5.7%増であった。

(参考)(2017年6.6%)→(2018年8.5%)→19年2月7.2%(1-2月期4.5%)→3月7.5%→4月5.8%→5月2.3%→6月5.5%→7月2.7%→8月3.6%→9月4.4%→10月5.0%→11月4.7%

  1. 国家統計局によれば、2011年のウエイト付け改定で、居住価格のウエイトは20%前後になったとしている。
  2. コア消費者物価は2013年から公表が開始された。
  3. 2019年1月は0.53%増、2月は0.45%増、3月は0.92%増、4月は0.29%増、5月は0.44%増、6月は0.68%増、7月は0.19%増、8月は0.35%増、9月は0.73%増、10月は0.20%増である。
  4. 2019年1月は0.87%増、2月は0.42%増、3月は0.93%増、4月は0.42%増、5月は0.66%増、6月は0.90%増、7月は0.22増、8月は0.68%増、9月は0.71%増、10月は0.48%増である。
  5. 2019年1月は0.45%増、2月は0.44%増、3月は0.43%増、4月は0.41%増、5月は0.40%増、6月は0.42%増、7月は0.41%増、8月は0.39%増、9月は0.41%増、10月は0.40%増である。
  6. この統計は2012年から公表が開始された。
  7. 前月比では、輸出4.1%増、輸入7.4%増である。11月の春節要因調整後前年同月比は、輸出-0.7%、輸入4%増、前月比では輸出1.5%増、輸入-2%である。
  8. 輸出1月-2.4%→2月-28.6%→3月3.7%増→4月-13.1%→5月-4.2%→6月-7.8%→7月-6.5%→8月-16.0%→9月-21.9%→10月-16.2%→11月-23.0%、輸入1月-41.2%→2月-26.1%→3月-25.8%→4月-25.7%→5月-26.8%→6月-31.4%→7月-19.1%→8月-22.3%→10月-15.7%→10月-14.3%→11月2.7%である。
  9. 1-11月期の輸出は1307.0億ドル、-2.6%、輸入は1551.6億ドル、-6.9%である。11月の輸出は128.9億ドル、-7.8%(10月は-7.8%)、輸入は152.9億ドル、-0.1%(10月は-7.3%)である。
  10. 伸びは人民元ベースである。
  11. ドルベースでは、(2017年4%)→(2018年3%)→19年1月4.8%→1-2月3.0%→1-3月3.7%→1-4月3.5%→1-5月3.7%→1-6月3.5%→1-7月3.6%→1-8月3.2%→1-9月2.9%→1-10月2.9%→1-11月0.1%である。
  12. 航空・宇宙関連機器及び装置製造業、電子・通信設備製造業、計算機・オフィス設備製造業などが含まれる。
  13. 情報サービス、研究・設計サービス、科学技術成果実用化サービスなどが含まれる。
  14. 1-10月期、ドルベースでは、シンガポール55.2億ドル、韓国50.4億ドル、日本33.3億ドル、米国27億ドル、英国20.3億ドル、ドイツ14.4億ドル、オランダ10.3億ドルである。
  15. 一定期間内に実体経済(非金融企業と世帯)が金融システムから得た人民元貸出であり、銀行からノンバンクへの資金移し替えは含まない。
  16. 主な収入の内訳は、国内増値税5兆7948億元、前年同期比2.3%増、国内消費税1兆2394億元、19.4%増、企業所得税3兆6888億元、5.7%増、個人所得税9502億元、-26.8%、輸入貨物増値税・消費税1兆4686億元、-8.7%、関税2638億元、-2.2%である。輸出に係る増値税・消費税の還付は1兆4563億元であり、7.8%増である。都市維持建設税は4436億元、-0.4%、車両購入税は3201億元、-0.3%、印紙税は2272億元、10%増(うち証券取引印紙税は1158億元、21.7%増)、資源税は1700億元、11.2%増、環境保護税は220億元、46.8%増である。不動産関連では、契約税5618億元、前年同期比6.7%増、土地増値税5862億元、12.4%増、不動産税2672億元、1.8%増、耕地占用税1227億元、5.9%増、都市土地使用税1977億元、-10.3%であった。  
  17. 主な支出は、教育3兆156億元、前年同期比8.7%増、科学技術7329億元、8.9%増、文化・観光・スポーツ・メディア3205億元、4.2%増、社会保障・雇用2兆6560億元、8.5%増、衛生・健康1兆5074億元、9.1%増、省エネ・環境保護5576億元、14.3%増、都市・農村コミュニティ2兆2618億元、8.2%増、農林・水産1兆7937億元、6.5%増、交通・運輸1兆389億元、6.3%増、債務利払い7788億元、12.7%増である。
  18. 2018年は1361万人である。