3月の主要経済指標

中国経済レポート

新領域研究センター 田中 修

2019年4月26日


1-3月期のGDPは21兆3433億元であり、実質6.4%の成長となった1。2018年1-2月期6.8%、4-6月期6.7%、7-9月期6.5%、10-12月期6.4%である。第1次産業は8769億元、2.7%増、第2次産業は8兆2346億元、6.1%増、第3次産業は12兆2317億元、7.0%増である。付加価値に占める3次産業のウエイトは57.3%、2次産業は38.6%、1次産業は4.1%である2。3次産業の成長率への寄与率は61.3%、2次産業は36.9%であった。

前期比では、2018年1-2月期1.5%、4-6月期1.7%、7-9月1.6%、10-12月期1.5%、2019年1-2月期1.4%である。

これを需要項目別の成長率への寄与率でみると、最終消費は65.1%、資本形成は12.1%、純輸出は22.8%であった3

(1)物価
①消費者物価

3月の消費者物価は前年同月比2.3%上昇し、上昇率は2月より0.8ポイント加速した。都市は2.3%、農村は2.3%の上昇である。食品価格は4.1%上昇し(2月は0.7%)、非食品価格は1.8%上昇(2月は1.7%)している。衣類は2.0%上昇、居住価格は2.1%上昇した4。1-3月期では、前年同期比1.8%の上昇である。

(参考)(2017年1.6%)18年6月1.9%→7月2.1%→8月2.3%→9月2.5%→10月2.5%→11月2.2%→12月1.9%(2018年2.1%)→19年1月1.7%→2月1.5%→3月2.3%

前月比では、2月より0.4%下落(2月は1.0%)した。食品価格は0.9%下落(2月は3.2%)した。食品・タバコ・酒価格は0.6%下落し、物価への影響は約-0.19ポイント、うち生鮮野菜は2.6%下落(2月は15.7%)し、物価への影響は約-0.08ポイント、鶏肉類価格は1.2%下落し、物価への影響は約-0.02ポイント、鶏卵価格が6.0%下落、物価への影響は約-0.03ポイント、水産品価格は3.6%下落、物価への影響は約-0.07ポイント、畜肉類価格は0.1%下落(豚肉価格は1.2%上昇、物価への影響は約0.03ポイント)であった。果物価格は0.3%上昇し、物価への影響は約0.01ポイントであった。非食品価格は0.2%下落(2月は0.2%)し、衣類は0.6%上昇(2月は-0.2%)、居住価格は0.1%上昇(2月は0.1%)であった。

食品・エネルギーを除いた消費者物価(コア消費者物価)は、3月が前年同月比1.8%の上昇(2月は1.8%)、前月比では0.3%の下落(2月は0.4%)である5。1-2月期は1.9%の上昇である。  

なお、国家統計局は、3月の前年同月比上昇率2.3%のうち食品・タバコ・酒価格は3.5%上昇し、物価への影響は約1.04ポイントとなり、このうち畜肉類価格は4.7%上昇、物価への影響は約0.20ポイント(豚肉価格は5.1%上昇、物価への影響は約0.12ポイント)、鶏肉価格は4.0%上昇、物価への影響は約0.05ポイントである。このほか生鮮野菜価格が16.2%上昇、物価への影響は約0.42ポイント、鶏卵価格が4.1%下落、物価への影響は約-0.02ポイント、果物価格は7.7%上昇、物価への影響は約0.14ポイント、水産品価格は3.0%下落、物価への影響は約-0.06ポイント、食糧価格は0.4%上昇し、物価への影響は約0.01ポイントであった。

また3月の2.3%上昇のうち、前年の価格上昇の本年への影響は約1.1ポイント、新たなインフレ要因は約1.2ポイントである。

なお、国家統計局都市司の董雅秀処長は、前月比の上昇率が1.0%から-0.4%に転じたのは、1)鶏卵・水産品・生鮮野菜価格、牛肉・羊肉・鶏肉価格が下落し、この6つでCPIを約0.21ポイント押し下げた、2)アフリカ豚コレラの発生率が鈍化し、各地の豚肉価格の上昇・下落が交互に現れた、3)旅行者が減少し、航空券・旅行社手数料・ホテル宿泊価格が下落し、CPIを約0.25ポイント押し下げた、4)出稼ぎ農民が都市に戻り、労働力が増加し、車両修理・保育・家庭サービス・理髪価格が上昇した、5)石油製品価格が2回調整され、ガソリン価格が3.6%上昇、ディーゼル油価格が4.0%上昇した、6)衣替えで衣料価格が上昇した、点を挙げている。

また、3月の前年同月比消費者物価上昇幅が、2月より0.8ポイント拡大した特徴として、1)春の野菜出荷が減少し、多くの地方で低温・曇雨の天候の影響を受け、生鮮野菜価格がかなり速く上昇した、2)豚肉価格が25カ月の下落後、上昇に転じた、3)医療保健、教育・文化・娯楽、居住価格が上昇し、CPIを約0.94ポイント押し上げた、としている。

②工業生産者出荷価格

3月の工業生産者出荷価格は前年同月比0.4%上昇した。前月比では2月より0.1%上昇(2月は-0.1%)した。1-3 月期は、前年同期比0.2%上昇である。

(参考)(2017年6.3%)18年6月4.7%→7月4.6%→8月4.1%→9月3.6%→10月3.3%→11月2.7%→12月0.9%(2018年3.5%)→19年1月0.1%→2月0.1%→3月0.4%  

3月の工業生産者購入価格は、前年同月比0.2%上昇(2月は-0.1%)した。前月比では2月と同水準(2月は-0.1%)であった。1-3 月期は、前年同期比0.1%上昇である。  

また3月の0.4%上昇のうち、前年の価格上昇の本年への影響は約0.9ポイント、新たなインフレ要因は約-0.5ポイントである。

なお、国家統計局都市司の董雅秀処長は、前月比では、-0.1%から0.1%上昇に転じたが、その特徴は、1)石油・天然ガス採掘業、石油・石炭その他燃料加工業、鉄金属精錬・圧延加工業価格の上昇幅が拡大し、2)計算機、通信・その他電子設備製造業、電気機械・器材製造業価格の下落幅が縮小し、3)自動車製造業価格が下落から横ばいに転じ、4)石炭採掘・洗浄業価格が下落した、とする。

また、前年同月比では、上昇幅が2月より0.3ポイント拡大したが、その特徴は、1)石油・天然ガス採掘業、石油・石炭その他燃料加工業価格が下落から上昇に転じ、2)電気機械・器材製造業、鉄金属精錬・圧延加工業、自動車製造業価格の下落幅が縮小し、3)計算機、通信・その他電子設備製造業価格の情報幅が拡大した、とする。

③住宅価格

3月の全国70大中都市の新築分譲住宅販売価格は前月比4都市が低下(2月は9)し、同水準は1(2月は4)であった。上昇は65である(2月は57)。

前年同月比では、価格が下落したのは0都市(2月は0)であった。同水準は0(2月は0)、上昇は70(2月は70)である。

国家統計局都市司の劉建偉高級統計師は、「3月は、各地方が、引き続き都市に応じた施策を行うことを堅持し、政策の連続性を維持して、不動産市場は総体として平穏である。

前月比では、70大中都市のうち、4の一線都市の新築分譲住宅価格は0.2%上昇し、上昇幅は2月より0.1ポイント縮小した。うち北京は0.4%上昇、広州は0.8%上昇し、上海は0.1%下落、深圳は0.3%下落した。31の二線都市の新築価格は0.6%上昇し、上昇幅は2月より0.1ポイント縮小した。35の三線都市の新築価格は0.7%上昇し、上昇幅は2月より0.3ポイント拡大した。

前年同月比では、70大中都市のうち、一線都市の新築価格は4.2%上昇し、上昇幅は前年同月比0.1ポイント拡大した。二線都市の新築価格は12.2%上昇し、上昇幅は前年同月比0.2ポイント拡大した。三線都市の新築価格は11.4%上昇し、上昇幅は前年同月比0.3ポイント拡大した」と指摘している。

(2)工業

3月の工業生産は前年同月比実質8.5%増となった。3月は前月比では、1.0%増となった6。主要製品別では、発電量5.4%増(1-2月期は2.9%)、鋼材11.4%増(1-2月期は10.7%)、セメント22.2%増(1-2月期は0.5%)、自動車-2.6%(うち乗用車-3.4%、SUV車-8.3%、新エネルギー車41.6%増)となっている。1-2月期の自動車-15.1%(うち乗用車-17.8%、SUV車-21.3%、新エネルギー車53.3%増)に比べ、自動車・乗用車のマイナス幅が縮小した。地域別では、東部10.3%増、中部9.6%増、西部7.5%増、東北8.0%増である。

(参考)(2017 年6.6%)18年6月6.0%→7月6.0%→8月6.1%→9月5.8%→10月5.9%→11月5.4%→12月5.7%(2018年6.2%)→19年1-2月期5.3%→3月8.5%

1-3月期の工業生産は前年同月比実質6.5%増となった。主要製品別では、発電量4.2%増、鋼材10.8%増(1-2月期は10.7%)、セメント9.4%増(1-2月期は0.5%)、自動車-10.4%(うち乗用車-11.5%、SUV車-16.7%、新エネルギー車48.2%増)となっている。

(3)消費

3月の社会消費品小売総額は3兆1726億元、前年同月比8.7%増である。3月は前月比では、3月は0.91%増である7。都市は8.5%増、農村は9.4%増である。一定額以上の企業(単位)消費品小売額は1兆1953億元、同5.1%増であり、うち穀類・食用油・食品11.8%増、アパレル・靴・帽子類6.6%増、建築・内装10.8%増、家具12.8%増、自動車-4.4%、家電・音響機器類15.2%増となっている。自動車の伸びは、2月の-2.8%からマイナス幅が拡大した。

(参考)(2017年10.2%)18年6月9.0%→7月8.8%→8月9.0%→9月9.2%→10月8.6%→11月8.1%→12月8.2%(2018年9.0%)→19年1-2月期8.2%→3月8.7%

1-3月期の社会消費品小売総額は9兆7790億元、前年同月比8.3%増(実質6.9%増)である。都市は8.2%増、農村は9.2%増である。一定額以上の企業(単位)消費品小売額は3兆5078億元、同4.1%増であり、うち穀類・食用油・食品10.6%増、アパレル・靴・帽子類3.3%増、建築・内装8.1%増、家具5.0%増、自動車-3.4%、家電・音響機器類7.8%増となっている。自動車の伸びは、2月の-2.8%からマイナス幅が拡大した。

1-3月期、一定額以上のレストランの収入は7.9%増であった。全国インターネット商品・サービス小売額は2兆2379億元で、前年同期比15.3%増となった。うち実物商品は1兆7772億元、同21.0%増で、社会消費品小売総額の18.2%を占めている。

(4)投資
①都市固定資産投資

1-3月期の都市固定資産投資は10兆1871億元で、前年同期比6.3%増であった。3月は前月比では0.45%増である8。地域別では、東部4.3%増、中部9.6%増、西部7.8%増、東北2.9%増となっている。内資企業は6.4%増で、1-2月と同水準、外資企業は8.7%増、同5.3ポイント増である。

インフラ投資(電力・熱・天然ガス・水生産供給以外)は前年同期比4.4%増(1-2月期は4.3%)である。うち、鉄道運輸は11.0%増(1-2月は22.5%)、道路輸送は10.5%増(1-2月期は13%)、水利-5.5%(1-2月期は-1.8%)、公共施設-0.6%(1-2月期は-2.9%)、生態環境保護43.0%増であった。

(参考)都市固定資産投資:(2017年7.2%)18年1-6月期6.0%→1-7月期5.5%→1-8月期5.3%→1-9月期5.4%→1-10月期5.7%→1-11月期5.9%→2018年5.9%→19年1-2月期6.1%→1-3月期6.3%   

インフラ投資: (2017年19.0%)18年1-2月期13.0%→1-6月期7.3%→1-9月期3.3%→1-10月期3.7%→1-11月期3.7%→2018年3.8%→19年1-2月期4.3%→1-3月期4.4%

②不動産開発投資

1-3月期の不動産開発投資は2兆3803億元で前年同期比11.8%増である。うち住宅は1兆7256億元、17.3%増で、不動産開発投資に占める比重は72.5%である。オフィスビルは1162億元、同-2.6%である。地域別では、東部10.3%増、中部8.4%増、西部18.9%増、東北21.8%増となっている。

(参考)(2017年7.0%)18年1-6月期9.7%→1-7月期10.2%→1-8月期10.1%→1-9月期9.9%→1-10月期9.7%→1-11月期9.7%→2018年9.5%→19年1-2月11.6%→1-3月期11.8%  

1-3月期の分譲建物販売面積は2億9829万㎡で、前年同期比-0.9%(1-2月期は-3.6%)であった。うち、分譲住宅販売面積は-0.6%(1-2月期は-3.2%)、オフィスビルは-11.1%(1-2月期は-15.7%)である。地域別では、東部-6.8%、中部2.8%、西部4.3%増、東北0.3%増である。

(参考)分譲建物販売面積:(2017年7.7%)18年1-2月期3.6%→1-6月期3.3%→1-7月期4.2%→1-8月期4.0%→1-9月期2.9%→1-10月期2.2%→1-11月期1.4%→2018年1.3%→19年1-2月期-3.6%→1-3月期-0.9%

1-3月期の分譲建物販売額は2兆7309億元、前年同期比5.6%増(1-2月期は2.8%)であった。うち、分譲住宅販売額は7.5%増(1-2月期は4.5%)、オフィスビルは-13.0%(1-2月期は-6.2%)である。地域別では、東部1.1%増、中部10.9%増、西部12.2%増、東北6.3%増である。

(参考)分譲建物販売額:(2017年13.7%)18年1-2月期10.4%→1-6月期13.2%→1-7月期14.4%→1-8月期14.5%→1-9月期13.3%→1-10月期12.5%→1-11月期12.1%→2018年12.2%→19年1-2月期2.8%→1-3月期5.6%

3月末の分譲建物在庫面積は5億1646万㎡、2月末比605万㎡減、前年同期比-9.9%で、うち分譲住宅在庫面積は531万㎡増であった。

1-3月期のディベロッパーの資金源は3兆8948億元であり、前年同期比5.9%増(1-2月期は2.1%)であった。うち、国内貸出が7134億元、2.5%増、外資が33億元、108.3%増、自己資金が1兆1795億元、3.0%増、手付金・前受金1兆2303億元、10.5%増、個人住宅ローン5645億元、9.4%増である。

③民間固定資産投資

1-3月期の全国民間固定資産投資は6兆1492億元であり、前年同期比6.4%増である9

(参考)(2018年8.7%)1-6月期8.4%→1-7期8.8%→1-8月期8.7%→1-9月期8.7%→1-10月期8.8%→1-11月期8.7%→2018年8.7%→19年1-2月期7.5%→1-3月期6.4%

(5)対外経済
①輸出入

3月の輸出は1986.7億ドル、前年同月比14.2%増、輸入は1660.2億ドル、同-7.6%となった10。貿易黒字は326.5億ドルであった。

(参考)輸出:(2017年7.9%)18年6月10.7%→7月11.6%→8月9.6%→9月13.9%→10月14.3%→11月3.9%→12月-4.4%(2018年9.9%)→19年1月9.2%→2月-20.7%(1-2月期-4.6%)→3月14.2%増

輸入:(2017年 15.9%)18年6月13.8%→7月27.0%→8月20.7%→9月14.3%→10月20.3%→11月2.9%→12月-7.6%(2018年 15.8%)→19年1月-1.6%→2月-5.2%(1-2月-3.2%)→3月-7.6%

1-3月期の輸出は5517.6億ドル、前年同月比1.4%増、輸入は4754.5億ドル、同-4.8%となった。貿易黒字は763.1億ドルであった。

1-3月期の輸出入総額が1兆272.1億ドル、前年同期比-1.5%であったのに対し、対EU5.9%増、対米-15.4%増11(2月は-19.9%)、対英13.2%増、対日-2.1%12(2月は-0.9%)、対アセアン2.7%増である。

1-3月期輸出の労働集約型製品のうち、アパレル類前年同期比-6.5%、紡績3.9%増、靴-3.7%、家具3.8%増、プラスチック製品12.3%増、鞄0.3%増、玩具25.3%増である。電器・機械は同0.2%増、ハイテク製品は-2.2%である。

②外資利用

1-3月期の外資利用実行額は2422.8億元(358億ドル)、前年同期比6.5%増(ドル換算3.7%増)であった13。3月の外資利用実行額は951.7億元(141.1億ドル)、前年同期比8%増(ドル換算4.9%増)であった。

(参考)(2017年7.9%)18年1-6月1.1%→1-7月2.3%→1-8月2.3%→1-9月2.9%→1-10月3.3%→1-11月-1.3%→2018年0.9%→19年1月4.8%→1-2月期5.5%→1-3月6.5%14

1-2月期の製造業は753.6憶元、前年同期比12.3%増、サービス業は1629.1憶元、同3.1%増であった。ハイテク産業は同50.6%増で、ウエイトは27.5%に達した。ハイテク製造業15は259.7憶元、同14.8%増、ハイテクサービス業16は406.7憶元、同88%増であった。

1-2月期、国内地域別では、中部179.3憶元、前年同期比5%増、自由貿易試験区は同10.5%増、ウエイトは10.3%に達した。

1-3月期、国・地域別では、韓国79.6%、日本6.4%、米国71.3%増、オランダ74.2%増、ドイツ86.1%増、英国12.4%増、EU34.6%増である17

③外貨準備
3月末、外貨準備は3兆988億ドルであった。2月末に比べ86億ドルの増加(2月は22億ドル増)である。増加は5カ月連続である。
④米国債保有

2月末の米国債保有高は、前月比42億ドル増の1兆1309億ドルで、21カ月連続1位となった。日本は2位のままで、22億ドル増の1兆724億ドルである。

(6)金融

3月末のM2の残高は188.94兆元、伸びは前年同期比8.6%増と、2月末より0.6ポイント加速、前年同期より0.4ポイント加速した。M1は4.6%増で、2月末より2.6ポイント加速、前年同期より2.5ポイント減速した。1-3月期の現金純放出は1733億元であった。

人民元貸出残高は142.11兆元で前年同期比13.7%増であり、伸び率は2月末より0.3ポイント加速し、前年同期より0.9ポイント加速した。1-3月期の人民元貸出増は5.81兆元で、前年同期より伸びが9526億元増加している。うち住宅ローンは1.81兆元増、企業等への中長期貸出は2.57兆元増であった。3月の人民元貸出増は1.69兆元(2月は8858億元)で、前年同期より伸びが5777億元増加している。

人民元預金残高は183.82兆元で、前年同期比8.7%増であった。1-3月期の人民元預金は6.31兆元増で、前年同期より伸びが1.24兆元増加している。うち個人預金は6.07兆元増、企業預金は3328億元増であった。3月の人民元預金は1.72兆元増(2月は1.31兆元増)で、前年同期より伸びが2133億元増加している。

(参考)M2 :2017年12月この8.1%→18年 6月8%→7月8.5%→8月8.2%→9月8.3%→10月8%→11月8%→12月8.1%→19年1月8.4%→2月8%→3月8.6%  

3月末の社会資金調達規模残高は208.41兆元であり、前年同期比10.7%増となった。うち、実体経済への人民元貸出残高18は140.98兆元、13.8%増、委託貸付残高は12.15兆元、-11%、信託貸付残高は7.88兆元、-7.9%、企業債券残高は20.79兆元、10.5%増、地方政府特別債券残高7.81兆元、40.4%増、株式残高は7.06兆元、4.2%増である。  

構成比では、実体経済への人民元貸出残高は67.6%(前年同期比1.8ポイント増)、委託貸付残高は5.8%(同-1.5ポイント)、信託貸付残高は3.8%(同-0.7ポイント)、企業債券残高は10%(同0.0ポイント)、地方政府特別債券残高は3.7%(同0.7ポイント増)、株式残高は3.4%(同-0.2ポイント)である。  

1-3月期の社会資金調達規模(フロー)は8.18兆元であり、前年同期比2.34兆元増となった。うち、実体経済への人民元貸出は6.29兆元増(伸びは前年同期比1.44兆元増)、委託貸付は2278億元減(同1031憶元減)、信託貸付は836億元増(同109憶元増)、企業債券純資金調達9071億元(同3801元増)、地方政府特別債券純資金調達5391憶元(同4622億元増)、株式による資金調達は531億元(同752億元減)である。3月の社会資金調達規模(フロー)は2.86兆元であり、前年同期比1.28兆元増となった。

構成比では、実体経済への人民元貸出は76.9%(前年同期比-6.1ポイント)、委託貸付は-2.8%(同2.9ポイント増)、信託貸付は1%(同-0.2ポイント)、企業債券は11.1%(同2.1ポイント増)、地方政府特別債券残高は6.6%(同5.3ポイント増)、株式残高は0.6%(同-1.5ポイント)である。

(7)財政

1-3月期の全国財政収入は5兆3656億元で、前年同期比6.2%増となった19。中央財政収入は2兆5338億元、同5.4%増、地方レベルの収入は2兆8318億元、同6.8%増である。税収は4兆6706億元、同5.4%増、税外収入は6950億元、同11.8%増であった。

(参考)財政収入:(2017年7.4%)18年1-6月10.6%→1-7月10%→1-8月9.4%→1-9月8.7%→1-10月期7.4%→1-11月6.5%→(2018年6.2%)→19年1-2月期7%→1-3月期6.2%

1-3月期の全国財政支出は5兆8629億元、前年同期比15%増であった20。中央レベルの支出は6919億元、同14.6%増、地方財政支出は5兆1710億元、同15%増である。

なお、1-3月期の地方政府基金収入は1兆3297億元、前年同期比-7.1%であり、うち国有地土地使用権譲渡収入は同-9.5%(1-2月期は-5.3%)であった。

3月末の地方政府債務残高は19兆6194億元。うち、一般債務は11兆5559億元、特別債務は8兆635億元である。なお、1-3月期に新たに増発した債券は1兆1847億元(1-3月全人代承認限度額1兆3900億元)、うち一般債券5187億元(同限度額5800億元)、特別債券6660億元(同限度額8100億元)。このほか借換・再融資債券2220億元である。

(8)雇用

3月の全国都市調査失業率は5.2%、31大都市調査失業率は5.1%となった(年間目標は、いずれも5.5%以内)。なお、全国25-59歳の調査失業率は4.8%で、2月より0.1ポイント改善した。

(参考)全国都市調査失業率:2018年 6月4.8%→7月5.1%→8月5.0%→9月4.9%→10月4.9%→11月4.8%→12月4.9%→19年1月5.1%→2月5.3%→3月5.2%

31大都市調査失業率:2018年 6月4.7%→7月5.0%→8月4.9%→9月4.7%→10月4.7%→11月4.7%→12月4.7%→19年2月5.0%→3月5.1%  

1-3月期の新規就業者増は324万人(年間目標1100万人以上)21であった。都市失業者の再就職は117万人、就職困難者の就職は39万人である。1-3月期の有効求人倍率は1.28(10-12月期1.25、前年同期比0.5ポイント上昇)であった。

(9)社会電力使用量

3月は前年同期比7.5%増である。うち、第1次産業は3.9%増、第2次産業は6.3%増、第3次産業は9.9%増、都市・農村住民生活用は10.6%増であった。

1-3月期は前年同期比5.5%増である。うち、第1次産業は6.8%増、第2次産業は3.0%増、第3次産業は10.1%増、都市・農村住民生活用は11.0%増であった。

(参考)(2017年6.6%)18年6月8.0%→7月6.8%→8月8.8%→9月8%→10月6.7%→11月6.3%→(2018年8.5%)→2月7.2%(1-2月期4.5%)→3月7.5%

(10)所得

1-3月期の都市住民1人当たり平均可処分所得は1万1633元であり、前年同期比実質5.9%(名目7.9%)増加した22。  

農民1人当たり可処分所得は4600元であり、同実質6.9%(名目8.8%)増加した23。農民の収入の伸びが都市住民の収入の伸びを上回った。出稼ぎ農民(1億7651万人)の月平均収入は3996元、名目7.0%増であった。  

都市・農村1人当たりの可処分所得格差は、2.53:1である(前年同期より0.02ポイント縮小)24。  

全国住民1人当りの可処分所得は8493元であり、実質6.8%増(名目8.7%増)であった25。うち、賃金所得は4838元、名目8.7%増、経営純所得は1486元、名目8.3%増、財産純所得は721元、名目12.2%増、移転純所得は1449元、名目7.3%増である。全国住民1人当たり可処分所得の中位数は7158元であり、名目8.8%増である。

1-3月期の住民1人当たり消費支出は5538元、実質5.4%(名目7.3%)増加し、都市住民1人当たり消費支出は7160元、実質4.1%(名目6.1%)増26、農民1人当たり消費支出は3525元、実質6.8%(名目8.7%)増であった。

(11)省エネ

1-3月期、GDP単位当りエネルギー消費は前年同期比で2.7%低下した27

  1. 2010年10.6%、2011年9.5%、2012年7.9%、2013年7.8%、2014年7.3%、2015年6.9%、2016年6.7%、2017年6.8%、2018年6.6%である。
  2. 2018年のウエイトは3次産業52.2%、2次産業40.7%、1次産業7.1%である。
  3. 2018年の成長率への寄与率(速報ベース)は、最終消費76.2%、資本形成32.4%、純輸出-8.6%である。
  4. 国家統計局によれば、2011年のウエイト付け改定で、居住価格のウエイトは20%前後になったとしている。
  5. コア消費者物価は2013年から公表が開始された。
  6. 2018年6月は0.39%増、7月は0.43%増、8月は0.53%増、9月は0.49%増、10月は0.48%増、11月は0.40%増、12月は0.51%増、19年1月は0.46%増、2月は0.46%増である。
  7. 2018年6月は0.70%増、7月は0.71%増、8月は0.70%増、9月は0.67%増、10月は0.82%増、11月は0.72%増、12月は0.76%増、19年1月は0.86%増、2月は0.74%増である。
  8. 2018年6月は0.45%増、7月は0.43%増、8月は0.44%増、9月は0.46%増、10月は0.47%増、11月は0.43%増、12月は0.45%増、19年1月は0.46%増、2月は0.42%増である。
  9. この統計は2012年から公表が開始された。
  10. 前月比では、輸出47.0%増、輸入26.6%増である。3月の春節要因調整後前年同月比は、輸出16.9%増、輸入-3.8%である。
  11. 輸出11月9.8%増→12月-3.3%→1月-2.4%→2月-28.6%→3月3.7%増、輸入11月-25.0%→12月-35.8%→1月-41.2%→2月-26.1%→3月-25.8%である。
  12. 1-3月期の輸出は3兆5296.6億ドル、2.6%増、輸入は3兆8876.8億ドル、-6.1%である。3月の輸出は1兆2755.2億ドル、9.6%増、輸入は1兆4084.4億ドル、-14.1%である。
  13. 伸びは人民元ベースである。
  14. ドルベースでは、(2017年4%)18年1-6月4.1%→1-7月5.5%→1-8月6.1%→1-9月6.4%→1-10月6.5%→1-11月1.1%→2018年3%→19年1月4.8%→1-2月3.0%→1-3月3.7%である。
  15. 航空・宇宙関連機器及び装置製造業、電子・通信設備製造業、計算機・オフィス設備製造業などが含まれる。
  16. 情報サービス、研究・設計サービス、科学技術成果実用化サービスなどが含まれる。
  17. 1-3月期、ドルベースでは、韓国22.4億ドル、シンガポール17.6億ドル、日本10.9億ドル、米国10.6億ドル、ドイツ6.5億ドル、英国4.9億ドル、オランダ4.8億ドルである。
  18. 一定期間内に実体経済(非金融企業と世帯)が金融システムから得た人民元貸出であり、銀行からノンバンクへの資金移し替えは含まない。
  19. 主な収入の内訳は、国内増値税1兆9601億元、前年同期比10.7%増、国内消費税5199億元、29.3%増、企業所得税9888億元、15.8%増、個人所得税3239億元、-29.7%、輸入貨物増値税・消費税4458億元、2.9%増、関税694億元、-6.8%である。輸出に係る増値税・消費税の還付は5062億元であり、32%増である。都市維持建設税は1444億元、4.8%増、車両購入税は945億元、-3.1%、印紙税は732億元、-4.8%(うち証券取引印紙税は397億元、-4.2%)、資源税は494億元、21.8%増、環境保護税は58億元増である。地方税では、契約税1514億元、前年同期比6.8%増、土地増値税1667億元、14.7%増、不動産税643億元、1.6%増、耕地占用税388億元、4.9%増、都市土地使用税541億元、-9.9%であった。
  20. 主な支出は、教育8522億元、前年同期比14%増、科学技術1763億元、26.5%増、文化・観光・スポーツ・メディア716億元、6.9%増、社会保障・雇用9903億元、7.6%増、衛生・健康4750億元、9%増、省エネ・環境保護1310億元、30.6%、都市・農村コミュニティ6247億元、22.8%増、農林・水産4180億元、14.6%増、交通・運輸3820億元、47.4%増、債務利払い1497億元、8.5%増である。
  21. 2018年は1361万人である。
  22. 2018年は実質5.6%増。
  23. 2018年は実質6.6%増。
  24. 2018年は2.69:1である。
  25. 2018年は実質6.5%増である。
  26. 2018年1-9月期は4.3%増。
  27. 2018年は-3.1%。