党中央政治局会議

中国経済レポート

新領域研究センター 田中 修

2019年4月22日


はじめに

習近平総書記は4月19日、党中央政治局会議を開催し、当面の経済情勢を分析・検討し、当面の経済政策を手配した。本稿では、その概要を紹介する(新華社北京電2019年4月19日)。  

今年に入り、複雑・峻厳な情勢に対して、各地方・各部門は、習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想を真剣に貫徹し、党中央の手配に基づき、新発展理念を貫徹し、質の高い発展を断固として推進し、サプライサイド構造改革の深化に力を入れ、3大堅塁攻略戦を引き続きしっかり戦った。積極的財政政策と穏健な金融政策を引き続き実施し、適時・適度にマクロ政策のカウンターシクリカルな調節を実施した。主要なマクロ経済指標は合理的区間を維持し、市場のコンフィデンスは顕著に向上し、新旧動力エネルギーの転換が急速に実施され、改革・開放が引き続き力強く推進され、1-3月期の経済運営は総体として平穏であり、予想より好く、スタートは良好である。  

成績を十分肯定すると同時に、経済運営には依然として少なからぬ困難・問題が存在し、外部経済環境は総体として緊迫を増しており、国内経済には下振れ圧力が存在しており、その中には周期的要因もあるが、より多いのは構造的・体制的な要因であることをはっきり見て取らねばならない。一定の力を維持し、忍耐力を増強し、大胆に堅塁攻略・困難克服に取り組まなければならない。  

年間の経済政策をしっかり行うには、中央経済工作会議精神を貫徹実施することをしっかり軸として、安定の中で前進を求め、主線1を際立たせ、最低ラインをしっかり守り、程度をしっかり把握しなければならない。「マクロ政策により安定させ、ミクロ政策により活性化させ、社会政策により底固めをしなければならない」という総体的な思考を堅持し、国内・国際の2つの大局を統一的に企画し、安定成長・改革促進・構造調整・民生優遇・リスク防止・安定維持のための各政策をしっかり行わなければならない。  

改革・開放と構造調整の新たな進展を通じて、経済社会の大局的安定を強固にしなければならない。「強固・増強・向上・円滑」の8字方針2の実施措置を細分化し、サプライサイド構造改革の方法により需要を安定させることを重視し、構造的リレバレッジを堅持し、質の高い発展を推進する中でリスクを防止・解消し、3大堅塁攻略戦を断固としてしっかり戦わねばならない。  

マクロ政策は、質の高い発展の推進に立脚しなければならず、質の向上をより重視し、市場活力を奮い立たせることをより重視して、積極的財政政策は力を加え効果を高め、穏健な金融政策は緩和と引締めを適度にしなければならない。

  1. 製造業の質の高い発展を推進することを安定成長の重要な名目とし、伝統産業の転換・グレードアップを加速するよう誘導し、新興産業を強大にしなければならない。
  2. 民営経済と中小企業の発展を有効に支援し、金融のサプライサイド構造改革を加速し、資金調達難・資金調達コスト高の問題の解決に力を入れ、優位性のある民営企業の転換・グレードアップの加速を誘導しなければならない。
  3. 「住宅は住むためのものであり、投機のためのものではない」という位置づけを堅持し、一都市一政策、都市に応じた施策、都市政府の主体的責任という、長期に有効なコントロールメカニズムをしっかり実施しなければならない。
  4.  カギとなる制度の刷新により資本市場の健全な発展を促進し、科学技術ベンチャーボードは、情報公開を核心とした証券発行登録制度を真に実施しなければならない。
  5. ハイレベルの対外開放により深層レベルの改革を促進し、外資の市場参入を拡大し、国民待遇を実施しなければならない。
  6. 重点層の雇用対策をしっかり実施し、職業技能訓練を強化しなければならない。
  7. 最近、安全生産問題が際立っており、1つの案件から多くの問題を類推し、有効に防止し、精確に対策を打たなければならない。
  1. サプライサイド構造改革を指す。
  2. 「過剰生産能力削減、過剰在庫削減、リレバレッジ、コスト引下げ、脆弱部分の補強」の成果を強固にし、ミクロ主体の活力を増強し、産業チェーンの水準を向上させ、国民経済の循環を円滑にする。