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研究者のご紹介

経済諸会議の動向(3)

中国経済レポート

 

新領域研究センター 田中 修

2019年2月15日


はじめに

中央経済工作会議以降、各経済官庁が全国工作会議を開催している。本稿では、2018年12月27-28日に開催された全国財政工作会議の概要を紹介する。

1.2018年の回顧
(1)力を集中し効力を増して、積極的財政政策を実施した

減税・費用引下げ実施に力を入れ、かなり高い支出の強度を維持し、経済運営の合理的区間維持を促進した。

(2)政策支援・資金保障を強化した

地方政府債務リスクの防止・コントロールを強化し、脱貧困堅塁攻略の支援に力を入れ、汚染対策を強化し、3大堅塁攻略戦推進で顕著な成果を得た。

(3)サプライサイド構造改革深化を支援した

科学技術イノベーションの建設を推進し、製造業の転換・グレードアップを支援し、起業・イノベーションの活力を奮い立たせ、「過剰生産能力の削減、過剰住宅在庫の削減、脱レバレッジ、企業コストの引下げ、脆弱部分の補強」の重点任務を実施し、都市・農村と地域の協調発展を推進し、経済発展の質の向上を促進した。

(4)より積極的な就業政策を実施し、教育改革の発展を推進し、社会保障制度の体系を整備し、社会民生の持続的改善を推進した
(5)法に基づく資金運用管理を深く実施した
基礎政策の管理を強化し、内部コントロールを強化し、専門職員に地元・近場で優位性を十分発揮させ、財政管理水準を引き続き高めた。
(6)互恵・ウインウインの開放戦略を実践した
関税総水準を自主的に引き下げ、ビジネス環境改善を推進し、国際財経協力を深く推進し、発展の内外連動性を増強した。
2.2019年の財政政策の基本方針

安定の中で前進を求めるという政策の総基調を堅持し、新発展理念を堅持し、質の高い発展の推進を堅持し、サプライサイド構造改革を主線とすることを堅持し、市場化改革の深化・ハイレベルの開放拡大を堅持し、現代化した経済システムの建設を加速し、3大堅塁攻略戦を引き続きしっかり戦い、ミクロ主体の活力を奮い立たせることに力を入れ、マクロ・コントロールを刷新・整備する。  

積極的な財政政策は力を増し効果を高めなければならず、より大規模な減税・費用引下げを実施する。  

財政支出の構造を最適化し、日々節約の思想を樹立し、一般的支出を厳格に圧縮し、重点分野の支援を強化し、資金の配分効率を高め、企業の負担を有効に引き下げる。  

現代財政制度の確立を加速し、権限が明確で、財政力が協調し、地域のバランスがとれた、中央と地方の財政関係を確立する。  

予算の業績効果管理を全面的に実施し、全方位・全プロセス・100%カバーの予算業績効果管理システムの完成を加速する。  

地方政府の債務管理を強化し、地方政府特別債券の規模をかなり大幅に増やし、地方政府の債務リスクを積極的に防止・解消し、経済の持続的・健全な発展と社会の大局の安定を促進し、小康社会の全面的実現の手仕舞のために決定的な基礎を打ち立て、卓越した成績をもって中華人民共和国成立70周年を慶祝する。

3.2019年の重点政策
(1)3大堅塁攻略戦をしっかり戦うことを引き続き支援する

地方政府特別債券を大幅に増やし、地方政府の隠れた債務を厳格にコントロールし、財政・金融リスクを有効に防止・解消する。  

財政投入の保障を強化し、貧困県の農業関連資金の整理合理化テストを深く推進し、貧困支援資金の動態モニタリング・コントロールのメカニズム建設を加速し、精確な貧困支援・脱貧困を支援する。  

青空防衛戦等の7大シンボル戦役に焦点を絞り、投入の程度を増やし、汚染対策の堅塁攻略戦をしっかり戦うことを支援する。

(2)経済の転換・グレードアップを推進する
際立った不足・脆弱部分に焦点を絞り、製造業、民営経済と中小企業等の発展支援に力を入れ、市場主体の活力を増強し、経済のイノベーション力・競争力を高める。
(3)内需の潜在力を一層発揮させる
国内市場の育成・発展に立脚し、消費促進・投資拡大に力を入れ、経済成長に対する内需の支えの役割を好く発揮させる。
(4)地域の協調発展を促進する
国家重大地域戦略を統一的に企画してしっかり実施し、各地域の比較優位性を発揮させ、地域の互助と利益シェアリングの健全なメカニズムを整備し、地域間の基本公共サービスの均等化水準を一層高め、地域発展格差を縮小し、地域の協調発展のよりハイレベル・より質の高い歩みを促進する。
(5)農村振興戦略を貫徹実施する
農業・農村現代化の総目標を軸に、農村振興戦略実施を財政支援する政策体系と体制メカニズムの構築に力を入れ、農業の質の高い発展を支援し、農村建設を大いに支援し、農業・農村改革を深化させ、「三農」が持続的に良好に向かう形勢を強固に発展させる。
(6)民生の保障・改善を強化する
経済発展と民生改善の協調を堅持し、就業・起業を積極的に促進し、公平で質の優れた教育の発展を支援し、社会保障の水準を高め、民生の最低ライン保障への責任を強化し、文化事業の発展を促進し、人民大衆がより獲得感を得るようにする。
(7)財政・税制改革を深化させる
ミクロ主体の活力を奮い立たせ、地方の積極性を動員することに資するという要求に基づき、財政制度改革を加速し、健全な予算管理制度を整備し、税制を整備し、重点改革任務を一層際立たせる。
(8)地方財政の持続可能性を確保する
中央財政は、地方移転支出と県レベル財政力保障を引き続き強化し、地方を監督・指導し債務リスクを防止・解消させる。同時に、各地方は財政の持続可能性への責任を担い、常に財政持続可能性の弓を引き絞り、問題志向を堅持し、政策措置を強化し、財政運営の安定性とリスクの防止・コントロールの有効性を増強しなければならない。
(9)財政管理の機能を持続的に向上させる

予算の業績効果管理を全面的に実施し、予算執行管理の基礎を打ち固め、国有資産と会計管理を整備し、制度の建設・執行にしっかり取り組み、財政資金と国有資産を確実にうまく管理し、うまく用いる。

(10)国際財経協力を推進する
「一帯一路」の国際財経協力を強化し、マルチ・バイの財経協力を深く発展させ、国際財経等の分野のルール制定に積極的に参加し、これをリードして、国家利益を断固として擁護・増進する。

(参考)
劉昆財政部長は、2018年12月25日、「個人所得税特別付加控除について、各方面の意見を取り入れ、1. 子女教育方面:技工教育を子女教育控除の範囲に入れた。2. 継続教育方面:学歴継続教育控除の年限は4年を超えないものとした。3. 大病医療方面:納税者に発生した医薬費用支出を、本人あるいは配偶者から控除することを認めた。未成年子女の医薬費用支出はその父母の一方から控除でき、控除限度額は6万元から8万元に増やした。4. 住宅ローン利息方面:夫妻が結婚前にそれぞれ購入した住宅で発生した最初の住宅ローン利息の控除方法を明確化した。5. 家賃方面:家賃の控除基準を適切に引き上げた」とする。なお特別控除は、あと6. 老人扶養控除がある。  

また、19年1月には、一時性ボーナス、上場会社のストックオプション、保険販売人・証券ブローカー、個人の企業年金、解雇の際の一時補償、従業員に対する単位の低価格住宅販売等への、個人所得税優遇策も公表されている。