イベント・セミナー情報
連続専門講座(ジェトロ・アジ研 Twilight)
(1)アカデミック・コース:もういちど開発経済学
アジアやアフリカの開発途上国を旅することは、今ではそれほど苦労を要することではなくなりました。そんな旅をしたことのある皆さんは、大学で国際開発論や開発経済学を一度は学んだことでしょう。アジア経済研究所は1997年、初めて開発経済学の教科書を出版しました。それから約20年が経った現在、これらの国々は大きく変わりました。今では貧困層といえども多くの人々が携帯電話を使い、抗エイズ薬を手にすることができます。また、東アジア諸国の多くの人々は、外見では日本人と区別がつかないほど、生活水準が上がっています。そんな今日、開発経済学として何を語るべきか、それを考えて私たちは「もういちど」 開発経済学の教科書 を編集しました。今、何をどう開発すべきなのか。本講座において、この問いをもう一度我々自身に投げかけ、我々なりの答えを示したいと思います。
開催日時
5月13日~7月1日の毎週 (水曜) 19時00分~20時30分
会場
ジェトロ本部7階7G会議室
(東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル7階)
最寄り駅:東京メトロ 南北線六本木一丁目駅・銀座線溜池山王駅・日比谷線神谷町駅
プログラム
回 | 月/日 | 講師 | テーマ・講義概要 |
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第1回 | 5/13 |
山形 辰史 (国際交流・研修室長) |
はじめに 2ヵ月にわたる本講座の元となった、黒岩郁雄・高橋和志・山形辰史編 『テキストブック開発経済学(第3版)』 有斐閣、2015年、の編集の意図について説明します。 |
高橋 和志(開発研究センター ミクロ経済分析研究グループ) |
貧困と不平等 貧困と経済格差を解消するためにいかなる開発・制度が有効であるか探求することは開発経済学の目標の一つです。貧困・不平等をどのように捉えればいいのか、また、戦後、状況がどのように改善してきたのか概観します。 |
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第2回 | 5/20 | 山形 辰史 |
経済成長 経済成長は万人の願いです。ただし不平等度が悪化しない限りにおいて。しかし、経済成長は容易なことではありません。経済成長を起こす原動力は何なのでしょうか。そのカギは「知識」という投入財の性質が握っています。知識は、他の「モノ」と何が違っているのでしょうか。経済発展を導く長期経済成長の動因について考えましょう。 |
第3回 | 5/27 | 猪俣 哲史 (開発研究センター 上席主任調査研究員) |
産業連関 国際産業連関表の読み方、そしてそれを用いた国際生産ネットワークの分析などについて、平易に説明します。 |
第4回 | 6/3 | 山形 辰史 |
政府開発援助 政府開発援助はどのような原則に基づいて供与されてきたのでしょうか。民間部門が国際開発に進出する中、どのような役割が今後の政府開発援助に求められるのでしょうか。これらの問いに対する答えを探求します。 |
高橋 和志 |
貧困削減戦略 戦後の開発経済学の思想の変遷を簡単に展望した後、近年、急速に需要が高まってきた開発プロジェクトのインパクト評価の方法・取り組みについて解説します。 |
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第5回 | 6/10 | 田中 清泰 (新領域研究センター技術革新・成長グループ) |
直接投資 最初に、海外直接投資の経済学的説明を行います。それを踏まえて、途上国における海外直接投資と経済成長の関係について解説します。 |
第6回 | 6/17 | 湊 一樹 (地域研究センター南アジア研究グループ) |
制度と経済発展 近年、制度と経済発展の関連性に焦点を当てた議論が、再び注目を集めています。特に、植民地時代の制度が、その後の制度の形成を通して現在の経済状況にまで作用している可能性が数多くの研究で指摘されています。こうした研究の流れを紹介します。 |
塚田 和也 (開発研究センター ミクロ経済分析研究グループ) |
農村金融 貧しい人々にお金を貸し出すことにはいかなる困難が存在するのでしょうか。ビジネスとして成立する金融市場の働きによって貧困削減を実現することは可能なのでしょうか。マイクロファイナンス産業の取り組みとその成果を踏まえた経済学の議論をご紹介します。 |
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第7回 | 6/24 | 小島 道一 (新領域研究センター 上席主任調査研究員) |
途上国における開発と環境 開発と環境は、ともするとトレードオフの関係と見られがちですが、持続可能な開発は、ポストMGDsでも重要な柱となっています。グローバル化が進む中で、途上国の開発と環境のあり方をについて解説します。 |
第8回 | 7/1 | 森 壮也 (開発研究センター主任調査研究員) |
障害と開発 開発途上国の貧困層の3割は障害者と言われ、彼らの問題の解決なくしては世界の貧困問題の解決はありません。開発課題として障害の問題に取り組むために必要な観点を、実態にも触れながらアマルティア・センのケイパビリティの枠組みや生計の問題を中心に論じます。 |
使用言語
日本語
受講料
- 一般:10,000円/人(1コース、全8回あたり)
※アジア経済研究所賛助会正会員、ジェトロ・メンバーズ、農林水産情報研究会会員:1口につき、それぞれのコース先着2名まで無料、3人目からは10,000円/人。
※3人以上のお申し込みがあった場合は、その旨当方よりご連絡し、受講希望の有無を確認いたします。 - アジ研賛助会個人利用会員:5,000円/人(全8回)
- 学生:5,000円/人(1コース、全8回あたり)
※学生料金を希望の場合、必ず申込時に学生証のコピーの送付をお願いします。送付がない場合、一般料金となります。
※東日本大震災による被災中小企業・中小企業団体様には料金割引いたします。
詳細は、 http://www.jetro.go.jp/support_services/shinsai/ をご覧ください。 - お申し込み方法は、こちらのページをご覧ください。
主催
ジェトロ・アジア経済研究所、ジェトロ海外調査部
定員
30名 (1コースあたり)
お申し込み締切
2015年4月30日(木)17:00 (ただし、定員に達した場合、事前に締め切らせていただきます。)
お問い合わせ先
ジェトロ・アジア経済研究所 研究支援部成果普及課
Tel: 043-299-9536 Fax:043-299-9722
E-mail:seminar