ラオスにおける国民国家建設 —理想と現実—
本書では、1986年の「チンタナカーン・マイ」(新思考)を再検討したうえで、社会主義の「理想」と国民国家建設の「現実」との間で試行錯誤する現在のラオスの姿を描いている。
■ ラオスにおける国民国家建設 —理想と現実—
■ 山田 紀彦 編
■ 4,950円(本体価格 4,500円)
■ A5判
■ 354pp
■ 2011年
■ ISBN978-4-258-04595-2
CONTENTS
はじめに
第1節 先行研究の整理
第2節 「ラオス」からラオス人民民主共和国へ
第3節 戦後復興と国家建設の土台作り
第4節 「チンタナカーン・マイ」(新思考)の再検討
第5節 新たな国家目標と社会主義の呪縛
おわりに
第2章 ラオス人民革命党支配の確立—地方管理体制の構築過程から— / 山田 紀彦
はじめに
第1節 建国時の制約と建国直後の党支配体制
第2節 党中央による地方管理体制の構築過程
第3節 基層レベルにおける党管理体制の強化
おわりに
第3章 党政関係の実態—経済・社会開発計画作成過程の事例から— / 山田 紀彦
はじめに
第1節 党・政府文書からみた経済・社会開発計画作成過程
第2節 経済・社会開発計画に関する通達過程
第3節 経済・社会開発計画作成過程
おわりに
はじめに
第1節 社会主義国家建設の時代—社会主義的な新しい人間—
第2節 1994年の新カリキュラム—善良な公民—
第3節 「善良な公民」と国民国家建設—教科書の分析から—
おわりに
第5章 国家財政と国有企業—国有化,民営化,そして商業化— / ケオラ・スックニラン
はじめに
第1節 国家建設,国家財政における国有企業
第2節 ラオス人民民主共和国以前の財政の歴史
第3節 ラオスの国家財政における国有企業の役割
第4節 ラオスの財政は健全化するか
おわりに
第6章 対外債務と債務持続可能性 / 鈴木 基義
はじめに
第1節 旧ソ連の対ラオス援助—1975~1991年—
第2節 国際機関・西側諸国の台頭—1993/04~2008/09年度—
第3節 ラオスの対外債務と債務持続可能性—旧ソ連援助消滅以降—
第4節 債務プロジェクトの社会・経済的貢献
おわりに
第7章 移行過程における教育需要と供給政策の変化
—労働市場からみた教育の収益率の分析を中心に— / オンパンダラ・パンパキット
はじめに
第1節 労働市場の形成とその後の変化
第2節 教育の収益率の推定
第3節 教育の供給
おわりに
はじめに
第1節 近年の中国投資の増加と資源利用競合の発生
第2節 土地利用の変容
おわりに