パキスタンにおける政治と権力 : 統治エリートについての考察
■ パキスタンにおける政治と権力 : 統治エリートについての考察
■ 山中 一郎 編
■ A5判
■ 346pp
■ 1992年1月
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CONTENTS
序文 / 山中 一郎
第1章 総論 -パキスタンの主要政治エリート / 山中 一郎
第1節 パキスタンの政治過程と政治エリートの変遷
1.分離独立時の指導者層
2.総督制と官僚の台頭
3.軍の対等とアユーブ政権下の軍・官僚体制
4.Z.A.ブットー「文民政権」と強権政治
5.ズィヤー軍事政権以降のパキスタン
6.パキスタン政治の民主化への展望
第2節 大土地所有者層
1.土地所有者と社会的威信
2.土地所有制度の改革と限界
3.農業経営の”企業家”と大土地所有者の経済力の拡大
第3節 軍
1.パキスタン国軍の形成
2.軍の政治への介入
3.アユーブ・ハーン政権期の強権統治
4.政治エリートしての軍
第4節 官僚
1.CSP(パキスタン高等文官職)の形成
2.官僚統制の時代
3.アユーブ政権期の軍・官僚支配とブットー政権期の「改革」
4.ズィヤー政権以降の官僚の地位
第5節 宗教勢力
1.パキスタン社会とウラマー
2.ウラマーの宗派別系統
3.宗教政党
4.歴代政権と宗教勢力
5.イスラーム化政策と宗教勢力の社会的影響
第6節 産業資本家層
1.産業資本家層の誕生
2.軍・官・産業資本連帯の時代
3.Z.A.ブットーの社会主義化政策と産業資本
4.ズィヤー政権以降における産業資本の動向
はじめに
第1節 農業経営の特色と大地主・富農層
1.パキスタン農業の概況
2.1980年農業センサスに見る農地保有・農業経営の実態
3.農村の権力構造とパキスタン政治
第2節 農業政策の変遷
1.土地政策・直接税政策
2.価格・補助金政策
3.1980年代農業部門構造調整政策
第3節 価格・補助金政策変更の農村への影響
1.政策変更時期の含意
2.農家経営の変化
3.非農家層への影響
結び
第3章 パキスタンにおける政治と軍 / 深町 宏樹
はじめに
第1節 軍部の意思決定の主要因
1.国防のための「専門職気質」
2.アメリカの影響
3.諸民族の葛藤
4.その他の要因
第2節 軍政史
1.戦闘的民族論
2.建国初期の政治的混乱と軍
3.アユーブ政権期
4.ヤヒヤー政権期
5.ブットー政権期
6.ズィヤー政権期
はじめに
第1節 パキスタンの連邦制度の民族問題
1.西パキスタン州の解体と4州体制
2.1973年憲法の連邦制度
3.連邦・州関係の緊張と憲法の停止
4.ズィヤー・ウル・ハック政権下での民族関係
5.民族関係の新しい特徴
第2節 パキスタンの官僚制度と民族構成
1.「サーバント支配」(ナルカルシャーヒー)
2.1973年改革とパキスタン高等文官職の解体
3.連邦官僚の社気的背景
第3節 パキスタン財政の中央集権的性格
1.国家財政における連邦と州の比重
2.連邦から州への財政移転
3.財政移転の規模と州間の配分
4.州別財政支出構造の比較
5.パキスタンにおける財政移転の特徴
結び -新全国財政委員会の勧告と連邦・州財政関係
第5章 政治エリートとしての宗教勢力 / 加賀谷 寛
はじめに
第1節 宗教社会的エリートとしてのウラマー
1.ウラマー間の学派対抗関係
2.学派系統別の勢力
3.神学院生の実態
4.神学院のウラマーの役割
第2節 政治エリートとしてのウラマー
1.ウラマー系
2.非ウラマー系
結語
第6章 産業資本家層 -歴代政権との対応を中心として- / 山中 一郎
はじめに
第1節 ムスリム資本の出自
1.分離・独立(1947年8月)の帰結
2.ムスリム資本と帰属コミュニティー
第2節 産業資本家層と歴代政権の対応
1.分離独立直後の官僚統制期
2.アユーブ政権と産業資本
3.経済開発の地域的跛行性
4.Z.A.ブットー政権期における社会主義政策と産業資本
5.ズィヤー・ウル・ハック軍事政権期
6.ベーナズィール・ブットー政権期と産業資本
7.ナワーズ・シャリーフ政権の誕生と新興ビジネス・グループ
結びにかえて