長田 紀之
研究歴
学生時代からミャンマー(ビルマ)の歴史研究に取り組んできました。おもな研究分野は、20世紀前半のイギリス植民地時代における政治史と、当時の首都ヤンゴン(ラングーン)の都市社会史です。この分野での博士論文をもとにした単著『胎動する国境――英領ビルマの移民問題と都市統治』(山川出版社)を2016年に出版しました。アジア経済研究所に所属してからは、従来からの歴史研究に加えて、同時代のミャンマーの動向分析にも携わっています。毎年刊行される『アジア動向年報』の編集とミャンマーの章の執筆を担当しながら、随時、ミャンマー情勢に関する情報発信を行ってきました。
現在取り組んでいるテーマ
歴史研究としては、以下のテーマで研究を進めています。①植民地都市の脱植民地化。従来の植民地期ヤンゴン都市社会史研究の延長線上に位置づけられるプロジェクトです。20世紀半ばの戦争と独立をはさんで、長期の脱植民地化の過程で都市社会にどのような変化が生じたのかを調べています。②水をめぐる環境史。河川、雨、灌漑、上下水道などといった水に関わる事象に着目してミャンマーやヤンゴンの歴史を書けないか、方法を模索しています。現状分析では、2021年2月のクーデター以降のミャンマー情勢を追いかけつつ、中長期的な視野のなかに現状を位置づけて理解するように心がけています。
関連するリンク
・ ACADEMIA