Swaziland Electricity Company(SEC) スワジランド電気会社
アフリカ成長企業ファイルは2008年度~2009年度に実施した調査事業の成果です。
会社概要と沿革
SECは2007年のスワジランド電力会社法によって2007年に設立された。この立法措置によって以前のSwaziland Electricity Board (SEB) は、発電・送信・配電・電力供給を使命とするSwaziland Electricity Company (SEC) に改変された。以前SEBに与えられていた規制権限は、現在は独立した別個の組織であるEnergy Regulatory Authorityに委ねられた。SEB時代とは違ってスワジランド電気会社 (SEC) は、市場競争に基づく商業ベースで経営されている。SECは、他の電力供給者と同様、Energy Regulatory Authorityの許可と規制を受けている。
農村地域の電化を支援するため、中華民国からの補助金により政府はこれまで4,500万E (スワジランド・エマランゲニ) をSECに投入してきた。政府の目的は、SECに、農村地域の人々の接続費用が削減できる配電線を建設させることであった。配電線は、学校、病院およびその他戦略的政府施設に通じるよう建設される。
国内の所在地
Mhlambanyatsi road, Eluvatsini house, Mbabane;
Telephone: +268 409 4000
Facsimile: +268 404 2335
製品・サービス
SECは発電・送信・送電・配電・電力供給、および電力輸出入。
従業員数
776人
財務情報
2007 | 2006 | 2005 | 2004 | |
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損益計算書 | ||||
エネルギー売上(GWh) | 943.5 | 855.8 | 855.9 | 852.8 |
平均小売価格(セント) | 47.4 | 46.3 | 44.9 | 42.0 |
総売上高(E000) |
447,592 | 394,206 | 384,021 | 358,048 |
雑所得 | 4,253 | 2,476 | 3,900 | 6,378 |
451,845 | 396,982 | 387,921 | 364,426 |
13)設備容量: | ||||
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エズウィニ水力発電所(MW) | 20 | 20 | 20 | 20 |
Edwaleni水力発電所(MW) | 15 | 15 | 15 | 15 |
Edwaleniディーゼル発電(MW) | 9.5 | 9.5 | 9.5 | 9.5 |
Maguduza水力発電所(MW) | 5.6 | 5.6 | 5.6 | 5.6 |
ムババネ水力発電所(MW) | 0.5 | 0.5 | 0.5 | 0.5 |
14)送電線 | ||||
132kV(km) | 329 | 329 | 329 | 329 |
66kV(km)(Maguga) | 828 | 828 | 828 | 828 |
15)配電線: | ||||
・農村配線を除く11kV(km) | 6766 | 6188 | 5018 | 4847 |
市場シェア
SECは現在、国内電力網を通じた電力の輸入・配電・供給の独占体である。
事業目的
「国内および南部アフリカ地域においてエネルギー部門開発の主要企業となり、十分かつ安全な電力供給を顧客のニーズに合う適切な品質で、かつ、環境にも配慮した形で行う。」
ビジネスモデル
国家開発戦略 (NDS) ユニットは全体計画を作成する部門で、NDSの実行を管理する。NDSは国家ビジョン (National Vision) の達成を目的とする全プログラムを強化するものである。同部の活動は政策、戦略計画、投資計画、予算を一体化することである。天然資源エネルギー省は政策策定全般を管轄し、それは国家エネルギー政策2002 (National Energy Policy 2002) に結実している。天然資源エネルギー省は、持続可能な方法でのエネルギー投資および産業開発が国の貧困を撲滅し、農村電化に優先的に取り組む姿勢を明らかにしている。
こうした背景のもとでSECは企業戦略を作成した。業績目標は、組織の変革にとって重要なアクションプランに特に焦点がおかれている。その他に重視されたのは、システム強化、電力供給信頼性の改善、サービス供給についての顧客教育、顧客サービス、運営費最適化、石炭火力所の建設可能性調査である。
株主・所有権益
スワジランドの公的なエネルギー政策・計画は、天然資源エネルギー省を通じて政府だけが統制管理する。
エネルギー統制機関はEnergy Regulatory Authority Act of 2007により設立された。それがEnergy Regulatory Authorityであり、告訴・被告訴主体としての独立した法人格をもつ。
政府との関係・社会貢献
2007年3月1日、1963年施行の電力法が廃止され、新電力法および電力会社法が発布された。新電力法はスワジランドにおける発電・送電・配電・電力供給を規制する。この国で電力業務を行おうとする者はエネルギー規制局の許可を受ける必要がある。認可が必要な電力事業は、発電・送電・配電・電力輸入・電力輸出・電力供給・電力システムの運用・オフグリッドやミニグリッドでの電力供給である。2007年電力法の制定によって電力事業者の参入が期待されたが、実際は増加しなかった。
製品開発
配電部門は、電力の継続的な供給を確立するため広範囲の保守計画に着手した。保守活動は、送電路にある樹木の除去、腐食電柱やディスクの交換などである。配電ネットワークを強化するため、新しい11kVフィーダーが多数建設された。Lobamba変電所からのネットワークに3フィーダー、Mankayane変電所からネットワークにも3フィーダーが設置された。この活動の目的は、都市部およびその周辺地域に供給する回線と農村部の長い回線を分けることであった。農村部のいくつかの回線は区分装置を備えており、欠陥回線に対する区別をさらに強化する。これによって残りの顧客に対してもサービス継続性を強固にした。
回線容量のアップグレードがMbuluzi、Mhlume、Khuphuka、Mpolonjeni、Kashoba、Ngogola、Dwaleni、Sigangeni、Nhlangano、その他地方で実施された。アップグレードが必要になったのは、SECの農村電化プロジェクトや、その他の政府資金による農村電化プロジェクトが実施された結果、電力使用が増加したからである。
Manzini Central Business District (CBD) では地下ケーブル・プロジェクトが進行中で、完成すると供給容量および信頼性が改善する。地下ケーブル化はムババネでは完成しており、これによって、適切な料金とより信頼性の高いしシステムでのサービス提供の改善が達成され、市内の架空電線がなくなったことで都市景観も改善された。