世界経済危機と東アジア経済の再構築

2009年12月1日(火曜)
グランドプリンスホテル赤坂  五色2階 五色の間
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主催:ジェトロ・アジア経済研究所、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)
後援:ASEAN事務局、経済産業省、読売新聞東京本社

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総括

西村英俊(ERIA事務総長)

本日は鳩山総理大臣から東アジア共同体構想に向けた力強い決意を伺い、深く感銘を受けた。ERIAの取り組みは、まさに東アジア共同体構想の中に位置づけられるものである。ASEANのスリン事務総長からも、東アジア共同体へのご賛同が示され、その中でERIAが果たすべき役割の大きさをお話しいただいた。

シンポジウムの議論では、米国に依存してきたアジア経済の構造について、「グローバル・インバランスは容易に解消されず、思い切った政策が必要」という認識のもと、「域内市場を拡大するとともに各国が国内市場をオープンにし、輸出と輸入のバランスがとれた成長を図るべき」「その際、国内企業が一層大きな役割を果たすべき」との見方が示された。また、国際間の経済格差問題も取り上げられた。これらは、東アジア共同体に向けた議論のキックオフとして有意義だった。

ERIAは、東アジア16ヵ国の研究機関の協力を得るとともに、本日のように研究者、経済界、政策担当者と対話しながら、東アジア経済統合に向けた政策提言を行っている。皆様のおかげでERIAの位置づけは着実に高まり、2009年10月のASEANサミットと東アジアサミットでは、議長声明でERIAへの期待が表明されるとともに、鳩山総理大臣、タイのアピシット首相、中国の温家宝首相、カンボジアのフン・セン首相からERIAについてのご発言を、インドのシン首相からは、ERIAに対して10年間で100万米ドルを拠出するとの声明をいただいた。また11月のAPEC閣僚会議では、オーストラリアのクリーン貿易大臣より100万豪ドルの拠出を表明いただいた。

10月のERIA理事会声明では「長期的なゴールとしての東アジア共同体の実現という共通の決意を改めて表明する」「ERIAが域内の知的センターとして、ASEANを支援する形で、東アジア共同体の形成に貢献することを期待する」とされた。今後とも、具体的な政策提言を通じて東アジア共同体の実現に向けて貢献していくので、一層のご指導、お力添えをいただきたい。

配布資料 |  写真

西村英俊(ERIA事務総長)

西村英俊(ERIA事務総長)

閉会挨拶

林 康夫(ジェトロ理事長)

鳩山首相から、シンポジウムの冒頭、ERIAとこのシンポジウムの意義に関するご挨拶を賜り、心から御礼申し上げたい。そして、本日、ご参加くださった皆様、示唆に富むご意見をいただいたスピーカーとパネリストの皆様にも心から御礼申し上げる。

日本経済はアジアとともにあると言っても過言ではない。本日のディスカッションでは、この地域の発展に世界が注目していることがうかがえた。

アジアが持続的に発展するには、依然として課題が多いことも共通の認識である。人・モノ・資本・技術の流れを自由に円滑にするための制度やインフラの整備、貧困の克服、域内の経済格差の是正やイノベーションの強化などの課題を、地域全体で解決していく必要があるというご指摘もいただいた。日本はこれらの課題に取り組み、開かれた地域統合をリードし、そして日本企業の活動を通じ、東アジアの経済発展に貢献することが期待されている。

ジェトロは、東アジアの経済統合を推進するERIAの活動に対し、アジア経済研究所を中心に今後とも協力していく所存である。

最後に皆様の更なるご発展、ご健勝をお祈りし、御礼の挨拶とさせていただく。

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林 康夫(ジェトロ理事長)

林 康夫(ジェトロ理事長)

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