出版物・レポート
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新刊
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「初期」資源環境政策の形成過程――「後発の公共政策」としての始動――
2021年3月発行 / ISBN978-4-258-04648-5
「後発の公共政策」である資源・環境政策は、経済開発政策など他の多くの公共政策がすでに存在する制約された条件下で形成されてきた。そのため「初期」に受けた影響が政策形成過程の全体の方向性を決定づける経路依存性が強いと考えられる。中国、台湾、東南アジア諸国、日本とアメリカ合衆国の事例を取り上げ、国内の政策過程と各国の国際的な取り組みの相互作用も考慮しながら、政策形成過程の歷史的考察を現状分析に繋げることを試みた。

寺尾忠能 編

新興国の「新しい労働運動」――南アフリカ、ブラジル、インド、中国――
2021年3月発行 / ISBN978-4-258-04647-8
急速に工業化が進んでいく1970年代以降のいくつかの新興国では、賃金や労働条件の改善だけでなく、経済発展のあり方を問う、また非民主主義的な体制や慣行の打破をめざした闘争的な労働運動が労働組合によって展開された。目的達成の過程で労働組合は、他の社会グループやコミュニティ組織との地域社会での協働にも取り組んでいる。本書では南アフリカ、ブラジル、インド、中国という新興4か国で1970年代~1980年代に台頭した、こうした動きをはじめとする「新しい労働運動」の史的展開と現状を分析する。

太田仁志 編

サハラ以南アフリカの国家と政治のなかのイスラーム――歴史と現在――
2021年3月発行 / ISBN978-4-258-04646-1
イスラームととりわけ深い歴史的関わりを持つアフリカ西部、アフリカ東部、南アフリカに注目し、イスラームが国家と政治とにどのように関わってきたかを植民地化以降の時間的パースペクティブのなかで考察する。

佐藤章 編

次世代の食料供給の担い手――ラテンアメリカの農業経営体――
2021年3月発行 / ISBN978-4-258-04645-4
21世紀に入って新興国が成長し、基礎食料に加えて肉類や青果物の消費が増加している。今後、どのような農業経営体がこれらを供給する担い手となりうるのか。本書は、国際市場への食料供給を増やしているラテンアメリカの農業経営体に注目する。メキシコ、チリ、ブラジル、アルゼンチンの経営体を分析し、その戦略、構造、経営管理手法の工夫を明らかにすることで、次世代の食料供給の担い手の姿を描いている。

清水達也 編

日韓経済関係の新たな展開
2021年3月発行 / ISBN978-4-258-04644-7
近年、日本と韓国のあいだの経済関係は活発であるとはいえない。その要因としては、両国の産業が従来の垂直分業の関係から競合へと変化していることがあげられる。他方で、日韓のあいだでは水平分業に向けた新たな動きもみえはじめている。本書は2000年代以降の日韓経済関係を、貿易と直接投資の展開や、IT産業、鉄鋼業、シルバー産業といった産業における競争と協力から跡づけるとともに、両国経済関係の再強化に向けた課題を明らかにする。

安倍誠 編

転換期のシンガポール――「リー・クアンユー・モデル」から「未来の都市国家」へ――
2021年1月発行 / ISBN978-4-258-04643-0
特異な権威主義・開発独裁体制によって、世界有数の豊かさを実現したシンガポールが、21世紀に入って直面した限界と、「転換期」となった2010年代の国家・社会モデルの変容を考察し、この都市国家が未来に向かう姿を提示する。

久末亮一 著