アフリカにおける中国—戦略的な概観 (China in Africa)

6. ビジネス諜報の獲得における中国政府機関の役割

アフリカにおける中国のビジネス参入は、国の情報機関が国家の経済的利益に奉仕するために果たしている役割抜きには語れない。国家の情報機関には依存せずビジネス戦略を決めている大方の欧米企業と違って、中国の主要企業は、適切な当局のチャンネルと、戦略運営の地位にある個人を通して、情報コミュニティと密接な関係を享受している。

中国が国家経済計画を策定するにあたっては、世界の競合相手の戦略、ビジネス計画、生産計画、マーケティング戦略、価格設定基準を明確に理解することが求められている。中国の企業が国家の経済開発戦略計画と共に活動しているとするなら、そういった情報は企業が国家の経済目標との整合性を保つために必要なものである。

結果として、中国がアフリカ諸国のエネルギーと資源獲得を進行していく背景には拡大し続ける情報活動があり、それは、この大陸内に中国の諜報要員のプレゼンスが増大しているのと合致している。この責務を主導するのは国家安全部(Guoanbu)、人民解放軍の軍事情報部(DMI)、さらには全権を有する商務部(MOFOCOM)であり、MOFCOMは事実上、経済ビジネス情報の収集と評価に当たる国家の司令塔である。下位部局はすべてこれら経済情報を処理する機関に属している。

外国の政府や企業を相手に行う交渉事は、すべてPRC情報諸機関による継続的な調査対象となる。体系化された経済情報の収集と中国国家機関に残る記録は、したがって、情報サービス機関によって直接、あるいは国家のすべての戦略機関を通じて強制的に、操縦され防護され保守管理されているのである。これらには最重要である石油、石炭、鉄鋼の部門が含まれる。

6.1. 国家安全部

国家安全保障省(MSS)は、国内外において唯一の、かつもっとも重要な戦略情報機関である。第2局、第8局経済室、第10科学技術局、そして、外国人ビジネスマンに対するスパイ活動や監視活動を徹底して行っている悪名高い技術部(Jishubu)を通じて、スパイ・カウンタースパイ・アナリスト・リサーチャー・工作員を用いて、産業情報分野で猛烈に活動している。

Guoanbu部長であり安全保障大臣、そしてスパイ長であるGeng Huishangは、経済・ビジネス・貿易の情報、ビジネス上の機密の保護、特許、さらには米国と欧州の政治・軍事事情のエキスパートである。

公安部はまた、中国の商業利益のターゲットとなりうる国々や、中国との契約で動く人材源に関して、戦略環境を決めている。意思決定者・戦術・メディアを精査し、また必要とあれば強力なヒューマンインテリジェンス(HUMINT)や暗号情報(SIGINT)の提供者を広く配置して、これを行うのである。

6.2. Mofcomの諜報の役割

商務部(MOFCOM)もまた重要な役割を演じており、世界の経済情報収集ユニットの最高峰に入ると自負している。ここは、外国の商業グループと政府との公式窓口なのだが、同時に、経済情報収集を担当する下部情報ユニットを配下にもっている。フランスのオンライン情報によれば、MOFCOMはMSSと緊密に連携しており、MSS要員にはMOFCOM内に特別のポストが用意されているという。

彼らの使命は、世界貿易機関(WTO)内で地歩を固める、知的財産権合意について交渉する、易戦略を企画する、新規テクノロジーを獲得する、海外の主要プレーヤーと合弁事業を形成するといったことであり、こうした活動によって中国の世界経済での躍進を支えることである[付属文書Ⅲを参照]。

重要なことは、ほかの国々と違って個人がさまざまな肩書きをもっていているため、国と私企業とのあいだに線引きすることが難しいということである。中国のビジネスリーダーは、国が株式を所有する企業のトップであるかもしれない。彼はMOFCOMに報告を提出するかも知れないし、MSSの一員であるかも知れないし、あまた存在する研究機関やシンクタンクのどれかに勤務するCCP高官であるかも知れない。

物事をさらに複雑にしているのは、MSSは、経済ミッションで海外に出張して国際会議や複雑な取引交渉に出席するには「とっておき」の地位を有していることである。中国の「ビジネス派遣団」はいつの場合もMSSやMOFCOMの諜報員で満ち満ちており、バックグラウンド情報を提供したり、交渉相手のポジションを把握したり、企業に関連アドバイスを与えたりしている。2003/2004年に中国の石油経営者たちがナイジェリアの石油会社と共同してサントメのオフショア石油部門の調査を検討していたときが、まさにこのケースであった。

これが、海外企業にとっては中国企業を相手にする場合の難しさである。とくに、相手がどの「帽子(肩書)」を身に着けているかということである。企業か、党幹部か、官庁か、あるいは諜報・情報機関の肩書なのか。MOFCOM代表との会談は、彼らがつねに中国の国家諜報機関と情報をやりとりしているという点において、同様の問題をはらんでいる。

MOFCOMは、Yi Xiaouzhun商務補佐官が監督しSun Yuanjiang部長がトップをつとめる国際貿易経済局などインハウスの情報サービスから情報を引き出し、また、ここ十年で作り上げたシンクタンクや研究所からも情報をえている。これらのなかには海外貿易研究院、北京国家経済研究院、上海経済研究院などがある。

MOFCOMの情報専門家はまた、MSSのカウンター情報部隊、とくにTian Gengrenが率いる第17部、2000年にChen Quansheigが創立した企業室と協同関係にある。

MOFCOMの経済、ビジネス、金融情報のなかには、中国共産党のUnited Front Work Department (UFWD)によって加工されるものがある。UFWDの第5局はHu Depingが設置したものだが、彼は胡耀邦元国家主席の息子で、中国民間経済研究協会の部長でもある。

アフリカ関係では、MOFCOMは中国企業に対して、アフリカの貿易投資機会に関する情報提供を増やしている。アフリカ各国の中国大使館の経済商務班もまた、中国企業に提供するための情報収集を行っている。Economic and Commercial Counselor’s Offices (ECCO)であるが、充実したウェブサイトをもち、中国が関与する現地プロジェクトのレポートを掲載し、また現地のイベントと緊密なコンタクトをとっている。

加えて、中国の情報機関と、関連の先進技術商業機関は「人脈」(guanxi、グアンシーと発音する)、社会関係とコネ(つまり官僚の認可を得るに必要なインサイダー知識、適材適所の人材発見、新しい機会の内部情報、等々)を通してしばしば繋がっている。こういった「人脈」ネットワークは近代中国情報活動の基本的構成部分であり、また「統一戦線」アプローチにも関連している。

これに関連する概念に「会館」(hui guan)がある。共通の田舎あるいは村を出自とするもののための交際場所である。中国の古いことわざがいうように「身は異国にあろうとも魂は母国にあり」(shen zai caoying xin zai han)である。これは中国の海外居住者が果たす役割を理解すれば腑に落ちる意味合いであって、彼らは情報収集、現地ネットワーク作り、感化活動にとっての蓄積場所となっている[下記参照]。

重要なのは、「統一戦線」アプローチがビジネス・個人・家族・党派のつながりによって強化され、しばしば公式の指令を伝達する鎖として働いているということである。欧米諸国とは違って中国の各組織は、インフォーマルなかたちで強く統合されている。

6.3. アフリカにおけるMSS

中国の諜報要員の増大を経験した国々には、アンゴラ(エネルギー部門への中国の参入をアシストし、サントメ・プリンシペへの裏ルートを開拓)、ギニアビサウ(ガンビアと台湾の関係を監視)、セネガル(2005年10月にセネガルが中国と国交を樹立するまで、ダカールでの台湾人の行動を監視)、ニジェール(ブルキナファソと台湾の関係、また新彊地区を脱出したウイグル人とつながっている可能性があるモスリム系ゲリラの動向を監視)、ナイジェリア(エネルギー資源と新規市場における中国の戦略的権益を確保)、スーダン(平和合意締結まではダルフールを含む国内の反政府運動の監視と作戦情報収集)、エジプトとアルジェリア(北アフリカにおける中国系モスリム[トルキスタン人やウイグル人]の動向監視)、南アフリカ(開発途上国地域における戦略拠点としての重要性)、モザンビーク(インド洋における戦略拠点、および、台湾が支援するスワジランドとの近接性)などが含まれる。

高密度のMSS人員投入が、中国の石油会社が権益をもたない地域へ新たな投資進出を仕掛ける際に繰返されるパターンである。アフリカにおいてMSS人員が高密度投入されているのは、エジプト、スーダン、ナイジェリア、アンゴラ、南アフリカである。ルワンダとナイジェリアにおけるMSS人員増加は、現地石油企業への北京の関与増大を支援するためだけではなく、台湾のアフリカにおける盟友、すなわち(2003年10月に外交関係を転換するまで)リベリア、ガンビア、ブルキナファソ、サントメ・プリンシペとの近接性のためでもあった。スーダンは、2006年までチャドが台湾と外交関係をもっていた当時は、中国がチャドに進出するための主要基地であった。

過去3年から4年でもっとも成功したMSS活動はセネガルとチャドにおけるもので、チャドでは中国石油会社の早期設立と、外交関係を台北から北京へと転換する道を開くのに重大な役割を果たした。

MSSおよび中国の外交官とチャド側との重要な打ち合わせは、台湾諜報機関に察知されるのを防ぐためしばしば国外で行われた。この点で、中国の国連政府代表部は非常に重要な役割を果たした。

6.3.1. 現地大使館の役割

アフリカにおける中国大使館の大半は、その内部にMSS部局を有しており、場合によっては大使または相当職がMSSの高官であるといわれる(たとえばギニアビサウとリベリア)。

一例をあげれば、プレトリアの中国大使館は南アフリカ経済に関する情報をきわめて精力的に収集しているが、地域の経済情報の主要調整チャンネルであるのはマプトの中国大使館である。彼らは南アフリカの経済機会に関する個別情報をあちこちに発注しており、南アフリカのビジネス指導者との面談を多数こなしている。

ハラレでは、MSS派遣団のメンバーは2005年後半、現地で安価な中国輸入品に対して蓄積された反中国感情の盛り上がりについてアセスメントを実施した。MSSは、中国の輸出に対する反感の上昇に対して考えられる以下の解決策をメモにまとめて提出した。

  • アフリカ諸国において中国製品販売からあがった利益のなかから一部を、現地の開発基金に還流することを約束する
  • アフリカ各国の労働組合、農民組合、商店主団体に対して職務訓練プログラムやセミナー等々への招待などの支援を提供し、それを継続する
  • 中国への好感度をあげるためビジネス/経済ジャーナリストたちのための特別なセミナーを開く
  • 「中国の侵略」にもっとも脅威を感じているアフリカの産業部門を開発するため、資金拠出を約束する

西アフリカもまた中国の情報活動にとって重要な地域となった。ナイジェリアの中国大使館ではここ2~3年、数回にわたって情報人員を追加補強した。彼らのミッションはサントメ・プリンシペ、当地域での米国の権益、ナイジェリアとガボンにおける台湾人工作員やビジネスマンの動向に関する調査である。

ギニアビサウとギニアの大使館に追加された諜報人員のミッションは、セネガルとガンビアの開発をモニターすることである。ギニアビサウの前中国大使で現モザンビーク大使のTian Guangfenは、フランス情報機関(DGSE)によってMSSの上級諜報員であると特定されている。

当地域の情報源によれば、中国は一時期リベリア国内だけでMSSエージェントのスペシャリストを30人も擁し、2005年10月の大統領選挙に備えてリベリア大統領候補者に働きかける可能性のある台湾からの資金援助も検知しようとしていた。

中国はまたコートジボワール情勢を詳しくモニターしており、さらには、アビジャンやマリなどの地域で中国の同盟関係を揺るがそうとしているようにみえるブルキナファソ政府の活動もモニターしている。

情報提供者は、通常は中国大使館に属しているが、同時に中国企業、とくにメディア機関にも見られる。俗にいう中華友愛社会と、大陸でつねに増え続ける平和維持軍である。この観点では新華社(Xinhua)が重要な役割を果たしており、ジャーナリストたちは中国の購読者が興味をもつ多数の話題を北京に伝えるチャンネルとして活動している。中国人海外居住者のコミュニティのなかの情報提供者もまた不可欠な役割を果たしており、大使館人員と緊密に連絡をとっている。

6.3.2. ビジネス情報の獲得

ビジネス情報は中国のエネルギー獲得プログラムを導くうえで不可欠の役割を果たしている。驚くことではないが、中国の情報サービスは主要中国企業と密接に繋がっている。これらにはBaosteel、CITIC、CNPC、中国への原材料船舶輸送に携わる人民解放軍系のhina Overseas Shipping Corporation (COSCO)、Huawei、ZTE、Merry Glory、Semitech、ZMC等々が含まれており、これらの会社を使って貴重な情報を収集している。国家科学技術団体(SSTC)を経由する場合もある。中国企業はまた、中国人エージェントを従業員に紛れ込ませてターゲット国に送り込むためのカモフラージュとしても利用される。企業は彼らに現地環境を理解するための口実と現地の権力者との接点も提供して、それらの国々で中国が外交攻勢をかける上で政治的体制を強化する役目を荷わせる。この意味でチャドは、2006年までは台湾との政治的関係があったにもかかわらず、チャドの反政府メンバーと中国が非公式の経済的政治的関係を結ぶためのチャンネルとして、中国の石油会社が活用された古典的ともいえる例である。

中国がエネルギーと天然資源部門における海外の競合企業に狙いをつけているということは、2005年にデビアス・ダイヤモンド社が中央アフリカ共和国で採掘作業をしている間、中国の情報官がその地域の別の海外企業のためにデビアスの情報を収集していたことから明らかになった。

同国でデビアスのために働いていた地質学者とマネージャーの履歴情報をバンギの中国大使館が照会していたことも、その調査の一環だった。同国内の情報源によると、この照会ラインはバンギの中国大使He Sijiまで上げられているという。この中国人情報官は中央アフリカ政府と鉱業会社とのあいだで調印された協定書も入手しようとした。

これは中国企業、MOFCOMと中国の国家情報機関とのあいだに存在する関係を、あらためて知らしめるものであった。

大使館内のMSS構成員によって行われていた私的な照会は、同社のマネージャー配下におかれた作業グループによって直接行われていた。

6.4. 中国人海外居住者コミュニティの役割

アフリカの中国人海外居住者コミュニティは、中国のアフリカ大陸との関わりにおいて欠かせない役割を果たしている。中国の情報サービスは外国における中国人移民を用いて情報を収集している。その国で確立した良好な現地関係を有する教授・専門家・学生・ビジネスマンたちである。

ただ、アフリカにどれくらいの中国人がいるのかは不明である。50万から100万という範囲の数である。2004年に南アフリカ外務省は、南アフリカ一国だけで25万人もの不法中国人移民がいると推定している。最近2~3年で多数の中国人ビジネスマンが合法的に南アフリカに入国し、ビジネスを開始した。ヨハネスブルグのブルマ湖地域における中国人のビジネスは、合法的に南アフリカに居住する多数の中国人ビジネスマンによって経営されているが、地方では、多数の不法中国人移民によるビジネスが行われている。

外務省はこの問題と、中国大使館が南アフリカの不法中国人移民について責任を取ることを拒否したことに不満を募らせてきた。中国大使館は、これらの個人はビジネスを行うため勝手に南アフリカに入国したものであって、中国政府の責任ではないという立場をとり続けている。中国大使館はまた、南アフリカ国内の中国人移民は新規ビジネスを立ち上げて「雇用を創出している」のであるから、好意的に考えるべきであるという議論もしている。南ア外務省は、創出された新規雇用はいずれも、中国人ビジネスマン自身とその家族、および南アフリカにいるその他中国人だけのためのものにすぎないと主張している。

中国人はアフリカのその他の国々にも多数移住している。アンゴラでは、中国人人口は首都ルアンダだけで約8万から10万と推定されている。モーリシャスの中国大使館は、この小さな島に3万人の中国人居住者がいると推定している。スーダン外務省の高官はハルツームだけで1万6千人以上の中国住民がいると推定しており、ポートスーダンにも中国人が集中しているという。ナイジェリアには大きな中国人居住者コミュニティがあり、現地の経済社会でさかんに活動している。

中国共産党(CCP)と中国人コミュニティの密接なリンクは、海外のそれぞれの国において大きな影響力をもつプラットフォームとなっている。それは以下に起因する。

  • 中国人が現地と同化したがらないこと
  • 中国に対する忠誠心と依存心
  • 残してきた家族の存在
  • 中国人市民社会にまで影響力が伸びている共産党の政治的コネクション
  • 彼らが海外でビジネス利益を追求することを許している中国政府に対する恩義の念
  • 国家に奉仕しようとしなかった場合、残してきた家族に向けられるかも知れない圧力や脅迫に対する恐怖

このようにして彼らは現地ビジネス状況に関する情報源となり、それらは中国政府にフィードバックされるのである。ある米国情報が説明するように、「中国人コミュニティがあるところには必ずCCPが浸透する」のである。

これらの組織にはつぎのものが含まれる:

  • 中国平和的統一協会(Wang Kebin)
  • 中国平和的統一評議会(Wang Chengyu)
  • 台湾海峡平和的統一協会(Liang Su Yung)ならびに
  • 全中国海外中国人連盟(Li Zupei)
  • アフリカ=アジア協会(後援Essop Pahad-南アフリカ大統領府の前大臣) 

この機能的な方法の原動力のひとつは「中国の平和的統一促進のための全アフリカ評議会」(AAPPRC)である。これは、当初は南アフリカに本部をおきハウテン州出身のDonald Wongが主宰していた。トランスバール中国人協会の前理事長で、中国の元副首相Qian Qichen(銭基深)に近いといわれた人物である。

「中国の平和的統一」戦略が最初に出現したのは、2004年1月19日にヨハネスブルグで開催されたAACPPRCの第7回全体会議であった。ヨハネスブルグ会議は二人の古参中国人重鎮によって主宰された。国営の中国人友好協会の副理事Li Zupei(前ガーナ大使)と、古参政治家のLiang Su-Yungである。

トランスバール中国人協会の会長(ハウテン州中国人協会の元会長)であるDonald Wongが準備や段取りを取り仕切り、会議では「たとえ中国語を話さなくなっても、中国人の心は祖国にある」と述べた。

南アフリカの中国大使Liu Guijin(現在はスーダンへの中国特使)がこの会合に出席しており、伝えられるところではMSS高官で平和的統一アフリカ協会の理事Wang Kebin、欧州局長のZhang Manxin、さらに台湾「シンパ派」問題を直接担当するグループを配下にもつとされるTang Shubeiも出席したという。

他に出席していた機関は、海外中国人事務局(国務院傘下)、「海外諸国と中国人民友好協会」、青年連合、台湾民主自治連盟、CCP台湾問題室(長い間Chen Yumin、Li BingcaiとTang Shubeiがトップをつとめていた)である。


6.4.1 ナイジェリア・コネクション

次は地域グループ化である。もっとも影響力が強いもののひとつが「中国の平和的統一促進のための西アフリカ評議会」(WACPPRC)である。2004年7月8日にラゴスで設立され、香港に本拠をおくビジネスマンCha Jiminが会長になった。ここは西アフリカのすべての国々の評議会を結集しているといわれる。7月8日のラゴス会議にはおよそ200の代表団が出席している。

会議についてCha Jiminは、WACPPRCの設立は「西アフリカの中国人と世界の他の地域とを繋ぎ、友好関係を強め、さらに経済・貿易・科学技術・文化の各領域で交流を広げるものである」と語った。

WACPPRC事務局次長であるWang Changyuは会議について語ったなかで、WACPPRCは「中国人民の統一と大統合を増進するうえで確実に重要な役割を果たし、台湾独立に反対する世界的運動を推進し、中国の平和的統一を促進するだろう」と述べた。

中国の多国籍企業の現地マネージャーたちは、こういった地域団体の「支部長」に任命された。電気機器会社のXeon(ナイジェリアでは重要)、ZTE、Huawei、銀行、一般貿易商社などである。

最後に国家と地方の評議会ならびに国と州に応じてこれら大きな上部構造の支部がある。アフリカ大陸でもっとも活発なのは、VN Chibunduが会長をつとめるナイジェリア=中国友好協会(NICAF)である。これらの友好協会は複数の役割をはたしている。

  • ターゲットとされた現地の政治家やビジネスマンの感化
  • 政治
  • 経済の情報収集
  • 中国文化の教化プログラム 

重要なのは、これらグループの大半は、近隣住民、国民など、より広い非公式なグループ情報源からも、アフリカにおける台北の外交・経済動向を検知し情報収集を促進するためのものとして、PRCの情報官(とくにMSS)に直結しているということである。また、中国国民は中国の権益に奉仕するため、自分たちで非公式な情報組織を形成するよう奨励されているという報告も存在する。

現在までに、中国大陸と台湾の平和的統一を促進するために80以上の国と地域で約170の同様な支部組織が設立されている。