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援助研究 Development Aid Studies

援助の実務と研究を橋渡しする

セネガルの村の学校・2005・撮影佐藤寛
セネガルの村の学校・2005
撮影佐藤寛
日本は第二次世界大戦後、援助受け入れ国としてスタートしたが、1954年のコロンボ計画への参加を持って正式に開発援助の供与国(ドナー)の仲間入りをし、1964年には経済協力開発機構(OECD)のDAC(開発援助委員会)の仲間入りをし、1990年代には世界屈指の援助大国となった。しかしながら、開発援助は長く研究対象としては認知されず、「援助研究」という用語も1990年代まで存在していなかった。

援助の世界のロジックは主として欧米の「開発学」に依拠している。そこでは「西欧諸国(アメリカ・カナダを含む)がたどってきた近代化の道筋が発展の王道であり、すべての途上国はその経路を遅れて進んでいくべきで、それを助けるのが開発援助である」という「単線的近代化論」が依然として支配的である。しかしながら、日本自身がそうであるように、非西欧諸国の近代化、発展の道筋は必ずしも西欧のそれとは同じではない。また宗教、文化、社会の固有要因に配慮した開発援助のあり方の必要性も幅広く認識されている。このようななかで、既に半世紀の開発援助の供与歴がある日本は、欧米の開発理論・援助理論に追随するばかりではなく(もちろん必要に応じて学ぶべき点は多いが)、われわれ自身の経験に基づいた「日本の開発理論」「日本の援助理論」を作り上げていく必要があると思われる。それが、アジア経済研究所の援助研究の目指すものである。
アジ研の援助研究では、具体的な個々の「援助プロジェクトのための」研究にとどまらず、援助とは何か、望ましいODA像とはどのようなものであり得るのか、といった幅広い視点からの研究にも取り組んでいる。同時に、ODA事業の一翼を担う公的研究機関として、ODA政策に関わる諮問委員会等にも研究成果をインプットし、個々の研究者レベルでは具体的な援助プロジェクトの質的な改善、評価などへも積極的に参画し、社会的なフィードバックに努めている。またアジ研開発スクール(IDEAS)における開発援助専門家の育成、国際開発学会等の関連学会との連携も強化している。
佐藤 寛

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