イベント・セミナー情報
2019年 アジア経済研究所 夏期公開講座(東京)
コース2 ラテンアメリカ民主政治の脆弱化と「第4波」のポピュリズム
募集は締め切りました
昨年、世界の民主政治の状況を分析するV-Dem(Varieties of Democracy)研究所から発行された年報Democracy Report 2018: Democracy for All?によると、ここ約10年の世界各国の民主政は、概して「独裁化」傾向を見せているといいます。むろん、普通選挙の実施というメルクマールからすれば、それを継続的に満たす国も多々あるため、この「独裁化」は、とくに普通選挙以外の側面(「自由」を取り巻くさまざまな権利)の悪化を示唆する現象であります。同時期のラテンアメリカ諸国の民主政をみてみると、この地域でも選挙民主主義の点では安定した状態を維持してきたものの、やはり「独裁化」という世界的な大きな流れの一部をなす国がいくつか存在します。そこで本講座では、「民主主義の脆弱化」が危惧されるブラジル・ボルソナーロ政権とメキシコ・ロペス=オブラドール政権、また、さらなる権威主義化(独裁化)が指摘されるベネズエラ・マドゥロ政権などの事例を中心に「ラテンアメリカ民主政治」の現在の様相を探ります。また、導入として、最近の世界的な「独裁化」ないし「民主主義の後退」を扱った議論や、エクアドル・コレア前政権も典型例として扱われている最近のポピュリズム(ラテンアメリカ的には「第4波」のポピュリズム)をめぐる議論を紹介します。
開催日時
2019年7月23日(火曜)13時30分~17時20分
会場
ジェトロ本部5階ABCD会議室
(東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル5階)
最寄り駅:東京メトロ 南北線六本木一丁目駅・銀座線溜池山王駅・日比谷線神谷町駅
プログラム
時間帯 | 講師 | テーマ・講義概要 | |
---|---|---|---|
13:30-13:35 | 趣旨説明 | ||
1 | 13:35-14:20 |
上谷 直克 (ジェトロ・アジア経済研究所地域研究センター・ラテンアメリカ研究グループ) |
「民主主義の後退」論,ポピュリズム論の解説 最近の世界的な「独裁化」ないし「民主主義の後退」を扱った様々な議論や,最新のポピュリズム(ラテンアメリカ的には「第4波」のポピュリズム)をめぐる理論的・実証的な議論を紹介します。 |
2 | 14:20-15:05 |
舛方 周一郎 氏 (神田外語大学講師) |
ブラジル・ボルソナーロ政権 ブラジルでは大統領選挙で右派ポピュリストと称されたボルソナーロ氏が勝利しました。しかし、その政治運営には多くの修正が迫られています。ブラジルの民主主義は脆弱化しているのでしょうか。固有の政治制度の効果から評価します。 |
休憩 | |||
3 | 15:20-16:05 |
馬場 香織 氏 (北海道大学大学院公共政策学連携研究部准教授) |
メキシコ・ロペス=オブラドール政権 左派政党「国民再生運動」を率いるロペス=オブラドールが政権を獲得して1年近くが経ちました。本講座は、時に右派が「ポピュリスト」と批判する新政権の統治スタイルを解説します。 |
4 | 16:05-16:50 |
坂口 安紀 (ジェトロ・アジア経済研究所地域研究センター主任調査研究員) |
ベネズエラ・マドゥロ政権 なぜベネズエラでは二人の大統領が並び立っているのでしょうか。その背景として、チャベス、マドゥロ両政権下で進行してきた民主主義の脆弱化と権威主義化、そして直近の情勢について概説します。 |
5 | 16:50-17:20 | 講師全員 | 質疑応答 |
使用言語
日本語
主催
ジェトロ・アジア経済研究所
受講料
- 一般:4,000円
- アジ研賛助会正会員 、アジ研賛助会個人利用会員:無料
- ジェトロ・メンバーズ:1口につき先着1名まで無料、2人目より4,000円/人
※2人目のお申し込みがあった場合は、その旨当方よりご連絡し、出欠の確認をします。 - 学生:2,000円(学生料金をご希望の場合、当日受付にて学生証の提示をお願いします。提示が無い場合は一般料金となります。)
定員
100名(締め切り日を過ぎたため、お申し込みを締め切りました)
※オンラインでのお申し込み手続きを終了した後で受講コースの追加・修正等をご希望になる場合には、下記のお問い合せ先までご連絡ください。
※ 取材のため会場内にメディアのカメラや撮影チームが入る可能性もありますのでご了承ください。
お問い合わせ先
ジェトロ・アジア経済研究所 研究推進部 研究イベント課
Tel:043-299-9536
E-mail:kakikoza