2020年のマクロ経済政策

中国経済レポート

新領域研究センター 田中 修

2019年12月12日


はじめに

習近平総書記は12月6日、党中央政治局会議を開催し、2020年に経済政策を分析検討した。本稿は、会議の概要を紹介する(新華社北京電、2019年12月6日)。

今年に入り、内外のリスク・試練が顕著に上昇する複雑な局面に対し、全党・全国は党中央の政策決定・手配を貫徹し、安定の中で前進を求めるという政策の総基調を堅持し、サプライサイド構造改革を主線とし、質の高い発展を推進し、「雇用・金融・対外貿易・外資・投資・予想」を安定させる政策をしっかり実施し、経済社会の持続的で健全な発展を維持した。3大堅塁攻略戦はカギとなる進展をみて、改革開放は重要な歩みを踏み出し、サプライサイド構造改革は引き続き深化され、科学技術・イノベーションは新たなブレークスルーを得て、人民大衆の獲得感・幸福感・安全感は向上し、第13次5カ年計画の主要指標の進度は予想と合致しており、小康社会の全面実現は新たに重大な進展を得た。

2020年は、小康社会の全面実現と第13次5カ年計画の手仕舞いの年である。

我々が第1の百年奮闘目標を実現し、来年の経済政策をしっかり行うには、習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想を導きとし、19回党大会・党19期2中全会・3中全会・4中全会精神を全面貫徹し、小康社会の全面実現の目標・任務としっかり結び付けなければならない。安定の中で前進を求めるという政策の総基調を堅持し、新発展理念を堅持し、サプライサイド構造改革を主線とすることを堅持し、改革開放を動力とすることを堅持しなければならない。質の高い発展を推進し、現代化した経済システムの建設を加速し、3大堅塁攻略戦に断固打ち勝ち、「雇用・金融・対外貿易・外資・投資・予想」を安定させる政策を全面的にしっかり実施しなければならない。安定成長・改革促進・構造調整・民生優遇・リスク防止・安定維持を統一的に企画・推進し、経済運営を合理的区間に維持し、小康社会の全面実現と第13次5カ年計画の円満な手仕舞いを確保しなければならない。

現在及び今後一時期、わが国の経済が安定の中で好い方向に進み、長期に好い方向に進む基本的な趨勢には変化がない。

我々は、弁証法的思考を用いて情勢の発展・変化に対応し、必勝の信念を増強し、外部圧力をうまく改革の深化・開放の拡大の強大な動力に転化させ、精力を集中して自身の事柄にしっかり取り組まなければならない。

「マクロ政策を安定させ、ミクロ政策を活性化し、社会政策で底固めをしなければならない」という政策の枠組みを堅持し、問題志向・目標志向・結果志向を堅持し、マクロ・コントロールの展望性・的確性・有効性を高め、アンチシクリカルな調節手段をうまく運用しなければならない。

2020年は3大堅塁攻略戦を断固しっかり戦い、脱貧困堅塁攻略の目標・任務の実現を確保し、汚染対策の堅塁攻略戦の段階的目標の実現を確保し、システミック金融リスクが発生しないことを確保しなければならない。

現代化した経済システムの建設を加速し、農業・製造業・サービス業の質の高い発展を推進し、インフラ建設を強化し、優位性を相互補完した質の高い発展の地域経済配置の形成を推進し、科学技術の実力とイノベーション能力を高め、経済体制改革を深化させ、よりハイレベルの開放型経済の新体制を建設しなければならない。

党19期4中全会精神を深く貫徹し、党が経済政策を指導するという制度的優位性を確実にガバナンス機能に転化させ、改革・発展・安定の各政策を全面的にしっかり行い、経済政策の指導方式・方法を改善し、責任を担い仕事に取り組むことへの奨励メカニズムを整備しなければならない。

困窮大衆の基本生活が有効な保障・改善を得ることを確保しなければならない。歳末・年初各方面の施策をしっかり行い、安全生産責任制を実施し、社会の大局の調和・安定を確保しなければならない。