調査研究

研究会一覧2023年度

中国の反汚職キャンペーンとは何か?紀律委員会文書のテキスト分析および裁判例との比較

概要

中国の反腐敗キャンペーンへの注目は、大きく分けて二つの流れがある。一つは反腐敗の目的に注目し、権力闘争、派閥政治の視点で、大物政治人物及びその周りの人物を中心に分析を行う。もう一つは、腐敗官僚に対する研究で、腐敗が発生する制度環境、汚職行為の特徴などに着目した上、政治体制の持続可能性を議論する傾向が強い。また、反腐敗キャンペーンを一要素として捉え、経済活動および社会へのインパクトを計る研究も少なくない。いずれの流れも、刑事処分の対象である汚職と党の懲戒処分の対象となる紀律違反を同等なものと扱い、紀律違反の内容と変化については深く議論されていない。共産党中央では10年間続いた反腐敗キャンペーンは「圧倒的な勝利」を納めたと宣言はした一方で、今後も長期的に継続すると表明する。では、党中央がいう圧倒的な勝利とは何を指すのか?今後の継続の意義は何か?どのような反腐敗を想定しているのか?これらの問いに答えるため、本課題ではテキスト分析のアプローチを用いて、高級幹部に限定した紀律違反通知と裁判例の内容分析を行い、キーワードから反腐敗のトレンドを考察する。

期間

2023年4月~2024年3月

研究会メンバー
役割 メンバー
[ 主査 ] 任 哲
[ 委員 ] 内藤 寛子
予定する研究成果
  • The Discussion Paper