イベント・セミナー情報

APLセミナー(アジ研パワーランチセミナー)

欧州・東アジアの社会運動と社会運動論の現代的課題

APLセミナー(アジ研パワーランチセミナー)は、アジア経済研究所の研究者のみならず、外部の研究者、学生の方にも参加いただけるリサーチワークショップで、お昼の時間にアジア経済研究所(海浜幕張)の会議室で開催しています。

研究所内外における研究者が研究成果、研究活動の中間発表を行うほか、発表者と参加者、あるいは参加者相互のディスカッションを行います。テーマ、講師に応じて日本語あるいは英語での発表、議事進行となります。
——参加ご希望の方は、研究所受付にて「APLセミナーに参加」と伝え、開催場所まで直接お越しください。——
セミナー終了後、受付で渡される「面会確認票」にセミナーの司会者から署名を得てください。
なお、ランチとありますが昼食は出ません。

予告なく時間の変更や中止のケースもあります。中止や変更の連絡は本ウェブサイトにて行いますので、当日ウェブサイトにてご確認ください。

お問い合わせ先


ジェトロ・アジア経済研究所 APL幹事
E-mail:APLE-mail

開催日時

2019年6月25日 (火曜) 12時30分~14時00分

会場

要旨

社会運動論は集合行動論から、資源動員論、新しい社会運動論、またContentious Politicsといった形で大きく理論的に発展した分野であるが、その中で事例とされる対象は理論が形成された当時において大きな盛り上がりを見せた運動であることが少なくなかった。とりわけ近年においてはその傾向が強く、例えば現代であれば反グローバリゼーション運動やオキュパイ・ムーブメント、反緊縮運動などが研究対象とされ、ジャーナルの特集記事なども特定の社会運動を対象として組まれることも珍しくない。  

社会学理論が常に社会現象を説明するものであり、現代社会に対応する形で理論もまた変化せざるを得ない実態を踏まえれば、研究者が自らの眼前にある社会運動を対象とすることは何ら問題がない。しかし一方で、新たな社会現象に対応する形での理論的発展を促すことで生じる課題もあるのではないか。  

本報告では、近年の欧州・東アジアにおける反緊縮運動やオキュパイ・ムーブメント、#MeTooといったインターネットSNSを中心に行われた社会運動の研究を中心にレビューし、その理論的課題を明らかにする。このような社会運動は、組織よりも個人の集合やネットワークの存在を強調し、路上での大規模なアピール行動を中心とするところに共通点がある。そのため、組織よりは個人に研究の重点が置かれ、とりわけ弾圧や規制といった外部からの脅威が分析の主眼となる傾向がある。本報告では、近年の欧州・東アジアといった先進国の研究が提示した論点が、社会運動論に対して理論的にはどのような新しさをもたらしてきたのかを検討したい。

講師

富永 京子 氏 (立命館大学産業社会学部 准教授)

司会

使用言語

日本語