mauritiusIndian Oil Corporation Ltd. (IOCL) インディアン・オイル

アフリカ成長企業ファイルは2008年度~2009年度に実施した調査事業の成果です。

会社概要と沿革

Indian Oil Corporation Ltd (IOCL)はインド最大のISO-9002認定企業であり、フォーチュン誌の「Global 500」にインド企業では最高位にランクされた。IOCLは、規模において世界20位にあたる石油企業である。

同社はIndian Oil Company Ltdとして1959年に設立された。1964年にIndian Refineries Ltd.を合併してIndian Oil Corporation Ltdとなった。インディアン・オイルとその関連会社は、インドの産業向け市場の48.84%、石油製品市場の47%を占めており、インドの石油精製能力の40.4%とパイプライン能力の67%を有している。

インディアン・オイルグループはインドに存在する20の精製所のうち10ヶ所を所有し、年間精製能力は6020万メトリックトンになる。2008年から2009年、インディアン・オイルグループは6260万トンの石油製品を販売した。その中には170万トンの天然ガス、364万トンの輸出石油製品が含まれている。

IndianOil (Mauritius) Ltd (IOML)はIOCLの完全子会社であり、2001年にモーリシャスで登記された。ポートルイスに製造基盤を築き、IOMLは2004年1月に営業活動を開始した。IOMLは近代的で最新の24,000メトリックトン容量の保管設備をポートルイスのMer Rougeに建設し、製品ごとに8基の容量の異なるタンクを設けた。そのターミナルには、コンピューター制御による積み込みおよびタンク容量測定が行える最新型の設備を設け、石油製品の取り扱いと配送を行う。これもモーリシャスでは最初である。

IOMLは25カ所での小売販売を行っている。IOMLは、大量の石油製品を地方商業部門に供給し、とりわけ交通業界、土木建設業界、製造業界(繊維、鉄鋼、パン製造)およびホテル業界などが多い。 全ての燃料と潤滑油の試験を行う総合的な石油研究所も設立された。同研究所は、モーリシャスで初めての石油製品の試験を行う本格的な研究所であり、既にISO 9001-2000などの国際的な認定を得ている。

国内の所在地

Mer Rouge, Port Louis, Mauritius; Tel: (230) 217 2710, (230) 217 2714; Fax: (230) 2175500

製品・サービス

IOMLの石油製品は、ガソリン、ガスオイル、灯油(JetA1)、燃料油180CST(重油)、エクストラプレミアム石油(Xtra Premium petrol)エクストラマイル・ディーゼル(Xtra Mile diesel)、サーボ潤滑油(Servo lubricants)、Indane LPGである。

従業員数

合計34,158人、モーリシャスでは約1,000人。

財務情報

市場シェア

IOMLの市場占有率は22%に迫る。航空燃料市場では35%を占める。

事業目的

「統合され、多角化された多国籍企業として世界的に賞賛されるエネルギー大手企業を目指す」

ビジネスモデル

「変化の激しいビジネス環境に応じて、多角化、国際化、垂直統合を推進することによってIOCLのビジネス開発を継続する。そのビジネス戦略は、幅広く炭化水素製品の生産工程に携わることに焦点をあてる。

会社の戦略は次の通りである。新しいビジネスの展開、石油調査、石油化学、天然ガス、海外への進出によって合併、買収、統合そして多角化を推進し、成長を達成する。子会社、合弁会社とともに相乗効果を発揮し、多様な炭化水素製品の生産によって社会に貢献する。資金に応じた利潤を得て、年間配当を継続する。全ての設備を効率的に運用し、投資に見合う十分な内部リソースを作り出す。企業ビジネスの十分な発展を目指して長期計画を作成する。系統だったコストコントロールで石油製品の生産コストを下げ、業界の先導者の立場を守る。

モーリシャスでの事業は、アフリカ諸国および近隣島嶼国への市場参入の入り口と位置づけている。」

株主・所有権益

IOMLは、IOCLの完全子会社である。

政府との関係・社会貢献

モーリシャスには原油、天然ガス、石炭の鉱床は無く、必要な一次エネルギーの82%は輸入されている(石油製品および石炭)。The State Trading Corporation (STC)は、石油製品に関する唯一の公認輸入者である。これらの製品は現地石油会社に販売される。製品はそこから市場に供給され、小売業者および最終消費者の手に渡る。

製品開発

IOMLは、ポートルイスと空港を結ぶパイプラインの設置を計画している。 またMauritius Shipping Corporationとの共同出資で、モーリシャスへの石油製品輸送用タンカーの購入を検討している。