gabonGroupe Rougier

アフリカ成長企業ファイルは2008年度~2009年度に実施した調査事業の成果です。

会社概要と沿革

Rougier社グループは50年にわたって中央アフリカで営業していた材木会社であり、地域の主要な伐採業者のうちの1つで、パリ証券取引所に上場している。グループ内のフランスでの輸入販売子会社がRougier International、Rougier PanneauxおよびRougier Sylvacoである。Rougier Panneauxは合板販売を担当している。その製品はガボン産Okouméやカメルーン産Ayousなど広範囲にわたる材種からなる。Rougier Sylvacoは材木のトレーダーで輸入業者である。そのフランス加工部門は、MarotteとCepamである。Marotteは薄板と装飾的な材木パネルにおいてフランスのリーディング企業の一つであり、CEPAMはフランス国内市場向けフローリング、外装材とへり飾りに特化している。

Alexandre Rougierは、フランス・ノルマンディー地域で生まれ育ち、地域で有名なカマンベールチーズとバターのための箱と木枠を生産する工場の機械技師から身をおこした。Rougierの妻はFrontenay-Rohanという、Poitou-Charentes地方のDeux-Sèvres州Niort近くの村出身である。そしてRougierが自分の事業を興すことに決めたのがその地だった。夕食のとき家族の1人がRougierに、バターやヤギ・チーズの名産地で、しかも湿地帯であることからにポプラ森林が伐採可能なNiort周辺なら、彼の職務経験がいかせる可能性があることを示唆した。

Rougierはその提案を受け入れ、Deux-Sèvres州へ移って1923年にEtablissements Rougier et Filsを設立した。会社の最初の場所はMagneの村の小さな倉庫であり、伐採と軽包装の二つの事業に乗り出した。1928年に合板生産事業に事業を拡大しNiortで新工場を建てて、本社をDeux-Sèvres州議事堂の近くへ移転した。第二次世界大戦が始まった年には、地域の主要企業の1つになった。

第二次世界大戦直後、Rougierはその販路と物流ネットワークを拡大し始め、1946年に子会社Bois Particules Contreplaquesを設立して、パリとパリ郊外、そしてマルセイユ、トゥールコワン、リオン、メッス、ニース、ベジエ、ストラスブールで事務所と倉庫を開いた。その頃までの会社の製品ラインは、特に輸出入時用のキャビネットなどのベニヤ板、カット済ベニヤ板および木摺板に拡大した。

会社の拡大はすぐに供給問題につながった。生材木の手早くて入手可能な供給を確実にする必要に直面し、Rougierは1952年にガボンに伐採拠点を置き、Port-GentilとLabareneに加え、国森林地帯の約21,000ヘクタールの利権を持ったCompagnie Forestière d'Azingoを買収した。また1950年代には自社でもガボンでの伐採許可を得始め、1966年にはForestiere de Lambareneの買収で伐採権を拡張した。その年には同社もガボンに拠点を置く子会社としてSociété Africaine de Déroulage des Ets Rougier (SADER)を設立し、小規模だったフランスの工場の処理能力を補うべく、ベニヤ板工場も建設した。

ガボンでの森林管理は3つのスキームによる:2002年1月に合意した管理計画である288,626 haのHaut-Abanga Sustainable Management Forest Concession (SMFC)、282,030 haのOgooue-Ivindo SMFC、Rougierのガボン子会社CIFHO社による管理計画(2007年2月に合意した117,606 haのLeke SMFCの管理計画)。

国内の所在地

Oloumi Industrial Estate, Libreville, Gabon;
Telephone: +241 74 31 50
Telefax: +241 74 31 48

製品・サービス

子会社Rougier Internationalは、アフリカを本拠地として世界中の拠点に材木、用材および合板を販売している。



Owendo工場

リーブルビル港にあるOwendoの合板工場では、850,000ヘクタールを超える総面積をカバーするRougierガボンの4つのSMFCから道と鉄道で運ばれる60,000m3以上の材木を加工している。

Mbouma Oyali工場

MboumaOyali工場は2005年に開業した。リーブルビルから700kmのフランスビル(東南ガボン)の近くに位置する。

Moyabi-Lekeの森林利権

300,000ヘクタール以上にわたっており、木材の定期的な安定供給を保証している。工場は6つの箱窯を備えており、コンテナで直接Owendo港へ出発することができる駅まで12kmの場所に位置している。

Mevang工場

2007年開設のこの製材場には300万ユーロが投資された。この製材場は、Haut-AbangaにあるRougierのSMFCから供給をうけている。製品はN'djole駅から陸路または鉄道でリーブルビルに運ばれる。

従業員数

1,535人(国内)

財務情報

市場シェア

政府認可の森林は、Thanry Gabon (580,490 ha)、Rougier (287,951 ha)、Leroy (578,910 ha) の3社で管理され、総計約150万haである。Rougierグループの市場占有率は、2008年に19%であった。

事業目的

「熱帯森で材木収穫、加工、国際貿易というコアビジネスに集中し、売上高と収益を拡大する」

ビジネスモデル

「数年にわたり行った市場多角化により、欧米市場の急な需要減の影響を軽減することができた。2009年~10年は、市場需要の変化に対応して生産の短期調整を行い、経費削減と、不要な投資の延期を行う。加えて節約を進め、損失を抑制する:人員削減、経費削減強化、販売管理と生産計画改善を行う。これらによって昨今の世界経済縮小の悪影響を回避し、収益力を最大化する。

「Rougierは森の利権を活用し、産業的付加価値を高め、2008年にガボンで設置されたFSC認証製品の開発にも注力する。

株主・所有権益

株式数と議決権

Rougier Gabon S.A.はGroupe Rougierの子会社である。 Rougier Gabon S.A.が Rougier Gabonの86%を所有する。

政府との関係・社会貢献

2001年の森林法第13条により、ガボンのすべての森林は国有林領域の一部で、国家の独占的な資産となった。国有林領域は2つに再分割される:国家永久森領域(永久森)と地方森領域(非永久森)。永久森は、保護地域、レクリエーション用森林、研究用森、植物学的・動物学的な保有林、国有林プランテーション、登録済の材木生産森を含む。

すべての森の活用は林野局からの認可によってあらかじめ条件付けられている。しかし、地元のコミュニティは生活用として、幾分かの木材について慣習的な利用権を許される。
慣習的な利用権は、地元の住民との協議の後、国によって設定される。慣習的な使用権は、通常以下を含む:薪用に枯れた材木を使用すること、家建設に材木を使用すること、非材木森製品(皮、ラテックス、ゴム樹脂、果物とナッツ)の収集、森の開墾と通行権と水使用権。
産業的な伐採は、登録された材木生産森林で行われる。事業として材木伐採を行いたい個人または企業は林野局から許可証を得なければならない。これには3種類の伐採許可証がある:

  1. 表面積50,000 haから200,000 haをカバーすることができる持続可能な管理下の森の利権。一社で複数の免許を受けることができるが、累積600,000 haを超えることはできない。
  2. ガボン人にみに認可される付随する森の許可証(PFA2)
  3. ガボン人にみに認可される相互合意許可(PGG3)(50本未満の伐採)

持続可能な管理に基づく森の利権(CFAD)は、2つの段階を持つ。
最初の段階は、関心のある企業と政府の森林経済担当大臣による一時的な協定調印である。一時的な合意は3年間であり、この間企業は伐採を行いつつ、認められている手法で森林管理計画と、工業化計画を作成する。

第2のステージは、第一ステージで作成した計画が、全国林業部門の工業化委員会の承認の結果、法令によって企業に持続可能な管理に基づく森の利権(CFAD)が配分される。上述の許可証が企業に、非材木森製品(NTFP)を活用するための権利を与えるものではない点に留意する必要がある。

同様に、伐採会社には、彼らの利権においてNTFPを保護する法律義務がない。しかし、管理計画を設計するプロセスで営業許可取得企業は、一部のステークホルダーから野生生物保護とNTFPへの対応を要求されることになるため、それらに対する追加的な保護方策の認可も待つことになる。これら、特にNTFPを認可獲得は異なる種類のものである。

通常伐採会社は、地域税と伐採された材木の価値に基づく税の2種類の森林税を払わなければならない。地域税は、まだ持続可能な原則でまだ管理されない利権のために、収穫に開墾された1 haにつき600 CFAフラン(0.91ユーロまたはおよそ1.1米ドル)を支払わなければならない。計画に基づく管理され始めるならば、地域税は上述の50%に減額される。一方、伐採された材木の価値に基づく税は材種や収穫地によって設定される。

ガボンでは、Rougierは合板生産促進のための産業政策として政府が2008年に決定した税額控除の恩恵を受けた。

注: 地元コミュニティは伐採会社の活動に過去に抗議し、政府は地方住民の欲求不満を扱うためにより多くの企業の社会的責任プログラムを実行させようとしている。

製品開発

グループの子会社Rougier Gabonは、2008年10月に森管理評議会(FSC)から森林管理への認可を取得した。FSCは、世界の森に信頼できる管理を促進するために設立された、独立・民間・非営利組織である。FSCは、国際的に認められた標準的基準に従って責任ある森林管理ができると信頼された会社、組織、コミュニティに認証マークを提供する、証明システムである。FSCラベルは森林製品に対して、信頼できる生産と消費が行われていることへの信用を与え、消費者と企業が人々と環境のためになる購買決定を促す。