<アフガニスタン情勢:10のキーポイント>
アフガニスタン情勢
1 |
DDR(武装解除(Disarmament)、動員解除(Demobilization)、社会復帰(Reintegration)) 2003年10月から始まり、2006年6月までに約6万名の武装解除が完了して現在はDIAG(非合法武装集団の解体)に活動を拡大している。 |
2 |
ISAF(International Security Assistance Force: 国際治安支援部隊) 2001年12月に国連安保理に派遣を承認された有志国連合軍であり、現在はNATO加盟国からの26カ国を含む40カ国が参加し、兵力は4.5万人。 |
3 | イラクでの米軍の犠牲者数は現在までに4,100を超えているが昨年末以来は減少傾向にあるのに対し、アフガニスタンでは逆に2006年頃から南東部での戦闘が激化しており、米軍は ISAF軍および「不朽の自由」作戦で現在までに549人以上の死者を出している。また「不朽の自由」作戦に参加している英軍の犠牲者数は約120名を数 えている。カナダ軍の現在までの死者数は約100名である。 |
4 | 8月には首都カーブルの近郊でISAFのフランス軍が10人の戦死者を出しており、直後の19日にサルコジ大統領がアフガニスタンを訪れている。 |
5 | 8月21日には英国のブラウン首相も北京への途次カーブルを訪問、その後アフガニスタンの復興には数十年におよぶ国際的な支援が必要と発言している。 |
6 | 2002年の東京会議、2004年のベルリン会議、2006年のロンドン会議に続き2008年6月にパリで開催された復興支援会議において、総額200億ドルのアフガニスタン復興支援が公約されており、そのうち日本は5.5億ドルと国家ベースではアメリカ・イギリス・ドイツに次ぐ高額の供与を公約している。だがその後の治安悪化のため支援事業は遅延している。 |
7 | 2008年6月のパリ復興支援会議で報告されたこれまでの支援総額は150億ドルであり、日本はこのうちの約1割を負担している。 |
8 | ターリバーンの主要な資金源となっているアフガニスタンのケシの生産量はこの数年記録を更新し続けており、昨年のアヘン生産量は8,200トンと現在同国は世界のアヘン生産の9割超を占めるまでになっている。 |
9 | アフガニスタンでは同国憲法第61条の規定により、2009年中に大統領選挙が予定されており、カルザイ大統領は既に再選に向けて出馬の意向を表明しているが、旧軍閥やパシュトゥーン勢力の中から反カルザイの動きも出ている。 |
10 | 2008年8月の伊藤さん殺害事件は単なる偶発的な事件ではなく、アフガニスタンおよびパキスタンにおけるターリバーンをめぐる最近の戦況の激化がその背景にある。今年に入って援助職員の殺害事件は今年に入って29人と急増しており、10月21日には英・南ア国籍の女性NGO職員がカーブル市内で殺害された。 |
- アフガニスタン復興国際会議(カーブル)と同国の現状(2010年7月)
- 米政策と日本の支援(2009年11月)
- 米国のオバマ政権発足でアフガニスタンはどう変わるか(2009年1月)
- 主要日誌
- ムシャラフ辞任後のパキスタン混迷化(2008年10月)
- アフガニスタン情勢:10のキーポイント(2008年10月)