アフリカレポート
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論考
西欧近代とアフリカ――非国家主体への武器移転規制の事例から――
榎本 珠良
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2017 年 55 巻 p. 116-127

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抄録

1990年代以降、アフリカなどでの武力紛争や組織犯罪、テロ行為等に関与する非国家主体への武器移転が問題視され、規制方法が検討され、国際的な合意が形成された。こうした国際的な政策論議に関しては、「西欧近代の制度や価値観」を導入して解決を試みる発想が支配的だとの指摘もみられる。しかし、近代主権国家システム形成から現在まで、非国家主体への武器移転規制をめぐる問題認識や規制方法は極めて流動的に変遷しており、現在はこの問題に関する「西欧近代の制度や価値観」が特定困難な状況にある。本稿は、非国家主体への武器移転規制をめぐる問題認識や規制方法の歴史を概説し、それらの変遷がこの間の国家主権認識の変容を反映していることを論じる。そして、この分野において、独立後アフリカ諸国が国際社会における主流の制度や価値観の形成に関与し、さらには現代国際社会における規範の多元化の一要因になっていることを明らかにする。

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© 2017 日本貿易振興機構アジア経済研究所
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