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アジア国際産業連関表の評価と応用可能性

調査研究報告書

桑森 啓 編

2018年3月発行

第1章

本章では、第2章以降で行われる議論の前提として、アジア経済研究所(アジ研)が作成してきたアジア国際産業連関表(アジア表)の表形式および作成手順について説明を行う。アジア表の表形式について説明した後、2005年アジア表を例に、その作成手順を7段階に分けて説明している。また、アジア表の精度に大きな影響を与える各国表の延長推計を取り上げ、RAS法による延長推計の方法と課題についても考察を行い、非競争輸入型表の延長推計が必要となるアジア表の作成においては、通常のRAS法による延長推計と比較して困難が伴うことを指摘している。

第2章

本章では、各国産業連関表(各国表)との比較を通じて、アジア国際産業連関表(アジア表)の評価を行うことを試みた。2005年アジア表から韓国、インドネシア、マレーシア、シンガポールの4カ国を選定し、各国の基本表とアジア表の各国部分との比較を通じて、各国表をアジア表に加工することにより、どの程度の乖離が生じるかについて検討した。その結果、基本価格から生産者価格への変換や延長推計を伴う場合、各国表とアジア表との間に大きな乖離が生じ、逆行列表を利用した分析にも影響が生じる可能性が高いことが明らかとなった。

第3章
本章では、アジア経済研究所(アジ研)が作成したアジア国際産業連関表(アジア表)とアジア開発銀行の作成する多地域間国際産業連関表(ADB表)、経済協力開発機構(OECD)の作成する多地域間産業連関表(ICIO表)、パデュー大学から公表されているGTAPデータを利用し作成した多地域間産業連関表(GTAP表)との比較を通じて、アジア表の特徴を明らかにすることを試みている。比較には、世界開発指標、平均絶対差率、付加価値指標の3指標が用いられた。検討の結果、アジ研以外の機関が作成した表は、指標によっては他表からの大きな乖離を示すことがあったが、アジア表については、どの指標においても大きな乖離を示すことはなかった。