アジア各国に共通した社会動態として、急速な都市化が挙げられる。それゆえに、アジアでは都市をいかにマネージできるかが、社会の安定ひいては政治経済の安定に直結する課題となっている。政治対立の舞台も、貧富の格差も、いまや首都圏/首位都市でもっとも激しく表出し、地域内競争も都市間での競争が核となっている。アジアの地域の安定も地域秩序のダイナミズムも、こうしたアジアの主要な都市、とりわけ首都圏/首位都市の安定、動向にかかっている。本研究会では、上記の問題意識から、急速な都市化といった社会的趨勢に対して、首都圏/首位都市を司る都政、市政がいかなる対応力を有し、変容しているのかを、北京、バンコクに焦点を当てて調査した。大都市圏を司る行政の対応力を測るためにも、第一にそれぞれの市長/都知事の人事にける独立性、予算における独立性について比較をおこなった。