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アジア経済研究所図書館は、開発途上地域の経済、政治、社会等を中心とする諸分野の学術的文献、
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大韓民国『官報』 / 大韓民国政府公報處

官報 /  大韓民国政府公報處
[ソウル] : 大韓民国政府公報處 , 1948. 9-1976.5
291冊 ; 26cm (請求番号Pko/061/Ta1)

【解説】
当研究所図書館では植民地解放後の新生大韓民国政府公報処発行の官報を原本で1948年9月1日第1号より1976年5月31日第7359号まで所蔵している(請求番号Pko/061/Ta1)。

韓国では朝鮮戦争の影響により、納本図書館である国立中央図書館にも当時期の巻号の原本は完全保存されていないとのことであり、おしなべて資料そのものが不足している時期にあたることから見て、この官報は大変貴重な第一次資料と言える。因みに大韓民国30年9月1日付け第1号をひも解くと、第1ページは法律の項目で大韓民国憲法の条文、国会の項目では大統領李承晩が当選したことが記されており11ページ立てとなっている。

当初の刊行頻度は週1-2回と不定期で、記述は漢字とハングルの混交体で、日付は大韓民国元号と檀君紀元号の檀紀号を混用している。原本の日本における所蔵についてはアジア経済研究所編「朝鮮文雑誌・新聞総合目録」(1987年刊)によると、当研究所図書館のほか国立国会図書館の2館のみとなっている。

ところで、この度当研究所所蔵の原本からCD-ROM版(大韓民国建国の年から朝鮮戦争終結の年すなわち1948年9月から1953年12月分(5枚))がすずさわ書店から複製出版された。このCD-ROM版の付録冊子で、神戸大学大学院国際協力研究科助教授木村幹氏が「建国の父」李承晩大統領の「第一共和国」前半期にあたるこの6年間の内容を分析した解説を書いている。木村氏はこの中で建国直後の社会的な混乱状況と引き続き勃発した朝鮮戦争により、資料保存機関が大きな打撃を受け、資料が劣悪な状態におかれており、研究が遅れていることなどから、この時期の官報の重要性と価値は語り尽くせないと述べている。

官報の各項目には第一共和国政府の行政組織の成立過程が詳細に描かれ、成立当初の国家の形成過程が具体的、時系列的に再確認でき、また日本統治期の朝鮮総督府や、米軍政期の諸行政機関との関連性などを考察するうえで欠くべからざる情報を提供しており、さらに「親日派」処分問題、治安関係、経済政策、韓国ナショナリズムとそのシンボル、朝鮮戦争と内政、対外関係などに言及してこの基本的な資料の有用性を力説している。

なお、これ以前の旧大韓民国時代の官報複製本には、「旧韓国官報 甲午 [開國503年]6月21日 (開國503 [1894].6.21)-開國504年3月29日 (開國504 [1895].3.29) ; 1號 (開國504 [1895].4.1)-4768號 (隆煕4[1910].8.29)
[서울] : 亞細亞文化社 , 1973.8 全22巻、
原本:旧韓国政府内閣記録局官報課発行、서울大学校附属中央図書館所蔵本」があり、これも当研究所図書館ほか5館が所蔵している。

日本統治期の官報複製本には「朝鮮総督府官報 1號 (明43. 8)[1910.8]-578號 (明45. 7) ; [1] 號 (大1.7)-4305號 (大15.12) ; 1號 (昭1.12)-5567號 (昭20.8)[1945.8]  韓國學文獻研究所[編]、 [서울] : 亞細亞文化社 , 1985.3
原本: [京城] : [朝鮮總督府] 印刷局」があり、当研究所図書館では所蔵していないが学習院大学図書館等21館が所蔵している。

(野田 美代子/アジア経済研究所元図書館職員)


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