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アジア経済研究所図書館は、開発途上地域の経済、政治、社会等を中心とする諸分野の学術的文献、
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中東・北アフリカ・中央アジア

<中東・北アフリカ>参考図書紹介

アジア経済研究所図書館が所蔵する中東・北アフリカ地域に関する主要な参考図書(レファレンスブック)について、内容を紹介しています。中東・北アフリカ地域・国について調べものをする際に役立つような、百科事典、年鑑、便覧・ハンドブック、統計年鑑、国別概説書、文献目録等が中心です。
また、あわせて 「参考図書リスト」 ページもご利用ください。

中東・北アフリカ
百科事典、総合年鑑、ハンドブック

イスラーム世界研究マニュアル (名古屋大学出版会, 2008.7) [G/297/I38]

『イスラーム研究ハンドブック』(1995年出版)の継承・発展版。約10年間の研究の発展と成果が取り込まれている。本書の索引である「主題・地域・項目インデクス」、分野ごとの研究動向と基礎資料が紹介されている「研究案内」、用語の解説(使用法、変遷、用語をめぐる論争を含む)である「研究キーワード100」、イスラーム世界の思想や学術、芸術・文化などの発展に焦点をあてた「イスラーム・知の年表」、各国のイスラームの歴史と現状を記述した「イスラムー世界と諸国の概要」、海外での調査や留学に役立つプラクティカル・ガイドとして各国の主要な図書館の住所や利用法が記載された「海外文献調査ガイド」から構成されている。

Encyclopedia of the modern Middle East & North Africa --2nd ed. (Macmillan Reference USA, 2004)

初版は1996年刊行。4冊セットの百科事典で、19世紀以降の中東・北アフリカの地理、政治、歴史、主要人物に関して約3000項目を収録する。たとえば、第2版では、植民地主義、イスラエル・パレスチナ紛争、国連の中東・北アフリカとの関係、といった事項に加えて、教育、ジェンダーに関する事項も追加されている。人名については、各地域・国の主要人物、女性、イスラム学者、活動家等をカバーし、主要な地域機関に関する情報も含まれている。

The Middle East and North Africa (Europa Publications)

1948年に創刊された最も定評ある総合年鑑。構成は第1部中東・北アフリカ地域概観、第2部国別概観(概観、統計データ、ダイレクトリー、文献目録)、第3部地域関連情報(地域機関、研究機関、文献目録等)、となっている。当該年に発生した主な事項について解説した後、中東・北アフリカ22ヶ国について国別に地理、歴史(政治)、経済<経済政策、産業、貿易、銀行と金融、財政、対外債務等> に分けて解説する。また、データとして主要統計<国土面積・人口、健康・福祉、産業、財政、貿易、運輸、観光、メディア、教育等> と各種ダイレクトリー(憲法、政府組織、政治団体、各国大使館、司法、宗教、主要新聞・雑誌、出版社・TV・ラジオ、金融機関、主要企業・団体<貿易・産業、運輸、観光、国防、教育等>、文献目録)を収録しており、情報量が多く有益である。

Middle East patterns : places, peoples, and politics --5th ed. (Westview Press , c2011)

中東の地理、歴史、人口、産業、政治を概観する資料で、1989年の初版から第5版まで版を重ねている。個別の国としては、シリア、レバノンとキプロス、ヨルダン、イスラエルとパレスチナ、イラク、サウジアラビア、湾岸諸国、オマーンとイエメン、エジプト、トルコ、イランをとりあげ、地理、歴史、人口、経済、外交について述べている。
人名事典、人物情報

Biographical encyclopedia of the modern Middle East and North Africa (Thomson Gale, 2008)

初版。20世紀以降に活躍する中東・北アフリカの著名人300人以上をカバーする人名事典。この人名事典の特色は、政治家、軍人、宗教家のみならず、世界的に活躍する科学者、芸術家、小説家といった文化人や芸能人など多岐にわたっている点である。また、各人の情報については、写真をできる限り掲載し、"Biographical highlights","Personal history","Influences and contributions","The world's perspective", "Legacy"等の項目に分けて解説しており、わかりやすい。 巻末に、国籍別索引と主題別索引がある。

Who's who in the Arab world (Publitec Editions)

1963年に創刊され、隔年ごとに刊行される。全体構成は、「I部:伝記部門」、「II部:企業・団体ダイレクトリー」、「III部:アラブ19ヶ国の国別サーベイ」、「IV部:アラブ世界概説」からなるが、主要部門はやはり伝記部門で、アラブ世界の著名人約6千人をアルファベット順に収録し、全ページの3分の2以上を占める。レバノンについては、”Who's who in Lebanon”が別冊になっているため除外されている。
ダイレクトリー

Major companies of the Arab world (Graham & Trotman)

1977年創刊。Graham&Whiteside社は地域別の主要企業のダイレクトリーを刊行しており、本書は、アラブ20カ国の主要企業8100社以上をカバーしたもの。各国に分類された後、海外向け社名のアルファベット順に配列されている。各社の情報は、住所、電話・ファックス番号、E-mailアドレス、主要業種、親会社、主要株主など。巻末には企業名アルファベット順索引、国別索引、SICコード索引、業種別索引がある。
宗教

新イスラム事典 (平凡社, 2002)

イスラムの宗教・法・思想・歴史・文化・政治・経済・社会・生活などに関する1085項目を収める。付録にイスラム史年表、暦、度量衡表、文献目録など有益な情報を多く収録している。
インターネット版: http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~islam2/search.shtml
統計資料

Statistical abstract of the region of the Economic and Social Commission for Western Asia (United Nations)

国連の西アジア経済社会委員会(ESCWA)が刊行している統計年鑑で英語・アラビア語併記。現在のESCWA加盟国は、バハレーン、エジプト、イラク、ヨルダン、クウェート、レバノン、リビア、モロッコ、オマーン、パレスチナ、カタール、サウジアラビア、スーダン、シリア、チュニジア、アラブ首長国連邦、イエメンの17カ国。アジ研図書館では、ECWA当時の第3巻(1968-1977年版)から所蔵。人口、労働力、教育と識字、保健、ジェンダー平等、大気汚染、エネルギー、国民計算、産業、貿易、金融統計と価格、ICTの関連統計データについて過去5年~10年分程度を収録している。

政治関連

中東・イスラーム諸国民主化ハンドブック (明石書店, 2011)

初版は『中東民主化ハンド2007』であるが、2009版からイスラーム地域が加わり本タイトルに改題した。さらに、2010年版では新たにアルジェリア、イラン、インドネシア、カザフスタン、アゼルバイジャン、アルメニアが追加され、全部で23カ国をカバーする。最新版の本書は、人間文化研究機構(NIHU)地域研究推進事業「イスラーム地域研究」の成果を出版したものである。

 全体の構成は、マグレブ諸国、マシュリク諸国及びトルコ、ペルシア湾岸諸国、中央アジア・南カフカス諸国、西南アジア・東南アジアの5部からなり、各国別に以下の項目が掲載されている。①「現在の政治体制・制度」(憲法に規定された三権の位置づけ。大統領/国王、議会、選挙、地方行政などに関わる規定)、②「民主化の経緯」(民主化が実施されている事例の史的展開。民主化が実施されていない事例の近年の政治変化など)、③「選挙」(選挙制度の内容とその実際の運用状況や問題点。近年の総選挙、大統領選挙の結果など)、④「政党」(政党制度の内容とその実際の運用状況や問題点。主要政党の解説。政党が禁止されている事例の政治団体の解説など)

なお、近年アラブ諸国の民主化の動きや政変が起きているが、本書は2011年4月末段階でのこうした状況についても解説している。

Historical dictionary of Islamic fundamentalist movements in the Arab world, Iran, and Turkey (Scarecrow Press, 1999)

アラブ世界、イラン、トルコのいわゆる「イスラム原理主義運動」に関する歴史辞典。著者のSoussalliはベイルートアメリカン大学の政治学の准教授(刊行当時)。イスラム原理主義運動に関係するグループ、リーダー、イデオロギー、思想家等を収録し、特に、著名な思想家やリーダーとして、ムスリム同胞団、イスラム救国戦線、ヒズボラーといった主要な活動グループ、ハサン・バンナー、サイイド・クトゥブ、アヤトラ・ホメイニ等を取上げ、数ページを割いて詳細に解説する。巻末の参考文献目録が充実しており有益である。なお、著者は2004年に同書のアラビア語版を出版しているが、アジ研図書館では未所蔵。

Political handbook of the Middle East 2006 (CQ Press, 2006)

パキスタンを含む中東・北アフリカ地域24カ国について、国別に主に政治に関する情報を提供する。また他に、アラブ連盟、アラブマグレブ連盟、アラブ通貨基金といった12のアラブ地域機関、およびESCWA、UNRWAといった中東に関係する国連の11専門機関の情報もあわせて提供する。各国については、「国家」「政府と政治:政治的背景、憲法と政府、外交、最近の問題、政党」「立法府」「報道」、の事項に分けて解説している。

Political leaders of the contemporary Middle East and North Africa : a biographical dictionary (Greenwood Press, 1990)

中東地域において第2次世界大戦以降に活躍した著名な政治リーダー70人を厳選して解説した人名事典である。各人物の略歴のみならず、当時の政治状況と絡ませて説明・評価を行っている。また参考文献として、各人物の伝記類を収録しており、詳細を知りたい利用者には便利である。
経済関連

Consumer Middle East and North Africa (Euromonitor International)

Euromoniter Internationalが作成している中東・北アフリカの市場情報。衣類からペットフードや化粧品、タバコまで数百の製品の市場規模に関する統計について、国別に過去6年分と予測が掲載されている。

Joint Arab economic report (Arab Monetary Fund)

アラブ連盟、アラブ経済社会開発基金、アラブ通貨基金、アラブ石油輸出機構の4機関が共同で編纂・刊行している年刊で、1980年創刊。同機関に加盟するアラブ諸国、およびアラブ域内に関する経済報告で、アラビア語版التقرير الاقتصادي العربي الموحدの解説部分の要約と統計部分を英訳して掲載している。当該年度の経済概観からはじまり、経済・社会開発、農業、工業、石油・エネルギー発展、金融市場、国際収支・海外債務、域内経済協力、パレスチナ経済等の概要について述べ、関連統計データを収める。なお、アジ研図書館ではこの英語版は1982年、および2011年版以降を所蔵しているが、アラビア語版は若干の欠号があるものの、1981年から2010年まで継続して所蔵している。また2000年以降のアラビア語版は、アラブ通貨基金のウェブサイトでダウンロード可能である。

歴史関連

Historical dictionary of the Gulf Arab States --2nd ed. (Scarecrow Press, 2008)

本書は、バハレーン、クウェート、オマーン、カタール、アラブ首長国連邦の5カ国を対象とし、年表、序論、事典、文献目録で構成される。年表はそれほど詳細ではないが、アラブ湾岸地域について古代史、イスラム時代、近代史に分けた後、1970年以降については各国別に編纂されており、ある程度の歴史的流れが理解できる。本編である「事典」は、20世紀以降に活躍した歴史上の人物・出来事といった歴史的事項だけではなく、地名の解説や、現代のアラブ湾岸地域と諸外国との関係、教育、保健、女性等の各主題についても解説しており、初版に比べると、かなり拡充している。巻末の文献目録も有益である。
アフガニスタン

アフガニスタン書誌 : 明治期-2003 (金沢文圃閣, 2003.12)

本書は、明治期以降、日本で発表されたアフガニスタンに関する全分野の単行書、単行書所収の論文・記事、雑誌や団体の会報に掲載された論文・記事、時事的な報告・記事など、5,161件を収めた、非常に網羅的な文献目録。編者は、書誌データベース等で公開情報を検索した上で、現物が確認できた文献を採録し、確認できないものについては注を付すという徹底振りである。また、全体の構成については、まずアフガニスタンの全体像をつかめるように、歴史、民族、文化などを先に掲載し、次に、政治・経済・外交・人権問題等の主題について、「現代の社会・戦乱、難民・女性問題など」21の小見出しをつけ、発行年月日順に配列するなど、随所に工夫がみられ、アフガニスタンの特性と利用者の関心に配慮した編纂となっている。

Afghanistan : a bibliography (Brill, 2006)

本書の構成は、22の大分類の下に小分類があり、図書と論文別に5081点を収録する。この文献目録から、これまで幅広いテーマでアフガニスタンに関する研究成果が発表されてきていることがわかるが、やはりアフガニスタンの地政学上、対外関係に関する文献が多いことが窺える。巻末には、主題索引と人名索引がある。主な情報源は、"Index Islamicus"。

Conflict in Afghanistan : a historical encyclopedia (ABC-CLIO, c2003)

本書は、現代のアフガニスタンの紛争に関連する事項、人物・団体、地名について解説した事典で、対象とした年代は、アフマド・シャーによるドッラーニー朝の成立した1747年以降である。すなわち、19世紀における中央アジアでの露英の覇権争い、1980年代のソビエト侵攻、パシュトゥーン、タジク、ハザラ、ウズベク、アイマクなどの部族問題、1950年代の改革等を扱っている。バーミヤンの大仏、タリバン、ムジャヒッディーンたちの写真を豊富に掲載し、400近くの事項について平易に解説している。

Historical dictionary of Afghanistan --3rd ed. (Scarecrow Press, 2003)

初版は1991年刊行。本書の特色は、年表と付録が充実している点である。約400ページにもわたる「事典」の後、付録資料として、1893年以降のデュアランドラインに関する文書や1979年のソビエト侵攻関係の資料、ロヤジルガ、移行政府の主要メンバーなど、重要ドキュメント類を収録し、55ページにも及ぶ。その後の年表は、1838年に始まった第一次アフガン戦争前後から詳細な日誌形式になり、75ページを費やしている。巻末には、50ページの文献目録を収める。なお、著者は、他に”Dictionary of Afghan wars, revolutions, and insurgencies"(1996)も執筆している。
イラン

イランを知るための65章 (明石書店, 2004.9)

全体構成は、文学・言語、芸術、宗教、歴史、地理・風土・民族、政治・経済・社会、生活文化、日本とイラン、の8部からなる。編著者が「はしがき」において、「2500年の歴史と文化を縦軸に、日本の4.5倍もの大地に住む人々の生活を横軸にしてイランの概略を紹介したい」と記しているとおり、一般読者向けに、現代イランの深刻な政治・経済問題よりも、悠久の歴史のなかでのイラン人の生活・文化、ものの考え方や感じ方を紹介するような構成になっており、たいへん興味深い。

Historical dictionary of Iran –2nd ed. (Scarecrow Press, 2007)

本書は、年表、序論、地図、事典、文献目録から成る。現在の「イラン」が構成されるに至った「歴史」を重視し、焦点をあてて解説しており、この一冊で過去から現代に至る「イラン」という地域の大枠をとらえることができる。イランの行政組織、行政地区ごとの人口といった基礎的な情報はもちろん、少し変わったところでは、カージャール朝期からの為政者リスト、イランの鉄道網なども収録している。巻末の文献目録も情報量に富み、本書から一歩踏み込んで研究するための指針となる。本書は第2版であるが、第1版に比べて多くの事項が追加された。追加された項目の中では、特に、「部族」(Tribe)と「女性」(Women)の事項が特徴的。「部族」の項目からは、主要部族の名称はもちろん、各部族の居住地域を地図上確認することができる。

Iran statistical yearbook (Islamic Republic of Iran, Management & Planning Organizations, Statistical Centre of Iran)

アジ研図書館では、1966年版から継続的に所蔵しているが、1980,90年代に欠号が多く、刊行年次によっては英語版とペルシャ語版がある。これは、日本での入手が難しく、当時現地で入手できるものを収集したためである。全体構成は、以下の22章からなる。土地・気候、人口、マンパワー、農林水産業、鉱業・採石、石油・ガス、製造業、水・電力、建設・住宅、貿易・ホテル・レストラン、運輸・保管・通信、金融仲介業、裁判、福祉・社会保障、教育、保健衛生・治療、文化・観光、政府財政、歳出・歳入、物価指数、国民勘定、国際統計。
サウジアラビア

サウジアラビアを知るための65章 (明石書店, 2007)

全体構成は、政治史、社会、生きる素顔、悠久の時間、政治、経済、外交、の7部から成る。サウジアラビアに関する情報が少ない日本では、有益な解説書である。編者によると、サウジアラビアを理解するためにはイスラームの理解が重要であるため、イスラーム成立期からの政治史など、イスラームに関する記述に多くのページを割いたという。現地体験を持つ執筆者らが、サウジアラビア人の宗教観と実際の意識やくらしを紹介しながら、この国について多面的に論じているのが興味深い。
クウェート

Statistical abstract (State of Kuwait, the Planning Board, Central Statistical Office)

アジ研図書館は創刊年の1964年版から継続して所蔵している。1968年からアラビア語・英語併記。また1971年に Annual statistical abstractに名称が変わっている。2000年以降はCD-ROMで所蔵しているものもある(請求記号 /Cdrom/C1232, /Cdrom/C1233)。全体の構成は、年によって異なるが、地理・気候、人口、住居、労働力、農業・水産業、エネルギー、教育・保健、貿易、金融、運輸・通信など。
オマーン

الكتاب الاحصائي السنوي = Statistical year book / Sultanate of Oman, Ministry of Development

アジ研図書館は創刊年の1973年版から継続して所蔵している。本文はアラビア語・英語併記。全体の構成は以下の10章から成る。一般情報、気候、人口・住居、雇用、農業・漁業、エネルギー・鉱物資源、貿易、運輸・通信、経済・財政、サービス(保健衛生、教育、社会サービス、情報、観光)
アラブ首長国連邦

アラブ首長国連邦(UAE)を知るための60章 (エリア・スタディーズ ; 89, 明石書店, 2011).

現在日本は、UAEに石油輸入の依存度が高く、また、日本人が中東・アフリカ地域で最も多く暮らしている国であるにもかかわらず、この国に関する知識や情報が非常に少ない。本書の編者によると、こうしたあまり知られていないUAEについて、特に人々の暮らし、女性、子供といった社会、生活レベルに関する解説を優先して編纂したという。確かにページ全体の半分以上がこれらに充てられていて、一般読者に興味深い内容となっている。なお、本書の構成は、UAEのあらまし、人々の暮らし、教育、女性、UAEを支える外国人、政治、経済、外交、日本とUAE-新時代の関係構築の9部からなる。
イスラエル

イスラエルを知るための60章 (エリア・スタディーズ ; 104, 明石書店, 2012)

本書の構成は、イスラエルという国、歴史、イスラエル歳時記、多様な言語と社会、政治と安全保障、経済発展の光と影、文化・芸術・若者、外交、中東和平問題とイスラエル、の9部から成る。パレスチナ問題、安全保障など、イスラエルを語るときに通常使われる切り口に加えて、歳時記や人の一生、言語、料理、文学、音楽や映画、メディアなどを取り上げ、イスラエルのユダヤ人社会の中で、一体性と多様性という相反する力が作用している状況を浮かび上がらせようという編者の試みが反映された構成となっている。コラムも含め、イスラエルでの生活の様子が生き生きと伝わってくる内容が多く、興味深い。

Historical dictionary of Israel –2nd ed. (Scarecrow Press, 2008)

本書は、年表、序論、事典、文献目録から成る。複雑な政治的・国際的背景をもつイスラエルについて、学生、学者、ジャーナリスト、さらにはイスラエルに興味を持った一般の人々にとっても有益で必要と思われる基礎的かつ総合的な情報をまとめた一冊。現代政治の背景を理解するためのツールとともに、その動向を追うためのツールを提示している点が特徴。巻末の文献目録は、さまざまな立場の著作をとりあげるとともに、分野別に分けられていて使いやすい。特に政治分野についての情報量が豊富で、この分野に関心のある人々にとって有益と思われる。政治団体やシンクタンクのインターネット・ソースについても言及がある。

Statistical abstract of Israel (Central Bureau of Statistics) [ISRAL/0A1/2002]

イスラエルの基本統計。政府統計局の発行。収録データは地理・人口、移民、家庭、健康、社会福祉、教育、文化、行政、治安、労働・賃金、価格、国民経済計算、貿易、金融、農業、製造業、エネルギー・水、建設業、観光、交通・通信、R&D、環境など。英語・ヘブライ語併記。

ヨルダン

The Palgrave handbook of the Hashemite Kingdom of Jordan / P.R. Kumaraswamy, editor [MEJO/308/P1]

ヨルダンの主に政治、経済、社会分野の概説書。社会、経済と環境、政治とアイデンティティ、外交と安全保障の4章からなる。周辺のアラブ諸国が絶えず政治的な不安定さを抱える中で、ヨルダンは、資源も少なく、国内のパレスチナ人問題、周辺諸国からの難民を抱えながらも生き残ってきた理由が本書から垣間見える。各章では、外国人労働者、キリスト教徒やマイノリティ、持続可能な発展、市民権、国籍、ヨルダン川西岸やエルサレム、ヨルダン-ハマス関係、政治改革、パレスチナ人、外交政策、サウジアラビアやイスラエルとの関係、IS等が取り上げられている。喫煙の章では、ヨルダンにおける喫煙に関する産業、政府の政策、社会的な意味合い等に言及されており、興味深い。

Statistical yearbook (the Hashemite Kingdom of Jordan, Ministry of National Economy, Department of Statistics)

アジ研図書館は初版の1958年版から所蔵している。1998年版からCD-ROMも併せて所蔵。言語は英語とアラビア語の併記。全体の構成は、気候、人口、人口動態統計、労働・賃金、農業・環境、産業、電力・水、建設、国内貿易、運輸・通信、教育、保健、観光業、文化・情報、治安・裁判、社会保障、社会・シンジケート、通貨・銀行、財政、海外貿易・国際収支、消費者物価指数、国民勘定、の22章から成り、直近5~8年分のデータを収録する。


ヨルダンの統計局のウェブサイトからダウンロードできる。


http://dosweb.dos.gov.jo/product-Category/statistical-yearbook/

レバノン

Historical dictionary of Lebanon (Scarecrow Press, 1998)

本書は、年表、地図、序論、事典、文献目録から成る。収録する事項は、レバノンの政治、経済、社会、文化、宗教、民族に関する重要な人物、政党、グループ、および歴史的な事件、クーデタ、内戦等で、20世紀以降に関する事項が中心である。文献目録も有益。

Who's who in Lebanon (Publitec Publications)

初版は、1963年で、"Who's who in the Arab world" の別冊として隔年で刊行されている。I章:人名録、II章:会社・団体、III章:一般サーベイ、で構成される。特に、III章では、前段で、地理、歴史について解説した後、レバノン憲法など、ドキュメント類を掲載する。そして後段がダイレクトリーになっており、政府、地方自治体、議会、大使館や対外団体など、政治関連機関、経済、文化、メディア関係など多数の機関を収録する。
シリア

シリア・レバノンを知るための64章 (エリア・スタディーズ ; 123, 明石書店, 2013)

シリアとレバノンはしばしば一まとめに扱われるが、本書では二カ国をセットで扱うことで、両者の共通の歴史、互いによく似た面と異なる面を浮き上がらせる。両国の総合的理解のために、自然環境と歴史の歩み、政治や経済だけでなく、宗教・宗派、人々の暮らしや社会の生き生きとした動き、文学や音楽・映画についても解説されている。内容はシリア内戦開始以前に絞ったとのことだが、「気の遠くなるような破壊と殺戮が終わってシリアの再建に向かい合うとき、本書がレバノンも含めて描き出すこの地域の姿は、必ずや資するものがあると考える」という編者の言葉が重く響く一冊である。

المجموعة الإحصائية السنوية=Statistical yearbook


الجمهورية العربية السورية, رئاسة مجلس الوزراء, المكتب المركزي للإحصاء

本書のタイトルは2006年版まで以下のとおりで、アジ研図書館では、若干欠号はあるものの、創刊号から継続して所蔵している。
المجموعة الإحصائية السورية=Statistical abstract of Syria.
全体の構成は、自然、人口・人口動態、人的資源・労働力、農業、工業、建築・建設、運輸・通信、観光・文化・情報、外国貿易、価格・国内貿易、教育、保健衛生、裁判、財政、国民勘定、の15章から成る。
パレスチナ

Encyclopedia of the Palestinians (Fitzroy Dearborn Pub., c2000)

パレスチナの近現代史と社会の概要について、1冊で理解できるような約400項目を選び、解説したもの。カバーする年代は、大別すると、オスマン朝末期のエジプト占領期(1931-40)から英国のパレスチナ征服まで、1917年の英国支配から1948年の第一次中東戦争期まで、そして1948年のパレスチナ人の離散以降、の3つの時代をカバーする。しかし、やはり20世紀以降、特に1948年以降の出来事、人物に関する比重が大きい。各事項がアルファベット順に掲載され、その中には主要人物、事件、用語解説の他に経済史、教育、社会、文学などパレスチナに関する主題別の解説や、パレスチナ問題との関連でエジプト、湾岸危機といったアラブ主要国、主要な事件の解説が含まれる。

100 years of Palestinian history : a 20th century chronology (PASSIA, Palestinian Academic Society for the Study of International Affairs, c2001)

本書は、パレスチナのNGOであるパレスチナ国際問題研究学術協会によって編纂された、20世紀のパレスチナに関する年表。各年次については、エルサレム、パレスチナ、地域、世界、の4つに大別され、それぞれ主要な出来事、人物について日付順に、写真、地図、イラスト等を豊富に掲載し解説する。

Statistical yearbook of Palestine / Palestinian National Authority, Palestinian Central Bureau of Statistics

Statistical abstract of Palestine(創刊2000年)から2011年に誌名が変更された(アラビア語タイトルكتاب فلسطين الاحصائي السنويは変更なし)。前誌同様、パレスチナ領のパレスチナ人、1948年占領地内(すなわちイスラエル)のパレスチナ人、ディアスポラのパレスチナ人の各章で構成されている。西岸とガザ地区のパレスチナ人について最も多くのページが割かれ、農業・土地利用、環境・資源、人口、人口動態統計、保健、教育、文化、IT、住居、生活状況、治安・裁判、労働・賃金、国民勘定、価格・物価、運輸・通信、建設、工業、観光、サービス、商業、外国貿易・国際収支、金融・保険、投資等に関するデータを収録する。イスラエルのパレスチナ人についてはイスラエル統計局等のデータ、ディアスポラのパレスチナ人については主にUNRWAのデータを基に、人口や教育、労働等のデータを収録する。
なお、以下のパレスチナ中央統計局のウェブサイトから各種の統計資料がダウンロード可能である。
http://www.pcbs.gov.ps/
イエメン

Historical dictionary of Yemen–2nd ed. (Scarecrow Press, 2010)

本書は、地図、年表、序論、事典、文献目録から成る。編者の言にあるように、現在、中東の中でイエメンはもっとも人々に知られていない国の一つであるが、その地理的な位置から、過去には交易上の重要な地位をしめていた。そのようなイエメンの歴史の、過去から現在までを事典に収録している。上述のような編者の問題意識を反映して、内容は一般の読者にとって読みやすいよう配慮されている。また、年表は箇条書きではなく、文章として詳細に記述されたもので、初学者にとっては年表を読むだけでもイエメンについての基礎的な歴史を知ることができるだろう。一方で、長文の年表のため、読みやすさ、一覧性には欠ける。文献目録も豊富で、主題ごとに分類されているため使いやすい。本書は第2版であるが、第1版刊行時(1994年)から大きく変化した国家、社会の状況を事典の中で詳細に説明しており、現在に重点が置かれた内容になっている。一方で、過去(おおまかに1970年代以前)については相対的に記述が少ないため、これらの時代について知りたい場合は、本書の情報だけでは不十分かもしれない。
トルコ

Historical dictionary of Turkey --3rd ed. (Scarecrow Press, 2009)

初版は1994年。全体の構成は、年表、地図、序論、事典、付録、文献目録。年表を見ると、1923年のトルコ共和国成立以降について詳細になっているように、本書は主にオスマン朝崩壊後の歴史的人物、事件、地理、政治、経済、社会文化等に関する事項を扱っている。巻末の付録には、オスマン朝期から現代までの国王、大統領、首相のリスト、1923年以降の総選挙結果、基本経済指標を掲載。文献目録は120ページに及ぶもので有益である。

Türkiye istatistik yıllığı = Annuaire statistique de la Turquie. (Devlet İstatistik Enstitüsü)

トルコの総合統計年鑑。初版は1928年。アジ研図書館は1963年版から欠号があるものの継続して所蔵している。トルコ語・英語併記。全体構成は主に以下の項目から成る。国土・気候、環境、人口・移動、人口動態、保健衛生、教育・文化、観光、裁判、選挙、社会保障、労働、農業、ビジネス統計、エネルギー、運輸・通信、海外貿易、価格・指標、購買力平価、通貨・銀行・保険、財政、国民勘定、収入・生活状況、消費支出・絶対貧困、労働・賃金構造、科学技術・情報通信、年によって幸福度や消費者信頼感指数の掲載もある。
エジプト

現代エジプトを知るための60章 (エリア・スタディーズ ; 107, 明石書店, 2012)

本書が取り上げる「現代エジプト」とは、王制を廃止して共和制をしいた1952年の7月革命以降をさす。全体の構成は、国土の特徴と風土、特色豊かな都市と地域、アラブ民族主義の目覚め—共和制の成立、独裁への道、エジプト革命、宗教、生活、社会、大衆文化、経済の10部60章と12のコラムからなる。編者によると、現代のエジプトの人々の顔が見えるような本作りを意図したという。たとえば、海外出稼ぎ、ゴミ収集人や露天商といったインフォーマルセクターや庶民の生活を豊富に取り上げるなど、十分にその意図が伝わってくる親しみやすい内容となっている。

Statistical yearbook. Arab Republic of Egypt (Central Agency for Public Mobilisation and Statistics)

エジプトの統計年鑑は、Statistical handbook of the United Arab Republic、Statistical handbook. Arab Republic of Egyptなどと名前を変えながら今日に至るが、アジ研図書館は、Statistical handbook of the United Arab Republicの1964年版から継続して所蔵している。以前は英語版とアラビア語版が別々に出されていたが、1999年版から英語・アラビア語併記になった。全体の構成は、地理・気候、人口、人口動態統計、労働力、農業 ・土地開墾、工業・石油・エネルギー、住宅、運輸・通信、価格、金融・銀行、教育、保健衛生、観光、文化・情報、司法、協会・団体、社会保障、外国貿易、国民勘定、アラブ・海外投資、環境統計、一般指標・データ等からなる。収録する統計デ ータと刊行年のタイムラグが1年以上あることに留意。

スーダン

Historical dictionary of the Sudan --4th ed. (Scarecrow Press, c2013)

初版は1978年。このシリーズの一連の図書と同様に、地図、年表、序論、事典、付録、文献目録で構成される。2002年に出された第3版から大幅にページ数が増え、内容もかなり改定されている。序論は、ダルフール紛争や南部の分離独立を反映して、土地と人々、歴史、独立後、イスラム主義者の支配と南部、ダルフール、経済発展に分けて解説されている。第3版にあった18世紀のアフリカ人の服装や住居の写真、探検家、支配者の肖像などの写真は削除され、事典では、南部やダルフールの多くをカバーし、また近年の歴史により注意が払われた構成となっている。
リビア

リビアを知るための60章 (明石書店, 2006)

本書は2006年の刊行であるため、カダフィー政権下のリビアについて解説したものだが、リビアに関する書籍や情報が少ない日本では有益な概説書である。全体は、リビアの地理、歴史、民族、生活・文化、天然資源、日本との関係等、幅広いテーマ60章で構成される。カザフィー政権の成立と政治体制、国際社会との関係、日本との経済関係、といった政治外交問題だけでなく、リビアを身近に感じられるような料理、スポーツ、宗教と実際の裏表、若者意識といった章を多数含んでおり、興味深い。
チュニジア

Annuaire statistique de la Tunisie

初版は1940/46年版で、アジ研図書館は1954/55年版から所蔵。フランス語・アラビア語併記。全体は20章程度で構成されており、内容はおおよそ以下のとおり。気候、人口、教育・文化、公衆衛生、裁判、雇用・賃金、農業、エネルギー、工業、観光、運輸、技術・通信、商業、海外貿易、通貨・銀行、国家財政、国民勘定、環境、付録。

Historical dictionary of Tunisia --2nd ed. (Scarecrow Press, 1997)

初版は1989年。全体の構成は、年表、チュニジアの支配者(800-1997)、地図、序論、事典、文献目録。序論では、地理、人口、経済、歴史に分けて解説する。文献目録は100ページ以上にも及び、かなり充実している。
アルジェリア

アルジェリアを知るための62章 (明石書店, 2009)

全体の構成は、自然環境と生態、謎に包まれた古代史、イスラーム文明の時代、フランス植民地統治の時代、独立と国家建設の歩み、現在政治と経済、国際関係のなかのアルジェリア、日本とアルジェリア、日常生活にみえるアルジェリア文化、の9部からなる。編著者によると、本書の基本方針は、アルジェリアについて「内側から理解しようとしたこと」、「古代から現代までを通して歴史的に理解すること」、「アラブ・イスラームの一員としてのアルジェリアの特徴を描き出そうとした」、「旅行・生活情報を取り上げ、実用書としても役立つようにした」の4つだという。また、1970年代の在留邦人数が約3500人にも及んだというが、日本・アルジェリア関係の理解のために、アルジェリアでのビジネスマンの奮闘記や個人の生活体験などを盛り込むなど、工夫が凝らされていて、興味深い。

Annuaire statistique de l'Algérie. Nouvelle série (Direction générale du Plan et des Etudes économiques)

アルジェリアの統計年鑑。初期はフランス語のみのだったが、No.13(1987)からフランス語英語併記となり、No.14(1990)~No.17(1993/1994)はフランス英語アラビア語併記となった。No.18(1995/1996)からはまたフランス語英語併記に戻っている。内容は年によって異なるが、気候、人口、住居、雇用、保健、教育、社会保障、行政機関、農業、産業、運輸、通信、観光、環境、外国貿易、物価、消費、賃金、金融、国民勘定等。

Historical dictionary of Algeria --3rd ed. (Scarecrow Press, 2006)

初版は1981年。このシリーズの一連の図書と同様に、主な全体構成は、地図、年表、序論、事典、付録、文献目録である。年表が1992年の市民戦争以降について詳細に記されているように、本編の事典部分についても第2版に比べて、市民戦争と国家の再制度化、再民主化の論争に焦点があてられている。巻末の付録には、アルジェリアの指導者・閣僚名簿、基本統計等が掲載されている。
モロッコ

モロッコを知るための65章 (明石書店, 2007)

本書の編者が「従来の概説書をなぞるのではなく、新しい研究・考察に基づくオリジナルな『モロッコ発見』を意図した」と記しているように、モロッコの魅力を引き出すようなテーマと切り口の設定が見られるが、基本的な地理、歴史、文化、宗教、政治、社会が理解できるようになっており、有益である。全体は「生態的多様性と豊かな自然の恵み」「地域史のなかのモロッコ、世界史のなかのモロッコ」「文化におけるローカリズムとグローバリズム」「聖性とタブーの空間」「内なるモロッコ、外なるモロッコ」「伝統と革新、政治・社会・文化に見える両面性」「オリエンタリズムとツーリズム」の7部構成で、モロッコに滞在経験のある19人が執筆を担当している。

Annuaire statistique du Maroc (Service central des statistiques)

アジ研図書館は創刊年の1958年版から若干の欠号があるものの、継続して所蔵している。言語はフランス語・アラビア語併記。内容は年によって異なるが、領土と人口、農林水産業、鉱業、エネルギー・水、工業、建設業・不動産業、運輸、通信、観光業、教育、保健衛生、社会福祉、雇用・賃金、司法・児童保護、文化活動とレジャー・国際協力、価格、海外貿易、通貨・貸付、株式、財政、国民勘定、環境等。

Historical dictionary of Morocco --2nd ed. (Scarecrow Press, 2006)

1980年にWilliam Spencerによって初版が刊行されているが、その後、ParkとBoumの2名が執筆を担当し、現在2版まで刊行されている。全体は、地図、年表、序論、事典、付録、文献目録からなるが、このシリーズの一連の図書とはやや特徴が異なる。本書は、まず本論の事典では、たとえば、”Political Parties"という項目について約20ページを割いて近年の選挙結果のデータを掲載して解説するなど、データを掲載して解説している点、地図については、歴史地図、マグリブ地域全体図、言語分布図、現在の地方自治区分図など29枚を収録している点、付録では、各王朝期、スペイン保護領期、そして独立後の政府の閣僚名簿が収録され、独立後の閣僚名についてはアラビア文字付きの索引がある点、など随所に工夫がなされている。さらに、文献目録は、240ページにも及び全体の3分の1以上を占める。中東地域のこのシリーズのなかではかなり充実した1冊である。なお、2名の著者は人類学者。
西サハラ

Historical dictionary of Western Sahara --3rd ed. (Scarecrow Press, 2006)

初版は1982年でHodgesが執筆したが、本書の第3版については第2版から執筆に加わったPazzanitaが担当。彼は”Historical dictionary of Mauritania”(1996)も執筆している。西サハラは1975年にスペイン支配から脱したものの、隣国のモーリタニアとモロッコの領有権争いや、独立を画策するポリサリオ戦線との対立など、いわゆる「西サハラ問題」が続いた。その後、ポリサオ政権はサハラ・アラブ民主主義共和国を樹立し、国連、アフリカ連合など多数の国が承認しているが、現在でもモロッコが実効支配している状況が続いている。本書は、こうした西サハラについて歴史、人物、政治組織、社会、文化等に関する豊富な情報を提供する。年表については、1970年代以降かなり詳細に記録されている。各項目の相互参照が豊富にあるのも特色である。巻末には64ページの文献目録を掲載する。