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図書館

アジア経済研究所図書館は、開発途上地域の経済、政治、社会等を中心とする諸分野の学術的文献、
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東アジア

中国・台湾各種センサス実施状況

中国の各種センサス実施状況

2016年10月現在

1949年の中華人民共和国成立以降、1982年に『中国統計年鑑1981年版』を出版するまで、中国は統計調査を実施していながら、その実施状況、結果とも殆ど公開しなかった。全国的調査の実施には相応な予算が必要であること、確実に実施された調査の情報があることから、その結果は、国家の政策決定機関や特定分野の研究者に限って公開されたものと考えられている。
中国の代表的センサスの実施状況について簡単にまとめた。

人口センサス
1982年に実施された第三回人口センサスが、分野を問わずセンサスとして初めて結果を公開されたものである。アジア経済研究所図書館では、当時29あった省・市・自治区のうち、24省の省別結果報告書を複製で所蔵している。欠落部分のある複製版とはいえ、貴重な資料である。
人口センサスについては、その後1987年に1%抽出調査が実施され、この結果報告からは外国でも報告書を入手し易くなった。1990年以降は西暦の末尾が0の年に全数調査、5の年には中間センサスとして抽出調査(2005年までの抽出対象は1%)が実施されている。1%抽出調査といっても、世界一人口の多い国のこと、1,300万人を超える人数になる。直近の調査は2010年に実施され、結果報告書が出版された。

農業センサス
1997年に第1回目の調査が実施された。初めての調査が第1回工業センサス(1950年実施)より50年近く後に実施されたというのは意外である。当時中国の農業問題、食糧問題は諸外国からも注目を受けていただけに、その結果発表が待たれていたが、一番早い結果報告書でも調査から2年余り経ってようやく出版された。調査項目には、牧畜業、林業、漁業も含まれているが、結果報告書ではあまり明確な形で扱われていない。むしろ郷鎮企業の事業のほうが大きく取り上げられている向きがあるのが特徴である。
2016年に第3回の調査が行われる予定である。

鉱工業センサス
1950年に「第一次工業普査」が実施されたが、その結果は公表されなかった模様である。第2回工業センサスは国連の支援を受け、1986年に実施された。

第三次産業センサス
サービス業のセンサスで初回調査は1993年に1991年から1992年を対象として実施された。

基本単位センサス
事業体センサスとほぼ同義の調査で初回調査は1997年に1996年を対象として実施された。

経済センサス
2004年12月31日に初めて実施された経済センサスは工業センサス、第三次産業センサス、基本単位センサスを統合したもので、ここで中国の統計調査システムが改編されている。2004年に行われた初回の調査は、実施にあたり、各所に広告が設置されるなど事前準備も大々的に行われていた。当初の結果報告書は全国版のみであったが、省別結果報告書が順次発行されている。今後行われる調査のための基礎調査という位置づけである。
2013年12月31日に第3回経済センサスが実施された。調査結果が順次刊行されている。

社会センサス
表に含めなかったが、障害者に対する全国規模の抽出調査も実施されており、2006年4月に第二回調査が行われ、報告書が既に出版されている。

一般に中国のセンサス結果は、一度印刷した集計結果を政府関係者や研究者に限って公開し、その後販売のための出版が行われると言われている。研究者や政策決定に関わる政府関係者の間では「公開」されていても販売はされておらず、図書館や書店、一般人の立場からは「非公開」の調査も含まれている。過去に遡るほど、当時の国内情勢を反映しその傾向が強まる傾向にある。「中国の各種センサス実施状況」は、一般利用者が直接資料にアプローチできるかどうかを基準に作表したものとご理解いただきたい。
実施された統計調査の内容については、複数の学術論文が書かれているので、研究者の手に委ねたい。
また、近年、中国国家統計局が最近の各種センサスをウェブサイト(http://www.stats.gov.cn/)上で公開し始めた。PDFファイルのもの、検索できるものと、かなりばらつきがあるが、統計情報の公開性が高まった。古い統計関係の公報なども公開されており、公開されていなかったセンサスの結果概略がわかるようになっている。

参考文献
石原享一「中国統計システムの改革」(『アジア経済』35巻8号(1994年8月))

台湾の各種センサス実施状況

2016年10月現在

台湾は東アジアで最も統計制度が整った国・地域の一つである。
太平洋戦争後、国内情勢が落ち着いたころから、台湾の行政院主計處(2012年2月から行政院主計總處)は常に統計調査とその結果の出版に非常に力を入れる政策を執ってきた。特にセンサスについては人口センサスと産業センサスに重点を置き、基礎的調査事項をしっかり押さえるという調査方針を貫いている。これはセンサス結果が長期的政策に反映されることと関連がある。
台湾のセンサスの実施状況を簡単にまとめてみた。

人口センサス は1956年から実施された。1970年以降は西暦の末尾が0と5の年に実施されていたが、21世紀に入ってから、西暦の末尾が0の年のみの実施となった。最新の調査は2010年を対象に実施された。

産業センサス については、第一次産業である農業センサスのみが独立し、第二次・第三次産業が一緒に実施されているのが台湾の産業センサスの特徴である。

農業センサス は1956年から抽出調査として実施された。1970年代からは西暦の末尾が0と5の年を対象に実施されている。漁業センサスは1964年と1975年に独立して実施された後、1980年の調査で農漁業センサスとなり、さらに1990年以降は牧畜業、林業も加えて農林漁牧業センサスとして、現在に至っている。最新の調査は2010年に実施された。

工商業センサス は1954年に実施された初回から、工業と商業に対する調査が実施されてきた。実施開始が人口センサスよりも2年早い点が注目される。1991年からは、サービス業もタイトルに含まれるようになった。1961年以降、西暦の末尾が1と6の年を対象に実施されている。最新の実施は2011年で、2013年に結果報告書が公開された。

近年のセンサス情報は行政院主計總處がウェブサイト上
(http://www.dgbas.gov.tw/ct.asp?xItem=13213&CtNode=3504&mp=1)
で公開している。まだ長期的調査には冊子体資料の情報が欠かせない。