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環境・資源

環境 Development and the Environment

セネガルのトゥバクータ地域のマングローブ
セネガルのトゥバクータ地域の
マングローブ
発展途上国では、大気汚染、水質汚濁、森林破壊、砂漠化など、さまざまな環境問題が発生しています。また、地球温暖化やオゾン層の破壊等の地球環境問題に関しても対応を求められるようになってきています。

発展途上国での貧困の問題を解決していくと同時に、環境問題にどう対処していくべきかという問題意識が1980年代後半に広がってきました。そのきっかけとなりましたのが、国連が設置した「環境と開発に関するブルントラント委員会」です。1987年に、委員会の報告書として『我ら共有の未来(Our Common Future)』が発表され、そのなかで、「持続可能な発展(Sustainable Development)」の概念が提唱されました。「持続可能な発展」を、「将来世代が自らのニーズを充足する能力を損なうことなく、今日の世代のニーズを満たすことである」と定義し、そのための方策をまとめています。将来世代の欲求を満たせるように環境・資源を維持しながら、今日の世代の貧困を克服していくような発展を、「持続可能な発展」と呼び、新たな発展のあり方が模索されています。
タイのアユタヤ県の小学校の給食用のバナナ畑
 
タイのアユタヤ県の小学校の給食用のバナナ畑
経済発展と環境問題の関係は一様ではありません。鉱山開発や農園開発、森林伐採等は、貴重な生態系を破壊する可能性があります。工業化や都市化は、大気汚染や水質汚濁につながる物質の排出量を増大させます。適切な対策が行われなければ、汚染物質により健康被害などが生じます。一方、所得の増大は、環境対策へ投資する財源を見つけやすくなる可能性もあります。

環境問題というと、技術的な対応を思い浮かべがちですが、環境問題の発生の背景や各国の環境問題への対応の違いに関しては、各国の法律の整備状況、司法の機能、経済政策、被害者やNGOの運動などについての理解が欠かせず、社会科学的な分析が必要となっています。

開発と環境の問題を考える際に、ヒントになるのが、日本を始めとした先進諸国の経験です。とくに、東アジアのなかでも産業化に先行した日本において、その過程で発生した産業公害とそれへの対策の経験が内外から注目されています。そして、日本の公害対策経験を踏まえた発展途上国への環境協力も模索されています。しかし、ある一国の経験を他国に移転するのは簡単ではありません。移転の対象となる現地社会の研究はもちろんのこと、成功例とされる経験でも、それが可能になった時代的な背景や社会経済的制度の理解に加えて、その変化のダイナミズムを明らかにすることが必要です。