skip to contents.

グローバリゼーション-経済 Globalization

貧困削減に活かすためのルールづくり

バングラディシュの輸出向け縫製工場:外資
バングラディシュの輸出向け
縫製工場:外資
グローバリゼーション(globalization)とは、物事が地球(the globe)規模で進行することです。交通・通信手段が発達するにつれ、人々の生活空間は自分の住まいの周辺からその外へと拡大していきます。その拡大の究極が「地球」です(ただし、宇宙旅行が普及しないうちは、および宇宙人が来訪しないうちは、との限定つきですが)。

世界各地の人々はグローバリゼーションにより、様々な形で他国と出逢います。輸入品、外国人、海外旅行、伝道、洋画、洋書、スポーツの国際試合、衛星放送、そして戦争。他国との出逢いは、時として人々の生活に大変革をもたらしました。

経済学は、グローバリゼーションによって活動範囲が自分の周囲から地球規模に拡大することにより、人々の選択肢が増えること、そして人々が増えた選択肢の中からより有用なものを選ぶことができることを重視し、これを貿易の利益と呼んでいます。輸出指向開発に代表されるように、「貿易は成長のエンジン」と見なして、グローバリゼーションによる新製品や知識の流入を経済成長に結びつけようとする考え方があります。一方、グローバリゼーションによって選択肢が増える前には利用されていた物やサービスが、グローバリゼーション後には用いられなくなることがあり、このような場合にはそれらの生産や供給に携わっていた人々は損失を被ることになります。このような人々の損失を補填したり、彼らが新しい経済活動にスムーズに吸収されたりするような措置が施される必要があります。

特に問題として懸念されるのが、グローバリゼーションによって損失を被るのが貧困層であった場合です。この場合には、グローバリゼーションによって経済全体は潤っても、貧困層はより貧困を深める可能性があります。この懸念から、グローバリゼーションと貧困の関係が研究対象として重視されています。「グローバリゼーションがもたらす貧困」の象徴として議論されているのが、sweatshopと呼ばれる工場です。sweatshopは輸出製品が劣悪な労働条件下で生産され、労働者が低賃金で搾取されるような工場を指しています。

経済的なグローバリゼーションと、その利益の国際的実現を目的として設立された国際機関として世界貿易機構(World Trade Organization: WTO)や国連貿易開発会議(United Nations Conference on Trade and Development:UNCTAD)があり、物の国際的取引のみならず、サービス貿易や海外投資、知的財産権国際人口移動にも目配りしています。しかし現実には、世界各国が主として自国の利益を念頭に置いて行動するため、世界全体の利益や貧困削減は往々にしてないがしろにされます。例えば、最貧国が潜在的に競争力を持っている品目(例えば農産品や繊維製品)の輸出が、先進国の保護政策によって阻害されている場合があります。先進国内での構造調整を進め、発展途上国との間の国際分業を深めることで、貿易自由化の痛みをより減らし、世界経済の効率化と発展途上国における貧困削減を推進することが求められています。

山形 辰史