ペルー海岸部中部の綿花生産
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ラテンアメリカ
2012年4月28日、国内の綿花生産の中心地であるリマ州カニェテ市、イカ州ピスコ市で綿花の生産チェーンに関する調査を行いました。
ペルーの綿花生産や貿易の現状については、ペルー情勢レポート「 ペルーにおける綿花生産の減少 」をご参照下さい。
午前6時半、カニェテ市近郊の綿花畑。収穫前に畑で朝食をとる。作業を行うのは山間(シエラ)地方からの出稼ぎ労働者が多い。
腰に収穫用の袋を巻き付ける。異物の混入を避けるため、綿製の袋を使う。化学繊維の混入には気を遣う。
品種は国内で開発された超長綿(extra larga)のIPA59。このあたりでは、長綿のタンギス種の生産も多い。超長綿のピーマ種は北部のピウラ州で生産される。
収穫前の綿花。この地域のIPA59では、播種後、190日に第1回、20日後に第2回、さらに15日後に第3回の収穫を行う。
収穫はすべて手作業で賃金は歩合制。1キンタル(約46キログラム)につき23ソル(690円)受け取る。多い人は日に4キンタル収穫する。
袋が一杯になると畦に並べておく。葉っぱなど異物がたくさん混じっている。生産者が監督者(caporal)を雇い、彼が人繰りも含めて収穫作業を管理する。
畦には、収穫人の数だけマンタ(綿花を包む綿製の布)が並ぶ。
マンタに収穫した綿花を広げて異物を取り除く。
綿繰り工場(desmotadora)に搬入。トラックごと重量を量る。
この工場ではタンギス種のみ加工する。工場の買い入れ価格は1キンタル122ソル。工場が生産者に代金を支払い、生産者が監督人を通じて労働者に賃金を支払う。
工場内に積まれた綿花。イカ州ピスコ市にあるこの工場は、収穫期に当たる2~6月は24時間稼働。原棉(綿花)を2万7000キンタル(1万2000トン)保管、1時間150キンタルの処理できる。
品質を確かめるために、繊維の長さをみる。タンギス種の場合、2.65キンタルの原棉から1キンタルの綿繊維が得られる。
米国製の綿繰り機。これは比較的新しいが、80年以上稼働している機械もある。
綿繰り機が綿花から種を取り除く。種は食品企業に販売する。
綿実油や家畜の飼料の原料になる。
綿繊維は圧縮機にかけられる。これは高圧圧縮機。
1束約550キンタル(約250キログラム)。ロット番号、重量、綿花の産地、企業名をプリントする。
ここから国内の紡績工場や、輸出用は港へ出荷する。
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